○瀬長
委員 ソ連には抗議するが
アメリカには抗議しない。
日米安保
条約の問題があると思いますが、いずれにしても、
日本国民を本当に危険な
状態に陥れるかどうかという大きな問題なんだ。だからこの場合、私時間がありませんのでそれは詰めませんが、やはり
SS20の場合でもトマホークの場合でも、同じ戦域核なんです。大体数百キロから数千キロの射程距離を持つ。しかも、これは戦略核じゃなく戦域核だということがはっきりしている。したがって、私が聞いているのは、そういう限定核戦争、この問題がひしひしと
国民の胸の中に響き渡っている、こういった問題だからこれを聞くわけでありますが、私は、この問題についての非核三原則などということを言うのではなく、断固として
日本国民の安全を守るために、このような戦域核の配備は断固として反対すべきであるという
意見を申し上げて、次に進みます。
櫻内大臣は、
沖繩返還協定のときの特別
委員会の
委員長をやられた。五月十五日はその十年目を迎えます。その当時も
沖繩県民は、核も
基地もない平和で豊かな
沖繩、これを望んでいました。ところが、現在の
沖繩における
米軍のいわゆる
基地群、これはまさに核、非核両方の部隊が集結している、これが現実なんです。辺野古にはNOP部隊を置いている、これをすでに
政府は認められた。さらに海兵隊、これは例の中性子爆弾、これが撃てる八インチ砲あるいは百五十五ミリ砲、これで武装している。ざらに
嘉手納には、一八戦術戦闘航空団、F15。このF15は近くF15ストライクイーグルにかわり、これも核、非核両方装備する戦闘爆撃隊。こう見ますと、あの第七艦隊のホワイト・ビーチへの寄港もあわせて、
沖繩の陸海空ともに限定核戦争の戦場になり得る、危険だと予想されます。
私は、限定核戦争というのはすでに
大臣よくおわかりだと思いますが、これは何も現在のレーガン大統領が発明したものじゃないんですね。これはすでにニクソン時代にやられたもので、戦域核戦争とは、米国の軍隊またはその同盟国の軍隊によって戦域核兵器が使用されもしくは米国の軍隊またはその同盟国の軍隊に対して戦域核兵器が使用される戦争のことだが、それは米国に対する核攻撃を含まない。米国は聖域なんです。いわゆる
アメリカの軍隊が海外に派遣される、その軍隊と同盟国の軍隊、この軍隊によって核攻撃を行うあるいは核攻撃を行われる、これが戦域核戦争、これが限定核戦争と名づけられておりますが、いわゆる核部隊あるいは核攻撃ができるような部隊、これがおるところは核攻撃するんですよ。敵はそこへ集中攻撃をする。第一目標優先度がある。これは
アメリカの海兵隊の教範にも書かれておるし、当然われわれの普通の常識でもそうなる。核部隊がある、核兵器がある、核部隊を攻撃するわけだから、そこをたたくというのが軍事常識である。その場合に、
沖繩は、
復帰十年たってもなおいま申し上げましたように危険な
米軍基地群がある。しかも
嘉手納には第四〇〇弾薬整備中隊がある。これはアジア地域に弾薬を補給する任務を持っておる。この
意味で、限定核戦争がおっ始まったら最後、一番真っ先にたたかれるのは
沖繩だ、この不安に
沖繩県民はいまなおおののいているというのが実情なんですね。
私が
大臣にお聞きしたいのは、この面で本当に限定核戦争、これが、
大臣の言うように全面核戦争になるからあり得ないというんじゃなしに、現実にやるということをレーガンも言っているしロストウ長官も言っている。こうなると、その危険性は非常に大きい。だから
日本政府としては、こういうことのないように国際的なあらゆる手段を通じてこれに対して抗議し、あるいはこれが本当に核戦争の戦場にならないように配慮すべきであると思うのですが、
大臣いかがでしょう。