○
小島政府委員 五十六
年産大豆の
基準価格関係資料の御
説明を申し上げたいと存じます。
資料の一
ページに
大豆の
年次別の
生産状況が出ております。本年の場合、
水田転作などをきっかけといたしまして
作付面積は
全国でかなりふえております。
内容別に見ますと、後にも出てまいりますが、
北海道が昨年の
冷害などの
影響もございましてやや減少いたしまして、かわりまして
都府県の方は大幅にふえておるわけでございます。
それから一枚めくっていただきまして、その
作付の
内訳でございますが、全体で十四万九千ヘクタールの
作付面積のうち、
たんぼでつくっておりますものが九万八千八百ヘクタールということで、大体三分の二ぐらいを
水田転作でつくっておるという
状況でございます。さらに、
北海道の
内訳でございますが、全体としても減少しておりますし、また、
たんぼでつくっておりますものも、きわめてわずかでございますが、減少いたしておる
状況でございます。
都府県も同様、
畑作については減少いたしておりますが、それを上回るところの
水田転作がございまして、全体としてはふえておる、こういう
状況に相なっております。
次の
ページは、
主要生産県の
作付面積と
予想収穫量でございまして、
北海道はいま申し上げたように
面積も減っておるわけでございますが、本年の場合には
低温あるいは豪雨、台風などの
影響がございまして、
作況指数が八一と低うございます。それから
東北地方におきましても青森、岩手、
宮城等は
作況指数が一〇〇を下回っておるわけでございますが、反面西
日本の方の作が非常にいいということがございまして、
北海道除きの
主要生産県の
作況指数は一〇九ということになっております。平均いたしまして一〇三という
作況指数に相なっておるわけでございます。
四
ページは
作柄概況の
説明でございまして、お読みいただければと存じます。
それから五
ページには
大豆の
年次別の
需給状況の
数字が出ております。上の表の下から二行口にございますように、
需要合計では四百四十万トンということで、年々少しずつ
需要は伸びてきておるわけでございます。
生産量の方につきましては、これは本年の場合、
生産量は大体二十万トンを超えるのではないかと見ておりますが、出回り量で十六万トン、
自給率からいたしますとそれほど高
いものではございませんが、下にございますように、六十五年見通しでは
生産量を今日の倍ぐらいの
水準の四十二万トンまで持っていきたい、これは
食用大豆の七十万トンの約六割、こういう
水準を想定いたしておるわけでございます。
それから
輸入大豆の
価格の
状況、それから
国産大豆の
販売価格の
推移でございますが、これは外国の
豊凶の
変動にもよりますし、また
国内価格ということになりますれば
為替レートの
変動ということもあるわけでございます。
輸入価格、五十四年、五十五年と比較的高位に
推移いたしたわけでございます。
国内産の方も、
右側の下の方にございますように、五十五
年産の
大豆につきましては、
見込みでございますが、一俵七千四百円ということで、前年あるいは
前々年に比べますとやや
高目の
水準で
販売が行われております。
それから次の七
ページでございますが、
基準価格等の
推移でございまして、中ほどにございますように、
昭和四十九
年産から
生産振興奨励金が出されております。五十二年に至りましてそれが
価格の中に取り込まれまして、今日では
基準価格一本ということになっておりまして、五十五
年産の
価格は六十キロ
当たり一万六千七百八十円、こういう
水準に相なっておるわけでございます。
それから
生産費の
状況でございますが、
年次別に書いてございますが、一番
右側の第二次
生産費でごらんいただきまして、十アール
当たりでは毎年多少ずつの
生産費の
増加が見られるわけでございます。
増加の要因といたしましては、真ん中辺にございます
農機具費、それから
光熱動力費などの奇与率が高いように思われます。六十キログラム
当たりということになりますと、これは年による
豊凶変動が非常に効いてまいりますものですから、五十三年のように非常に豊作であったということで六十キロ
当たりの
生産費が非常に低く出ておる年もございますし、反面五十五
年産のように
冷害年であったということを反映いたしまして、比較的高く
生産費が出ておるという年もあるわけでございます。
それから九
ページは、
交付金の
実績でございまして、最近におきましては、五十三
年産が百七十四億ということで大変な
金額を必要といたしましたが、五十四、五十五
年産はいずれも百五十五億前後、こういう
実績でございます。
それから十
ページは、
大豆の
生産振興に直接
関係あります
予算の
推移でございます。お読みいただければと思います。
以上で
大豆関係の
資料の
説明を終わらせていただきます。
なお、お許しをちょうだいいたしまして、引き続き
アメリカのカリフォルニア州におきます
チチュウカイミバエの
発生に
関係いたします
植物検疫上の
対応状況を御
説明いたします。
順序は逆でございますが、一番最後の
ページにこの
虫自体の形質、特性といったものが記してございます。原産地は
地中海沿岸の
ヨーロッパでございますが、今日
ヨーロッパ、アフリカ、
中南米大陸、ハワイ、オーストラリア、中近東に分布をいたしておりまして、
果実、
果菜類の大害虫として知られておるわけでございます。
アメリカ合衆国本土はこの虫の
生息地ではなかったわけでございます。
ところが昨年の六月、
サンフランシスコ近郊の
住宅地域でこの
チチュウカイミバエが発見されまして、以来
アメリカにおきましても懸命な
防除作戦が展開されてまいったわけでございますが、その努力にもかかわらず、一
たん下火になりましたものがことしの夏ごろ以降また活発になってまいりまして、八月十三日以降は
果実の
商業生産地域の一部にも発見されるに至りました。その後八月下旬には
ロサンゼルス近郊でも発見されるに至っております。
終わりから二枚目に現在の
検疫規制区域、これは
ミバエの発見されました
区域とその
周辺部分を取り込みまして、
アメリカの方で
検疫規制区域というものを設定をいたしておりますが、現在、ここにございますような七つの郡、全部のところもございますし、一部のところもございますが、
規制区域になっておるわけでございます。このうち昨年の夏の時点におきましては、上の方のサンマテオ、アラメダ、それから一つ飛んでいただきましてサンタクララ、この三郡のみが
発生地域でございましたが、八月に至りまして、やや飛んでおりますがスタニスラウス郡の一部、これはサンホアキンバレーという
果実の
商業生産区域でありますが、そこに
飛び火をいたしました。そのほか同じように
住宅地で、隣接しておりますサンタクルツ、それからサンベニート、そういうところにも
飛び火をいたしております。それから
ロサンゼルス郡の一部は、一番下にございますようなところで、これも住宅的な
区域でございます。
そういう
状況でございましたので、私どもといたしましては、この
検疫規制区域のものは昨年の十月以降
わが国に対する
輸入を禁止しておるわけでございますが、それ以外の
地域といえども必ずしも将来に向かって安全であるという保証はないということで、八月十七日付をもちまして
アメリカに対し未
消毒の
加州産
生果実の対
日輸出の
自粛等を要請いたしたわけでございます。その結果、八月二十二日以降
日米の
植物防疫専門家の
会議が持たれまして、純検疫的な見地から当面の
検疫措置について次のような
合意が得られております。
合意事項は六項目ございます。第一は、
検疫規制区域以外の
加州産の
生果実、
果菜を含んでおりますが、次による
消毒を行い、その旨
アメリカ側で証明してあるものについては、
わが国は
通常の
検査方法で受け入れる。
レモン、オレンジ、グレープフルーツにつきましては
低温処理または
EDB薫蒸、ブドウ、
キウイ等の
生果実については
低温処理、アボカドにつきましては
臭化メチル薫蒸プラス低温処理ということでございます。
それから
加州産以外のものにつきまして、
加州を通過する場合においては
海上コンテナまたは
密閉型トレーラーで輸送され、そういう
輸送方法をとったということを
アメリカ側が確認し、証明したものについては、
日本は
通常の
検査方法で受け入れをする。
それから第三の点でございますが、
アメリカは
イチゴ類それからメロン、数品種の
レモンにつきましては、この虫の
寄主植物ではないという
見解をとっておりまして、
国内的にもこういうものは
規制の
対象外にいたしておりますが、
わが国は世界の通説に従いまして、これらの果物も
瀞主植物として扱っておるわけでございます。この点意見の食い違いがございまして、今後とも引き続き検討するということになっておりますが、それまでの間、わが方としては従来の
見解によって
措置をする
方針でございます。
それから四番目は、こういう
消毒あるいは
密閉輸送という
方法をとらなかったものにつきましては、わが方としては
全量検査またはこれに準ずる厳重な
検査をするという
方針を
国内的にも国外的にも明らかにしておるわけでありますが、それは
日本固有の検疫問題でありますから
日本の自由であるけれども、
関係者に十分周知徹底させてもらいたい、こういう
アメリカの要望がありまして、そのとおりすることにいたしております。
第五は、
わが国が専門家
調査団を
アメリカに派遣するということでございます。
それから六番目は、今回の
合意の前提となっておりますのは現在の
発生状況を前提としたものでございますから、その
状況に基本的変化があればさらに必要な
措置をとる、こういうことにいたしております。
この
合意に基づきましてすでに実行に移されておるわけでございますが、またこの
合意事項の一つであるところの専門家の派遣につきましては、九月十三日以降、植物防疫
課長を団長として専門家の
調査団を
加州等へ派遣をいたしております。その結果といたしましては、
アメリカ側としても非常に本格的な体制をもって防除に取り組んでおりまして、
状況としては悪い方に向かってないという判断を持つに至っております。また、問題点の一つでございました
寄主植物の範囲につきましては、ハワイの研究所における専門家同士の話し合いの結果、
イチゴ類、メロンにつきましては、
アメリカ側もどうも余り自信がないということでおりたようなかっこうになっております。
レモンにつきましては、
アメリカ側はこの虫は
レモンには非常につきにくいということを証明をいたしておりますが、絶対につかないという確証が得られないままに物別れになっておりまして、引き続き
レモンについては
寄主植物として扱っておるわけでございます。
以上のような体制をとっておりますので、この虫が
わが国に侵入するという懸念はな
いものと思っておりますが、万々が一ということがございますので、早期発見体制ということで、主要な
輸入港、市場それから
主要生産県の消費地近接の果樹生産地帯等につきまして誘殺トラップを仕掛けまして侵入警戒
調査を実施いたしております。そういう
状況で、今後ともこの害虫の侵入防止には万全を期する考えでございます。
なお、このことに
関係いたしまして最近の
状況でございますが、
発生状況は九月、十月と日を追って発見される虫の数も減ってきておりますし、また発見されておりますものもこれまでの
検疫規制区域内でございますので、新しい検疫
規制地域の拡大は行われてはおりません。また、
輸入の
状況でございますが、一部の旅客携帯手荷物を除きましては、未
消毒の生果物は
輸入されておりません。若干のものが誤って入荷されたものがございますが、これは荷主の了解のもとに全量廃棄処分をいたしております。それから
加州産以外のもので
加州を密閉状態で通過した果物につきましては、九月九日現在で千八百六十八トンの
輸入が行われております。それから薫蒸されました果物につきましては、去る十月八日、
加州産の果物で
EDB薫蒸されたものが、オレンジ三十六トン、
レモン三十六トン、横浜港に入荷しておりますが、この問題につきましては、港湾荷役の労働者の方方がEDBの残留濃度を気にして荷さばきが昨日現在行われておらない。したがって、まだ通関も行われてないという
状況にございます。
昨日現在におきまして、横浜港の港湾労働組合、いわゆる船主、それから荷主並びに労災防止協会の四者が
会議を持ちまして、厚生省が許容濃度基準の暫定的な基準として定めました〇・一三PPm以下のものであるということで、
関係官庁が責任を持って安全宣言を行わない限りヤード内から搬出しない、こういう申し合わせが行われております。したがいまして、
検査の結果そういう濃度以内であるということが判明すれば貨物は動き出すのではないか、こういうふうに見ておるわけでございます。
駆け足でございますが、御
説明を終わらしていただきます。