○関
委員 これだから
日本の科学が泣きたくなるのですよ。とんでもない自信ですよ、あなたの自信は。耐震性を措置するからいいというのはこの間の
委員会で答えられました。しかし、いまここでの公の場でも
専務理事は震度五と言いましたよ。震度五と見ても、震度五の耐震性で建設していくのは建築工学上大変なことでしょう。幾らわれわれの目にふたをしようとしても、震度五まではあなた方も言わざるを得ないでしょう。しかし、百キロの活断層の場合予想されるものは震度五じゃない。震度六、震度七なんです。あなた方はせいぜいこのところで論争は終わりたいでしょう。いま、五でも大丈夫だろうという耐震設計された建築物が、みんな五以下でひっくり返っていますよ。その例を挙げるのに枚挙にいとまがありませんよ。
だから私は、この間
科学技術の週間があったから言った。昔橋田邦彦という
文部大臣が、科学する心という言葉で国民に科学を説いたことがある。この科学する心という提言、指導精神というものはりっぱなものだったと私は思う。しかし、いまの
日本の政治家は、科学する心じゃなくて政治する心に変質して、科学する心を失っているのではないだろうか、この点について考えないというと誤りを犯しますよということを申し上げました。
百キロに及ぶ活断層が走っているならばそれを確かめて、その影響というのは大変なものでしょう。マグニチュードにおいて、八・二近いものになる。震度において六なり七なりになる。ガルにおいては四百を超えることは明らかだと計算されている。そうなると、耐震設計も何も効くものじゃない。
長官は、この東京を見ろ、こんなに高層建築物がきちんと建っているじゃないかと言うが、これはここにはそれだけの地層が、地質がそれを受け入れるからでしょう。
しかも
原子力船の問題と
原子力発電所の問題とでは違うんだ、弱くていいんだと言わんばかりの
お答えがいまありました。これも容認できません。むしろ向こうの方が、原発の方がいいのです。
原子力船の方がむずかしいのです。
原子力船というのは波の上ですよね。揺れの上ですよね。固定されていませんよ。しかも核燃料を引き抜くときには、引き抜くための作業というのは何週間かかるかわからないでしょう。数週間と言われる。さて取りかかろうといって取りかかった場合に、あそこには燃料体が三十二本入っている。大湊を予定したときの
説明で引き抜く能力が一日一本ですよ。しかも揺れが一度以上ならだめなんだ。それほど大事に扱わないと大事が発生する。
この間われわれ
科学技術委員会が
筑波を訪ねまして、防災科学センターに行ったときにちょうど
地震が起きましたよ。
地震が起こらないと思ったら、われわれ
科学技術委員を歓迎して
地震が起きて、その
地震の結果、針の動きが全国みんなどの辺にどうなるかということがあらわれてきました。われわれには大変いい勉強でもありました。
この
原子力船から使用済み核燃料を引き抜く場合に一日一体ですよ。三十二体だというと三十二日かかる。しかも波の上で、一度の揺れであるというとやめなければならない。それほど厳しい条件下にこの作業は行われなければならなくなる。引き上げているときに
地震が起きたらどうなるのです。キャスクも何もひっくり返っちゃうでしょう。そうして廃液が流れちゃうでしょう。この作業はむずかしいのです。大湊だというと、すぐそばにくるっと回るとまだ置けるでしょう。あの場所だというと、置き方はどうなるんだろうか、運び方はどうなるんだろうかという問題が出てきます。
しかも地質の弱さ、しゅんせつ土を建設用材として適材なりとしたり、あるいはこの地質はかたいものなりと言うてみたり、何の根拠もない軟岩そのものです。弾性波速度が一・九なんというのは軟岩、三・〇までは軟岩と称せられる部類です。N値だけで発表してかたさがあるなんというけれども、N値だけでかたさの表現にはならない。一平方センチメートル幾らの重量がかかるか、あるいは一平方メートル何トンのものになるか、このことがなきやならないでしょう。これは何も示されないじゃありませんか。
しかも三月二十三日に私が質問した際に、陸上地域におけるボーリングについてのデータを出せと言ったら、同じようなものなのだから現地の方には見せているけれども
先生にはまだお見せしておりません、追ってお見せいたしますとの御答弁があった。いつお見せいただけるかと待ったけれども来ない。最後には実はそのデータはないのですと言うじゃありませんか。これは本当のでたらめというものでしょう。六本ボーリングした、一本しかボーリングの
内容を出しておらない。あと五本出せと言ったら、同じようなものだから出すのをしませんでしたと
専務理事は言ったでしょう。同じようなものなら同じようなものでもいいから持ってこいと僕は言った。そうしたら、二本だけはあるけれども、あとのは別な方に使ってないと言うじゃありませんか。
そこで、別な方に使っているというのは何に使っているんだ、室内試験をしているのでしょう。室内試験の結果を出しなさいよ。この材質はどんなものであるか出してごらん。そうしたらまだ調べた結果がありませんと言うじゃありませんか。
土壌の検査においてもでたらめ、すぐ調べて出せ、出せるものも出さないで、調べもしないものを調べたと言って答えたり、
国会の
委員会を何と思っているのです。
委員の諸君は知らないからどうでもいいと思っておるならば出直してください。こんなに日にちがたって、室内試験についての発表が何でできないのです。流砂の発表は何でできないのです。しゅんせつ土の品物がどんなもので、何でこれが建設に適材なんです、不適材でしょう。
あなた方の発表しているものは全部ごまかし、それで立地可能、よろしく、こんな盗人たけだけしいことができますか。幾ら
中川長官自信を持ってと言っても、こんな自信危なくてついていけない。もっと信頼できるようなことをして、なるほどなということにさせない限り、
原子力船の母港の問題について事を運ぶことは無理です。
二十六日に
長官が出かけていくと聞いているんですが、
長官、出かけていって何をするんです。最後にそれだけ聞いて終わります。