○野間委員 個人的見解とおっしゃいますが、これはまた大変なことですよ。これはアジア
局長としての
立場で「鈴木総理ASEAN訪問の意義と成果」、こういうタイトルで工業倶楽部で世界経済研究協会と経済外交研究会の共催でやっておるわけですね。しかも、御承知のとおり「経済と外交」、これは外務省もこの中にたくさん入って、言ってみれば外務省の
一つの外郭団体のようなものなんですね。これが主催してやってきちっと活字になって出ておる。しかも
局長としての
立場でやっておるわけですね。しかも個人的見解と全く断っていない。勝手気ままにばらばらなことを言って、いろいろ
指摘されたら個人的な見解で逃げるというようなことは絶対許されない。私は役所は一体だと思うのですね。そんなことは許されるのですか、外務
大臣。後で言われますと、これは個人的な見解でございましてというようなことでやられたらたまらぬと私は思うのですね。ここではちゃんと木内さんの本音、これはまさに外務省の本音ではなかろうかというふうに私は思うのですけれども、部下をいろいろとかばうのは外務
大臣ですからそれはそれなりに私はわかるわけですけれども、この表現を見ますとひどいですね。これは内輪の講演と申しますか、そういうようなことで安心してしゃべったのかもわかりませんけれども、飲まず食わずとか盲腸するのに麻酔薬すらないとか、あるいはそのほか
中国問題についてもずいぶんいろいろなことを言っておるわけですけれども、やはり責任持ってきちっとやるべきだ。逆に言いますと、私はこれが本音じゃなかろうかと思うわけです。
質問を続けますけれども、そこでお聞きしたいのは、いま申し上げたように私はあれが木内さんの本音だと思いますけれども、ヘイグ国務長官もトルコへの
援助の意義をはっきり述べておるわけですが、これは去年の十一月十二日の
アメリカの下院の外交
委員会で証言しておりますね。それによりますと、「トルコは世界でも最も重要な兵站線上に位置している。強力なトルコは、NATO南端のいかりとなるのみならず、東地中海における
米国のプレゼンスを支援する
意味でも重要である。従って
同国に対する西側の
援助は不可欠である。」もうはっきりヘイグ国務長官がそう言っておるわけですね。こう考えますと、柳さん言われますけれども、結局いまの木内さんの発言とかあるいは
アメリカの国務長官のこれからしても、やはりNATOの南端の単なるいかりということだけではなしに
アメリカの軍事プレゼンスを支持する、この上で
日本の
援助は不可欠だということになってくると私は思うのですね。そういう点から考えますと、これはトルコについて言いますと安保絡みの
援助、こう言わざるを得ないと思うのですね。この点についてどうなのか。
それからもう
一つ引用しますと、これは去年の五月十三日に出されたNATOの閣僚防衛計画
委員会の最終コミュニケでも、「南部地域と地中海の死活的な戦略的重要性は、ギリシャ、ポルトガル、トルコへの支援、
援助継続の必要性にみられるとおり認識されている。ちなみにこれら三国は経済情勢がよくないので、NATO戦略の実施に必要なすべての防衛能力を彼ら自身の資源から提供できないでいる。」つまりここでも、NATOの一員として必要な防衛能力を持っていない、そこで各国からの経済協力が必要だとはっきり言われておる。ヘイグさんもこう言っておるわけですね。
ですから、
日本政府が三つの紛争周辺国を決めた、その
一つがトルコだ。トルコの位置は一体どうなのかと私は先ほどから聞いておりますけれども、トルコについて言えば、結局、木内アジア
局長がいみじくも言われておりますように、やはり安保絡み、戦略あるいは政治絡み、こういうことしか言いようがないと思うのですが、この点について外務
大臣はいかがお考えでしょうか。