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上田耕一郎君 この前の特別
委員会で、衆
議院建設委員会で十一月十二日に中島議員が問題を提起した七三年の本四架橋、あれは大鳴門橋、それから瀬戸大橋南、北、それから因島大橋、この四つの橋について指名も行われない前に完全に本命が決まっていたということをルート図も出し、それからある大手
建設社の営業部長
会議で出された厳秘の判のある部内資料のコピーまで提出したんですが、これも全く事実はなかったという答弁が
建設大臣からあったんです。今度の七九年、つまり二年前の同じ本四架橋に関する談合の事実についても全く
調査の結果疑うに足る事実はないという御答弁でした。業者を十五社呼んだと言われますけれ
ども、だれもやったということを認めるわけはないわけで、認めるに足る事実はないと、事実があったかなかったなというのはいまの
公団の御答弁でもまだ不明だと思うんです、
特に清山さんが出ていなかったと、大多数認めた人がいないというんでしょう。清山さん本人は理由もないし、行った覚えがないと。行った覚えがないというのはまたなかなかおもしろい答弁なんですね。行ってないと言わないで、行った記憶がないという。これはロッキード裁判でも有名な言葉になりましたけれ
ども、記憶がないという言い方で逃げようとしているわけですね。われわれもこの問題を赤旗日曜版でこれだけ大きく報道するのには相当な
調査をやったんです。
公団側、それから業者側数名の複数の方々から証言を得た。その中の人は、当日清山さんと名刺交換したためにいまだに名刺を保存している人がいるんですよ。ところが、残念ながらその人も名前を明らかにできない。われわれもその人たちとの約束で、この場でその人はだれだと、その人が持っている名刺はこれだということを言うことは控えます。控えるけれ
ども、われわれは確実に証言を得ているし、名刺まで見ている。清山さんは来ているんですよ。しかし、これはやりとりしていても、われわれ
建設省でも何でもありませんし、突きとめられない。証拠を明らかにすることはできませんけれ
ども、非常に私は疑惑が明白だと思う。
この間特別
委員会でも
指摘したんですけれ
ども、この問題は十一月六日の行特委で共産党の市川議員も持ち出して
指摘したわけですけれ
ども、会計検査院の報告による積算ミスが三億二千万円あったと、非常に特別な事態なんですね。会計検査院が積算ミスの幾つかの例を挙げているんですけれ
ども、この中で三億二千万円、一三%ですよ、二十六億六千万円のうち一二%の積算ミスなんという例は、挙げている例の中にもないですよ。ほかは二千万円、七千万円、ふえてもね、三億円の積算ミスになると特別な例なんです。工事総額は二十六億六千万ですからね。これは会計検査院もちゃんと書いてありますが、門崎高架橋で潜函工事やるわけです。潜函工事の掘削工事の計算を工事二つの二編成でやらなきゃいけないのを一編成と間違って計算したために約二倍になっちゃった。三億円で済むやつが六億円になった驚くべきケースなんです。
市川さんは、全部ここに
建設省からいただいた入札のときのデータありますけれ
ども、すべて参加した業者が全部同じ積算ミスをやって三億円上の入札をやって四回で落ちている、それで四回とも日本国土開発、大豊
建設、森長組共同企業体が全部トップで落ちているんですね。市川さんはまことに偶然があり得るか、
公団側も三億円の積算ミスやると、入札側もすべての社が同時に全部積算ミスをやるということ以外に
考えられぬじゃないか、そんなことあり得ない。もう
一つのケースは、確実な談合があった、予定価格も漏れていたということしか
考えられないということを
指摘している。ところが
建設大臣は、いや、ないと信じたい、善意で信じたいということを言われたんですけれ
ども、そういう実例なんですね。だからだれが見ても
状況証拠から見て半谷裁判長ならずともこれはクロであるというように判定されるべき事件だと思うんです。あなた方もなかなか、それをお認めになったら大問題なんでそういう答弁をされるでしょうけれ
ども、だから予定価格が事前に漏れていたという疑惑も非常に大きいと私は思うんです。
私は、この本四架橋の問題を二つ、われわれが事実を調べて提起したけれ
ども、
公団も
建設省もやはり疑惑を認めていないということの中に、実はこの談合問題の非常に大きな深い問題があらわれていると思うんです。政財官の癒着とよく言われますけれ
ども、そういう非常に
構造的なやはり癒着があると。この問題ではまだ政治献金の問題も恐らくいろいろうわさされているんですけれ
ども、国の大きな土木工事、大
規模プロジェクトの工事に関して大きな、一%としばしばよく言われていますが、政治献金、お互いのなれ合いのそういう
構造的な問題がここにはしなくも浮かび上がっているとしか思えない。
われわれが重視しているのは、これは場所が
公団の二階で行われているということで非常に重視しているわけです。私は今後ともこれは追及していきたいと思うんですけれ
ども、ひとつここでわれわれ常識で
考えられない莫大な積算ミスが出たことについて
建設省にお伺いしたいんですが、私は五十五年の二月二十一日のこの
建設委員会の質問で内訳書問題を出したことがあるんです。こういう積算ミスを防ぐためにはやはり内訳書を出させる、それを突き合わせるということがミスを防ぐ一番有力なやり方だということは、もうよく
指摘されているんです。この
公共工事の標準請負契約約款でも大体内訳書を出すということに決まっているわけです。解説書によると、大
規模工事ではもう必ずやらなけりゃならぬ、不必要なのは小
規模工事だということになっている。
ところが、
建設省の
実施約款では、業界の
要望だというので内訳書は提出に及ばずということになってしまったんですね。ところが、いま業界でも非常に
要望がある。いま私が問題にしたのは過大積算ですけれ
ども、過小積算の場合もある。これは当然あるでしょう。そうすると、過小積算の場合もこの場合は業者が全部泣いてのまされてしまうということもあるわけですね。工事の途中の設計変更もあるという点で、私はこれだけ大問題になっているこの積算ミスを防止する意味でもやっぱりかつて出していた内訳書の復活をやるべき時期だと。関東地建などでは一部復活をしているという動きな
どもあり、
建設省でも前向きの検討をしていると言われるんですが、今回の問題を契機に改めてこの内訳書問題ですね、業界も共通で
要求しているので、前向きに取り組むべきだと思うんですけれ
ども、官房長の見解をお伺いします。