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土井委員 いまの御
答弁を聞いていると、この協定を有効に機能させていくことのための基盤と申しますか、まず基礎に置いて
考えておかなければならない
部分というのがまだ十二分じゃないし、先の見通しも明るくないということですから、このココア協定それ
自身が効力を十二分に発揮をしていくということにもどうも私たちは疑問視せざるを得ないし、果たしてこういう協定のままでいいのだろうかという気持ちもいたします。
大臣のお時間もあるようですから、あと
一つ大臣にお尋ねをして御出発をいただいて、その後一問で私はやめます。
それはどういうことかというと、いまお尋ねをしているうちに
政府の開発
援助の問題が非常に気にかかり始めたのです。いま五カ年
計画を実施していますね。五カ年
計画の初年度で八一年度の
政府開発
援助を見てまいりますと三十一億七千万ドル。八〇年の三十三億四百万ドルに比べまして四・一%減っているのです。ふえていかなければならないはずのところが実は減っているのです。GNP比で
計算いたしましても八〇年の場合の〇・三二%に対して〇・二八%と減っていっているのです。かつて、この五カ年間の倍増
計画というのは、
日本は軍事
協力は一切できません、しかし
日本は西側の一員として応分の役割りを果たす、という
立場で昨年の南北サミットなどでも鈴木総理が強調されてきたところでございます。そういう点からいたしますと、ほかの国はどうあれ
わが国は積極的に払い込んでいかなければならない、
開発途上国の開発、民生安定のために貢献していかなければならないという
立場にあると思われるのですが、これはいま
数字を挙げた限りでも、このような状況で五カ年間の倍増
計画が達成できるかどうか。
聞くところによりますと、昨日も参議院の方では、それは達成目標だというようなことをおっしゃいまして、これに対しては努力目標であるがごときに言われておるようでありますけれ
ども、やはり一たん内外ともに言われた総理演説の重みというのは、具体的な態度で示していただかなければならぬと思うのです。そういうことからすると、努力したけれ
どもそうならなかったということは一般世上よくございますけれ
ども、初めから、努力目標だから守らなくていいとか、やってみたってできないことだろうからこの点は少し取りかえようという姿勢があってはならないと思うのです。
そこでまず
一つは、いま申し上げたとおり、五年間の倍増
計画というのは達成できるのかどうかということを第一問目として
外務大臣にお尋ねいたします。
それと続けざまに聞きますが、
外務省から出ております
資料の中に「一九八一年
わが国の
ODA実績」というのがございますが、それを見てみますと、
政府開発
援助実績の低下についてなぜそうなったかという理由として、「世界銀行、アジア開発銀行等の国際開発金融機関向けの出資・拠出の払込みに
当たり、他の諸国の払込み状況を勘案し、一部の機関に対する払込みの延期を行ったこと等によるためである。」という
説明があるのです。他の諸国の払い込み状況というのがここで書かれていることについて私はいろいろ
考えまして、
日本はアメリカを重視する国ですから、外交面においてもアメリカは無視できない、中心に
考えている国ですから、恐らくアメリカのことを念頭に置いてこういうことになっているんじゃないかと思うのです。
そこで
外務大臣、ちょっとお尋ねしますが、
通常、どこの国でもほかの諸国の払い込み状況を見た上で出すか出さないかということを決めるものなんですか、どうなんですか。私はそんなことじゃないと思うのですが。ほかの国が払い込まなければ
日本も払い込まないというふうな態度で
日本はしょっちゅうこういう問題に接してこられているのですか。そうなれば問題は別ですよ。アメリカが払い込まないから
日本も手控えました、万事こういうことでいらっしゃるわけですか。そうであるならば私は間違いだと思っていますから、
外務省が出された文書を見ておりまして、私はこの辺も非常に気にかかるので、
外務大臣にお尋ねをいたします。以上、二問。