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小林(進)
委員 私は、この三
条約、
一つの
国内法案を見まして、何というつまらない、くだらない
条約もあったものだと思った。しかし、これがいわゆる
国連の
軍縮総会においでになる
総理大臣に対する
おみやげだから早く通せとなると、何でこれが
おみやげになるのか、それもわからない。わからないのであります。率直に申し上げるけれ
ども、こんなつまらない
条約、これを読みながら、私はこの表面にちょっと
メモだけさっさっとやってみた。
メモだけでも、何だこいつは、
米ソ二超大国のエゴだけからでき上がった
条約じゃないかというのがまず第一番目だ。
それから、五十六年の四月十日以後四十八カ国が署名しているというけれ
ども、批准したのが今日までメキシコ、中国、フィンランドたった
三つだ、あとは署名だけですっぽかしている。これは一体どういうのだ。
それから第一、この
兵器は、いわゆる
過度に
傷害を与えまたは無
差別に
効果を及ぼすという
兵器は非
人道的効果をもたらすおそれがある——何言ってるの、あなた。
戦争それ
自体がこれほど非人道的なものはないじゃないか。こんなことに賛成すれば
戦争自体を認めることになる。実に矛盾しているよ。
戦争は人道的だが、
過度の
兵器は非人道的だという、これはそういう逆説も成り立つ理屈なんだ。ばかばかしいじゃないですか。
それから、わが
日本は
専守防衛国だという、あなた方の
言葉だ。海外には派兵しないと言っているのだ。それなら、わが
日本に、こんな
過度の
傷害を与える地雷だのこんなトラップをもし
国内につくったとしたら一体だれが
被害を受けるのか。
日本国民が全部やられてしまうじゃないか。こんな
兵器を
日本でつくれば
被害を受けるのは
日本国民だけなんだ。
専守防衛、いわゆる海外派兵しないというたてまえから言えば、そんなばかなことを
日本がやるわけないじゃないの、気違いでない限り。こんな
条約は、
専守防衛という原則がある限りは
日本には実に無用の長物だ。なぜこんなものを夢中になって審議しなければならないのか。
それから、まだ言えるんだな。この協定の後ろに
三つばかり書いてあるが、やれ
最後は焼
夷兵器の
使用の
禁止云々とか言っているが、それといまできてる
通常の
兵器と殺傷を及ぼす
比率は一体どれだけ違うの、その
比率をひとつ言ってごらん。
数字で出してくれ。
数字を出さなければ、こんなものは
目くそ鼻くその部類だ。
それから、特に私はこの
条約に関連して言いたいが、第二次
世界大戦でB29がわが
日本の全都市を空襲をして何十万人を殺した、これは一体
国際法違反じゃないのかね。それから広島、長崎にあの原爆を落とした、これは
国際法違反じゃないのかね。もし
国際条約を審議するというのなら、私はそこら辺から入ってもらいたいな。
外務省、一体どうしているんだ。
今度も
国際条約なんかの一いろいろ書いて
国連の
事務総長に何とか管理を委託すると言っているのだけれ
ども、
国連なんというものがこの
条約を実行し
違反したものに対して一体どれだけ
効果があるのかね。いまわが党の
河上さんが言っていたけれ
ども、
フォークランド一つでも、じゃ
かじゃかやっているが、
国連があのばかな
戦争をなぜ停止できないのだ。何にも力のないのを露出しているその前に、われわれがこんな無
意味な
条約を審議していなければならぬ理由は一体どこにあるんだ。昔の人の
言葉に、「
大宮人は暇ありゃ桜かざしてきょうも暮らしぬ」というのがあるが、これはまさに
わが国、
国会などというものは、
外務委員会などというものはその
大宮人みたいなものだよ。桜かざしてこういう現実に即しない
条約を審議しているという感を私はたまたま深うしたのであります。
けれ
ども、いま承りましたらわが党もこの三
条約には賛成するということでありますから、まず一時間
質問を続けて、
最後には残念だが賛成に参りたいと思います。
第一に、
一つお伺いいたしたい。
まず、いま申し上げましたことからいって不満の
一つは、第二次
世界大戦後の一九六一年九月から
米ソ超大国が軍縮を行うことに合意した、ここからやっと
国連を中心にして軍縮に対する
条約というものが日程に上っていった。それから出てくるものは全部
米ソの息のかかったものだけなんだよ。言いかえれば
米ソという超大国が合意しない軍縮
条約というのは今日まで
一つもないのだ。しかも、その
米ソを中心にして作成された
条約というものは、
米ソがもう戦略的に、戦術的に、技術的に必要がなくなったものだけなんだよ。彼ら自身にはもう必要がないけれ
ども、以下の小国、
日本も含めて、そういう国だけを制約していこうという超大国のエゴのもとに軍縮
条約はみんなでき上がっている。いま人類を脅かしているものは、
日本も含め、まあ
イギリス、フランス、みんな含めて、この人たちがいま人類を脅かしているのじゃないのですよ、
米ソの二つの超大国なんです。これが一番悪者なんだ。この悪者に被爆国としてまともに取り組むという姿勢がいま
日本に一番必要なんだ。
外務省に一番必要なんだ。外務官僚に一番必要なんだ。ところが、これを全部見ているとこの二つの超大国、特にアメリカ、これはこの前も言ったが、特にアメリカの中でも野党とか住民の意向を無視してレーガンとかマッカーサー——マッカーサーは違いますけれ
ども、そういう時の権力者の意向に追随をしていこうというわが外務官僚の習性がある。その習性からこういうのが出ているから私は不愉快で不愉快でたまらぬのだ。一体どうですか。私がいま申し上げましたすべての軍縮
条約というものは
米ソ二つの超大国の発想から生まれているということに対して、
外務大臣いかがですか。私の言うことにうそがありますか。