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1981-09-28 第95回国会 参議院 本会議 第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
五十六年九月二十八日(月曜日) 午後二時六分
開議
━━━━━━━━━━━━━
○
議事日程
第二号
昭和
五十六年九月二十八日 午後二時
開議
第一
国務大臣
の
演説
に関する件
━━━━━━━━━━━━━
○本日の
会議
に付した
案件
一、
常任委員長辞任
の件 一、
常任委員長
の
選挙
以下
議事日程
のとおり
—————
・
—————
徳永正利
1
○
議長
(
徳永正利
君) これより
会議
を開きます。 この際、
常任委員長
の
辞任
についてお諮りいたします。
内閣委員長林ゆう
君、
地方行政委員長亀長友義
君、
外務委員長秦野章
君、
大蔵委員長中村太郎
君、
文教委員長降矢敬義
君、
農林水産委員長井上吉夫
君、
商工委員長金丸三郎
君、
予算委員長木村睦男
君、
懲罰委員長小澤太郎
君から、それぞれ
常任委員長
を
辞任
いたしたいとの申し出がございました。 いずれも許可することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
徳永正利
2
○
議長
(
徳永正利
君) 御
異議
ないと認めます。よって、いずれも許可することに決しました。
—————
・
—————
徳永正利
3
○
議長
(
徳永正利
君) つきましては、この際、欠員となりました
常任委員長
の
選挙
を行います。
堀内俊夫
4
○
堀内俊夫
君
常任委員長
の
選挙
は、その手続を省略し、いずれも
議長
において指名することの
動議
を提出いたします。
小山一平
5
○
小山一平
君 私は、ただいまの
堀内
君の
動議
に賛成いたします。
徳永正利
6
○
議長
(
徳永正利
君)
堀内
君の
動議
に御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
徳永正利
7
○
議長
(
徳永正利
君) 御
異議
ないと認めます。 よって、
議長
は、
内閣委員長
に
遠藤要
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
地方行政委員長
に
上條勝久
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
外務委員長
に
稲嶺一郎
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
大蔵委員長
に
河本嘉久蔵
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
文教委員長
に
片山正英
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
農林水産委員長
に
坂元親男
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
商工委員長
に
降矢敬雄
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
予算委員長
に
植木光教
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
懲罰委員長
に
石本茂
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
—————
・
—————
徳永正利
8
○
議長
(
徳永正利
君)
日程
第一
国務大臣
の
演説
に関する件
内閣総理大臣
から
所信
について
発言
を求められております。これより
発言
を許します。
鈴木内閣総理大臣
。 〔
国務大臣鈴木善幸
君登壇、
拍手
〕
鈴木善幸
9
○
国務大臣
(
鈴木善幸
君) 第九十五回
国会
の開会に臨み、
所信
の一端を申し述べるに
当たり
、まずもって、先般の
梅雨前線
の活動と台風十五号などにより被災された方々に対し、心からお見舞いを申し上げます。
政府
は、
復旧対策
に
全力
を傾注するとともに、今後とも、
災害対策
に万全を期してまいります。 さて、私は、組閣以来今日まで一年余りの間、すべての国政の中でも特に緊要な
課題
として、
行財政
の
改革
に取り組んでまいりました。
わが国
は、戦後の
復興期
、
高度成長期
、さらには二度にわたる
石油危機
による
経済的混乱
の時期を経て、今日の
繁栄
と
国民生活
の安定を確保し、国際的にも高い評価を受けております。 しかし、資源・エネルギー及び環境の制約、
人口構成
の
高齢化
、
国際社会
での
役割り
の増大など根本的な
対応
を必要とする
課題
はなお多く残されています。このような
課題
に適切にこたえ、国内にあっては活力ある
福祉社会
を
実現
し、対外的には
国際社会
に一層貢献するため、国、
地方
を通じて
行財政
の基盤を確かなものとしなければなりません。
わが国
の
行財政
は、
高度成長
のもとにその
役割り
を拡大してきました。それは、
国民
の求めにこたえたものでありましたが、
他方
、
高度成長
による豊かな
自然増収
のもとに肥大化してきたことも否めません。特に、
石油危機
以降は、
国民生活
の安定と
不況克服
のため多額の借入金が必要となり、その結果
財政収支
の不均衡が恒常化し、
わが国財政
は
健全性
を失うに至りました。 私は、
行政
の
改革
と
財政
の
再建
は表裏一体であり、それだけに
相互
の
関連
をしっかりと見きわめながら着実に推進しなければならないと思います。すなわち、民間と
行政
の
役割り分担
、国と
地方
の仕事の配分及び
各種
の
制度
や
施策
について、不断の
合理化
、
適正化
が必要であり、そのためには、既成の観念にとらわれない新しい発想が求められております。 私は、このたびの
行財政改革
に当たって、さしあたり緊急に実施すべきものから着手し、時代の要請に応じた簡素で効率的な
行政
の確立と
財政
の
健全性回復
に向かって確実に一歩一歩進む
決意
であります。 昨年十月、私は、この壇上で、
国民
の求めるところに的確にこたえる
行政実現
のため、長期かつ総合的な視野を持った
行政改革案策定
を目的とする
調査審議機関
の設置が必要であることを申し上げましたが、幸い、
国会
の御同意のもとに、去る三月、
臨時行政調査会
が発足しました。 私は、
臨時行政調査会
に、二年間の期限で、八〇年代の
わが国
にふさわしい適正で合理的な
行政
のあり方を御
審議
の上、国、
地方
を通じた
行政制度
と
行政運営
の
基本的改革案
を示していただくようお願いしております。同時に、私は、
財政
の
現状
を考え、特に
昭和
五十七年度の
予算編成
に向けて、実行できる
具体的改革案
の提示を要請しましたが、同
調査会
の格段の御
努力
によって、去る七月十日、
行政改革
に関する第一次
答申
をいただくことができました。
政府
は、この
答申
を
最大限
に尊重し、その内容を速やかに実施に移すこととし、八月二十五日、「
行財政改革
に関する当面の
基本方針
」を決定しました。私は、
昭和
五十七年度
予算編成等
を通じ、この
方針
の
実現
を図る
決意
でありますが、そのため、五十七年度から五十九年度までの
臨時特例
の措置として、
関連
の
施策
を一括した
法律案
を今
国会
に提出し、必要な
関係法律案
とともに御
審議
をお願いすることといたしました。いずれも、当面の
行財政改革
を進める上で欠くことのできない
施策
でありますので、できるだけ早く成立することを念願しております。
政府
は、また、新たな
定員削減計画
についても、この
基本方針
のもとに着実に実施してまいります。
行財政
の
抜本的改革
を進めるためには、今後もなお
各種制度
の見直しを行う必要があり、引き続き検討を加えていきたいと思います。さらに、今後
臨時行政調査会
から提出される
答申
についても、
政府
は、その趣旨を尊重し、順次実行する
決意
であります。 私は、本年一月の
施政方針演説
で、
財政
の
再建
について特に
国民各位
の御
理解
と御
協力
をお願いしました。
昭和
五十六年度
予算
では、
歳出
の
抑制
に努め、
国債費
と
地方交付税
を除いた
一般歳出
の
増加率
を四・三%と、
昭和
三十一年度以来の低い率にとどめ、
特例公債
を二兆円
減額
しましたが、このため、
他方
で、
現行税制
の枠内ではありますが、一兆四千億円の
増税
をお願いしました。 このような
国債減額
の
努力
にもかかわらず、なお五十六年度には、十二兆円余の
国債発行
が見込まれ、その消化が困難となっている
現状
であります。今年度末には
国債残高
が約八十二兆円となり、
国民
一人
当たり
七十万円を超えるものと見込まれ、その利払いは、年額約五兆六千億円、一日
当たり
百五十億円以上の巨額に上ります。
国債
の
減額
、とりわけ
特例公債
からの脱却は
財政再建
の中核であります。
政府
は、
昭和
五十九年度にこれを
実現
することを
目標
としており、五十七年度
予算
の
編成
に当たっても、
行財政改革
による
歳出
の
抑制
を通じて着実にこの
目標
に向かって前進する
決意
であります。 このため、
政府
は、さきに
国債費
と
地方交付税
を除く
一般歳出
について、五十七年度
予算
の
要求額
を原則として五十六年度
予算額
の範囲内にとどめるいわゆるゼロシーリングを定め、この
方針
のもとに
概算要求
が提出され、現在、
調整作業
を行っております。
行財政改革
は、
わが国
の未来を確かなものとする上で欠くことのできないものでありますが、既存の
制度
が改変されるという
意味
で
国民各層
にとって種々の苦痛を伴うことは避けられません。しかし、一刻のおくれは、問題の解決をさらに困難にします。来年度
予算
が
増税
に頼ることなく
財政再建
に向かって着実に前進するため、
国民
の
皆様
のいままでにも増した深い御
理解
と力強い御支援をお願い申し上げます。 また、歳入の面でも等しく痛みを分かち合うという観点から、
税負担
の公平の確保は重要な
課題
であります。このため、
政府
は、従来から積極的に
努力
してまいりましたが、今後とも税について、
制度面
だけでなくその
執行面
でも、改善に一層の
努力
を傾けてまいります。 次に、
対外関係
について若干申し上げます。 私は、先般カナダの
オタワ
で開催された
主要国首脳会議
に出席し、
各国首脳
と現在
世界
が直面している諸問題について、率直で建設的な
意見
の交換を行い、大きな
成果
を上げることができました。
オタワ
・
サミット宣言
に明らかなとおり、
各国首脳
は、
世界
の平和と
繁栄
を脅かしている
政治
的、
経済
的困難に、
連帯
と協調の
精神
をもって対処し、
自由貿易体制
の
維持強化
と
先進民主主義諸国
の
経済
の再
活性化
に向かって
最大限
の
努力
を払うとの
決意
を改めて確認いたしました。私は、
先進民主主義諸国
が西側全体の平和と安定を確保するためには、それぞれの国情に応じた
防衛努力
とあわせて、
政治
、
経済
等広範囲にわたる
対応
を図らなければならないとの
総合安全保障
の考え方を述べるとともに、
南北問題等
への
対応
について、
アジア諸国
の
期待
と
関心
にも
十分配慮
が払われるべき旨を強調し、
各国首脳
の
理解
を得ました。
わが国
は、今後とも
日米友好協力関係
を外交の基軸としつつ、このたびの
サミット
の
成果
を踏まえ、
国際的責任
を積極的に果たさなければならないと思います。 私は、また、
オタワ
・
サミット
で建設的な
南北対話
の
重要性
を強調しました。
南北
間の
相互依存関係
はますます深まり、また、
世界
の平和と安定のため、
先進諸国
が
開発途上諸国
の
経済発展
あるいは
福祉
の向上に貢献していくことによって、それら
諸国
の民生を安定し、
政治状況
の不安を解消していくことが必要であります。 この
意味
で、近くメキシコで
開催予定
のいわゆる
南北サミット
は重要であります。
南北
の
主要国
の
首脳
が一堂に会し、
開発
と
協力
の問題について忌憚のない
意見
を交換することは、
世界
の
相互依存
と
連帯
の
精神
のもとに建設的な
南北関係
をつくり上げていく上できわめて有意義な機会となります。 私は、
国会
の御了承を得て、この
会議
に出席し、
経済協力
に取り組む
わが国
の積極的な姿勢を明らかにするとともに、特に、
食糧増産
、
農業開発
などの
施策
が
開発途上国
の
国づくり
の
基本
として重要であることを訴えるつもりであります。 このたびの
国会
は、新たに提出される
法律案
及び前
国会
から
継続審査
となっている
法律案等行財政改革
に
関連
した
案件
が御
審議
の大宗を占めるものと存じます。まさに今後の
行財政改革
の成否を左右する
国会
であると申しても過言ではありません。
国家
百年
分計
という言葉があります。
行財政改革
は、二十一世紀を展望する
国家
の大計であり、避けて通れない
国民的課題
であります。われわれは、
国民
の
期待
と
関心
にこたえ、
全力
を挙げて
行財政改革達成
の
推進力
とならなければならないと思います。
国民
の
皆様
の一層の御
理解
と御
協力
をお願いしてやみません。(
拍手
)
徳永正利
10
○
議長
(
徳永正利
君) ただいまの
演説
に対する質疑は
次会
に譲りたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
徳永正利
11
○
議長
(
徳永正利
君) 御
異議
ないと認めます。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時二十五分散会
—————
・
—————