○土井
委員 あと二点は、大事な問題なんですが、簡単に説明をして、そしてひとつ対処を要求したいと思うのです。
まず最初には、第二次大戦中に
日本軍に徴用されて、軍務中の責任を問われて戦後南方各地で戦争裁判を受けた朝鮮の方々がいます。二十三名が南方で刑死をして、生き残った方々が昭和二十六年の八月に巣鴨のプリズンに移監をされてこられたのです。戦犯になったこの方々は戦後
日本が独立をした後も科刑のときが
日本人だから刑の執行は差し支えないということで
日本政府にずっと拘禁をされ続けたのです。ところが、処遇の面では、
日本国籍を有していないという面ですべての援護
対象から外されてまいりました。
日韓
条約が妥結をした後は日韓
条約で一切は解決済みである、こういう姿勢でこの問題に対して取り扱いを進めてこられたようです。したがって、戦後三十六年が経過した今日においてもこの刑死された方々の遺骨も遺族のもとに送還されていないという状況でございまして、幾たびとなく遺骨送還に関する
請願書が国会で受理され、そして採択されるということになってきたのでありますが、このことについて事態が全く今日に至るまで実は進展していないということを私は知らされたわけであります。五十四年には「韓国出身戦犯刑死者の遺骨送還に関する
請願」というのが出されまして、社会労働
委員会の方でこれが採択をされました。しかし、現在、東京の方にございます目黒の祐天寺にこの遺骨は安置されたままになっているようであります。その方々の遺族の方のお名前も、そしてその方々がいままでどういうふうな経過があったかということも、大体文書一切を私は用意をいたしておりますけれ
ども、しかしそれについてるる細かく言う時間がないのは大変残念だと思います。
外務
大臣、この案件は非常に大事な問題だと私は思いますので、ひとつ礼を尽くして遺骨に対して遺族の方々のところにお届けする、
日本側はその責任が当然のことながらまずABCの問題としてあるだろうと思いますが、韓国出身戦犯者同進会というのがございまして、会長の李さんがこのことに対して年来ずっと
政府に対して国会に対して
請願をし続けてこられたというお
立場にございますので、外務
大臣の方から一度その事情な
どもしっかりと理解をしていただくということを私自身求めたいと思います。そしてこれに対してしかるべき対処を外務
大臣責任持っておとりいただくように私は申し上げたいと思うのですが、これが一件。よろしゅうございますね。
続けて次の問題は、私たち大変心配をいたしておりましたが、例の日朝漁業協定は期限切れになってしまいました。したがって、出航を用意していた
関係漁民の人たちは
日本海北部などの漁場で操業することができない、非常に手痛い打撃を受けるということに相なっているわけであります。今五十七年一月二十五日の衆議院の本
会議で外務
大臣は、
外交に関する施政方針演説の中で「北朝鮮との
関係については、今後とも、貿易、
経済、文化等の分野における交流を漸次積み重ねてまいる
考えであります。」と明確におっしゃっているわけでありますが、これは今後どのようにお取り扱いをお進めになるおつもりでございますか。
民間協定とはいえ、御案内のとおり、朝鮮側から日朝友好促進議員連盟が受け入れるということで団長が訪日されることに対して
日本政府が拒否したということからこの問題は暗礁に乗り上げているわけでありますから、
政府の責任がまずあるということを私はここで申し上げながら、外務
大臣がどのようにお取り組みになるかを聞かしておいていただきたいと思います。
以上、二点。