○色摩
説明員 御
指摘のとおり、今後の見通しでござい
ますが、難民対策
関係者各国とも的確にはわかりかねており
ます。客観情勢はどう推移するのか的確にはわかりません。しかし全体の流出
状況その他を見まして、ラオス、カンボジアからの流出は顕著な減少を認めており
ますが、ベトナムからの流出、普通ボートピープルと申しており
ますが、この流出は一向減っておりません。むしろ漸増ぎみという観測さえござい
ます。
日本への到着
状況を見ましても、昨年、一昨年千名を超えました。ことしも少なくともそのぐらいの到着が来ると想定しなければ
インドシナ難民対策としてはいけないのではないかという認識でござい
ます。
それから
先生御
指摘のそういう
人たち、滞在が長期化しており
ますこういう
人たちをどうするかという問題でござい
ますが、これについてはまず第一に申し上げたいことは、先ほど申し上げましたように二本立てという制度、その一環として一時滞在難民という形で一時預かりという
考え方のもとに所要の庇護及び保護を与えてまいりました。しかし客観情勢は
ますます厳しくなりまして、
アメリカ、豪州、カナダあるいはヨーロッパ諸国はその受け入れを
数量的にも制限しており
ますし、それから個々の
条件についても適用を厳しくしているという
状況でござい
ます。しかもわが国に到着する一時滞在難民の大多数が必ずしも
日本に定住を希望しない、第三国に希望している、しかし客観的に眺めましてその第三国に引き取られる可能性は非常に少ないのではないか、むしろ絶望的ではないかと思われる難民の
方々がいま現に滞留している約千八百名のうち恐らく半数を超えるのではないかという
事情がござい
ます。こういう
人たちをどう最終的
解決に持っていくかということは、これはまた大変な問題でございまして、まず基本的には
日本の社会が、これは
政府も含めてでござい
ますが、難民問題の本質に関してさらに深い認識を持って、心を新たにして取り組まなければいけないのではないかと
考えておるわけでござい
ます。それはどういうことかと申し
ますと、従来
日本の世論もそれから
政府の姿勢も、
インドシナ難民対策の理念は国際
協力の一環として進めるという姿勢でございました。確かに難民の対策に関してはそういう要因は非常に大きな要因としてござい
ます。しかし、この具体的な問題、すなわち経緯のいかんを問わず、好むと好まざるとにかかわらず、
洋上で救出されて
日本の領域内に入って、
日本政府が上陸
許可を与え、つまりとりあえずの庇護を与えたという時点から、これは
日本の難民問題であって、つまり自国の難民問題であって、他国の難民問題の
解決に関して
協力するということではございません。したがって、
日本自身の問題としてこれの
解決に真剣な
努力をしなければいけないということが第一点でござい
ます。
そういう見地から、じゃ具体的にはこれからどうするかと申し
ますと、まさに難民政策、難民対策の曲がり角に来ているということと、それから民間の、特に最終的な
解決をする主役として期待されている地域社会のイニシアチブが残念ながら非常に少のうござい
ますので、これから官民の
努力をさらに結集して推進しなければいけないと
考えているわけでござい
ます。
ちなみに、
政府といたしましては、その問題意識から、現在難民対策に関する特別行政監察ということが行われており
ます。聞くところにより
ますれば、五月にもその結論あるいは勧告という形になるかもしれませんが、そういう作業の
状況と聞いており
ます。