○山花委員 私は、そういう意味では無関心過ぎると言わざるを得ないわけでありまして、これは
行政指導の形、さまざまな手法があると思いますけれども、やはりそこまで襟を正して、具体的な、直接的な努力をしていかなければならないのではないかと、このことを重ねて強調をいたしたいと思います。
事例として私は二つのケースを挙げたいと思うのですけれども、一つは一般競争
入札を採用した自治体の例であります。一つは指名競争を従来どおり採用しておりますけれども、実効を上げた例であります。
前者は岡崎市の場合でありまして、過日市長さんにもお会いしていろいろ
お話を伺ってまいりましたけれども、岡崎市の場合には、御
承知のとおり昨年から
入札制度を、原則を一般競争
入札に置きました。もちろん指名及び混合という形での
入札の方式
もとっておるわけでありますけれども、大変努力をされております。私が伺って、昨年の四月からことしの一月いっぱいまでの経過について伺ったわけでありますけれども、土木、建築、電気、管工事ど四つに分けまして、土木については
入札件数二百三十一、落札件数二百二十二、それから建築につきましては
入札件数七十八、落札件数七十六、電気につきましては
入札件数二十二、落札件数十九、管工事につきましては
入札件数六十四、落札件数六十二、合計
入札件数が三百九十五で落札件数が三百七十九であります。落札の金額は六十億五千三十四万円、これが一般競争
入札で落としたものであります。
指名
入札につきましては、
入札件数百四十九、落札件数百四十四、落札金額が二十四億二千三百六十四万円で約二八四%、混合契約は三件で落札件数が二件、金額は三千七十万円、落札のトータルが八十五億四百六十八万円という経過になっているわけですが、一般
入札を原則といたしまして、いま申し上げましたような実績を約一年間、岡崎市でも振り返っております。
結論的には大変順調にこの一年間進んだのではなかろうかというのが市当局の見解でありまして、たとえばダンピングの問題、手抜き工事の問題、従来言われている一般競争
入札につきましての
課題についてはどうかということについて伺いましたけれども、岡崎の場合、大変特徴的でありますのはオンブズマン制度、行政監察室を部長責任者で持ちまして、工事の施工その他につきまして、執行を含めて行政監察室がかなり点検をしております。一年間業者の不満もなかったし、あるいは手抜き、ダンピングなどについてもなかった、こういうように言っているわけであります。新聞報道によりますと、昨年の段階でありますが、大体予定価格に対して一〇%から一五%低い価格で落札されたとありましたけれども、この予定価格につきましては公表しておりませんが、私がいろいろ伺った感触では、大体予定価格より五%から一〇%低いところで、要するに九〇から九五のあたりで落ちているというのがほとんどのようであります。静岡の場合のように九九・七というようなことにはならないわけでありまして、大体九〇から九五あたりで落ちて、
業界も一応これでスムーズに運営してきている。大変苦労の跡が見られまして、この点は大変参考になるのではなかろうかというように思いました。
指名
入札を採用いたしましたのは田無市の場合でありまして、田無市の方も二、三日前に市長さんにお会いして、いろいろ担当の方に伺ってまいりましたけれども、これは指名
入札をとりながら大変工夫をしております。
入札の段取りやらへあるいは誓約書を自筆で書かせるというようなことをも含めまして、指名
入札をとりながら大変慎重に事を進めまして、これはあちこちから知恵をおかりしたようですけれども、なかなか具体策、実は
建設省でも会計検査院でも公取でも教えていただけなかったということで、独自の、この市役所の新築工事という一つだけにしぼりまして規定をつくりまして、これに基づいて
入札を行いましたところ、落札価格が二十四億七千九十万円で、これは約二億五千万円予定価格よりも低かったということだそうであります。
たとえば岡崎の場合ですと、年間の
公共工事
事業量が約百億と伺っておりますので、五%から一〇%税金節約ということになりますと、五億から十億ということになります。田無の場合には、比較的
規模が小さい自治体でありますけれども、
人口六万七千、
予算は年間の一般会計が百億でありますので、一つの庁舎で二億五千万円節約ということになりますと大変なお金の節約になっているわけでありまして、かつ、田無の場合にはこれからの検証が必要でありますけれども、岡崎の場合には問題となりました手抜き、ダンピング等がないということで、まさに公正な価格で、談合抜きで落札する。そこで、いわばそうした意味での税金の節約ということがかなり実効を期している、こういうことでありまして、そうした幾つかの自治体は、いわば国が当面の
対策あるいは長期の
対策を可及的速やかにとおっしゃっているその過程の中ですでに努力をして、いろいろ工夫をし、実践をしているわけであります。
そういたしますと、
先ほどの積算ミスの問題一つとりましても、百億からの計算違いでむだ遣いがあるというのに、
建設省の
対策につきましても、注意しろという程度ではなまぬるいのではなかろうか。各自治体の努力などにつきましても、そこまで進んでいるわけでありますから、かつ、各自治体は、
建設省が一体どんな
対策を出してくれるだろうかということにつきまして、大変関心を持って見守っているわけでありますから、この辺につきましてはひとつ御努力をいただきまして、できる限り具体的な策を、各方面の
意見を聞いた上で出していただきたいというように思いますけれども、この点につきましての御見解を伺いたいと思います。