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山中郁子君 いま私はそのことについてのトカゲのしっぽ切りに終わらせてはならないという観点からの幾つかの事実を、もう大変限られている時間ですので、限られたことしか申し上げられませんけれ
ども、そういうことを申し上げました。
それで結局
公社は、先ほどのも本社の指示です。それから、監査局や監査部を通じて裏金担当者に対して想定問答集をつくらせたり、裏帳簿を改ざんさせたり、にせ領収書をつくらせたり、いまも言ったように、予行演習をやらせたり、そしてその基本は、裏金担当者に最悪の場合でも他部のことは一切言うな、最悪の場合でも自分の部の中のことだけ認めるのにとどめろ、他の部のことは絶対言っちゃいかぬと、こういうことを言って、いわゆる実行行為者に矮小化するというすりかえをしているんです。これが組織的な犯罪隠蔽でなくて何か。そしてその証拠に、該当者の勾留中に監査部の
管理者がその勾留者に激励金を届けたり、保釈時には
電電公社の公用車を回しているんです。テレビで放映されて、
国民がみんな、一体
電電公社何を考えているんだろう、見た人がそう言っている。そういう
事態が次々と行われているんです。私はそういう点で、この点についての本当の反省を
電電公社がしない限りは、幾ら
総裁が何回繰り返したって、根絶ができないということを私は申し上げている。新聞などでも、「闇に踊った労務族」というような報道がされていますけれ
ども、結局この不正
経理は二、三年などというものじゃなくて、もう二十年余にわたって系統的に、組織的にやられてきているものである。そのことについて私は重大問題として
指摘しなければならないと思います。調べれば調べるほど、上は本社から下は通信局通信部・
管理部、取扱局に至るまで、全国でこうしたケースがさまざまな形で行われて、そして実際問題としてそのお金を通信局から本社に運んだり、あるいは通信局内で現金でもってその不正
経理のお金を運ぶみたいなことさえ行われているんです。結局巨大な労務人脈として結びついているというようにも報道されていますけれ
ども、これがほんとに実態です。この巨額な労務対策費で、もう神経が麻痺しちゃっているわけです。不正なお金だなんという神経が麻痺してきて、そして不正を不正とも考えられないで、巨大な裏金づくりをずうっとして、乱費の限りを尽くしてきたんです。ですから、私はここの根底に、いままで
逓信委員会でも何回も繰り返し強調してまいりましたけれ
ども、
公社の反共労務政策、それを土台にした労組幹部への接待など、こうしたものが繰り広げられていて、そういうことについて根本的なメスを入れない限り、この不正
経理の根絶がされないということを私はあわせて強調しておきます。
いままで何回も申し上げましたけれ
ども、森谷さんだってその幅をきかせて、大きな
役割りを果たしてきた労務人脈のお一人ですよ、率直に言わせていただければ。
もう
一つだけ具体的な点を確認というか、
指摘をしたいんですけれ
ども、こういう不正
経理づくりの中で問題にしたいのは、建設勘定から損益勘定の方へお金を流用している、そういう事実もあるということなんです。それは本来、どだいとんでもない話なんだけれ
ども、ましてそれで、不正
経理で、建設は工事費たくさん持っていますよね。そうすると、あんまり不正
経理で裏金つくるものだから、損益の方の営業だとか、そうしたところがもうお金があんまりなくなってきたという
事態が生まれてくるんです。そうすると、今度は建設勘定の方へお金を少しくれやと、こういうふうになるわけね。そうするとどういうことが言われているかといいますと、よし、わかった、それでは今度は電話線を食おうか、あるいは交換機の付帯工事を食おうかと、こういうことがあたりまえのようにして言われて、そうして
経理部の操作を通じて、建設勘定のお金を損益勘定の方に回す形にして、それで、そこで損益の部門の裏金をつくると、つくってあげたんだから、リベートよこせ。そして、一千万つくれば三百万、四百万というリベートを返す。ほんとに考えられないことだとお聞きになる方は思うかもしれないけれ
ども、事実です。そういうことが行われているんです。私は、これはもう会計処理法上ももちろんですけれ
ども、とんでもない話で、そこまで麻痺してそうしたことが行われている。これは新聞報道でもいろいろな形で報道もされていますし、
関係者もこれは明言しているんです。地検の大変厳しい事情聴取も繰り返し受けているんです。こういうことは明らかになってきますよ。いまあなた方が知らない、存じません、
公社はそんなことはあり得ない、本社はそんなことはやっていないと幾らおっしゃったって、これは事実はやがて明らかになるんです。そのときにあなたたちはどうするのかということです。
私は、最後に
会計検査院に、ことしの四月二十一日の参議院の
逓信委員会でもこの問題を取り上げたときに要求いたしましたけれ
ども、こういう
事態になっているもとで、
会計検査院が検査をして、そしてこういう結果でありましたと
決算委員会に
報告をして、国会に
報告をして、
政府にも
報告をした。その土台になっているのは全部改ざんされたものだ、捏造されたものだということがこんなに明らかになっているところで、あなた方は再検査を精力的にやるべきだと。そのことはそうしなければならないでしょう。そうしなければ、
会計検査院がだまされたということにとどまらないで、
会計検査院も知った上でやっているんじゃないかということになりかねないんですよ。今度、この事件後、
会計検査院から幹部が二人
電電公社に天下りました。これは異例なことですよ。いままでなかったことですよね。そういうこととあわせて、
会計検査院はだまされたというだけではない、知っていたんじゃないかと、こう言われたって仕方がないでしょう。
会計検査院の責務に照らして、断固として再検査をするということを国会で明らかにしない限り、あなた方の仕事はかなえの軽重を問われるということを申し上げますけれ
ども、いかがですか。