○和田(一)
委員 このシーレーンの防衛ですけれども、一体シーレーンとは何だという定義からいろいろ論議をされてきたわけでございますが、それも
委員会その他を通してだんだんと明確になってきているのではないか、こう思います。きょうの
委員会も含め、またさきの参議院の
委員会でも
防衛庁の
見解等が示されまして、大分はっきりしてきた、こう思うわけでございます。
従来は、シーレーンと言えば
日本への輸送のルート、海洋国家として食糧を初めその他の資源、いろいろなものを海外から運んでくる、そういう食糧その他の資源の輸送ルートで、主に
日本の南東、南西の航路帯というものがあるのだ、これを中心とする船舶保護、こういったものがシーレーンだという大まかな考え方があったわけです。それが最近はっきりしてまいりまして、先ほども御答弁の中にございました、
海上交通の確保というお言葉を使われましたけれども、そういう意味で特定の航路帯、一本あるいは二本の航路帯を示すのではないのだ、こういう御答弁だったと思います。シーレーンというのは、つまりシーレーン・イコール航路帯ではなくて、航路帯というものがむしろシーレーンの中の
一つの形態である、こういう解釈をとられているのだと思うわけです。
これは、最近そういうことが私どももはっきり
認識できるようになりましたけれども、初めのころの
日米間のこのシーレーンのとらえ方というものには大変ギャップがあったのではないか。つまり、線でとらえているのか面でとらえているのか、こういう意味で大きなギャップがあったように思うのです。つまり、アメリカ側が言っているのは、グアム以西、フィリピン以北、こういった北西太平洋がシーレーンだ、こういう言い方をしておったと思うのですが、こういう意味でシーレーンそのものが解釈として当初アメリカ側が言っていた面的なものへとだんだん広がってきたような気が私はするわけですが、この点がそうであるかどうか。
それからもう
一つ、白書の中では、先ほどの御答弁もあるように、三次防、四次防のころからこういったものは
一つの柱としてちゃんと考えていたということを言っておられます。それは
海上交通の保護という言葉で統一をされておったわけですが、その
海上交通の保護ということが、先ほどの御答弁のように、決して
一つの線をあらわすものではない、こういうように考えられるという御答弁でございましたので、これは先ほど言ったようにアメリカが要請しているような面的な防衛にだんだん近づいてきたというふうに解釈してよろしいのかどうか、これが
一つ。
それから、いま
一つは、今度はこのシーレーンの性格の問題ですけれども、われわれ
国民生活にとって必要な日常の物資、こういうものの
海上交通保護、これだけではなくて、その輸送ルートの点でも、御答弁の中に、継戦能力の保持もそのシーレーン防衛の目的の
一つである、こういうふうにはっきりとお答えもされておるわけでございまして、そういう意味では、これは大変面的なとらえ方、質的にも性格的にも継戦能力の保持、こういうことが加わっているのだな、こういう理解をいましておるわけでございます。
長官は、シーレーンの防衛、これは断固確保し、守っていかなければならぬ、こういう御決意で引き続きやる、こう言われたわけでございますけれども、この二点について、もう一度シーレーンの防衛のそういった意味での意義をお聞かせいただきたい、こう思います。