○宇野
政府委員 お答えいたします。
まず
整備士の問題でございますが、先生御指摘のように、
整備士の技術の向上ということは私どもも痛感しておるところでございます。
先ほど来議論が出ておりますように、
自動車の
整備の質の問題がございまして、現在私どもも
整備士の技術向上を図るべく業界団体を通じまして、あるいは直接的に指導しておる最中でございます。
従来から
自動車の
整備士、技能者というものをどういうふうに養成し、育成していくかということで、
制度も幾つか
考えてきておりますが、先生御承知のように、まず
整備士の技能検定試験というものを実施いたしまして、一定レベルの技能を保持させるというのがございます。それから
自動車整備技術講習所とか、あるいは
自動車整備学校等の養成
施設を大臣が指定することによりまして、学卒あるいは工場に入っています経験者の技術講習を行いつつ、国家検定であります
整備士の資格を取らせる努力をしておるわけでございます。
そのほかにいま問題になっておりますのは、新しく
整備士をつくるということだけではなくて、現在
整備士の資格を持っております工場の要員の質の向上ということが当然
考えていかなければならない問題だと思います。その点を踏まえまして、各
地方に
整備業界の団体がございますが、
自動車整備振興会が中心になりまして、その時期その時期あるいは新しい
自動車の技術が極端に変わったような場合に、それらの技術についての講習会だとか研修会をやっております。一番いい例が排ガス
整備技術の教育ということで、こういう研修会、講習会等をやっております。
さらに私ども、これから本格的に力を入れて進めなければならないと思っておりますのは
整備要員の生涯教育の問題でございます。その
関係から、すでに五十四年からスタートしております構造改善
事業の中で、人材養成を主要な柱の
一つとして挙げておりまして、教育カリキュラムをつくりつつ各地区に教育センターを設置して、いま言いました生涯教育を目指しての要員の訓練を進めることにいたしております。すでに幾つかの実績が出ております。この教育センターについて申し上げますならば、全国ですでに二十一カ所、県
単位で教育センター等ができておるわけでございます。こういう形で現在の工場におきますところの
整備士あるいはメカニックの養成をやっておるわけでございます。
先ほど先生、現在一級
整備士が
制度としてありながら機能していないではないかという御指摘がございました。実は私ども、この一級
整備士を現在の時点でどういうふうに
考えていくか、と申しますのは、車の技術の進歩あるいは
先ほど来話になっております使用形態の変化等で、車の状態がかなりこれまでと変わっておりますし、
整備工場の置かれる位置づけというものも変わりつつございます。そういう中にありまして、一級
整備士というものをどういうふうにいまの時点で位置づけるべきかということを改めて
考え直す必要があると思いますので、今後十分検討すべきものだというふうに
考えております。
それから、民間
車検への拡大移行の問題でございますが、現在民間の指定工場が約六割の
検査を実施いたしておりますことは先生御承知のとおりでございますが、これの対象になっております工場が一万七千、約一万八千近くになりますが一万七千工場が、民間
車検と言われます指定
整備工場になって
検査の実務を実施しておるわけですが、実は
整備工場の業界全体をながめますと、指定工場にまだなっておりません工場が全国で約六万工場あるわけでございます。これらの非常に零細な工場でございますが、設備等あるいは
先ほど御
答弁がありましたように
施設の
関係、要員の
関係で指定工場になり得ない
整備工場がございます。こういうところで
整備をした車は、どうしても
陸運事務所に車を持ち込んで
検査を受けるということから、現在四割の
検査を国が実施しておりますが、この六万工場を対象にして実施をしているところでございます。したがいまして、民間
車検の指定
整備率の拡大ということを現在やっておるわけでございますが、一応の目標といたしまして、大体指定
整備率にいたしまして七〇%
程度を目標にして今後作業を進めてまいりたいというふうに
考えております。