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政府委員(
土屋佳照君) いろいろ
お話を伺ったわけでございますが、最初に申し上げましたように、国全体の
行政を国と
地方がそれぞれ
役割り分担をしてやってきておるわけでございまして、そういった中で財源の配分が決まっております。それに従ってやっておるわけですが、いずれも厳しい
財政条件のもとで財源が不足をしておるという状況でございますから、やはり全体として国の
財政、
地方の
財政を考えながらそれぞれの仕事ができるようにということでございまして、その過程で
地方の
財政についても交付税法六条の三第二項の規定によって交付税率でも上げられればよかったのでございますが、国としてもそれだけの余力はないしというようなこともございまして、あの規定に基づいて五十三年度以降実質的な二分の一は国が
負担をするという形で
制度化をされて今日に至っておるわけでございます。
したがいまして、幾らでも
地方が持てばということではないのであって、それは
地方財政が先ほどから御
指摘のように三十二兆の
地方債残高と八兆円の交付税特会借り入れがあることは、これは国の国庫当局も十分
承知しておるわけでございますけれ
ども、いろいろ私
どもの耳に入ってきますところでは、国は八十二兆円の不足だ、
地方は四十兆だ、半分じゃないかとか、それから歳入に占める国債の比率が一方は二六・二%で
地方はその半分しかないじゃないかといったような単純な比較で言われるわけでございますけれ
ども、私
どもとしては、国と
地方の違うのは、国はまさに一本の団体でございますが
地方は三千三百に余る団体でございまして、団体によっていろいろ違っておるわけでございまして、全体のマクロ的な姿でその
地方債の占める比率が幾らといったようなことではなくて、それぞれの団体ごとに見ればいろいろ問題があることは明らかでございます。そういったことで、今後交付税特会等の借入金の返済についても、特に六十年度、六十五年度となると膨大な返済金が要るわけでございますから、私
どもとしてはそれに備えて体質を改善していかなければならないということでございます。
そういった意味で、国も
地方もいま
行財政改革によって体質を改善していこうということでございますし、
地方財政においても、五十四年度の四兆一千億を境にいたしまして、五十五年度二兆五百五十億、五十六年度は一兆三百億と、徐々に財源不足額は減らしてきたわけでございます。これはかなり抑制的な基調で推移してきた結果ではございますが、引き続いて
行政の刷新をいたしながら
財政の健全化を図っていかなければなりません。ただそれにしても、いまのような平面的な面ではなくて、今後の抱えた借金の返済に十分
対応できるような体質改善をしていかなければならないわけでございますので、大変厳しい状況にあるわけでありますが、今日これに至ったものがすべて何と申しますか、全部国の責任で
地方の借金がふえたんだと言うわけにもまいらない面もあるんだろうと思っておるわけでございます。