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1981-11-18 第95回国会 衆議院 商工委員会流通問題小委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
本
小委員会
は
昭和
五十六年十月二十三日(金曜 日)
委員会
において、設置することに決した。 十月二十三日 本小
委員
は
委員長
の
指名
で、次のとおり
選任
さ れた。
天野
公義
君 小川 平二君 粕谷 茂君
泰道
三八君 辻
英雄
君
中川
秀直
君
鳩山
邦夫
君 林
義郎
君 松永 光君 森 清君 渡部 恒三君
渡辺
秀央君
上坂
昇君
清水
勇君 山本 幸一君
渡辺
三郎
君 北側 義一君
武田
一夫
君
横手
文雄
君
小林
政子
君 十月二十三日
渡辺三郎
君が
委員長
の
指名
で、小
委員長
に
選任
された。 ————————
—————————————
昭和
五十六年十一月十八日(水曜日) 午前十時十分
開議
出席小委員
小
委員長
渡辺
三郎
君
天野
公義
君
泰道
三八君 辻
英雄
君
中川
秀直
君
鳩山
邦夫
君 林
義郎
君 森 清君
上坂
昇君
清水
勇君
武田
一夫
君
横手
文雄
君
小林
政子
君
出席政府委員
通商産業大臣官
房審議官
植田
守昭君 小
委員外
の
出席者
警察庁刑事局保
安部保安課長
内田 文夫君 参 考 人 (
日本弁護士連
合会司法制度調
査会第四
部会金
の
先物取引
に関 する小
委員長
)
大深
忠延
君 参 考 人 (
社団法人日本
金地金流通協会
会長
)
田中淳一郎
君
商工委員会調査
室長 中西 申一君
—————————————
十一月十八日 小
委員武田一夫
君十月二十七日
委員辞任
につき、 その補欠として
武田一夫
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に
選任
された。
—————————————
本日の
会議
に付した
案件
流通
問題に関する件 ————◇—————
渡辺三郎
1
○
渡辺
小
委員長
これより商工
委員会
流通
問題
小委員会
を開会いたします。 この際、
一言
ご
あいさつ
を申し上げます。 今国会も引き続き、私が本
小委員会
の
委員長
に
選任
をされました。小
委員各位
の格別の御
協力
をお願い申し上げます。
流通
問題に関する件について
調査
を進めます。 まず、大
規模小売店舗
の
出店
問題について
政府
から説明を聴取いたしたいと存じます。
植田審議官
。
植田守昭
2
○
植田政府委員
大型店
の
出店
をめぐりまして各地で
紛争
が発生している
現状
にかんがみまして、
通産省
といたしましては、
大型店
の
出店調整
の一層の
適正化
を図るために、
出店調整制度
の
あり方
及び
運用改善策
並びに
中小小売業
の
振興策
につきまして、
大型店問題懇談会
を設けまして、
年内
に結論を得ることを
めど
にいたしまして、先般から
検討
をしているところであります。 また、当面、この間の
対策
といたしまして、
出店届け出
の自粛を指導するとともに、
調整
中の
案件
につきましても、その慎重な
取り扱い
を指導しているところであります。 若干具体的に申しますと、まず当面の
対策
といたしまして、去る十月八日に、
概要次
のような指導、要請を行いました。 すなわち、
大型小売業者
に対しまして、各
地域
の
商業環境
や
大型店
の
出店状況等
を考慮いたしまして、
届け出
を極力慎重に行うように要請するとともに、都道府県に対しましては、この趣旨を踏まえまして、
届け出
を行う者に対して指導するよう要請いたしました。 また、
届け出
がすでに出されているものにつきましては、
商調協
での慎重な
審議
を要請するものといたしまして、地元に混乱を招くようなおそれのあるものにつきましては、特に慎重に扱うよう要請いたしたわけでございます。 次に、
大型店問題懇談会
でございますが、これにつきましては十月十二日、お配りいたしておりますような
メンバー
をもちまして発足いたしまして、現在
検討
を行っているところでございます。
メンバー
は、
中小小売商
、
大型店
、
消費者
、
調整機関——調整機関
と申しますのは、
商調協
を持っております
商工会議所
及び
商工会
でございますが、この
調整機関
、それから
生協
、
農協
、
労働組合
、地方自治体、それの各代表及び
学識経験者
から成っております。
検討項目
といたしましては、主たるものは次のようになっております。
一つ
は、
大型店出店
の
現状
と
問題点
につきましていろいろと
検討
するということでございます。たとえば
紛争
の原因を一体どう考えるか、あるいは
出店
の仕方とか
出店
の
スピード等
につきましての
検討
がいろいろと行われるべきであると思います。 それからまた、次に、
小売商業
の
調整制度
、
運用
の
あり方
なり
改善策
をどう考えるかということでございます。 その中で、
一つ
は、
出店
の
適正化策
、たとえば
出店
の
届け出
とか
調整
に当たっての目安のようなものが何かできないかということでございます。これにつきましては、各
方面
から要望は大変強いのでございますが、率直に言いまして大変むずかしい問題でございます。きわめて流動的な
流通
の問題につきまして設けるわけでございます。また、
地域ごと
の実情がはなはだしく違いますので、そういったことを踏まえてどう考えるか、
一つ
の
検討点
でございます。 それから次に
調整機関
の
あり方
でございます。たとえば
商調協
の
あり方
をどう考えるか。
商調協
につきましてはいろいろと御
議論
のあるところでございまして、必ずしもよく十分機能していないのではないかというふうなこともございますので、この機能を充実するにはどうしたらいいか、あるいはまた、
メンバー
の
あり方
などどういうふうに考えたらいいか等々、
商調協
の
あり方
が
一つ
の
問題点
と考えます。同時にまた、
地方公共団体
との連携の
あり方
というふうなことも考えなければいけないのではないか。市町村や
県等
ともっと緊密な
協力体制
をとるにはどうしたらよいかというふうなことも、ここでの
検討事項
になろうかと考えております。 次に、
調整方法
についての問題もいろいろとあると思います。たとえば
許可制
の問題がございます。御
承知
のように、現在は
届け出制
のシステムをとっておりますが、これを
許可制
にすべきではないかというふうな御
意見
も出ている際でございますし、この問題についても
検討
しなければならないと思います。さらには、
業種別
に
調整
を行うべきではないかというふうな
業種別調整
の問題あるいはまた
都市計画
と
商業出店
の
関係
をどうするかというふうなこともいろいろと問題になっておりますので、そういった点の
検討
もあるわけでございます。 次には、
調整対象
の問題でございます。この点につきましては、たとえば
農協
や
生協
といったものを
調整
の
対象
にすべきではないかという
議論
が
一つ
ございます。御
承知
のように、現在は、
農協
、
生協
は
特別法
によりましてそれぞれ
運用
されているわけでございますが、いわゆる
商業活動
による
中小企業
に対する影響という点で、同様の効果も持っているのではないかというふうな御
指摘
もあるわけでございます。あるいはまた、
調整対象
のもう
一つ
の問題といたしましては、いわゆる
企業主義
という問題がございます。現在は
店舗
の大きさで
規制
しているわけでございますが、およそ大
企業
が
出店
するものにつきましては、
店舗
の大きさにかかわらず、小さな
店舗
でもこれは
調整
の
対象
にすべきではないかというふうな
議論
もございまして、その辺も
一つ
の
検討点
でございます。 その他いろいろございますが、主な点といたしましては、大体以上のようなことかと思います。 さらに、
懇談会
といたしましては、
中小小売商業
の
振興策
という面でどうしたらいいかというふうな問題も、もう
一つ
の大きな
問題点
であろうかと思います。 そういうふうな点につきまして現在
検討
しているわけでございますが、いままで十月十二日に第一回の
懇談会
を開きまして、十九日に第二回の
懇談会
を開いております。この二回におきましては各
委員
からいろいろ御
意見
を伺っておりますが、三回目以降は、
学識経験者
から成る
小委員会
を設置いたしまして、さらに詳しく
検討
をしているところでございます。
小委員会
はこれまでに五回開催しておりまして、この間、四回にわたりまして
関係者
にそれぞれ来ていただきまして、
ヒヤリング
と申しますか、いろいろ
ディスカッション等
を行ってきたわけでございます。こういった
ヒヤリング等
の結果を踏まえまして現在
対応策
を
検討
しているところでございまして、これからいろいろと
検討
いたしまして、
年内
を
めど
にまとめてまいりたいというふうに思っております。 以上、簡単でございますが、最近の
状況
を御報告させていただきます。
渡辺三郎
3
○
渡辺
小
委員長
本問題についての
質疑
は後日に譲ることにいたします。
—————————————
渡辺三郎
4
○
渡辺
小
委員長
次に、金の
先物市場
開設
問題について
調査
を進めてまいります。 本日は、
参考人
として、
日本弁護士連合会司法制度調査会
第四
部会金
の
先物取引
に関する小
委員長
大深
忠延
君及び
社団法人日本金地金流通協会会長田中淳一郎
君、以上二名の方々に御
出席
を願っております。 この際、
参考人
に
一言
ご
あいさつ
を申し上げます。
参考人各位
には、御多用中のところ本
小委員会
に御
出席
をいただき、まことにありがとうございました。 金の
取引
問題につきましては、さる五月十二日の本
小委員会
におきまして
参考人
の
意見
を聴取し、
調査
を行ってまいったところでありますが、御
承知
のごとく、金は、去る九月十六日
商品取引所法施行令
の一部を改正する
政令
の公布により、いわゆる
政令指定商品
に
指定
をされ、現在、金の
公設先物市場
の
開設準備
が進められていると伝えられております。 この
機会
に、金の
先物取引
に関する諸問題についてさらに論議を重ね、その
問題点等
を明らかにすることにより、本
小委員会
としての審査を深めてまいりたいと念願をいたしております。
参考人各位
におかれましては、それぞれのお
立場
から忌憚のない御
意見
をお聞かせいただきたいと存じます。 なお、議事の順序でございますが、最初に御
意見
をそれぞれ十分程度取りまとめてお述べいただき、次に小
委員
の
質疑
に対してお答えをいただきたいと思います。 なお、念のために申し上げますが、発言の際は小
委員長
の
許可
を得ることになっております。 また、
参考人
は小
委員
に対し
質疑
をすることはできないことになっておりますので、あらかじめ御
承知
おきお願い申し上げます。 それでは、まず
大深参考人
にお願いをいたします。
大深忠延
5
○
大深参考人
ただいま御紹介いただきました
大深
でございます。 すでに御
承知
のとおり、
日本弁護士連合会
は、本年十一月「
金先物取引被害防止
に関する
意見書
」をまとめて公表いたしましたところ、各
方面
から大変な関心を呼んでおります。 このたび、当
委員会
におきまして、金の
先物市場
開設
問題を
調査
なされるに当たり、
参考人
の一人として私に
意見
を申し述べる
機会
を与えられましたことを心からありがたく存じております。 さて、当
連合会
のさきの
意見書
は三つの骨子から構成されております。すなわち、第一点は、現在
マスコミ等
の報道により、
政府
は本年十二月中旬にも
東京金先物市場
の
開設
を
許可
し、来年早々にもそこで実際の
取引
が開始される見通しである旨が伝えられております。この問題につき、当
連合会
では、
金先物取引
の
需給条件
及び
委託者保護
の諸
条件
が整備されるまでは
政府
として
金先物取引所
の
開設
を
許可
すべきではないと提言しております。 その
条件
の重要なものとしては、第一に、国民に対する
先物取引
の
危険性
についての
知識普及
がなされること、第二点としまして、
商品取引所法
の改正ないしは
新規立法
による
委託者保護
の
徹底
がなされること、第三点としまして、
商品取引業界
の
体質改善
がなされること、第四点としまして、
国内
の当
業者
間での
先物取引市場
の
必要性
についての
議論
が熟することなどを考えております。 仮に
政府
として
金先物市場開設
の
許可
はやむなしとした場合、投機を極力抑制する
観点
から
証拠金率
を三〇%以上にすべきこと、
委託者保護
の
観点
から
商品取引員
の
純資産額
を十億円以上とすべきという点もあわせて提言いたしております。
意見書
の第二点は、
現行商品取引制度
において、第一に、
一般投資家
に対する
勧誘規制
を強化すること、第二に、
商品取引員
、
外務員資格
を厳格にすること、第三に、
委託証拠金率
を適正にすること、第四に、
委託証拠金
の
分離保管義務
を明確にすることを
指摘
し、特に
勧誘規制
の問題につきまして、第一に、
適格者ルール
の確立、第二に、
危険開示
の原則を確立すること、第三に、
不当勧誘防止策
の
徹底
ということがなされることを具体的に取り上げております。
意見書
の第三点としましては、
金先物取引被害
が今日まで尾を引いた根源としまして、
商品取引所法
第八条をめぐる
解釈
について当
連合会
の
見解
を明らかにしました。そして、
政府
の
昭和
五十五年四月になされました
解釈変更
についての
批判意見
を開陳しまして、
昭和
二十六年のもとの
政府解釈
に戻すことを提言いたしております。この点に関しましては、他の
政令指定外
の
商品
、たとえば
プラチナ
などにつき金と同様の
ブラックマーケット被害
が発生する危険があるからでありまして、すでに
プラチナ
、さらには銀、石油につき現実のものとなっていると聞き及んでおります。 その他の具体的な問題につきましては、
質疑応答
のところで申し上げさせていただきます。 どうもありがとうございました。
渡辺三郎
6
○
渡辺
小
委員長
次に、
田中参考人
にお願いいたします。
田中淳一郎
7
○
田中参考人
日本金地金流通協会会長
の
田中
でございます。 初めに、この
日本金地金流通協会
の設立、どういうわけでこれができたのかということについて申し上げておきたいと思います。 実は、
金地金
というものが著しい統制を受けておりました戦前、そのころ
貴金属地金協会
というのがございました。これは主として
日本
の各
鉱山会社
、七つございますが、この
鉱山会社
の
地金
を直接買い、そして
現物
を直接売る、こういうようなことを通常の仕事としてやっておるというような、歴史的と言うとなんでございますけれ
ども
、親の代から
金地金
を取り扱っているというような
会社
が、大阪に四軒、京都に一軒、
東京
に十軒というような十五社で
貴金属地金協会
、これは
社団法人
でも何でもございませんが、金の
現物取引
をやっておったわけでございます。 ところが、この
金地金
が御
承知
のように輸出入が自由になりましたので、かなり
取り扱い
の量あるいは
流通形態
というものも変わってもまいりましたし、あるいは
現物
の
取り扱い
に非常にふなれな方が
参加
をしてくる、あるいは金の実態というものについての
本質
を知らないで
参加
をしてくるということではこれはいけないということで、いわゆる
金地金
の
流通
をその初期において正しいものにし、そうして
世界金市場
の
一環
として
日本
の
金市場
が成長をしていくということでないと、あらゆる問題で
日本
の国の性格も低下するでございましょうし、いわゆる
世界金市場
の
一環
としてやっていくためには、やはり御
当局
の御
協力
をいただいてやっていかなければいかぬということで、
日本金地金流通協会
を
社団法人
として設立することを御
当局
にお願いいたしましたところ、全く同
意見
を得られまして、そしてこの
流通協会
ができ上がったということでございます。 申し上げましたように、この
流通協会
の
本質
は、
金地金
の
現物
を扱おうということを主たる目的とし、しかもこの
現物
の
扱い
方を、
世界金市場
の
一環
として恥ずかしくないような
取り扱い方
にしていこうということでこの
社団法人
ができ上がったわけでございます。
定款
を一々申し上げますと長くなりますが、その
定款
には、とにかく
現物
を扱うということが大前提になっておりまして、金の
先物
を取り扱ってはいけないということが
内容
になっておるわけでございます。私
ども
は、どちらかというと、
先物取引
については歴史的にも無知でもございまするし、十分な
知識
も実は持ってない反面、
現物
の
取引
については、かなりの
経験
と
知識
と
内容
を持っております。私
ども
は、金を取り扱うといたしまするならば、
現物
についてのみ正しい
マーケット
をつくっていこう、りっぱな
市場
にしていこうということを考えて現在に至っておるわけでございます。 特に、現在
先物市場
ができようという機運でもございまするし、そういうことであるとするならば、われわれの
経験
あるいはいままでやってきた能力というようなもので、
先物市場
の発展のために御
協力
するということについては十分考えるべきでもあるし、考えていかなければならぬ。たとえば、
金地金
の検査であるとか溶解であるとか、そういうような面につきましては、むしろ
日本
の
現物市場
、
現物取引
をりっぱなものにするということのためには、そういう意味合いで、
現物
については
十分お手伝い
をさせていただきたい、こういうような
立場
をとり、
協会員全員
がそういうようなことで考えておるということでございます。 以上でございます。
渡辺三郎
8
○
渡辺
小
委員長
以上で
参考人
の御
意見
の開陳は終わりました。
渡辺三郎
9
○
渡辺
小
委員長
これより
質疑
を行います。
質疑
の申し出がありますので、順次これを許します。
上坂昇
君。
上坂昇
10
○
上坂
小
委員
参考人
の
皆さん
には、お忙しいところおいでいただきまして、ありがとうございます。少し
先物取引市場
のことについて
質問
をいたすことにいたします。 いま御
意見
をいただきました
大深先生
にお伺いをいたします。 いま
先物取引
は、九月十六日に
指定商品
になりまして、いよいよ十二月から
市場
が
開設
をされるという
動き
になっております。その前に、まだ少し早いのではないか、この
開設
をもう少し見合わせてはどうかという提案がなされたわけでありますが、私も、いままでの金の
動き
あるいはいわゆる
ブラックマーケット
と言われている
状況
の中から、まだまだ危険が非常に多いし、ここで
金市場
、
先物市場
を開くということは、むしろ
ブラックマーケット
的なものを助長する形になるのではないかと思います。 実は、
指定商品
になりますと
取引市場
を開いてもいい、いまの
政府
の
見解
によりますと、何でも
市場
を開いてやってもよろしいという形になってしまいまして、そこで問題がたくさん出てくるおそれもありますし、もう
一つ
は、ほかの
市場
をつくってはならないということで、いままで
金市場界
あるいは
取引業界
を混乱させていた、金に対するいろいろな
取引
のトラブルがたくさん出ておりましたが、それらを整理することができないで、むしろ
金市場
を
開設
することによって、いわゆる
取引員
と言われる
人たち
、いままでの
取引所
の
人たち
の
一般投資家
に対する
勧誘
を公認化してしまうというような結果になりはしないか、そういうことによってもっと多くの
一般投資家
における
被害者
が出てくるのではないか、頻発するのではないか、こういうおそれを抱いておるわけであります。 この辺について、
専門家
の
立場
から、この
ブラックマーケット
的なものに対していろいろ
取り扱い
をしておられる
立場
から、もう少し御
意見
をいただければ幸いだと思います。
大深忠延
11
○
大深参考人
先生
の御
質問
に対して正確な答えになるかどうかわかりませんが、
日弁連
としましては、
政府
が言われるように、
金政令
の
指定
、
金取引所
の
開設
という問題は、
金取引
の
被害防止
とは直接つながらない問題だというふうに考えております。
被害防止
のために
金取引所
を設立するというのは、いわば本末転倒の
議論
ではなかろうかと考えております。 と申しますのは、
金先物取引
の
被害
は、すでに
昭和
五十一年、五十二年ごろから生じております。このことは、
通産省発行
の五十一年十月一日の「
消費者ニュース
」第二十八号における「金の
先物取引
の
危険性
について」と題する
警告記事
からも明らかです。
日弁連
の
見解
では、その
時点
で
商品取引所法
八条を
政府
に発動していただいて適切な
規制
がなされておれば、金の
先物被害
の問題はその
時点
で、後日に尾を引くことなくある程度未然に防ぎ得たのではないかと考えております。
政府
が八条の
解釈
を五十五年四月に
変更
された上で、この金の
被害
を防止するために、今回、九月十一日に金を
政令指定
されまして、十六日からその
政令
を公布するという形で
被害防止策
を講じたと言われるのは、余りにも回りくどい不可解な
見解
であると考えております。 この金の
防止策
として
政府
のとられた
対策
が、抜本的なものでないと考える理由は四つほどあります。 第一点は、
政府
は、
ブラックマーケット
における
取引
を防止するために
政令指定
をされたというふうに言われておるのでありますが、昨年四月の八条
解釈
の
変更
の際に示された
見解
によりますと、
私設市場
における
業者
の取り口は
先物取引
と解することに疑義を述べておられまして、この
政令指定
によって
同種取引
を抜本的に
規制
できるのかどうか疑問であるという点が第一点であります。 それから第二点は、冒頭に述べましたとおり、金の
先物市場設置
につきまして、金の
現物取扱業者等
について
先物取引
の需要というものが必ずしも熟していないということと、そういう
条件
ができていない上に、
現行
の
商品取引制度下
における
一般委託者
が
相場取引
によって
被害
を受けている事情にかんがみますと、かかる
条件
のもとで
金取引所
が設置された場合、
ブラックマーケット
における
金取引
の
被害
と同様の
取引被害
に
一般大衆
が巻き込まれるのではないかと危惧されること、これが第二点であります。 第三点としまして、
政府
のとられた
国内
の
金市場
での
取引
は禁止という結果、同じ
業者
が海外の
市場
に向けて同じ
金取引
を
勧誘
するに至り、かえってまた
一般大衆
にはきわめて理解しがたい
取引
に巻き込まれている、また巻き込まれるおそれがある、これが第三点であります。 それから第四点としましては、金という特殊な
商品
による
被害
という形で問題を提起されましたが、
政府
の八条の
解釈
の
変更
によりまして、このたび金の
政令指定
ということで一応
防止策
を講じられたというものの、次は金の代用品としまして、
先ほど
も
指摘
しましたように他の
商品
、たとえば
プラチナ
、銀などにそれが転化され、
同種
の
被害
が発生するのではないかというのが危惧される第四点であります。
上坂昇
12
○
上坂
小
委員
田中参考人
にお伺いしますが、いま
大深参考人
の方から、
現物
を扱っておられる当
業者
の
皆さん
は、まだ
先物取引
についてそれを
開設
する機が熟していない、こういう
判断
をされている。それから、そういう点からかどうかわかりませんけれ
ども
、
金地金流通協会
が当
業者
として今度の
先物市場
に
参加
を見合わせておるということについて、
先物市場
が開かれる以上は、むしろ主たる力となって
参加
をされるということが一番必要であり、またそれが一番
先物市場
を
開設
する方にとっては望ましい姿ではないかというふうに
判断
をするわけでありますが、それにもかかわらず、いま御
指摘
がありましたような点もあるかどうかわかりませんが、
参加
を見合わせておる。このことについて、なぜ
参加
を見合わせておられるかということが第一点。 それからもう
一つ
は、
先ほど参考人
は、私
たち
は
現物
の
扱い
については非常な長い
経験
と
知識
を持っておるけれ
ども
、
先物
の
扱い
については余り大きな
知識
を持っておられない、こういう
お話
でありました。まあ恐らくそんなことはないだろうとは思いますけれ
ども
、そういう
お話
でした。したがって、一番金の
専門家
のあなた方がそういう形でありますから、
一般消費者
が金に対する
知識
がないということはもう当然であろうと思われます。したがって、そういう
状況
の中で、実際には
一般
の
消費者
が
ブラックマーケット
と言われるところで大きな
被害
に遭ってきた、このことをあわせ考えまして、その金に対する
知識
、そうした啓発がまだまだ行われていないというときに非常に魅力のある
商品
として金が登場するならば、これに対しては飛びついていくような
状況
が出てまいりまして、
先ほど
大深参考人
がおっしゃったように、むしろ過当な介入の中でかえって
被害
が増大をするような結果になるのではないか、こういうことも恐れるわけでございまして、そのような点について二点ばかり
質問
をいたしましたので、お答えをいただきたいと思います。
田中淳一郎
13
○
田中参考人
申し上げます。
先物市場
をつくる機が熟しているかどうだろうかという問題でございますけれ
ども
、この点につきましては非常にむずかしいのでございますけれ
ども
、私
ども
の
調査
だけじゃございませんで、この
委員会
においても、工業用に金をお使いになるたとえば電子工業用の
皆さん
であるとか、あるいは歯医者さん、歯科
関係
の
皆さん
であるとか、あるいは装飾業界の
皆さん
であるとか、こういうような代表の方がお出になった際に、自分
たち
は
先物市場
に関連をしてヘッジする考えを持っておらないというようなことを言っておられたということは、確かに工業用の面では、現段階でフィルムをとめて考えた場合には、余り
先物市場
の必要というものを考えていないような御発言のあったことは
承知
もしておりますけれ
ども
、これがどういう動向になっていくのか、これは時代の変化というものもございまするので、ここでそれだけで全般を
判断
するのはどうかということになりますが、ただ、現段階でフィルムをとめて
議論
をしていきますと、工業用の需要の
皆さん
が
先物
の
市場
を認めないということになると、あと
一般
の御素人の方が
先物市場
のお客様になっていく、そういうようなことになるとすれば、
先物市場
をつくることについて慎重に、いわゆる
危険開示
制度であるとか、あるいは
金取引
というものの
危険性
というようなものを十分
承知
して、ニューヨークのコメックスのようにやっていくことが必要であろうというようなことをわれわれとしては考えるわけでございますけれ
ども
、かなり御
当局
もその点については御配慮になっておるように聞いております。 ただ、私
ども
といたしましては、
現物
の
取引
ということをテーマとして集まった
流通協会
でございますので、いわゆる
先物
の
流通
段階ということではなくて、
現物
の
流通
の整備ということを考えてこれに
徹底
していこうということででき上がった
流通協会
でもございますので、私
ども
は、もっぱら
金地金
の
現物
の
流通
について混乱を起こさないように、問題のないように、世界の
金市場
の
一環
として恥ずかしくないようにということのために全力を集中していく必要があると考えておりますので、
先物市場
といえ
ども
現物
をお
扱い
になる場合もございましょうので、そういう場合にはその面で十分
協力
をさしていただくということを骨子としておるわけでございます。 ただ、長く金を扱っていたので、
先物市場
がいまできることのいいか悪いか、そのくらいの
判断
はできるのではないかというような御
質問
でございますけれ
ども
、このことについては、工業用で
先物市場
が要らないと言っておりましても、実際に
先物
のヘッジをやるということが皆無ではございません。皆無ではございませんということは、ロンドン
市場
であるとかあるいはその他の
市場
に工業用の需要者がヘッジをするということは絶無ではないということでございますが、それじゃ、
日本
に
先物市場
ができるとすぐそれを利用するかというと、これはできてみなければわからないとはいうものの、工業用需要者はすぐにこれを利用するというところにはいかないと思うので、これを未熟だと言えば未熟かもしれませんけれ
ども
、あるいはやがて利用するようになるかどうかということになりますと、もっぱら
先物市場
が健全に発達をしていくだろうかどうだろうか、こういうような事実を見通していくというほかはないのではないだろうか、こういうふうに考えております。
上坂昇
14
○
上坂
小
委員
いま御回答いただいたわけでありますが、
通産省
からもかなり
先物市場
に
参加
を要請されたと思うのです。特に、
取引所
の場合にはこれは当
業者
主義でありますから、一番数量を多く扱っておられる
金地金流通協会
が入らないということは致命的なものになるのじゃないだろうかという感じがしてならないわけでありますが、聞いておりますと、こういうことを言う人があります。言いにくいことを言いますけれ
ども
、御了承願いたいと思います。
金地金
協会は大体独占的に
金地金
を扱っておる、それを
先物市場
を開かれていろいろな形が入ってくるとかえって自分の権益というものが狭められてしまう、したがって余り賛成をしないんだ、こういうような
意見
を聞くわけであります。まさかそんなことはないだろうと思いますが、
田中
さんのお答えを聞いておりますと、大分
通産省
に遠慮をしておられるような感じがするわけであります。それもやむを得ないと思うのです。 もう
一つ
聞いているのは、金属
鉱山会社
がこれに
参加
したのは、大分
勧誘
を受けて、余り
参加
をしたくないのだけれ
ども
、補助金なんか、非鉄金属の探鉱費などをもらっているものですから、どうもこれは首を縦に振らないと後で補助金でも削られたら大変だということで
参加
をしたのではないか、というふうに考えても余り的を射てないということにはならないのじゃないかと思っているわけであります。 そういう
状況
で
金地金
の
先物市場
が急速に展開をされつつあるわけでありますが、問題は、当
業者
の
取引
の将来におけるヘッジングの機能が
一つ
と、もう
一つ
は、
ブラックマーケット
を退治するという目的で、二つの目的で
開設
されたように思いますが、実は、昨年四月二十五日の八条逆転
解釈
が行われていなければ、これほどひどい
一般消費者
に対する
被害
というものは発生をしなかったのではないかというふうに私は考えておるわけであります。ところが、三十年続いた八条の
解釈
を、どういうわけか一挙にしてこれを覆して逆転したものですから、
ブラックマーケット
がはびこって大変な
被害
を受けている。その意味では、
通産省
の
解釈
が
ブラックマーケット
を助長して
一般消費者
の
被害
を増大させる契機ともなり、また一番大きな原因になったと言っても過言ではない、私はこういうふうに考えているわけであります。 そこで、八条
解釈
の問題になるわけでありますが、実を言いますと、ことし九月金が上場
商品
に
指定
をされて以来、
ブラックマーケット
というのはやってはいけないことになるわけでありますからなくなっていると思いますが、それが実際にはなくなっていない。これが第一点であります。 それからもう
一つ
は、逆転
解釈
をしないでいままでどおりの
解釈
が行われていれば、特に金の
先物市場
をここで早急に
開設
をする必要はないのではないか、こういうふうに私は考えざるを得ないわけでありますが、その辺について
大深参考人
はどうお考えになるか、ちょっとお答えをいただきたいと思います。
大深忠延
15
○
大深参考人
お答えいたします。
政府
が五十五年四月に
商品取引所法
八条の
解釈
を変えられたわけですが、この変えられた理由につきましては、なぜ
変更
されたかにつきまして明確な理由が付されておりません。解すれば、八条で言います
商品
は、同法で言うところの二条二項の
政令指定商品
に限定されるという法文言上の
解釈
によって制約した、これが罪刑法定主義にもかなうどいうようなところにあるのかもしれませんが、そもそも、当
委員会
でも
議論
をされているところですが、
商品取引所法
の立法当時の
見解
も、あらゆる
商品
について
商品
市場
類似施設を禁止したものというふうに考えられていたことについては、ほぼ間違いがないようでありますし、
先物取引
という危険な売買仕法、より高度に資本主義に発達した売買仕法でありますが、これによって
一般大衆
が
取引
に巻き込まれて不測の損害を受けるということは立法当時からも非常に考えられていたはずでありまして、そうしてみると、なぜこの八条の
解釈
を
変更
したのか本当はわからないというのがわれわれの
見解
であります。
上坂昇
16
○
上坂
小
委員
それで問題は、
先ほど
海外
取引
の問題もありましたし、それから金にかわる
プラチナ
とか銀とかの問題もありまして、また
市場
がいわゆる
私設市場
が出てくるのじゃないか、
商品
がいろいろ出てくるのじゃないかという御
指摘
がありましたが、いまの
状況
でいけば、金は
指定
されたから
私設市場
はできないけれ
ども
、ほかのものはできるという形になっておりますから、そうした
市場
がたくさんできるおそれがあると思います。 そこで、そういうものがたくさん出てきて
一般
の
消費者
が
被害
をこうむることのないようにするには、どうしても八条の
解釈
というものをもう一度改めていかなくちゃならない、あるいは新しい立法措置をするか、どちらかにならなければならないと思いますが、その辺についてどうしたらいいか、もう一度
大深参考人
に御
意見
をいただきたいと思います。
大深忠延
17
○
大深参考人
できれば
政府
に、
昭和
二十六年当時に示された
見解
に戻ってほしいというのが偽らざるところですが、さらば
政府
として新たな
見解
を示された以上、
解釈
につきましての
議論
ばかりをしておって国民が放置されるというような結果になるのは非常にゆゆしい問題でありまして、やはり
先物取引
による
危険性
から
一般大衆
を守るという
観点
に立ちまして、
商品取引所法
の改正ないしは
新規立法
によって早急に
政府
として
対策
を講じることも考えてほしいという趣旨で、
意見書
の中に念のためにそういう
意見
を加えております。
商品取引所法
八条の
解釈
の問題については、
被害
の事後回復の問題で全国各地の裁判所におきまして、違法性の
一つ
、あるいは
取引
の効力が有効か無効かという点でいまなお争われているところであります。したがって、そういうこともあって、
政府
におかれましては、お
立場
もありましようが、もう一度もとの
見解
に戻してほしいというのがわれわれの
見解
であります。
上坂昇
18
○
上坂
小
委員
私の手元に近江八幡市の預託金の返還請求事件の判決の主文があるわけですが、これによりますと、八条
解釈
はもとの
解釈
を採用して、
取引員
が取ったお金を原告に返せ、こういう判決を持っているわけでありますが、法律の
解釈
というのは、最終的に裁判所が決定をするものではないかというふうに思うのです。したがって、こうした裁判が出てくるということになりますと、やはり前の二十六年当時の、
昭和
五十五年四月二十五日以前の
解釈
の方が正当であると考えられるわけでありますが、そういう点については
専門家
の
立場
としてはどんなふうにお考えになっておられるか、この点が第一点。 それからもう
一つ
は、私はまだ一件しか持っていませんが、これに類した判決なりあるいは事件なりを取り扱っておられて、そこでの
状況
でこれに類したものがあるかどうか、この点について
大深参考人
にお尋ねをいたします。
大深忠延
19
○
大深参考人
先ほど
申し上げましたとおり、
被害
の事後回復の面から、全国各地におきまして
金取引
に
関係
して、予約金あるいは預託金の返還請求ないしは
取引
に名をかりた不法行為としまして損害賠償の訴え、こういうものが数多く係属しております。 その
一つ
としまして、
先ほど
先生
から御
指摘
されましたとおり、五十六年十月三十日付で、大津地方裁判所彦根支部におきまして
商品取引所法
八条が
一つ
の大きな争点となりまして、これについて
政府
の旧
解釈
にのっとった、これが通説とも言うべき
見解
だと考えられますが、この
見解
に立って
取引
を無効と解し、預託金の返還請求を認めた判決が出ております。この事件について、今後どうなるかわかりませんが、地裁、高裁、最高裁というふうにだんだん上級審の
判断
が出ますと、最終的には司法における
解釈
がその正当性を示すというふうに考えられます。 何分にも民事訴訟というのは、訴訟を提起して新手のお
取引
についての有効無効が争われる場合、二年、三年とかかりますので、どうしても司法の
判断
がおくれがちになるという点は、大変遺憾なことだと思っております。 それからもう一点、
先生
から御
質問
のありました第二点で、
同種
の判決が出ているのかどうかという御
指摘
がございましたが、八条について真っ向から対決して出されたという判決ではございませんが、ことしの六月高知地裁、あるいは大阪におきましても欠席判決という形で、裁判所が
商品取引所法
八条違反として、違法性の要素の
一つ
として
判断
されたケースは出ております。
上坂昇
20
○
上坂
小
委員
警察庁からおいでになっておりますね。ちょっとお伺いします。 いままで、いわゆる
ブラックマーケット
と言われるものについてもかなり
取り扱い
をされてきたと思いますが、いままで取り扱っていて、なかなか犯罪の成立がしないということで非常に困っておられるということを聞いておるわけでありますが、その辺の事情、どうしてそういうことなのかということと、もう
一つ
は、そういうものを防止するためには、警察庁の
立場
からいけばどういうふうな形で立法化するとかあるいは
規制
措置をつくるとか、そういう形を考えておられるのではないかというふうに思いますが、その辺についてちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
内田文夫
21
○内田説明員 金の
先物取引
につきましては、現在まで詐欺等で昨年以来扱ってきているわけでございますけれ
ども
、詐欺で間擬する場合、詐欺罪の構成要件であります欺罔行為に該当するのかどうか、すなわち
勧誘
する際の言葉とか、
委託証拠金
の処理とか、委託を受けた契約の履行の
状況
等を綿密に
調査
をしていく必要があるわけでございまして、金の
先物取引
によってお客さんが損害をこうむったというだけでは、直ちに詐欺ということに持っていくのはむずかしいわけでございまして、現実に警察の方へ参っておりますいろいろな苦情相談といいましょうか、そういうものの
内容
を見ましても、しつこく勧められた、あるいはもうかるからと言われて契約をしたが話がどうも違うとか損をしたとか、値下がりを理由に追加の証拠金を要求された、どうもだまされたんじゃないかというような事案が多うございまして、直ちに詐欺だと持っていくのが大変むずかしいという事案が多いのが
現状
でございます。 そういう意味におきまして、
一般大衆
の保護といいますか、そういう
観点
については当然法律の所管庁においていろいろ御
検討
されていることだと思うわけでございますけれ
ども
、いま
先生
から取り締まりの
立場
に立ってどうなんだ、こういうことでありますと、やはり取り締まりに当たる
立場
といたしますれば、外形的にといいますか、そういうことで何らかの犯罪として対応できるといいますか、そういうものが望ましいということは言えるかと思うわけでございます。
上坂昇
22
○
上坂
小
委員
皆さん
、なかなかはっきり言ってくれないからこっちも
質問
するのに困っちゃうわけですが、
田中
さんにお伺いします。 大衆
消費者
が
参加
をして
被害
が増大をするような形になってくると、金の
地金
を扱っている
業者
の
皆さん
としては、これは非常に困る問題が出てくるんじゃないかと私は思うのです。そういう意味で、まだまだ
一般消費者
に対する啓発というのですか、そういうものが足りない。それから、現在の
取引所
全体の姿勢というものがきちんとしていないといいますか、過当
勧誘
を行うような体質を元来持っている。そういうところに非常に危惧をされているのではないかと思いますが、そうした点について
田中
さん御自身はどんなふうにお考えになっておられるか、御回答いただきたい。
田中淳一郎
23
○
田中参考人
いまの御
質問
に対しまして私
ども
の考えておりますことは、まず第一に、
日本
といたしまして
金市場
を健全に発達させるということがきわめて重要なことではないだろうかというふうに考えております。
日本
の
金市場
を健全に発達させるためには、いわゆる金をお買いになった方が、ああよかったと言って金に信頼性を持つ、金というものは信頼できるものだというような考えをお持ちいただけるような金の
流通
をやっていかなければならぬということだと思います。 ということは、まず第一に、
現物
をお買いになっていただくと、値が上がったり下がったりいたしますが、下がった際に、
現物
ならば今度上がるまで持っていれば、またそこでいろいろの変化に対応することができる。
先物市場
もむろんいいところがあるわけでございますけれ
ども
、ただその点だけを考えてまいりますと、いわゆる証拠金で
先物
を買う、それで期日が来たときには売っていわゆる解消するか、あるいはさらに買ってこの
取引
を終わるかということになろうかと思いますけれ
ども
、そこのところの勝負で、とにかく、お買いになってもうかる方もあれば必ず損する方もあるというようなことになりますと、確かに金というものがほかのものよりも高いものでございますから、かなり問題も起こるわけでございましょう。この際に、いま
お話
を伺っていると、御
当局
も、どうも必ずしもそういうような問題に対して、時間とともに追及することができなくて、なかなか不便な点があるように承ったわけでございますし、また、
日弁連
さんの方もこの点をかなり問題にお考えのようでございますので、この点については私
ども
の考えというよりも、
日弁連
さんあるいは取り締まりの方の御両名に十分御研究をなさっていただくということが、この
日本
の金地
金市場
の健全な発展であるというふうに考えますので、問題はそういうような点にかかっていくのかなというような考えを持っておるわけでございます。
上坂昇
24
○
上坂
小
委員
金の
先物市場
が開かれても、実際には
被害
は減少しないのじゃないかということをだれもが危惧しておるような感じがします。 そこで、これは
通産省
に聞くのですが、
日弁連
の
意見書
で、(二)から(代)までのいわゆる
消費者
の保護
対策
の要求が出ておりますね。こういうことについて、どういうふうにこたえていくつもりであるか。 もう
一つ
は、
先ほど
から問題になっている八条の
解釈
について、これをきちんとしないと、むしろいわゆる金にかわる
プラチナ
とか銀とかといったものがまたしても登場してきて、それによって
一般消費者
の
被害
が増大をするような結果になるのではないか、こういうことをおそれるので、これを一体どうするかということについて、お答えをいただきたいと思います。
植田守昭
25
○
植田政府委員
八条の
解釈
の問題がいろいろと
議論
になっているところでございますが、これにつきましては、
先ほど
からいろいろ御
議論
があったところで、過去の経緯等は出ているようでございますが、御案内のように、二十六年の法務府
意見
におきましては、非上場
商品
の
取引所
の類似施設の
開設
、これをもう禁止しているというふうな
解釈
であったわけでございます。その後三十年という年月が経過したわけでございますが、その間
取引
の実態とか経済
状況
等もいろいろと推移してきているわけでございますが、私
ども
政府
といたしましては、この問題につきまして改めていろいろと法律の趣旨等に照らしまして
検討
を行いましたところ、やはりこの八条は、第二条二項に言う
商品
についてのみの類似施設を禁止しているというふうな
解釈
をとらざるを得ないのではないかというふうなことが、
政府
部内の
専門家
を含めましての
検討
から、そういうふうな結論に到達したわけでございます。そういうことから、現在、御案内のように、この八条の
解釈
というものを、
指定商品
にかかわるものというふうな
政府
の
見解
に立ち至ったのが実情でございます。 それから、いろいろの御
議論
の中に、金の
取引所
を
開設
しても、いわゆる事故と申しますか
被害
と申しますか、そういったものがなかなか減らないではないか。そして、
日弁連
さんの幾つかの要求が掲げられております、これにつきましての点でございますが、私
ども
といたしましても、金を上場
商品
にいたしまして
取引所
を
開設
するに当たりましては、そういった各
方面
から出されております御心配を極力防ぐ方向で持っていきたいということでございまして、そういった意味では、
皆さん
の御心配しておることにつきましては、まさに私
ども
もそういった点を十分注意していかなければいけないというふうに考えているわけでございます。 そういう
観点
から、たとえば外務員についての十分な
規制
といいますか管理、あるいは
勧誘
等につきましての指導等につきましては、一層注意しなければならないということを考えております。あるいは
委託証拠金
の料率等を適正にするとか、そういうふうな点につきましては、私
ども
も同感というふうに思っております。 なお、ここに、あらゆる品目について類似施設の
開設
なり施設の禁止を行なえというふうなことがあるわけでございますが、この八条の
解釈
の
変更
に伴うということでのいろいろ
先ほど
から御要望なり御
意見
が出ていたわけでございます。私
ども
といたしましては、この類似施設等の非上場
商品
の問題につきましては、現在
取引所
審議
会でいろいろと御
検討
を願っているところでございまして、その
審議
会の御
検討
の結果も待ちまして、
検討
してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
上坂昇
26
○
上坂
小
委員
私、ここに「株式
会社
中央貴金属
市場
現物
条件
付保証
取引
約款」というのを持っています。その中に、「
プラチナ
地金
を扱う」と第一条に出ておりまして、もうすでに
プラチナ
は始まった。これは決して
ブラックマーケット
ではなくて、現在ではホワイト
マーケット
ですね。これは公認にはならないけれ
ども
、
私設市場
としては許されていると思うのですね。したがって、こういうのはどんどん大きく広がるおそれがあると思うのです。 そこで、ブラック
市場
というのじゃなくて、
金市場
の
開設
と同時にこれらに対する問題も早く解決をしていくために、いまの八条の問題については十分討議をして、いいものを出してもらいたいと思うわけです。 ただ、
通産省
はいつでも、
審議
会にかけているからと言って逃げちゃうわけですが、
審議
会というのは大体
通産省
ベースで行うので、あなた方が案を出して、その案をいいか悪いか回答してくれというようなのが大体
審議
会の性格なのですね。聞くところによると、今度の
審議
会は少し活発な
意見
が行われておりますようなので、盛んに弁解はしておるようですが、
本質
的にはやはり前に言ったような
状況
だと思うのです。そこで、
通産省
の考え方自身が法の改正をするか、いろいろなポイントになるだろうと思うのですね。そういう点で、十分現在の
一般消費者
の
被害
の実態であるとかそうしたものを勘案する、あるいはまた違ったこうしたものが出てきて、金にかわるようなものがまた出てくるというようなおそれのないように、ひとつ十分取り締まり的なものをしていただきたい。 同時にまた、
一般消費者
が
被害
に遭うことによって、金に対する信頼性というものが失われると非常に困るということも
お話
にあったとおりでありますから、そうした信頼が損なわれないように、ひとつ十分
消費者
対策
というもの、保護
対策
といいますか、そういうものに力を入れてもらいたいということを希望として申し上げて、私の
質問
を終わります。
渡辺三郎
27
○
渡辺
小
委員長
武田一夫
君。
武田一夫
28
○
武田
小
委員
お二人の
参考人
には、きょうは大変御苦労さまでございます。 〔小
委員長
退席、
清水
小
委員長
代理着席〕 まず最初に、
田中参考人
にお尋ねいたしますが、前回五月十二日おいでいただいたときも、いろいろ御
意見
をちょうだいいたしました。その際、
先物取引
の
必要性
は感じていない、金の魅力を利用した無理押し販売はやらないことにしているのだというふうな話もされました。 今回、
日本金地金流通協会
では、
年内
新設を予定されている
金取引所
には不
参加
を表明しているというふうに伺っているわけでありますが、このことは間違いないことでございましょうか。一応確認をしておきたいと思います。いかがでございましょうか。
田中淳一郎
29
○
田中参考人
これは、この
日本金地金流通協会
というものが
現物
の
取引
以外をやってはいけないという
定款
を十分了解をして、
現物
だけの
取引
をしようという者の集まった協会でございますので、
現状
において
先物
の
取引
をする意図は持っておりません。
武田一夫
30
○
武田
小
委員
おたくは、やはり
国内
流通
の四分の三以上の
市場
を占めているという中心団体でございますから、今回そういうふうに
参加
をしないということになりますと、今後新設される
市場
の中身というものが問題になってくるのではないか。
開設
されても片肺飛行のような形になってしまうのではないかという心配があると思うわけでございますが、今後ともいまの不
参加
ということは当分考えが変わらない、こういうふうにお伺いしてよろしゅうございましょうか。その際、そういう中にあって、もし国がこうした新設のものを
年内
に開くというようなことでいくとすれば、そこには何かそれなりのメリットなり、
消費者
にとって何か十分なる対応というものが考えられてのこうした対応かどうか、その点の御
意見
がもしございましたらお聞かせ願いたい、こう思います。
田中淳一郎
31
○
田中参考人
金地金
に関する限り、特に
現物
の
取り扱い
と
先物
の
取り扱い
というものは、まことに異質なものというふうに私は考えておるわけでございますので、これはロンドン
市場
におきましても何百年という歴史を持ち、フィクシングのあれができて、六十年の歴史を持っておりますけれ
ども
、まだ
先物市場
がロンドン
市場
にもございません。来年はできるであろうということでございますけれ
ども
、まことに金の
現物市場
と金の
先物市場
というものは両方なくてはいけないとかいうようなものではなくて、異質なものであるということは歴史の示すところではないだろうかということでございます。したがいまして、私
ども
は、
先物市場
ができたことによって著しくわれわれが疎外されるわけでもないし、また、
現物
業者
の私
ども
が
先物市場
に
参加
をしないことによって著しくこれに疎外感を与えていくということはないのではないだろうか。ただ言えますことは、
先物市場
といえ
ども
、
現物
の
取引
というものがかみ合ってまいりましょうから、何%かわかりません、きわめて少ない量だと思いますけれ
ども
、かみ合ってまいる場合に、いわゆるこれらの溶解であるとか検定であるとか、その他の品質を
判断
するということについては、これは御
協力
を申し上げないと、ますます不完全なものになってしまいましょうし、ひいては
現物市場
にも悪い影響を与えるようなことになってはいかぬというようなことで、この点には十分御
協力
を申し上げていきたい。ただ、現段階で
日本金地金流通協会
と金の
先物市場
とは趣旨が違いますので、現在入らないということでございますので、その点、この理由とわれわれの考え方を御理解願いたいということでございます。
武田一夫
32
○
武田
小
委員
通産省
に伺います。 いろいろとトラブルが起こりまして、各地で大変な
被害者
が出ておるわけであります。ところで、公認
市場
がもしできれば大衆は金に飛びついてくるということは間違いないと私は思うわけでありますが、それによって必ずまたトラブルが出てくると私は確信しております。
通産省
としては、そういうトラブルなどは絶対防止できるんだ、するんだということをこの場で断言できるような対応、考えをとっているかどうか、その点、まずひとつ明らかに聞かしていただきたい、こう思うのですが、いかがでしょうか。
植田守昭
33
○
植田政府委員
一般投資家
のトラブルの問題、大変重要な問題でございますので、私
ども
も非常に関心を持っているところでございます。 そういった
観点
から、金の
取引所
の
開設
に際しましては、たとえば
商品取引員
の厳格な資格要件のチェックでございますとか、あるいは外務員の登録に関する審査を厳正にするとか、さらにまた
先物取引
に伴ういわゆる
危険性
の開示、こういったものの実行とか、それから
委託証拠金
の料率の設定における適正な配慮等々を行いまして、極力そうした問題が起こらないように
一般投資家
の保護を図ってまいりたいというふうに思っているわけでございます。そういったことで、私
ども
としてはできる限りの努力をその点に注ぎまして、懸念されているようなことを極力防いでいきたいというふうに考えているわけでございます。
武田一夫
34
○
武田
小
委員
そういう対応、これは当然しなくてはならないのですが、この十一月四日、
日本
経済新聞の中にまた
一つ
のトラブルが出ている。 たとえば
現物取引
を装って
消費者
を誘うケースが急増している、
通産省
としては
消費者
側の心構えに問題がありそうだからということでいろいろ呼びかけているとか、あるいはそういうまがいの仕事をやっているというのがA、Bという二つの
会社
があって、これは警戒をしているというようなことがあるのですが、こういうような状態、これに対して、たとえば警戒をしているということによって、しかしながら事故は起こって苦情がたくさん出ている。これによりますと、何か月に二、三十件の苦情が来ている、寝たきりのお年寄りまでが百六十万支払ってしまって悩んでいる、こういうことがあるのです。
消費者
側にいろいろな形で呼びかけているというのですが、それではたとえば
消費者
側に呼びかけている、喚起をしているというのは具体的にどういう形でやっているのか、
一般
の方がはっきりと、これは危ないからそんなのに乗っちゃいかぬというような自分なりに
判断
できるような方向に持っていっているのか、これは
一つ
の例としてお聞きしておきたいと思うのです。でないと、これからいろいろなことをやるといったって、現実にこういう問題があって
被害
があって、苦情があって悩んでいるということ、これを解決できずして今後新しい
市場
における対応なんというのは私
ども
は信用できぬと思うのです。この現実の問題に対してどういうふうに対応していますか。
植田守昭
35
○
植田政府委員
この種のトラブルにつきましては、いろいろな
観点
から防止しなければいけないのですが、
先ほど
私が申しました
取引員
の厳格なチェック等々という側面からの対応のほかに、やはり当事者になる契約を結ぶ方々、
消費者
にもまた十分注意をしていただかなければ、こういった問題は究極的にはなかなか根絶やしにすることはできないというふうに考えるわけでございます。 そういった意味で、
消費者
側でのいろいろな御注意を願いたいという気持ちもあるわけでございまして、私
ども
といたしましては、たとえば雑誌とかそういったものによるいろいろな注意の喚起、具体的に言いますれば、私
ども
の省で発行しております
消費者ニュース
でございますとかあるいは通産ジャーナルというふうな雑誌もございますし、あるいはまた国民生活センターでは生活行政情報とかというのもございます。さらに新聞折り込みの週刊紙であります今週の
日本
等々を使ったこともございますし、そういった雑誌類、さらにまたテレビによるいろいろな注意喚起、これも
通産省
もしくは総理府からのいろいろのチャンネルがございます。さらにはまた、全国紙あるいは地方紙を使いまして新聞に掲載するというふうなことも行っております。あるいはまた、ビラをたくさんつくりまして配布するというふうなことも行っているわけでございますが、そういったところを通じまして、私
ども
、できるだけの
機会
をとらえまして注意の喚起、さらにまた、
政府
のみならず
商品
取引
の団体、
連合会
等からもそういったものをやらせるというふうなことでございまして、私
ども
といたしましては、できるだけの
機会
をとらえまして
消費者
に対しましていろいろ注意を喚起すると申しますか、そういったことをやってきているわけでございます。 こういったものはなかなかむずかしい問題でございますから、いろいろな角度から
対策
をとっていくということがどうしても必要だろうと思いますので、今後ともそういったことにできるだけの知恵をさらにしぼりまして対応していきたいというふうに考えます。 〔
清水
小
委員長
代理退席、小
委員長
着席〕
武田一夫
36
○
武田
小
委員
大深参考人
にお尋ねいたしますが、
日弁連
では、金の
先物市場
開設
については時期尚早ということで
通産省
に
意見書
を出しております。そしてその中で、
一般
の委託者が不当な
被害
を受けないような十分な法整備を行うこと、あるいはまた
新規立法
をし、そういうような業界の
体質改善
指導を
徹底
させることなど強調されているわけでありまして、
被害者
の多発の背景にはそうした
一般
の
消費者
、投資家に対する啓蒙あるいはまた保護、いろいろな面で大事な点がたくさんあると思うわけでございます。
先ほど
御
意見
の陳述の中でもいろいろ伺ったわけですが、特に今後この点だけは何としても早急に対応してもらわなければならぬということを、ありましたら具体的にお聞かせ願って、今後
当局
への
一つ
の大きな参考にさせてもらいたい、われわれも参考にしたい、こう思うわけですので、ひとつ御
意見
を聞かしていただきたいと思います。
大深忠延
37
○
大深参考人
特に金
先物
の
取引所
が設立されて、そこで
商品
取引
としてなされる場合特に危惧いたしますのは、
ブラックマーケット
における
取引
における
被害
といいますのも、
一般投資家
というよりは
業者
によって積極的な、あるいは積極的といいますか執拗な
勧誘
を受けまして、
一般投資家
と言うにふさわしくない家庭の主婦であるとか退職公務員であるとか、持っている財産を根こそぎにされて今後の生活に困るというような
被害者
が多数存在しております。いわば、つくられた
一般投資家
とも言えるものでありまして、そういう意味で
日弁連
が提言しておりますのは、
勧誘規制
の面につきまして、予約
取引
における
適格者ルール
というのを
日本
において明確に確立しなければならない、これは
金取引
における問題だけではございませんで、
一般
商品
取引
における問題と共通しております。そのルールは、いまだもって確立しているとはとうてい言えない
状況
にあります。
商品
取引
においてその仕組みが十分理解でき、かつまた
商品
取引所
の
取引
に
参加
できる資金のゆとりのある人物であれば、この
取引
に
参加
することについては別に異存も何もありませんが、そういうふさわしくない人物が
取引
に巻き込まれて
被害
を受ける、これは非常に残念な形をとっておるわけでございます。 それから、その問題と関連しますが、
取引
の
危険性
について十分
業者
に対してそういう
危険開示
の義務を課しまして、それをあえて
承知
の上で
参加
してくる者に対して
取引
をなす、こういう点が米国における
先物取引
と同様に
日本
においても必要なことである、
通産省
当局
もそういうふうな答弁をなさっておられますが、その点を考えております。 それから第三点としまして、不当な
勧誘
がなされた場合、単に法律に違反したというだけで契約の効力を左右されないというようなことでは困るのではないか。民事上の契約の効力も否定をなし、かつまた場合によれば刑事罰則でもってその法律の効果を持たせるという決然たる態度が必要ではないか。それから、その禁止事項も法律でもって明確にすべきだというようなことを考えております。
武田一夫
38
○
武田
小
委員
警察庁おいでになっているわけですが、
先ほど
も
お話
がありましたけれ
ども
、いろいろトラブルがあって詐欺まがいの行為がありまして、警察も一生懸命対応しているようでありますが、ここ一年くらいの間に警察が扱った事件、事項、摘発したもの、どのくらいありましてどういう
状況
なのか、ここ一年くらいの
状況
を聞かしていただきたいと思います。
内田文夫
39
○内田説明員 昨年の十一月からことしの十月までの一年間の金の
先物取引
をめぐりますトラブルといいますか、そういうことから直接警察へ相談が持ち込まれたというケース、私
ども
把握しているのは百十二件ばかりございます。 この
内容
につきましては、多くのものは、もうかるからと言われて契約したがどうも値下がりした、話が違うんじゃないか、だまされたんじゃないか、あるいは値下がりの折に追加の証拠金を請求された、だまされたのではないかというようなものが多いわけでございまして、直ちに詐欺罪で問擬するということが全く困難なケースが非常に多いわけでございます。 そこで、これに対する対応といたしましては、警察自体が話し合いのあっせんをするという場合もあります。県の
消費者
センターあるいは弁護士会等への相談もあっせんするとか、そういうような場合もございます。実際の金の
取引
について架空の疑いがあるというような事案につきまして、現在、捜査といいますか、さらに
調査
をといいましょうか、進めているものも幾つかございます。
武田一夫
40
○
武田
小
委員
いろいろと調べている過程で、だまされる方というのは、だまされると言うとおかしいのですが
被害
に遭った方ですね、女の方、退職された方、お年寄りとかが特に多い。いわゆる言葉巧みに
勧誘
してやってくる。私なんかも電話なんかであるのですが、私のところまで来るのですからみごとなんですよね、そのやり方、そういう行為をした者について何か共通したものがあるのじゃないか。そういうところで何か共通したものがあって、それがどうも犯罪行為に結びつくような紛らわしい
勧誘
をやっている、そういう典型か何か、調べた中でございませんか。
内田文夫
41
○内田説明員 そういう特徴的なパターンといいますか、これは実際いろいろ扱ってみたものでは、確かに退職した人とか農家の主婦とか、十分に
先物取引
というものについての理解をなかなかできない方といいますか、してない方といいましょうか、そういう方
たち
に非常に執拗に
勧誘
をするということ。必ずもうかりますよというようなことで、それを何遍もやられることによって、受ける方としては何となく本当にもうかるような気になる。そこで、余りしつこいものですから何となく明確な拒否をしないで、ずるずる走ってしまうというようなケースが多いのではなかろうか、こういう感じがいたします。
武田一夫
42
○
武田
小
委員
いずれにしましても、そういうものが出てきても、そういう詐欺的行為の立証というのはなかなかむずかしいということで悩まれている。出てくる数の何十倍という多くの
被害者
が泣き寝入りしているのではないか、こう言われているわけですから、今後やはり厳しく取り締まるんだという態度は一層推進をしていただきたい、こういうふうに思うわけであります。しかしながら、それだけでは十分でないということで、やはり
市場
の
開設
そのもの、あるいはまた
取引
そのものの中における中身が大事であるということもはっきりしたわけであります。 そこで、最後に
大深参考人
にお尋ねいたすわけでありますが、
商品取引所法
の第八条の
解釈
の問題で、
先ほど
判決が出ているという事例をお述べになりまして、私もその写しをいただいているわけでありますが、
政府
、
通産省
が法
解釈
を
変更
してから非常に悪質な詐欺行為が続発したということは、これは事実そのとおり数字の上でもあらわれているわけです。となりますと、やはり
被害
を受けた人にとっては非常にお気の毒でございまして、そういう
ブラックマーケット
とかあるいはまた詐欺的行為を行おうとしている連中にとってはまことに好都合だったということでありますから、国がそうした
解釈
をして、しかも最近、それは以前の
解釈
の方が妥当性がある、こういうことになりますと、これはやはり
政府
、通産の責任というのはそっとしておくわけにいかぬじゃないか、私はそう思わざるを得ないのですが、その辺どのようにお考えか、御
見解
をひとつお聞きしたい、こういうふうに思うわけでございます。いかがでございましょう。
大深忠延
43
○
大深参考人
その点につきまして、少なくとも
政府
が五十五年の四月に
解釈
を
変更
されるまでは、
業者
の方でも
商品取引所法
八条の問題につきましてこれに違反するというふうに考えていたようでありまして、戦々恐々たる態度がわれわれ法を実践する
立場
からも見受けられたのであります。 私事にわたりますが、当時、
政府
の
解釈
の
変更
が新聞等で公表されるに及びまして、和解ができる
条件
が整っていたのがそれで破棄されるというような事態もありますし、いままで禁止されていたものが自由になったということを交渉の場においても公言するようになったのは、その意味でも、この事後救済に当たっているわれわれ弁護士としまして非常に困難な問題が提起されたのであります。 しかしながら、
一般
的に申し上げまして、法律実務家といたしまして、この
商品
取引所
の問題に携わるということは従来余り
経験
しなかったのではないか。そういう点で、この
商品取引所法
八条の問題について、どう
解釈
すべきなのかと今日までいろいろ研究してまいったわけですが、京都大学の龍田教授の論文を拝見いたしましても、
政府
がなぜこういう
見解
を改めたのか、学問のためにも
解釈
を
変更
された理由を明らかにすべきである。
先ほど
政府
答弁にもありましたが、商取法八条の
商品
が二条二項で言う
政令指定
の
商品
に限定されるというような
見解
をとるときには、
商品取引所法
の趣旨が、
政令指定
されるという手段にかえって制約を受けるということになるのではないかというふうに龍田教授も
指摘
されているわけで、目的が手段に制約されるような
解釈
というのはとうていとり得ないところだというふうなことは、非常に説得力があるのではないかというふうに考えています。
渡辺三郎
44
○
渡辺
小
委員長
横手
文雄
君。
横手文雄
45
○
横手
小
委員
お二方の
参考人
、きょうは御苦労さまでございます。 私は、お二方の
参考人
と
通産省
に御
質問
を申し上げたいと存じます。用意してまいりました
質問
のうち、すでに前の方が触れられた分もございますので、多少重複する点があるかもわかりませんが、お許しいただきたいと思います。 まず、
通産省
にお伺いをいたします。 今回の金の
先物取引市場
の
開設
のためには、今日まで多くの歴史があった。そして今回、こういった方向に踏み出されたわけでありますけれ
ども
、本日、お二方の
参考人
は、時期尚早であると多くの問題を
指摘
しながら、特に
日弁連
の皆様方は、いわゆる
一般投資家
に対する保護政策、こういったものが確立しないうちに発車するということはきわめて危険であるということを、多くの点を具体的に
指摘
しながら述べておられますし、あるいは
地金
協会の方々からは、
協力
はするけれ
ども
、われわれとしてはこれに入りたくない、いまのところ入る意思がない、こういう意思表示をされておられるわけであります。他に多くの賛成の
意見
もあるのでございましょうけれ
ども
、こういった
意見
があるということを
承知
の上で
通産省
が特にこれを積極的に進めておられる理由、まずそのことについてお聞かせをいただきたいと思います。
植田守昭
46
○
植田政府委員
わが国の最近の金の需要が、いろいろな分野におきまして拡大してきているということは御
承知
のとおりでございます。そういった中におきまして、金の取扱
業者
がいわゆるヘッジを行える場というもの、あるいは公正な金価格の形成を実現する場、そういうふうなものとして
先物取引市場
を
開設
する必要が高くなってきているのではないか。私
ども
も、そういった情景を背景といたしまして、
取引所
の
審議
会にも諮問いたしましていろいろと御
意見
を聞いたわけでございますが、そういった
検討
の結果を踏まえまして、今回の
政令指定
を行ったというわけでございます。 なお、この
政令指定
によりまして、もちろんもう
一つ
の背景と申しますか、いわゆる
ブラックマーケット
、金の
マーケット
におきまして起こっておりますトラブル、これの抑制にもつながるというふうなこともあわせて期待されるものと考えておりますし、そういったようなことから、この
金市場
の
開設
ということに立ち至っているわけでございます。 なお、お尋ねの、
地金
商の方々が目下のところこれに
参加
するお気持ちがないということでございますが、
先ほど
からも
参考人
としての
田中
社長からいろいろ
お話
がございましたが、昔からいろいろな事情、そういった背景もございまして今回これに
参加
を見合わせたいというふうな御意思のようでございますが、
先ほど
の
お話
にもございましたように、検定とかあるいは鑑定とか検査とか、そういうふうなことでは御
協力
いただけるようでございます。私
ども
といたしましては、他の商社とかメーカーとかいうふうな方々の
参加
という
状況
のもとでこれを推進してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
横手文雄
47
○
横手
小
委員
日弁連
の方から「
金先物取引被害防止
に関する
意見書
」、こういったものが出されております。その一ページ目には、第二項で(一)から因までそれぞれ心配をされることが書いてあるわけでございます。中身は、五ページには「このような過当投機はかえって本来
先物市場
に期待されている公正価格形成機能を完全に破壊するものであり、実需者たる現
業者
に
被害
を与える危険がある。」こういった御
指摘
もございますし、あるいは「国民に対する
先物取引
の
危険性
」といったものが述べられております。 こういうことが確かに心配をされ、
先ほど
から
指摘
をされておるところでございますけれ
ども
、こういった問題に対する
通産省
の考え方というのは、きょう配られました「想定される
金市場
の概要」の二ページ目あたりにも、これら外務員に対する登録等の
規制
問題等で一部お答えになっているようでございますけれ
ども
、このほかに、これら
日弁連
の具体的な
指摘
に対するお答えみたいなものの用意がございましたら明らかにしていただきたいと思います。
植田守昭
48
○
植田政府委員
特に
一般投資家
に対する保護の問題は、大変重要な問題だと考えているわけでございますが、
日弁連
の方で
指摘
されておりますいわゆる類似施設の禁止についてどうするか、これにつきましては、
先ほど
もお答えをいたしましたとおり、現在
審議
会の方へ諮問いたしましていろいろ御
検討
願っているところでございます。 それから、
一般投資家
に対する
勧誘規制
の強化というようなことは、今後とも十分注意してまいりたいと思いますが、日に書いてあります海外
市場
の
取引
の
勧誘
の禁止、これも(一)の問題と同様、現在御
審議
願っているところでございます。 それから、外務員とか
取引員
の資格を厳格にするということは、
先ほど
申し上げたとおりでございますし、証拠金料率の
適正化
ということも、申し上げたとおりでございます。 それから分離保管につきましても、十分
検討
いたしまして、現在もやっておりますが、今後こういった面で事故を十分防ぎ得るような方向でさらに
検討
していきたいというふうに思っております。 そういうことでございまして、私
ども
もこういった問題についてできるだけ注意をし、かつ、努力をしていきたいということは考えているわけでございまして、いま申しましたようなことを中心に努力していきたいと思います。 それから、ここの六項目までには明示的には出ておりませんが、いわゆるリスクの開示といいますか、そういったようなことも今後
検討
していきたいというふうに思っております。
横手文雄
49
○
横手
小
委員
大深参考人
にお伺いをいたします。 おたくの提起された
意見書
の七ページの七行目から今日の状態が書いてございまして、「しかも、外務員による過当
勧誘
、これに付随する顧客からの紛議の続出、仕手筋介入による相場操作等の弊害も目に余るものがあって世間のひんしゅくを買い、
取引所
の社会的信用を低下させている。」こういう
指摘
をしておられるわけであります。現在でもこういう点がある、なお今後金の
先物取引
が始まればこういったものがさらに懸念をされるのではないかという御心配であろうと思います。 そこで、いま
通産省
の方から、これはお手元に行っておると思いますけれ
ども
、この概要という中で、「
取引
方法」あるいは「
取引
の安全性の確保及び
市場
管理」、「
一般投資家
保護
対策
」、こういったことで
通産省
としても、おたくの御心配の点について取り組んでおられるようでございますし、ここに書いてあること、さらにいま口頭で述べられたこと、こういったことに対する
大深参考人
の御所見を聞かしていただきたいと思います。
大深忠延
50
○
大深参考人
通産省
の
政府
委員
から、
日弁連
が懸念している
金取引
に絡む
委託者保護
の
対策
については、それなりに方策が講じられているというふうな説明が再三なされておりますし、ここに配付されております「想定される
金市場
の概要」についても相当な努力がなされているということを評価するにはやぶざかではありません。 しかしながら、冒頭に申し上げましたとおり、金
先物取引市場
を
開設
するに対しまして、
先物取引
の実需、ニーズといいますか、この点について必ずしも高まっていないのではないかという点が懸念されること。そういたしますと、
市場
に
参加
するのは
一般大衆
になるのではないか。
一般大衆
にとって
先物取引
が何たるや十分啓発されていないという現況に照らしますと、
一般
委託者保護
あるいは大衆保護についての施策については相当
通産省
当局
も努力されたとしても、結局
先物市場
における
取引
は
一般大衆
によるつくられた実需ということになるのではないか。そうすると勢い
商品取引員
による
勧誘
が執拗をきわめて、思惑どおり、この計画どおり果たして進むのかどうかということが懸念されますし、不当
勧誘
がなされた場合の制裁という点について、いまなお
政府
当局
の答弁では不十分ではないかというふうに考えられます。
横手文雄
51
○
横手
小
委員
それで、いま御
指摘
ございました中で、現在国民に対する
先物取引
の
危険性
についての
知識普及
がなされていないというような御主張でございますし、あるいはいま触れられました、
国内
の当
業者
間での
先物取引市場
の
必要性
について
議論
が熟していないのではないだろうか、こういう御
指摘
のようでございます。しかし、
通産省
としては、
先ほど
述べられたように、今日まで多くの経過があって、多くの
人たち
の
意見
を聞きながら、もう発足をさせるべし、こういう
必要性
に沿って今日まで歩いてきたんだ、こういうような御
意見
でございますので、何か平行線みたいな感じがいたします。 ただ、私
ども
考えてみますと、こういったものは、特に国民に対する
先物取引
の
危険性
の普及がいまだなされていないというようなこと、それが熟するまでというようなことは、現実の問題として、それでは国民とは一体全体何なのかということになると、これは膨大なことになって、まさに百年河清を待つということにならざるを得ないと思うのですけれ
ども
、そこら辺に対する
日弁連
としての幅みたいなものはないですか、
一般
論みたいなものは。
大深忠延
52
○
大深参考人
国民とは一体何ぞやという御
質問
ですが、少なくとも
日弁連
が
意見書
を作成した経過に照らしまして、この
取引
にふさわしくない——ふさわしくないといいますか、
勧誘
されて
先物取引
が理解できない人物がこの
取引
に巻き込まれているという
現状
に出発しているので、国民のどの程度まで
先物取引
についての理解が深まればいいのかということになりますと、その裏表といいますか、答えにならないような形ですが、とにかくそういう
現状
というか、一人でも思惑違いによる
被害
に遭わないようにという点から出発しているので、御理解願いたいと思います。
横手文雄
53
○
横手
小
委員
金地金流通協会
の
田中参考人
に少しお伺いをいたしたいと思います。
先ほど
質問
の中で触れられて具体的な回答がなされなかったわけでございますが、今回の
取引市場
の
開設
に当たって、
地金
協会としては時期尚早だ、こういうことで、しかも
定款
に合わせてこれに不
参加
だというようなことで、ある一部の
人たち
に言わせれば、
先ほど
お話
がございましたように、今日までわれわれは親の代から金を
現物
で扱ってきた、今後もそれを続けていく、事ここへ来て
先物市場
を開く、そして
一般
の投資家に対して金を扱わせる、あるいは価格形成がなされる、そういうことは要らぬことじゃないか、われら
専門家
に任せておけ、
地金
協会の
皆さん
方にしてみればこういうことなんだろうか、というような話も聞くわけでございます。あるいは
地金
商の
皆さん
方は
国内
ではそういうことだけれ
ども
、国外から金の
地金
を買い付けなさるわけでございますし、そういった場合に外国ではヘッジを行っておられるのではないだろうか、こんな話もあるわけでございますが、その点に対する御
見解
をお聞かせいただきたいと思います。
田中淳一郎
54
○
田中参考人
私
ども
が、
先物取引
という言葉の中で現在概念として考えておりますことは、
一般大衆
に対する
先物取引
というような概念で頭の中で処理しておるわけでございます。したがいまして、
日本
の工業用の需要者、つまり電子工業界であるとかあるいは歯科用であるとか、あるいは装飾用でも、そういうような方が
地金
の相場の変動を免れるためにこの
先物
ヘッジをやっていこうというような場合には、現在ロンドン
市場
につないでいく。これはいわゆる
先物取引
ではございませんけれ
ども
、そういうつなぐこともできますし、ニューヨーク
市場
でも
先物市場
を通さないでもいわゆるフォアワードというような形でできますので、そういうようなことで処理がされておる。といたしますと、あと残りますのが
一般
の投資家と申しますか、というような方になるということでございますので、こういう方だけをしぼって考えますと、やはり
先物取引
ということについてそのことだけを考えますと、時期尚早というような、即断ということよりも、十分に手を打っていかなければいけないのではないだろうかということが危惧されるわけでございます。私
ども
は、むしろそのことよりも、
現物
で御心配のないような
取引
を
一般
的にしていこうというような集団でございますので、
先物取引市場
の現実性とかあるいは時期尚早とかどうとかいうような問題については、
議論
をすればするほどやってみなければわからないみたいなことになりますので、私
ども
の方は
参加
をしないで、いわゆる
現物
の
取引市場
をさらに完璧なものにするということで考え方が固まっているというふうにお考えいただきたいと思います。
横手文雄
55
○
横手
小
委員
いま
一つ
。
地金
商の
皆さん
方は海外でのヘッジは行われているのじゃないかというような話もちょっと聞くわけでございますけれ
ども
、どうですか。
田中淳一郎
56
○
田中参考人
海外に対して現にヘッジをしているところもございます。
先物市場
がやがて発展して、
日本
の
国内
でヘッジもできるというようなことになればこれはいいことでございましょうけれ
ども
、その意味においては未熟であるということが言えるのではないだろうか、まだその時期に来てないということは言えようかと思います。
横手文雄
57
○
横手
小
委員
それでは、現実に金相場の
先物市場
が
開設
された、あるいは
開設
されることによって、いわゆる
地金
流通協会
としてのデメリットみたいなものと、あるいはないかもわかりませんけれ
ども
メリットがあったら、そういうことも含めてお聞かせいただきたい。
田中淳一郎
58
○
田中参考人
よくそういう御
質問
を受けるのですけれ
ども
、具体的に想像をしてみますと、いわゆる
現物市場
の値段と
先物市場
の値段というものが同一にならなくて、どっちが高くなってどっちが安くなるかは別問題といたしまして、困るのではないだろうかというような御想像、あるいは
流通協会
としては
先物市場
ができない方がそういうような面で単純でいいのだというような御想像もあるのかと思いますけれ
ども
、現在、
現物
の
金市場
におきましてはここが金の
取引所
だという場所はございません。ちょうど銀行間の外国為替の
取引
のように、外国為替の
取引所
というものがどこにあるというわけではございませんけれ
ども
、
現物
の外国為替の
取引
を
取引所
がなくてもやっているというような形態で、この
現物
取引市場
というものはきわめて厳粛な自由競争下に行われておる。商社もいわゆる競争相手でございましょうし、同業他社も相手でございましょうし、いたしますので、自由競争が行われておる。その自由競争の中で生まれた相場が
現物
の相場でございますので、もし
先物市場
で著しく変わった値段が出るとするならば、高ければわれわれはそちらに持っていって、
先物
ではいたしませんけれ
ども
、
現物
で売るというようなことにもなりましょうし、あるいはまた著しく安い値段が出るとするならば、それは
現物
でも売っていただけるならば私の方は
現物
で
取引
をして、どんどん海外
市場
へ売っていくというようなことになりますので、私の方としては、
先物市場
で別な値段が出てわれわれが困るとか、あるいは
先物市場
で値段を出すためにわれわれの値段がきわめて不自由なものになる、こういうようなことは現在の点では余り考えておりません。
横手文雄
59
○
横手
小
委員
最後に
通産省
にお伺いをいたします。
地金
協会から
先ほど
来述べられておりますように、今日まで専門で扱ってきたという
立場
からこの問題をいまるる述べられたわけでございますし、あるいはまた
日弁連
は大衆投資家をいかに擁護するか、いかに守っていくかという
立場
でいま述べられたわけであります。そういった中にあっても、なお
通産省
の現在の方向としてはこれの
開設
の方へ、確実にそのスケジュールは進んでおるような状態にあるわけでございます。 実際問題として、これが
開設
された場合にどの程度の
取引
が見込まれるのか、あるいはどの程度の
取引
があったときに、まあまあと言われるのか。その際、
皆さん
が心配しておられる大衆投資家というのはどの程度
参加
するであろうかというその見込み、こういったものがありましたらお聞かせいただきたいと思います。
植田守昭
60
○
植田政府委員
率直に申しまして、それを数字的に推定するのはなかなかむずかしいのでございますが、要は結局当
業者
のニーズなりあるいは
一般投資家
の金に対する関心の高さというふうなことを考えますと、やはりかなりの
取引
というものが予想されるのではないかというふうに考えております。ただ、それが数字的にどうかということはなかなかむずかしいものですから、私
ども
も申し上げる段階ではございませんが、そんなふうに考えております。 それから、
一般投資家
がどの程度
参加
するかというのもいま申し上げたとおりでございますが、これも数で推定することはむずかしいのでございます。いま申しましたように関心は相当高いということから、かなり
参加
する可能性はあるだろう。ただその場合に、
先ほど
からいろいろ問題になつております不測の損害をこうむるとか、そういった問題を極力防ぐ方向で運営していきたい。具体的には、たとえば
証拠金率
の問題でございますとか等々の
対策
を講じまして、できるだけそういった問題を少なくしていきたい、そういう方向で運営をしたいというふうに考えております。
横手文雄
61
○
横手
小
委員
終わります。ありがとうございました。
渡辺三郎
62
○
渡辺
小
委員長
小林
政子
君。
小林政子
63
○
小林
(政)小
委員
参考人
の皆様、大変お忙しい中御苦労さまでございます。 私は、まず
日弁連
の
参考人
である
大深先生
にお尋ねをいたしたいと思います。 御
承知
のとおり、この九月の十一日に
商品取引所法
に基づいて金の
政令指定
が行われ、九月の二十四日に施行され、金の私設
先物市場
が禁止をされるということになりました。 聞くところによりますと、現在
東京
に独立した
取引所
を
開設
する準備が進められている。
年内
にも
市場
の
開設
がされようとしている。このままで
市場
開設
しても、結局
一般投資家
に対する悪質な
被害
というものはなくならないのではないか、このように思いますし、また
日弁連
の
皆さん
も、
市場
の
開設
は時期尚早である、こういう
立場
に立たれておられます。こうした
被害
を防止するための具体的な
対応策
というようなことについて、何かお考えがあったらお聞かせをいただきたいと思います。
大深忠延
64
○
大深参考人
日弁連
の
意見書
の中では、
先ほど
から申し上げておりますように、
金市場
を
開設
するのは時期尚早である、これが原則であります。仮に
開設
することやむなしといたしましても、
証拠金率
を高めて
先物取引
の投機性を弱め、
業者
の方も
純資産額
を十億以上にいたしまして、顧客の保護に欠けることがないようにということを申し述べております。 前提としましては、やはり
先物取引
に対する理解が不十分であり、
ブラックマーケット
における
業者
が
商品取引業界
の出身者で大半を占められ、そこでの手口といいますのが
先物取引
の売買仕法を用いられて、
勧誘
された顧客の方で非常に混乱を起こしまして、現実
取引
だと思って
参加
したところが
先物取引
にスイッチされる、こういうふうなところから
被害
を受けたという過去の実例からしましても、そういう
条件
整備がされるまで
金取引所
は
開設
するについてもっと慎重であるべきだというのが基本であります。
小林政子
65
○
小林
(政)小
委員
最近、香港など海外
取引
による
被害
が続出をしているということが新聞でも報道されております。
国内
法ではこれは
規制
できない、こういうことになっていると言われていますけれ
ども
、海外
市場
取引
の
一般投資家
に対する
勧誘
だとかあるいはまた受託禁止措置だとか、こういった措置がとられないものなのだろうか。 またさらに、
先ほど
お話
がすでに出ておりますけれ
ども
、現在
国内
で
取引
商品
に
指定
されている
プラチナ
だとかダイヤモンドだとか石油など、こういう
ブラックマーケット
の
被害
もまたこのところ顕著になってきている、こういったことを考えますと、これに対する
対応策
というようなものを、
日弁連
の
立場
で
大深先生
、どのようにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
大深忠延
66
○
大深参考人
問題は、
国内
における金の
私設市場
での悪徳
取引
だけではありませんで、
先生
が御
指摘
されたとおり、海外
取引所
につなぐという前提で
取引
を
勧誘
いたしまして多数の
被害
を発生させたのは、名古屋に本社がありますスイス・ゴールドという例を見ても明らかであります。しかも、
国内
における
ブラックマーケット
の
取引
禁止という
政府
の
政令
措置によりまして、この種の
取引
がさらに増大しているということも事実であります。
日弁連
といたしましては、
意見書
に書いてありますとおり、海外
取引所
における
取引
の受託業務、
勧誘
は、海外における
商品
相場を
一般大衆
がつかむことは不可能か、または著しく困難なことでありますし、かつまた、顧客の方で受託業務が適正に行われているということを確認するすべもないという
観点
から、これを全面的に禁止すべきであるということを提言しております。 それから、
政令指定外
の他の
商品
について金と同等の
先物取引
被害
が出ないかということは、
先生
も御
指摘
されているとおりでありまして、この点については、
先ほど
申し述べましたが、
現行
の
商品取引所法
八条の
解釈
をもとの
政府
の
解釈
に戻してもらうということを原則的に考えております。しかしながら、そういうことで
議論
に時間を費やして
同種
の
被害
が相次ぐということになってもいけませんので、念のために、
政府
の
解釈
を前提にするならばやはりその穴を埋めるべく
対策
をとられるべきではないかということを申し上げております。
小林政子
67
○
小林
(政)小
委員
もう一点お聞かせいただきたいと思いますけれ
ども
、
先ほど
来問題になっております詐欺行為だ、悪質なものだということが明らかに確認されるようなこういうものについて、警察
当局
もそれの立証がなかなかむずかしいということで、告発をしても摘発をすることができないというような事態もあるやに聞いております。これらに対する警察の対応が一体どのような
状況
になっているのか。悪徳商法
被害者
対策
委員会
の調べによりましても警察が摘発したのは三十
業者
で、これは一時二百
業者
あるいは二十
私設市場
と言われていたうちのわずか一五%にすぎない非常に少ないものだということが言われておりますけれ
ども
、これらへの対応が
現状
どのようになっているかという点を、
日弁連
の
立場
からお伺いをいたしたいと思います。
大深忠延
68
○
大深参考人
実際に
被害
に遭って、どうもだまされたというような実感を持ちまして警察あるいは検察庁に
被害
を告訴した場合、この応接が一体どうなのかという点につきましては、
意見書
と一緒に作成いたしましたこの「
金先物取引
実態
調査
報告書」の五ページから六ページにかけまして報告いたしております。
業者
の数、
被害者
の数から申しまして立件されましたのは氷山の一角と言えるべきものでして、ここにも申し述べておりますが、この種
取引
の仕組みが警察等取り締まり
当局
において非常に理解しがたい、それから
市場
は大阪、
東京
にありまして本社が福岡とか大阪とかそういうところにあって、実際の
被害者
が出るのは高知であるとか、そういう広域捜査を強いられるような
状況
のもとで警察の、取り締まり
当局
の捜査能力からして非常にたえがたい。もう
一つ
は、警察、取り締まり
当局
は民事には介入しないというようなたてまえもありますものですから、実際に警察等に
被害
を申告しても、民事の話であるから話し合って解決したらどうかというような応接で、これを摘発されるという点には非常に消極的であったというのが偽らざる実情であります。
小林政子
69
○
小林
(政)小
委員
それではこれは後にして、
地金
業界の
日本金地金流通協会
の
田中参考人
にお伺いをいたしたいと思います。
国内
では消費量百三十四トンのうち、何か七六%に当たる百二トンを同協会員が取り扱っているというふうに書かれているものを見たことがございますが、まさに
金地金
流通
の中心の団体として大きな比重を占めていますけれ
ども
、しかし、そのあなた方が
金市場
に
参加
しないという意向をはっきりとさせているわけです。しかも、
現物市場
と
先物市場
とは全く異質のものなのだという御
意見
も述べられ、したがって、そういう
立場
から
参加
を必要としていないということも言われているわけでございますけれ
ども
、そういった業界が
参加
しないということで
市場
が
開設
をされるということも、いまもう何か目前に迫っているような
動き
が出ておりますけれ
ども
、
通産省
、何でこんなに急いでやるでのしょうか。私はちょっと理解できないのですよ。 本来ですと、たとえば同
業者
の
人たち
が集まって
金市場
をやっていこうということであれば、やはり当然
皆さん
の方にも
お話
があり、また全体の協議もして、そして法律を先にやるべきだということであれば法の改正をやるべきなのですよ。それをやりもしないで、主要な団体が抜けているのに
先物取引市場
をやるなどということは、私
ども
不思議でしょうがないのです。こういう
立場
からひとつ御
意見
をお聞かせいただきたいと思います。
田中淳一郎
70
○
田中参考人
御趣旨はよくわかりましたが、私が、金の
現物市場
と
先物市場
は異質のものであると申し上げましたことは、私
ども
は金の
現物
を取り扱うことについて
経験
を積んだ者でございまして、今度金の
先物取引
をおやりになるというと、厳密に言いますと金の
先物取引
の当
業者
ではございませんので、金の
先物取引
の当
業者
ということになりますと、いままで
先物取引
を長きにわたって御
経験
をなさった方が当
業者
であって、金の
現物
をやっておった者は金の
先物取引
の当
業者
にはなり得ないくらいに
経験
がないと言ってもいいのではないだろうか、こういうふうに考えております。
小林政子
71
○
小林
(政)小
委員
これも何かで見たのですけれ
ども
、金相場の
先物取引
は投機のかたまりのようなものだ、危険が伴うのだ、
一般
の大衆投資家にこれをお勧めするということは当協会としてはなかなかできないというようなことが書かれていたのを読んだことがございますけれ
ども
、一体それは何を指しているのか、どんな危険が伴うのか、明らかにしていただきたいと思います。
田中淳一郎
72
○
田中参考人
金の
現物取引
と申しましても、値段の高下のあることは
先物取引
と違わないで同じでございますけれ
ども
、金の
現物
を
取引
している限りにおいては、下がったときにはもうかるまで持ちこたえていれば損をしないで済むというのが金についての過去の例でございます。
現物
さえ持っていれば何とかなる。何とかなるどころじゃなくて救ってくれる。あるいはベトナムからの難民あたりも、金を持っていたためにあの難民が船にも乗れれば思うところにも行けるというようなことで、いわゆる金の値段だけに頼るということのほかに、
現物
そのものに信頼性を持って頼っていくというところに、
現物市場
のやらなければいけない、信頼性を持った
現物市場
を拡大発展していかなければいかぬという面がございます。
先物市場
は
現物
を伴わないわけでございますから、値段の変動を自分に有利に導くかあるいははからずも不利な方にいってしまったかというようなことでやっていく。しかも、定期
先物取引
には期日が決まっておりますので、その期日で勝負が決まってしまうというようなことになりますので、その辺の
危険性
というものは
現物
と
先物
とは大変違ってくるわけでございますけれ
ども
、これも十分御
承知
の方が御
承知
の上でおやりになることに、われわれが何も差し出がましいことを言う必要もないのではないかという程度に考えております。
小林政子
73
○
小林
(政)小
委員
それでは、次に
通産省
に伺いたいと思います。
現状
のまま
金市場
を
開設
する、
被害
が広がるおそれがある、いまいろいろな
参考人
の方からも御
意見
が出ておりますけれ
ども
、この
市場
開設
について投機的な性格をできるだけ
通産省
は薄めるという
立場
に立って
被害
を防ぐ。
一般委託者
の
委託証拠金
は高目に設定すべきだと考えます。これは最低でも三〇%以上にすべきだと思いますけれ
ども
、この点はいかがでしょうか。
植田守昭
74
○
植田政府委員
証拠金につきましては、
先ほど
来
議論
になっております
一般投資家
を守る
対策
の
一つ
の重要なアイテムだと思っておりまして、私
ども
も、これにつきましては従来の他の
商品
の場合と比べてみましても、かなり高率のものにしたいと考えております。いまここで直ちに何%と——まだ決まっておるわけではございませんが、私
ども
といたしましては、目下のところでは二〇ないし三〇%ぐらいのところで考えていったらどうかということで、現在
専門家
等も含めました
検討
会でも、そんなことで
検討
しているということでございます。
小林政子
75
○
小林
(政)小
委員
証拠金率
が低ければ、
業者
にしてみれば
一般委託者
を
勧誘
しやすい、したがって委託者の
被害
が増大する可能性が大きくなってくるという点から、やはり最低三〇%以上ということはどうしてもやってもらいたいなと思っております。 さらに、金は国民の関心が非常に高いものですから、
市場
開設
に当たって
一般投資家
の保護
対策
ということがうたわれております。外務員の登録に際して厳正な資格審査を行う、こういうふうに書かれておりますけれ
ども
、具体的には、過去にいろいろなトラブルがあったり問題を起こしたり、こういう
人たち
は排除すべきだと思いますけれ
ども
、いかがでしょうか。 また、委託者にその
危険性
を告げる開示制度というものが設けられていくようになるやに聞いております。結局これも運営のいかんによっては、紙切れ一枚持ってきて、ちゃんとここに書いてある、あなた見ましたか、読んだんでしょう、得をするときもあれば損をするときもあるんだというようなことで、逆用に使われるというようなことは
運用
面で厳重に慎むべきであると思いますけれ
ども
、それらの点も含めてどのようなお考えをお持ちか、お聞かせを願いたいと思います。
植田守昭
76
○
植田政府委員
外務員の審査につきましては、御
指摘
のような点も含めまして厳正に審査していきたいというふうに考えております。 それから、
危険性
の開示の問題でございますが、損することも得することもある、いつも得するばかりではないということでございます。 いま、場合によってはかえってそれがマイナスの効果を発揮することもあり得るのではないかというふうなお尋ねでございます。 確かに、それが
一つ
の免罪符として使われるということがないとは言えないと思いますので、そういった点は十分注意しなければいけませんけれ
ども
、さればといって、では何も出さないということの方がかえっていいかと申しますと、
運用
のいかんにもよりますけれ
ども
、私は、やはりこれはやった方がいいのではないかというふうに考えておりますので、御
指摘
の点は十分踏まえながら進めていきたい、こういうふうに思います。
小林政子
77
○
小林
(政)小
委員
もう時間がなくなってまいりましたけれ
ども
、最後に、
商品取引所法
の八条の
解釈
問題です。 この問題は逆転をしたわけですけれ
ども
、従来は、
取引所
に上場されている
商品
はもちろんのこと、それ以外の
商品
も勝手に私設
先物市場
を開くことができないと
解釈
をされてきておりました。それが三十年間もそのまま通用して、昨年の四月、これが百八十度転換をしたということですけれ
ども
、私は、こうした従来の
解釈
を
通産省
も一応とっていて、そして
一般
的には禁止されるものとして政策的
立場
を堅持してきたというように見ているわけですが、本当にそうだとすれば、やはりこの問題について正しい
立場
に戻るべきではないか、このように思うのです。 これは
通産省
が立法にかかわってきた法律ですよ。そうでしょう。そして、この法律はいろいろな
解釈
がされてきたわけですけれ
ども
、こういった
解釈
を
通産省
がもし早く知っていたとすれば、その結果多くの
被害者
が出てきたんだということになれば、私は、これはもう許しがたい行政の怠慢だと言わなければならないと思います。しかし、
通産省
がもし、三十年間通用してきたこの
解釈
、政策的にも立法的にもその
立場
に立って最近までこれを
運用
してきたということてあれば——実際に現在、
プラチナ
だとかあるいはまた銀だとか、これはもう具体的に京都だとか
東京
で発生しているのですよ。そして銀の場合には、群馬県でこれが発生しているというふうに言われておりますし、実際
被害者
が出ている。こうした
被害
が広がってからこれに対して一々、
プラチナ
をどうするか、あるいはまた銀を
指定
にするか、こういうようなことではもう間に合わないと思うのです。実際に兆しが出ている、こういう
状況
の中で、私は、
通産省
がみずからの責任でやはりきちっとした態度をとるのが当然ではないか、このように思いますけれ
ども
、どのような
見解
をお持ちか、お伺いをいたします。
植田守昭
78
○
植田政府委員
八条の
解釈
につきましては、
先ほど
もちょっとお答えいたしましたが、二十六年からですから、確かに三十年たっているわけでございます。私は、三十年間の
商品
取引
の歴史を知悉しているわけではございませんけれ
ども
、やはり最近になりまして、特にこの八条問題にかかわるような事件、
案件
が出てきているという中から、改めてこの問題が
検討
されまして、
先ほど
申しましたような
解釈
が妥当であるということで
政府解釈
が出てきているわけでございます。
プラチナ
その他類似の
商品
につきましての問題につきましては、御
指摘
のような点は、ただいま
商品
取引所
審議
会におきまして、今後の施策としてどうあるべきかということで御
検討
願っておりますところでございまして、その辺の御
検討
を踏まえまして今後の
あり方
を考えていきたいというふうに思っております。
小林政子
79
○
小林
(政)小
委員
もう一点。 こうした重大な
解釈
の
変更
といいますか、この問題をめぐって、一層その
被害
が広がっていくという兆しが出てきているということも事実です。ですから、こういうときに、前回の
小委員会
のときにも回答がございましたけれ
ども
、
取引
問題研究会の中間報告、これの多数
意見
であったと言われておりますいわゆる私設
先物市場
の
開設
禁止並びに
先物取引
及びその類似行為、延べ
取引
も含むわけですけれ
ども
、
一般投資家
を
対象
とする
勧誘
または受託の禁止、これについてはやはり立法の実現を急ぐべきではないか、こういうふうに思います。 この点について裁判所の
見解
も、
先ほど
来聞いておりますと、やはりその
立場
に立っての
見解
が出されているというふうにも
お話
がございましたけれ
ども
、こうした重大な問題を、
通産省
は責任があるのですから、法制局だとかあるいは
審議
会だとかということに逃げ込まないで、明確にこういう
立場
に立って、
被害
に対して、実際には責任を負う
通産省
、法律をつくった
通産省
、その当事者の
通産省
が正しい
立場
に戻るということはもう当然のことだというふうに思わなければならないと思います。 これについての
見解
をお伺いして、私の
質問
は終わりたいと思います。
植田守昭
80
○
植田政府委員
きょう、
参考人
の方あるいは
先生
方の御
質問
の中で、いろいろとこの
被害
の問題を
一つ
の大きな問題として御
議論
いただいたわけでございますが、私
ども
も、
一般投資家
の保護ということは非常に重要な問題だというふうに考えているわけでございます。 これにつきましてどういうふうな対応が最も妥当であるかということにつきましては、
先ほど
から繰り返しになるわけでございますが、いまいろいろと御
検討
いただいておりますので、その辺の御
議論
を踏まえまして今後考えていきたいというふうに思っております。
渡辺三郎
81
○
渡辺
小
委員長
以上で
質疑
は終了いたしました。
参考人各位
には、貴重な御
意見
をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。 なお、この際、私より一音申し上げます。 本日は、せっかく
参考人
に御
出席
いただきまして貴重な御
意見
を述べていただきましたが、それがただ聞きっ放しになったのでは余り意味のないものになりますから、特に
一般投資家
に対する保護の問題に関しては、それが今後の行政に取り入れられ、生かされるよう、
政府
当局
においては十分配慮されるよう要望しておきます。 本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十九分散会