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国務大臣(藤尾正行君) ただいま
公務員の
給与、
人事院勧告問題と絡めまして
総理府総務長官が申されましたが、その中で
仲裁裁定問題にも言及をしておられるわけでございます。これは
政府の中の話でございますから、私の申し上げることと
総理府総務長官の申し上げることと中が違っておったんでは、これはえらいことになります。全然これは違わないといったてまえで終始をするわけでございます。
そこで申し上げたいことは、
仲裁裁定の問題にいたしましても、その
仲裁裁定のでき上がります、裁定までに至ります間の当事者、これは
組合とそれぞれ三公五現の経営者でございます。でございますから、もし仮にそこに官庁がどうしても関係をしていくということであれば、国鉄の場合にはこれは運輸省が、あるいは郵政あるいは電電というような問題につきましてはこれは郵政大臣が、あるいは専売、印刷、こういった問題につきましては
大蔵大臣が、あるいはアルコール専売に対しましては通産大臣がそれぞれ関与をしておられるわけで、私、労働大臣が関与しておる問題は何
一つないわけでございます。ただ、私が関係をいたしますのは、事お働きになっておられる労働者の
給与の問題でございますから、そういった点につきましては、私が当面の責任者じゃございませんけれ
ども、応援団といたしましてその間の判定、こういったものを適切に正しく運用をしていただいて、
日本の
経済あるいは社会を支えておられる労使の問題といいまするものをできる限り御満足のいただける最大限のところまでこれを実行をしていただくような環境をつくる、それが私の任務でございます。
そこで、そのような
立場から、私は私といたしまして、ただいま
柄谷さんも御
指摘になられました
日本の労使慣行、三公五現の労使慣行、こういったものがより完全に、うまく
決着をさせるためにはどのようにあらねばならぬかということにつきまして、私は私の
立場で申し上げておるということでございます。ただ、御案内のとおり、今回の
仲裁裁定といいまするものは、いままでの
仲裁裁定と同じでございまするけれ
ども、非常に残念なことながら、国鉄と全農林の場合、これは正直を申し上げましてそれぞれの御当局におかれましてお支払いの能力がない、こういうことでございますから、そういうことでは、お支払いの能力があるところはそれぞれの当局からお支払いになられて、お支払いの能力のないところはそれではどうするか、これは別個考えましょうということでは私はそれはちょっと納得はできぬ。少なくともお勤め先がその時点におきまして非常にりっぱにやっていけるような環境にあるお
仕事である場合には、
仲裁の
実施もきわめて円滑にいく。そして、非常に残念なことながら、国鉄のように長い間赤字に苦しんでおられるそういったところにお勤めの、同じお働きの
皆様方の場合には残念ながら金がないから差し上げられませんということでは、少なくともそれぞれのお
仕事に一生懸命になっておられまする方々の労働といいまするものの価値、これはちっとも変わってないわけでございますから、そういった非常に不公平な判定をされるということでは、私の務めであります労使の慣行を良好に保っていく、労働というものの価値を十二分に尊重していくという
立場は貫けませんから、私といたしましてはさようなわけにはまいらぬ。
仲裁裁定といいまするものは、その経営がよくても悪くても、ともかくこの裁定といいまするものを
実施をしてもらいたいということでございまして、それが財源問題と絡みまして、
実施可能であるとかないとかという問題がそこに絡みますものでございますから、これは
政府の
立場において決められる問題ではありませんと。したがいまして、一括をいたしまして最高権威のありまする
国会の御
判断にゆだねて、そうしてこれを出すべきか出すべからざるかということを御
判断をいただくという
議決案件としてお出しをさしていただく、こういうことになりまして、ただいまそのような
措置になっておるというところでございます。