○安藤説明員 お答えいたします。
まず現在の
坑内状況でございますが、各所にガスの観測地点を設けておりまして、精密にガスクロマトグラフにかけまして連続的に測定を行っておるところでございます。
その
状況について申し上げますと、メタンガスあるいは一酸化炭素は
密閉後の状態もほとんど
変化がないと言う方がむしろ正しいかと思います。若干の変動はございますが、大勢的に申しますとむしろ
変化がないと言う方が正しいかと思いますが、最近に至りましてメタンガスが少し上がりつつある、むしろ爆発限界内に入っているということで、非常に懸念をいたしておるわけでございます。また、一酸化炭素の方はまだ相当検出されておりまして、これから見ましても、中の状態は全く、入って見ておるわけじゃございませんが、鎮火しているというような
決断は絶対下せない
状況にございまして、こういう
状況でございますからそばにも近寄れない、遠くの方から見守っている、観測を続けているという状態でございます。
そういう状態でございますから、二次爆発あるいはこの火災の類焼といったことが十分懸念されるわけでございまして、この防止手段としましては、いま先生からお話がございましたように、もう本格的に
密閉して徹底的にこの部内を酸欠状態に追い込むか、または
注水によりまして火源と思われるところを徹底的に消火に追い込む、この二つの
方法しかないと言っても過言じゃないと思います。
いわば
密閉方法でございますが、本格的
密閉ということになりますと、約五カ所前後の個所にフライアッシュによる完全
密閉が必要かと思います。そのときには、一カ所おおよそ二日
程度の期間を要するかと思います。もちろん、五カ所
程度と申しましても、
一つ一つやるわけじゃございません。ある
程度同時にやれるところもございますから、
密閉がそのトータル量としての期間を要するということはございませんが、かなりの時間を要しつつ、かつ、問題はやはり、いまの部内が危険状態にあるということから果たして安全作業が可能かどうか、こういうところに尽きるわけでございます。
また、
密閉してその後の効果を見ながら取り
明けということになるのですが、過去のこういった
密閉による取り
明けの事例を申し上げますと、やはり半年、長いところではもう少し、まあ一年近くかかるという結果もありまして、要するにかなりの長期間をこの
方法では要するのじゃないか、こういうふうに
考えております。
次に、
注水方法でございますが、この
方法によりますと、いま火源が一番下の八百十レベルにあるのじゃないかというふうに予想されておりますが、なお十八日のいわば爆発と思われる現象から火源がかなり上の方に来ているおそれもございますので、これは何とも申し上げかねますが、仮に下の方に火源があってそこに
注水すればいいということになれば、これは斜坑でございますので上から流し込めばいいということでございますから、わりあい早く消火活動ができていくのじゃないか。これは板に上の方まで火源が及んでいたとしても、五日前後で
注水が可能かというふうに
考えております。
なお、この後の揚水
関係でございますが、これはもうあくまでも
注水量とめ
関係になりますから何とも申し上げかねます。これはガス観測をしながら、要するにどこで効果が発揮されたかというところでストップさせるわけでございますから、結果的に見ないとわかりませんが、仮に相当量入れたとしましても、二十日前後で揚水が可能かと思います。その後一部修復いたしまして、揚水あるいは取り
明けの準備をいたしまして、取り
明け坑に入っていくということになろうかと思います。これにつきましては、全く
注水量との
関係でございますので、先ほど
大臣は三、四カ月と申し上げましたけれ
ども、これは過去の例で、かなり量を入れたというときあるいはかなり
坑道が傷んでいるというときの状態を想定した数字でございまして、あくまでもこれは
注水量の結果との
関係で出ると思います。
したがいまして、総体的に申し上げますと、この
注水方式あるいは
密閉方式という
方法をとるにせよ、いずれにしても、やはり確実に収容できる、かつ安全に、かつ早く、この三つの点が
基本方針じゃないかと思います。