○井川政府委員 個人消費の問題、ひいては所得税減税の問題につきましては、ただいま先生の
お話にいろいろ御説明としてございましたが、実はそのとおりだと考えております。国民
生活局長は参っておりませんけれ
ども、彼が言った趣旨は、家計
調査で見ましても、このところ実収入に比べて可処分所得の伸びがさらに低い、それは非消費支出の伸び、ということは税金あるいは社会保障費等々が高いから、こういうことを言ってございます。消費が伸びないというのはこれだけの理由ではございませんけれ
ども、やはりそれが
一つ大きい理由であろうということになりますと、当然減税ということは考え得るわけでございますが、御承知のとおり、政府としては現在行財政改革ということで取り組んでいる最中でございまして、現
段階、それができ得る
状況ではない。河本大臣が常日ごろ言っておりますことは、来年度においてそれができないにしても、環境が許すならばできるだけ早い機会にそういう方途を考えるべきじゃないかということを言っているわけでございまして、環境が許すというのはどういうことかということで、実はきのうも参議院の行革委で、そういう質問があって大臣が答弁をしておるわけでございますけれ
ども、経済運営よろしきを得て、いわば、先ほど税収の話が出ましたけれ
ども、予定以上の税収が出る、あるいは行革が成功して、まあ予定以上に余裕ができる、そういうめどがつきさえすれば所得税減税を考えていいんじゃないか、こういう考え方で申されているわけでございます。したがいまして、四十八年以降の問題として、この問題はわれわれとしても検討してまいらなければならぬだろうと考えているわけでございます。
それから、もう
一つの輸出課徴金の問題につきましては、実は十月二日の政府の経済対策の中で、「貿易の拡大均衡」というふうなことをうたっておりまして、しかもその一項目に、今後
輸入の増大のための具体策を検討していくということを載せてあったわけでございます。われわれといたしましては、先ほどおっしゃいました暫定
見通しにおいて、五十六年度経常収支、大体七十億ドル黒字になるというふうな暫定
見通しを出したわけでございますが、四−六に続いて七−九の数字が出てみますと、黒字が定着して、それ以上になりそうである。それであれば、何かこの際、先ほどの引き続き検討する対策というものを至急検討する必要があるのじゃないか。時たまたま、政府の出しました稲山
調査団がECを回りまして、非常にEC
各国からいろいろな要求、要望が出された。先週土曜日に、総理のところで経済閣僚が全部集まりまして、稲山
調査団の報告を聞いたわけでございます。そういうことから、今週から経済企画庁に、そうした貿易摩擦を回避し、いわば大幅な黒字になることを防ぐというふうな対策をひとつ集めて検討していこう、経済対策閣僚
会議で検討しようということで、実はわれわれのところで各省の
意見を集めているところでございます。その場合、当然、輸出についてどうするかということも議論になろうかと思います。しかしながら、そういう議論を経てみないとわからないわけでございますけれ
ども、私たち経済企画庁としての考え方としては、いわば輸出を抑え込むということよりは、やはり
輸入を拡大するという方向で対処すべきではないか。わが国の貿易立国というふうなことを考えてまいりますと、制度的に輸出を抑え込むという方法をとることは必ずしも適切ではないのではないかというふうに考えておるわけでございますけれ
ども、これらの点についてはまた、関係各省と十分打ち合わせをしていかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。