○沓脱タケ子君
局長、そんなのんびりしたことをおっしゃっているけれ
ども、全国病院理学療法協会が、これは四千人ぐらいの組織らしいですが、雇用上深刻な問題だということで反対して、再
改定の要求をしているでしょう、
厚生省にも陳情をしたはずですわ。こういうことは再
検討が要るんですよ。
なぜ私は再
検討が必要だと言うかというと、だって現に労災では、ちょっと都合が悪いということになったんだと思いますよ、九月から変わったというじゃないですか。何でもかんでも丸めて三十点というふうにはしてないですよ、労災は。部位別とか局所別でとにかく三カ所までは認めようということで、九十点までは認めるということで、若干緩和するっていうような措置もとってるんですよ。やっぱり無理があるからこういうことが起こっているんだから、これは再
検討する必要があると思いますよ。どうですか。
——まあ、また長うなるから、時間ないから、もういいですわ、答弁は。
それで、もう
一つ理解に苦しむ問題があるんです。それは歯科なんですね。これは時間があったらいろいろ言いたいんだけれ
ども、歯科のことだけちょっと言っておきたいんです。
これで
一つおかしいのは、歯科の点数
改定は五・九%、実質は五・二%だということを
厚生省は言われました。ところが、これも
改定直後から本当に大問題になった異例の状態で、新聞やテレビにどかどか出ましたね。こんなことも珍しいですわ。これを見てみますと、これは
一つは、検査機器についても問題がありますね。私は、歯科における検査機器等が正しく導入されて国民の歯科医療が前進するということが保証されるなら、これは非常に結構だと思うんです。しかしたとえばMKGという検査機器、これを開発した
先生が、いま岡山大学におられる山下淳という教授ですが、こう言ってるんですよね。日常の臨床上のために開発したものではないんだ、特殊的な研究用に開発したもので、今度も、健康保険に採用されるについて事前に何も聞いていなかった、こう言ってるんですよ。
〔理事
安恒良一君退席、
委員長着席〕
もう時間ないですからまとめて聞きますが、もう
一つはポリサルホン義歯床ですよ、大問題になった。これも私、午前中からの質疑を聞いていて思ったんですが、丸山ワクチンを認定するかしないかということでは、ずいぶん資料を非常に克明に
検討されて、あれだけ慎重に扱っておられるのに、ポリサルホン義歯床というのは、これは私、聞いてびっくりしたんだけど、日本の補綴学会の会長さんですか、日本の補綴学会では、ポリサルホンというのは一遍も発表されたことがないと言っている。私が存じております日本の歯科大学の歯科工学の
先生方、あるいは歯科の補綴科の
先生方が言っておるのでは、何しろ臨床例が学会でも
報告されたことがないし、公表されたことないし、評価はしばらく待ってくださいと、聞いたら皆そう言うんですよ。
そんなのをあわててちゃんと六月一日から片方ではやるじゃないか。丸山ワクチンみたいにあんなに慎重にどうしてやらないんですか、検査機器にしてもポリサルホンにしても。これは有床義歯の何か金属床の代用にするんで、大変薄くできていいんだという売り込みになっていますけれ
ども、
〔
委員長退席、理事
安恒良一君着席〕しかし実際に
検討された結果では、一・五ミリ以上にならないとたわみがひどくて利用できない。一・五ミリ以上にもなるというんだったら、これは現行のレジンと何の変わりもない。もう
一つの欠陥は、非常に高温で噴射するんで、一番いいと言われている義歯である陶歯が使えない、ぼろぼろになって高温には耐えられない。一番大事な修復がきかない。こういうふうなことが専門家の中で言われてきているわけでございます。それが一般の有床義歯の二倍以上の点数加算がされておるんです。片方ではずいぶん石橋をたたいて渡るという姿勢をおとりになるかと思うと、たとえばポリサルホンではろくに
先生方は知らない、学界では共通の認識にもなっていない、評価も一致していない、そういうものがひょろりと認定されて保険
扱いで出てくる。こういうことが起こりますと、これは一体
厚生省は何を
考えているんかということになりますよ。
一方、歯科では前から言われている不採算部門である歯冠補綴ですか、歯冠修復か、それから欠損補綴など、技術料の評価というのはろくに上がらぬわけですよ。だから有床義歯
一つが今度の点数千五十点ではできないんですよ、大概ね。プラスアルファの二、三万ぐらいですか、全国的にはいろいろあるんですが、二、三万なり五万円程度の自己負担なしにはなかなかできないという
状況になっているんです。だから生活保護
患者とか老人医療というのは冷遇されているんですよ。歯科で生活保護を扱っている医療機関というのはものすごく少ないんです。
東京を調べてみたら二八・八%、大阪がちょっと多くて四〇・二%、こんな状態を改めるために、これは技術料評価を正しくして国民医療が
健康保険制度によって十分受けられるというふうに改めるというところが一番大事なんです。ところが、そういうことになっていないわけですね。
で、時間がもうありませんので、最後にお聞きをしたいんですが、私
ども本
委員会でもたびたび言ってきたんですが、大体薬のさやかせぎで医療機関の経営を維持しなければならないという制度を長く
厚生省は医療行政としてやってきたという問題があるわけなんです。そういう不正常な状態を改めて、医師や歯科医師あるいは看護婦さん、その他関係の医療
関係者の適正な技術評価、労働評価をやって、それぞれの
人たちが本当に胸を張って国民医療に喜んで参画のできるような技術料の評価をやるべきであるということを私はたびたび言ってきたんです。ところが今回の
改定というのは、やったことは何かといったら、
薬価基準の大幅引き下げをやりました。ところが、われわれが主張してきた医師、歯科医師その他医療
関係者の技術料の引き上げがきわめてわずか。検査や理学療法の大幅な丸め、組みかえ、こういうことで実質的に引き下げになっている。これは人件費、物件費の高騰に見合うところか、医療
関係者は、
一つはマッサージの例を出しましたけれ
ども、マッサージ師のように職場まで失う。このままこんな状態でいきますと、医療機関の経営が危なくなるというのは、公私病院連盟も言っていますけれ
ども、そのとおりです。病院の経営が危なくなるということはひいてはどういうことになるかというと、国民医療が荒廃し、安心して医者にかかれないというところへやっぱり落ち込むんです。
私は、
大臣、最後に言っておきたいんですが、臨調行革でとにかく金を削りゃいいということじゃないと思うんです。むだは削ったらよろしい。しかし必要なところまで、勘定合わすためにということで、つじつまも合わぬような勘定の合わし方、削り方というのはやってはならないと思うんです。私はそういう立場でいま三、四点の問題を
指摘いたしましたけれ
ども、すでに十数点の問題点については
関係者からお聞きのはずでございますから、そういった点をあわせて、これは問題点を
検討して、再
改定に踏み切るべきだと思うんです。そうして医療機関の経営に一定の安定をもたらし、
患者さん
たちにも安心して医療にかかれるような体制をつくるというために再
改定を
検討するべきだと思いますが、
大臣の御
見解を伺いたいと思います。