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岡田(利)
委員 いまも
日ソ関係の問題について質問がありましたけれ
ども、冒頭に、これからの
日ソの
関係についてお伺いをいたしたいと思います。
日ソ国交回復以来、ちょうど二十五周年を経過いたしたわけであります。七九年のアフガン侵攻以来、非常にジグザグとした冷たい
状況にありましたけれ
ども、今年の六月十日に南ヤクート原料炭開発、また第三次の極東森林資源の開発、いずれも二千百億円に上るバンクローンが
ソ連側に供与されて契約ができたわけであります。また八月には、民間の貝殻島のコンブ
漁業協定の
妥結がありましたし、九月二十二日には、西シベリア天然ガスパイプライン計画に対する
日本の輸銀の融資の契約がなされておるわけであります。いわば経済的には漸次軌道修正が行われてまいりましたし、しかも先ほど触れられておる九月のグロムイコ・園田ニューヨーク会談における高級事務レベルの協議が近く再開をされる。こういう
状況の中で、来年度の最大の課題として対ソの
関係をどう調整をするか、このことは
わが国の
外交にとってきわめて重要である、私はかように
考えます。
しかし、かつてグロムイコ・園田外相の定期協議の中で、
日本側は平和
条約案を示し、
ソ連側は善隣友好
条約案を示して、実はこれは
外務省の金庫に入っておることになっておるわけであります。ですから、その次元でいま
日ソ関係を修復しようとしても、私はなかなか前進しないだろうと判断せざるを得ません。したがって、もちろん平和
条約の
締結を前提としながら、一つのステップをやはり踏まなければならないのではないか、こう私は
考えるのであります。
また、これに関しては一九七一年に
ソ連とフランス、カナダ、いわば西側の先進諸国家の間に一定の基本的な合意がなされておりますし、七二年には、ニクソン・ブレジネフの米ソ国家
関係における基本原則について合意ができ上がっておるわけであります。いわば
ソ連と
わが国の間の国家間の基本的な原則というものを改めて双方が確認をする、これをステップにして
日ソ関係の前進を図っていく、問題の解決を図っていくという視点が重要でなかろうか、私はこう
考えざるを得ないわけであります。
もちろん今日、
日ソ共同直言についても、一九六〇年の安保以降、
ソ連側の見解が変わっておることも、
外務省は御承知のとおりであります。なるがゆえに、いま
日ソ関係は少なくとも
日ソ共同宣言を
締結したその時点の原点に素直に返るべきではなかろうか。あるいはまた、その後、田中・ブレジネフ共同声明があるわけであります。そういうステップを築き上げるということが、まず私は
日ソ間にとってきわめて重要だと
考えるわけであります。
そういう意味で、新
外務大臣は特に来年度の最大の課題である
日ソの
関係の調整について一体どのような姿勢で臨まれようとしておるのか、その所信をまず伺っておきたいと思います。