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対馬孝且君 いま
大臣から
技術調査団等も
派遣をし、また
保安の万全の基本的な見直しを含めながら経営主体を基本に再建をいたしてまいりたいと。その中でいままさに、生存がまだ
確認しないうちに云々ということは、私もテレビ討論で申し上げたことでございまして、このことをもってしても全く人間軽視、まさに
保安軽視、
生産第一主義であるということをはっきり言わざるを得ません。
大臣の基本的な態度はいまわかりましたから、そこで私はこのことだけ申し上げて、お互いに問題の
姿勢を正してまいらなければならないと思っておるんですが、
昭和五十一年十月十九日、参議院
商工委員会の
資源エネルギー対策小
委員会で、萩原吉太邸当時
北炭会長を呼びまして、私は二時間、阿
具根先輩が約三十分
質問をいたしております。これをもう一週間来ずっと私の
質問を熟読玩味をいたしてまいりました。当時の
大臣は河本
通産大臣、私はずっとこれを読んでみまして、やはり本質的に、これはちょうど幌内
炭鉱の
爆発があって、その再建のために開かれた経営者側の
姿勢を私は追及をしたわけであります。そのときに私はこう言っているんです。この
会議録を後でごらんになっていただければわかるんでありますが、まず
保安問題に対しては、やはり
会社側の
北炭の
姿勢を正す必要がある。いま阿
具根先輩も言われましたが、まず政治が優先をして、そして
保安をおろそかにするという体質がある、これが今回の幌内
炭鉱の
昭和五十年の十一月二十七日に起きた
災害の
原因ではないか。いみじくも当時の萩原会長に私はこう言っています。そこであなたは政商屋だと、当時ロッキード事件の直後でありますから、あなたは政商屋という看板が通っている限り、本当に幌内
炭鉱を再建するのであれば、私財をなげうつべきだ——これを読んでください、全部書いていますから。あなたの私有財産をなげうつべきである。私も
炭鉱マンですから、
昭和二十年来一貫して、
炭鉱マンで
坑内に入っていますから、私は当時の萩原会長に申し上げたんですが、忘れもしない幌内
炭鉱の租鉱というのは二十八あると、私もこれしゃべっています。二十八の租鉱
炭鉱があって、そこから利益が上がって、今日の
三井観光株式
会社というのはホテルが七つ、系列のSTVテレビ、北星ハイヤー
会社を含めて
会社系列だけでもって三十八社ある、私はこういうことを
指摘しています。こういう
三井観光が今日も存在しているというのは、まさしく
北炭の租鉱二十八の
炭鉱に当時トン当たり二円という莫大な租鉱料金を取って
三井観光という資本を築いたのは
炭鉱労働者の血と汗ではないか。その血と汗ででき上がった
三井観光株式
会社が、この幌内
炭鉱の再建のためにはまずみずから金を投入して、
自分の私有財産までなげうって幌内
炭鉱を再建するという気構えに立たなければ再建することにはならない。まず基本はそこにあるということを私も阿
具根先輩も実は追及をしております。そのときに萩原吉太郎が言っていることは、まさにいま
対馬さんが
指摘されたとおりでありますが、今回の
災害要因については——ここでも
北炭新鉱のことに触れています。幌内
炭鉱と
北炭新鉱については全く
ガス山である、
ガスの非常に多い山である。そういう意味では全く今回の
ガス事故に至ったということについては、まさしくいま
対馬さんが
指摘したことについては私は肯定をいたします。ただ問題は、経営再建のために私有財産をなげうってと、こう言ったら、彼はやはりそのことは言葉を濁して、遺憾ながら私も一がどの経営者でありますので、この場でいま私の私有財産をかくかくしかじかのものをこうですということを言うことになれば、この
会議録で言えば「落後者」であります。私はみずからここで辞表を提出しなければなりません。したがって、ここで言うことだけはひとつ勘弁をしてもらいたい。しかし、再建のために、いま御
指摘ありましたが、全力を挙げてまいりたい、こういう
答弁に至っておるわけです。
なお、さらに私は追及しています。こんな抽象論ではだめだと、こんなことでは。はっきり申し上げまして、当時千歳空港の滑走路二キロ延長の用地はあれ
三井観光であります。それから、かつて沼田
炭鉱というのがありましたが、あそこの用地は自衛隊用地に買収されました。あれも当時
三井観光の所有地であります、不動産を含めて、ロッキード事件のときに私が調べた数字でありますけれ
ども、大体百三十億を超えるくらいのものが陰に隠されているということを私は
指摘したと思っております。しかし、そういう財産はございませんと私には否定をしていますけれ
ども、そのときの
答弁の中にありますのは、
北炭会社から、確かに
対馬さんが
指摘したとおり三千三百万円出資金としていただいております、こう言っています。これは
会議録に書いてあります。しかし、それが利子を換算して今日の
時点で
考えれば、なるほど何十億かの金にはなるでしょう。その点では
三井観光としても重大な
責任を感じています。せめて
炭鉱労働者の再建のために返してやりたいというような意味のことを言いました。しかし実際に、まあ
石炭部長がおりますから申し上げるんでありますが、今回の再建の際にも私ははっきり申し上げていますが、
三井観光と
政府とやはり両方で、この際まずフィフティー・フィフティーでこの再建のために金を持ってこいと、これは
石炭部長御存じのとおりです。あのときはたしか三十二億という私の記憶にあるんでありますが、
北炭自身としては再建のために出す、これは後で
答弁していただければいいんでありますが、そのときに三十二億の一応原則的にはフィフティー・フィフティーで金をつくると言ったはずの金がそれじゃ一体できているのか、つくったのか、このことを
考えてみますと、私はこれはいまだに疑問を感じておるんでありますが、この点を
通産省はどういうふうに把握されておるか別にしまして、そういう基本的な
姿勢ということがいま
北炭の経営体質として問われている、これがやはり私は原点だと思います。
この点についてまずひとつ、
北炭の経営体質、もちろん萩原はことしの六月をもって会長を逃げちゃった。会長はもうやめてしまった、
責任はないということは私は言わせたくない、私は近く参考人として当
委員会に呼んで、萩原会長に当時の私の
会議録を思い出して、これを追及いたしてまいりたいと思うのでありますが、当然
責任はある。今日に至らしめた
責任というのは萩原当時の
社長、後の会長に重大な
責任があると私は感じている。それだけに私は、今後のこの問題について、
通産当局としてもこの経営の再建を何が何でも願わなきゃならぬわけでありますが、その場合も、やはり先ほ
ども阿
具根先輩から出ましたが、はっきり申し上げてあした払う賃金がない。もう来月払う賃金が問題になってきている。現に夕べも電話がかかってきています。それはそうでしょう、休業
補償を六〇%払わなきゃいけないんだ。それから
遺族補償と、それから炭労との間に取り決めた退職規程に基づいて払う金額が正確に言うなら二十九億八千万円。それから組夫関係は、これは先ほ
ども阿
具根先輩から言われたとおりに、この間も私は、二十二日社会
労働委員会で藤尾
労働大臣に申し上げたが、組夫であるから直轄であるからという一切差別してはならない。
大臣も、
責任を持ってこれは差別をしない、藤尾
労働大臣が明確な言明をいたしましたが、そういうことを
考えてみますと、やはりそこらあたりに行政の立場としても、私も現にこれは言っていることですから、何も私はきょう
政府だけを責めているんじゃなしに、基本的に経営者の
姿勢を正す意味で五十一年以来三回私は
質問している。
林社長を入れて三度目だ、はっきり申し上げて。そういう問題を正していく
姿勢がやはりこの際必要ではないか。この点率直に、どういうふうにお
考えになっているか、ひとつお聞かせ願いたい、こう思います。