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佐藤昭夫君 私、何遍も言っていますけれ
ども、私がきょう初めて言うわけじゃない、いままで国会でも何回か取り上げてきておる問題だということで、本当に不勉強だなという感じがしてならないわけですけれ
ども、この世界平和教授アカデミーというのは、さっき言いました勝共連合の教祖であります、キャプテンである文鮮明が提唱してできた日韓教授親善セミナー、ここを母体にして一九七四年に発足しているわけです。で、事務
局長には統一教会の尾脇準一郎氏という人がこの事務
局長に座っている。そして、いろんな資金面では統一教会、ここから大部分が出ているという形で運営をされておる団体で、この教授アカデミーの理念なり主張なりというのは、この本に一番集大成をされておる。だから、きのうもこれをちょっと目を通しておいてくださいよと、あしたの
質問までにということで言っておいたわけですけれ
ども、たとえばこの中に出てくるわけですけれ
ども、こういうことが出てくるわけですね。「日本国憲法という事業が、民主主義圧殺の悪魔である。」、根本において天皇中心主義、天皇を中心とする国家を愛さなくちゃならないということとか、
教育基本法はヒューマニズムの世界観を前提とし、ヒューマニズムは人間の本能に立脚しているから強固でありかつ有力である、事あるごとに
教育基本法を盾にしてその利益を防衛しようとするわけだが、
教育基本法の存在を許している限り、いかなる改革案も不徹底に終わるんだということで、
教育基本法をつぶしなさいと。これはかつて私は
大臣に
質問をして、
教育基本法は遵守されるんですかと聞いたら、それは遵守しますというふうにかつて
答弁をされたわけですけれ
ども、これに大きな攻撃の矢を向けようとしておるという団体であります。
そこで、この世界平和教授アカデミーが、昨年の十二月の十二日から十四日にかけて三日間、第二回学際研究会議というものを開かれて、ここで、春の予算国会でいろいろ議論の対象になりました例の森本真章筑波大学講師、「疑問だらけの中学校
教科書」というあの本の土台になりました森本真章レポート、「
昭和五十六年より中学校三年生が使用する社会科
教科書「公民的分野」の
内容的分析」、この報告が行われるという形で、これが大衆向けの出版物としてあの「疑問だらけの中学
教科書」という形で登場をしてくるということになるわけであります。(本を示す)現にこの「疑問だらけの中学
教科書」に十人ほどの執筆者の名前が書いてあるわけですけれ
ども、その大部分がアカデミーの
会員ないしは役員。さらに、その中の私
どもが確認をしているあれでは、白石、菩地本というこの二人の人は統一教会の
会員でも同時にあると、こういう形でまさに統一教会と平和教授アカデミー一体の組織として実は
教科書研究と称するものがずうっとやられてきたと。これが、たとえば私
ども聞いておるところでは、
自民党なんぞは最もいいテキストになるということで大量にことしの春買われて、一時本屋の店先から姿を消すというところまで
自民党は力を入れられたということを聞いておるわけであります。
そこで、きょう特に
お尋ねをしたい第一の問題は、ここに出てくるわけですけれ
ども、執筆者の
人たちは、
文部省から
教科書の見本本をもらってこの研究をやってきたんだということを書いている。これが予算国会でも問題になりまして、
文部省は否定をされた。ところが、その後「政経人」という雑誌がありますけれ
ども、このことしの五月号、ここに問題の筑波大学の学表である福田信之さんという人が、小竹さんという二人の対談で出てくるわけですけれ
ども、この福田筑波大学学長、これがこういうことを言っているわけですね。
文部省の姿勢というのは頼りない
答弁だということで国会で共産党議員に追及をされて頭を下げていると、もっとはっきり
答弁をすればよいものをただ頭を下げるだけだと。もうちょっと正確に読んでみると、「この
教科書に関するお話をすると、実は筑波大の教授が
教科書の研究をずっと続けておられまして、その研究資料として新しい本を、ということで
文部省と交渉して了承を得て、
教科書を入手されたんですが、そこのところを共産党議員が国会で追及してきたんです。
文部省もはっきり
答弁すればよいものをただ、頭を下げるだけなんですね。」ということで、当然、五月号でありますから三月、四月の衆参予算
委員会、これを経ての上での対談の
記事だということでありますけれ
ども、それで
文部省に尋ねたいのは、やっぱり
文部省はこの森本真章氏を初めとするこの筑波の
教科書研究グループ、このグループに見本本を渡していたということですね。