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広瀬委員 私は、
社会党を
代表いたしまして、ただいま
議題となりました今
臨時会の
会期を十一月十八日から二十八日まで十一日間
延長するという問題に対して、
反対の
討論を行いたいと存じます。
そもそも、
臨時国会を開く際には、この
臨時国会は何のために開かれるか、その性格、
目的、そういうものがきわめて重要であります。
ところが、本来、
基本的人権にかかわる
仲裁裁定の
完全実施の問題、
人事院勧告の
完全実施の問題、こういうようなものは、時間的経緯から考えまして当然この
国会で処理をするのだ、しなければならない
国会の責務がある。それにもかかわらず
与党自民党の
皆さんの中には、いわゆる
行革国会と言われておりますが、三十六本の
法案それだけを念頭に置いて、そういう
基本的人権にかかわる諸問題をこの
国会で処理するというような発想というものが、そもそも
欠落をしておった。ここに、この
臨時国会における一番大きな
欠落の問題があるだろうと思うわけであります。
その点、今日に至るも、
人事院勧告の問題については
政府においても給与法を出してまいらない。この
国会で処理することがほとんど不可能に近いというようなことになりつつあることは、まことに遺憾千万であります。
さて、ただいま
与党の
玉沢委員から、
行革はまさに天の声、神の声と言わんばかりの御
発言がございましたが、われわれが、そしてまた、わが党の
飛鳥田委員長が
要求しました
行革というものは、今日出されているようなものではないはずであります。公正にして民主的、そして効率的な、
国民のための
行革、こういうものでなければならない。ところが、それには似ても似つかないようなものばかりであって、
国民不在と言うべきか、あるいは反
国民的とすら言いたいくらいの中身を持っておるわけであります。
弱者に対する
福祉の
切り捨て、そういう
弱者いじめの側面を色濃く出してきたのであります。そればかりではなくて、やがて
教育の荒廃をもたらすような危険な要素も含んでおるし、しかもまた、
地方の時代と言いながら、
地方自治体に国の
負担をどんどん転嫁をして、弱体の
地方自治体の
財政を苦しめる、それはひいては
住民負担の増大に結びつくような、そういう過ちも犯している、われわれの主張する真の
行革、
国民のための
行革とはほど遠いものであります。
そういうものであって、この問題だけを、
参議院ではまだ
審議の目算が完全に立っていない、そういうことを
理由にして、これを通すためにのみ、このような
会期の
延長を提案をしてこられるということに対して、むしろ
与党のために、
与党の権威において、そういうことをされるべきではない。
なぜならば、
会期を決めた際にも、五十五日という短くない、かなりの期間を持ったわけでありますが、それにもかかわらず、今日、まさに
国民の側からの
抵抗、
野党の
抵抗という、そういう
意味で正しい
行革を求める声が満ち満ちているにもかかわらず、それにこたえていない、こういうような点から
審議がおくれているのであって、この
会期制度というのは、やはり
議会制民主政治、そういう中における基本的な
ルールであります。
土俵であります。その
土俵を、
政府・
与党の御都合次第によって便宜的に、きわめて御都合主義的にこれを勝手に広げてしまう、こういうようなことは、
議会制民主政治の健全な
運営にとってまことに遺憾と申さなければならないわけでございます。そういう点で、
会期という問題を安易に考えないで、真に
議会制民主政治の
基本的ルールを守っていく、こういう
立場において、もっともっと真剣にこれからも考えていかなければならないことだというように考えるわけであります。
以上、私
どもの
反対の
理由を申し述べまして、この十一日間の
会期延長に対しては、私
どもは、
国民の声を
代表して、天の声を
代表して、
反対をいたすものでございます。
以上で終わります。(
拍手)