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1981-10-23 第95回国会 衆議院 運輸委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十六年十月二十三日(金曜日)     午前十時三十一分開議  出席委員    委員長 小此木彦三郎君    理事 加藤 六月君 理事 関谷 勝嗣君    理事 楢橋  進君 理事 宮崎 茂一君    理事 福岡 義登君 理事 西中  清君    理事 中村 正雄君       木部 佳昭君    佐藤 文生君       近岡理一郎君    永田 亮一君       浜野  剛君    林  大幹君       山村新治郎君    井岡 大治君       小林 恒人君    竹内  猛君       浅井 美幸君    四ツ谷光子君       中馬 弘毅君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 塩川正十郎君  出席政府委員         運輸大臣官房総         務審議官    石月 昭二君         運輸省港湾局長 吉村 眞事君         運輸省鉄道監督         局長      杉浦 喬也君         運輸省航空局長 松井 和治君         気象庁長官   増澤譲太郎君  委員外出席者         日本国有鉄道総         裁       高木 文雄君         日本国有鉄道常         務理事     加賀山朝雄君         日本国有鉄道常         務理事     橋元 雅司君         日本国有鉄道常         務理事     三坂 健康君         日本国有鉄道地         方交通線対策室         長       岩崎 雄一君         運輸委員会調査         室長      荻生 敬一君     ――――――――――――― 委員の異動 十月二十三日  辞任         補欠選任   伊賀 定盛君     竹内  猛君 同日  辞任         補欠選任   竹内  猛君     伊賀 定盛君     ――――――――――――― 十月二十日  都営地下鉄一二号線の早期着工及び国鉄両国駅  接続に関する請願天野公義紹介)(第六〇  号)  気象業務整備拡充に関する請願簑輪幸代君  紹介)(第一四四号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 十月二十日  国鉄羽越本線羽後亀田駅の無人化中止に関する  陳情書  (第九四号)  国鉄根室本線運転確保等に関する陳情書  (第九五号)  国鉄地方交通線対策に関する陳情書  (第九六号)  国鉄水郡線割増運賃制度反対に関する陳情書  外一件  (第九七号)  海上保安庁第二管区内に海難救助飛行艇配備に  関する陳情書外一件  (第九八号)  国鉄特別運賃制度導入反対に関する陳情書外四  件  (第九九号)  ブルーシー・アンド・グリーンランド財団の地  域海洋センター建設事業継続に関する陳情書外  四十三件  (第一〇〇号)  国鉄若桜線及び倉吉線の存続に関する陳情書  (第一〇一号)  生活バス路線確保に関する陳情書  (第一〇二号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  陸運に関する件  航空に関する件  日本国有鉄道経営に関する件  港湾に関する件  気象に関する件      ――――◇―――――
  2. 小此木彦三郎

    小此木委員長 これより会議を開きます。  陸運、海運、航空日本国有鉄道経営及び港湾に関する件等について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。近岡理一郎君。
  3. 近岡理一郎

    近岡委員 今回は、委員各位の御協力を得まして初めて質問に立たせてくださいましたことに対して、心から感謝を申し上げたいと思います。  具体的な質問に入ります前に、大臣お尋ねしたいと思います。  御案内のとおり、わが国は戦後三十六年、敗戦経済から復興経済高度成長経済安定成長経済というふうなぐあいに着実に国民の英知と努力の結集によって経済大国発展したわけであります。さらにこれを進めるべく政府は、昭和五十二年の十一月四日の閣議決定による三全総あるいは五十四年八月十日の新経済社会七カ年計画というふうなものを立てて、二十一世紀に向かって国づくりをやっているわけでありますが、振り返ってみまして、いろいろ問題点があると思います。また、ひずみというふうなものも出てきていると思いますが、こういった点について、国づくりに対したいままでのこういった経過等から見まして、今後国づくりをどのような方向に進めるべきかということに対して、大臣はどのような御見解を持っているか、お聞かせ願いたいと思います。
  4. 石月昭二

    石月政府委員 ただいまお話がございましたように、戦後三十六年たちまして、私どもの現在の日本交通体系における問題意識というのは、明治以来の在来鉄道中心といたしました時速五十キロの交通体系から、これからは新幹線、ジェット機、高速道路というものを中心といたしました高速交通体系に移行する過渡期にあるというぐあいに認識しておるところでございます。  事実、輸送需要伸び等を見ましても、昨今のように低迷している中で新幹線航空機というような高速交通体系に対する輸送需要が着実に伸びております。これは国民高速交通体系に対する志向が非常に高いということのあらわれだろうというぐあいに考えておる次第でございます。  では、そういう高速交通体系に移行するに当たってどういう点が問題であると認識しているかということでございますが、こういう国民の欲求を踏まえまして、全国民高速交通体系恩典にひとしく浴するようにするというのが交通政策課題だろうというぐあいに考えておるわけでございます。しかるに、現実には新幹線飛行場といったような高速交通体系に一時間以内にアクセスできる地域がどうかというようなことで調べてみますと、たとえば四国の一部であるとか九州の一部であるとか裏日本の一部であるとかというところで、そういう高速交通体系恩典に非常に恵まれないところがあるわけでございます。これではやはりその地域にとりまして地域発展に支障を来すということになりますので、こういうものをなくしていくというのが今後の課題だと考えております。  それにつきましては、一つは、航空の問題につきまして、一番需要が集中いたします関西それから東京というような大都市の空港の処理能力というのが、御承知のような事情でなかなか拡張できないのが一つ問題点ではないか。いま一つは、新幹線につきまして、国鉄経営が非常に悪化いたしまして、それに足を引っ張られて新幹線がなかなか拡大できないという二つの点が問題であろうというぐあいに考えております。  今後はその辺の問題を踏まえまして、現在の交通体系というものをできるだけ、在来線新幹線組み合わせ高速道路飛行場組み合わせというような形でいろいろな交通手段をうまく組み合わせまして、むだのない効率的な交通体系ということで全国的に高速交通体系というものを広げていくという方向を目指したいというぐあいに考えている次第でございます。
  5. 塩川正十郎

    塩川国務大臣 戦後特に自然環境のいいところ、自然条件のいいところに産業が発達し、そこに人口がふえる、したがって、そこの交通は非常に重点的に発展してまいりました。そういうことでは私はいかぬ。やはり均衡ある発展ということになれば、自然条件の悪いところこそ、これからの均衡ある発展ということの目玉になってくるのではないか。そうすることによって、交通がいわば産業一体となって自然環境を克服していける。そういう技術はもうすでに相当なところまで発達しておりますから、そういう条件のところにこそ、今後重点的な交通網、それによって産業が、そして人口が、これで均衡がとれていくのではないかというふうに思うのです。
  6. 近岡理一郎

    近岡委員 そこで、いま大臣からお話がありましたように、私はやはり国土の均衡ある発展ということから見ますと、まさに日本は過密、過疎というものが顕著に出てきておる。したがって、この八〇年代は、過ぎたるところと及ばざるところの調和を図るというふうな政治課題こそが八〇年代の政治課題の最大の問題じゃないかというふうに私は思うわけであります。したがって、以前は交通網地域開発を誘導したわけであります。ところが、現在の状況を見ますと、それがそういった方向で行っているかどうかということを見ますと、逆に過密、過疎に対して行政そのものが後ろから追っかけていっているんだというふうな印象を強くするわけでありまして、特に運輸行政というものは公共的な、公益的な色彩が非常に高いわけでありますから、いま大臣がおっしゃられるような日本の均衡ある発展に対して、運輸行政の責任というものを十分わきまえて取り組んでいただきたいというふうなことを前提にしまして、ただいまから具体的な質問に入りたいと思います。  そこで、第一番目に、国鉄関係についてお尋ねをいたします。  いま国民の間に非常に問題になっているのは、一体国鉄というものはどういう方向に、民営でいくのか、このまま公社の企業会計でいくのかということで、国民は、一体国鉄はどうなっていくんだろうかというふうな非常な疑念を持っているわけであります。すなわち、国鉄役割り論といいますか、本当に公共輸送でいくのか、企業に徹するような国鉄になってしまうのかというふうなことで、場合によっては、第二臨調の答申で、次の回あたりには民営方向が打ち出されるのではないのかというふうなことすら懸念を持っているわけでありますが、私は、余り企業的な感覚で国鉄運営をやってまいりますと、当然国民の中には民営論というものがますます高まってくるのじゃないかと思うので、この国鉄役割り論について基本的にお伺いをしたいと思います。
  7. 杉浦喬也

    杉浦政府委員 もう御承知のように、国鉄役割りとしましては、能率的な経営のもとに公共の福祉を増進する、これは第一条の目的に書いてあるとおりでございます。最近、国鉄事業経営上の問題としましては、シェアが非常に落ちておるという点は確かにございます。ただ、国鉄はやはり大都市交通なり都市間交通なり、あるいは大量の貨物なり、こういった面ではやはり国の基幹的な交通事業ということが、なお依然として位置づけられるというふうに考えておるわけでございます。ただ、やはり社会経済が非常に変動いたしまして、特に最近運輸関係では激変といってもいいくらいの状況でございます。こうした中で、国鉄が過去の独占的な状況から大変競争裏にさらされておるということも事実でございます。そうした競争裏にさらされた場合は、やはり各交通機関の相互の関係を見ますと、どうしても企業的な経営というものにかなり重点を置かなくてはいかぬのじゃないかというふうにも考えるわけでございます。しかし、これが直接民営論に結びつくかどうか、これは非常に大問題でございまして、私どもの方といたしましては、民営的手法企業的なあり方というものを十分に取り入れて経営をすべきであるというのが、現在の私どもの考え方でございます。
  8. 近岡理一郎

    近岡委員 時間が余りありませんので、とにかく国有鉄道法第一条にのっとって、十分にこれから国鉄再建経営改善のためにも努力をしてほしいと思います。  そこで、経営改善計画進捗状況についてお尋ねをいたしたいと思います。同時に、答弁は余り長くなくお願いしたいと思います。  現在の状況は、大体自分なりに資料等によって把握しておりますので、特に未利用地処分状況、それから今後の計画、その点について第一点お尋ねしたいわけでありますが、事業用に供されていないものが合計で千八百万平米、原簿価格にして百二十八億あるわけでありますが、これは原簿価格でありますから、相当莫大な金額に上ると思います。そこで、国民から見れば、ああいった特定地方交通線がどんどん廃止されておる、したがって、こういう遊休不用地というものの財産の処分を早く急ぐべきだというふうな国民の声が非常に大きいわけでありまして、いま私申し上げた未利用地処分の問題について御答弁願いたいと思います。
  9. 三坂健康

    三坂説明員 先生指摘のとおり、未利用地が千八百万平米ございますが、このうち今後事業計画に使うもの等を引きまして、約千五百万平米が完全な未利用地でございますので、これを今後売却してまいりたいというふうに思っております。  なお、改善計画におきましては、単に未利用地だけではなくて、現に事業用に供しておる土地も、できるだけ低効率な建物を集約いたしまして、その事業用地も今後売却をいたしていく予定でございます。したがいまして、五十五年度三百億の予算を、今年度は六百億に予算を増強いたしておりますし、今後昭和六十年までに約五千億の土地を資産充当いたしたいというふうに考えております。  以上でございます。
  10. 近岡理一郎

    近岡委員 いま申されましたように、五千億もあるわけでございますから、これはできるだけ早く国鉄再建のために努力すべきだということを申し上げたいと思います。  次に、いま現在、改善計画のために、いろいろ業務委託駅あるいは停留所化、要するに無人駅、そういうものがどんどん進んでいるわけでありますが、そのために業務委託、これは国有鉄道法四十九条でしたかなんかによっていろいろ委託契約をやっておられると思うわけでありますが、その中には日本観光交通社あるいは農協等委託しているわけであります。そこで、そういった業務委託駅等に対しては国鉄OBの方々が行かれるわけでありますが、その委託料というものは、やはり相当莫大な委託料になるんじゃないかと私は思うわけであります。したがって、無人駅まで踏み切った今日においては、もっとそういう無人駅あるいは業務委託駅に対して機械化をやるべきじゃないか。たとえば、例を申し上げますと、せっかく駅があるのでございますから、そこにボタンを押せば何々駅で乗ったんだという乗車券が出てくるような機械を、簡単な機械なんですから余り金がかからぬわけでありますから、そういった意味でいろいろともっと委託経費というものが減らせるんじゃないか。バスなんかも、昔は入り口一つであったわけでありますが、それに対して運転手一人、バスガイドが一人というぐあいで、二人おったわけですね、入り口一つのときに。ところが、いまでは二つあって運転手が一人なわけです。だから、国鉄といえども、そういった意味で、せっかく無人まで踏み切ったわけでありますから、やはりそういった委託経費もできるだけ減らしていくというふうな方向に、私はもっともっと努力する余地があるんじゃないかと思っております。  それからもう一点は、そういった無人駅というものをもっと利用しやすい方向にできないものかどうか。地方によっては、その都市の形態によっても違うわけでありますが、一方からだけ乗れる、ところが片側の方には相当な人口がある。したがって、無人化あるいはまた委託駅にする場合に、せっかく国鉄でブリッジをつくってくれるんだけれども、わずかちょっととつちの方に階段をつけてもらっただけでも自由に乗れる。橋上駅にすれば相当な金がかかる。したがって、橋上駅にしなくても、ちょっとそうした構造上の問題だけで、もっと開放された、利用客というものを吸収できるんじゃないかというふうに思うわけで、こういった点についてひとつ簡単に御見解をお聞きしておきたいと思います。
  11. 橋元雅司

    橋元説明員 現在、全国で全面的に駅業務委託しておりますのは五百三十八駅ぐらいございまして、その委託経費は約五十億でございます。先生指摘のように、これをもっと圧縮できないかということでいろいろ考えているわけでございますが、基本的には、駅業務というよりも、直営以外は原則的にはやはり停留所化と申しますか、無人駅化したいということでございます。委託の場合には、現在すでに必要最小限要員配置になっておると考えておるわけでございますが、先生指摘のような機械化であるとか、さらに一層の要員の削減、これは当然サービス面にも十分配慮しなければならないわけでございますが、十分地元の皆様の御理解を得ながら進めてまいりたいと思っております。実は、先生バス方式というような御意見もございましたが、現に私ども広島局あるいは千葉局盛岡局等で暫定的に、試み的に乗車証明書方式というような方式によってやっておるところもございます。いろいろ問題もございますが、これを十分詰めましてさらに推進してまいりたい、このように考えております。  それから、跨線橋等の問題でございますが、これは当然でございまして、駅の実情に即して整備してまいりたい、このように考えておるところでございます。
  12. 近岡理一郎

    近岡委員 国鉄に対する非常に重要な要望は最後に回さしていただいて、次に、時間がありませんので航空関係について御質問いたしたいと思います。  今回、航空四社が運賃値上げ申請を十月十六日に運輸大臣にされたわけでありますが、各社は、御案内のとおりでございまして、平均して一九・五%、大手三社で一九・八%、こういう値上げ申請をやっておられるわけでありますが、昨年の三月に三社平均二三・八%、大幅に値上げしたわけでありまして、わずか一年七カ月でまた値上げ申請が出てくるというふうなことを見た場合に、こういった現在四社しかないという状態から見ますと、半独占的な航空会社と言われても仕方ないと思うわけでありますが、その場合、理由なんかを見ますと、人件費あるいは燃料代、いろいろあると思いますが、特に今回は燃料代が大幅に上がるんだというふうなことを言われておるわけですが、私は、最近のOPECの動きなんかを見ましても、いまはまだ統一価格は出ておりませんが、三十四ドルぐらいで落ちつくのじゃないかというふうなことが言われておりますし、そういった意味でそんなに燃料代が莫大にかかっていくわけはないのじゃないか。特に昨年度値上げした場合は、五十六年度の収支バランスをとるためにやったのだ、今回出したのは五十七年度の収支バランスをつくるために出すのだというふうなことになってきますと、もっともっと人件費の問題とか内部的な体質改善がされてもいいのじゃないか、合理化されてもいいのじゃないかと私は思うわけでありまして、その人件費なんかもいろいろ詳細に申し上げますと、ここにあるわけですが、時間がないので申し上げませんが、そこで、その中で特に著しいのは優待券の問題であります。  これは私、いろいろ調べてみますと、ここに詳細にわかっているわけでありますが、株主の株数に応じて莫大な優待券が出ているわけであります。たとえば株主の名簿なんかを見ますと、とにかく日本航空で三月三十一日現在で一番持っておるのは何といっても大蔵大臣五千万株、次に東京海上三百六十三万株、同和海上三百四十万株、それから個人で三百万株持っている方もおります。それから安田火災海上、そのほかずっと見てみますと、日本の第一流会社が非常に大株主になっているわけであります。たとえば日航で三百万株持っておった場合の優待券を計算しますと、約一万枚です。  それから全日空の場合は、これもずっと詳細出ておりますが、千五百万株の株主の明細がずっと出ておりますが、大株主がたくさんいる。個人的にも約千五百万株ぐらい持っている方がいます。そういうのは約四千枚ぐらいもらうというぐあいです。  見てみると、こういうのは、たとえば南西航空のような、言っては失礼だけれどもローカル線しか頼りないところと国際線の日本航空のようなところがおつき合いをしているわけです。南西航空あたりもみんな出しておるわけです。はっきり言って、会社経営が芳しくなくても出しておるわけです。  だから、こういうものは、商法上の問題だからということだけでは、公益性といいますか公共性からいっても、私はなかなか簡単に許すべき性格のものじゃないのじゃないかと思うわけでありまして、特に私は体質改善について、こういったことを含めて基本的に、時間がないので大臣からひとつお聞かせ願いたいと思います。
  13. 塩川正十郎

    塩川国務大臣 企業でございますから、株主擁護というのは企業として努めなければならぬ。ところが、航空会社というのは公共性を要求されるがために、企業が安定はしておりますけれども、利益の面では相当大きく期待することは実はむずかしい。そうすると、株主配当の面で優遇できないとするならば、何らかの方法で優遇する。そういうインセンティブをどこかでつけなければ資本の集積というのですか、それはやはりむずかしい。そこらで株主優待制度というのができておる。私はそう思いまして、そのこと自体は決して悪いことではないと私は思うのです。  ただ、どの程度優待しておるか、私その株主でございませんのでわかりませんけれども、何株持っておれば、幾ら投資すればどの程度優待券としてもらえるかというその程度が問題だろうと思いますけれども株主を優遇する気持ちというものについては私は否定するものじゃない。ただ、何株で株主券を渡しておるかというその関係、これは私もよく事情を聞いてみまして勉強したいと思うております。
  14. 近岡理一郎

    近岡委員 私があえて申し上げるのは、JALにしたって全日空にしたって、五十三年度、五十四年度、五十五年度、全部八分の配当をやっておるわけです。ところが、東亜国内航空なんかは配当が三年続きのゼロです。南西なんかがやはり八分の配当をやっておるわけであります。  私は、いま大臣が言われるとおり、何もかも優遇するなと言っているわけではないのです。ここにもあるのですよ。千株未満の方にはごくわずかしかしない。ところが問題なのは、何千万株と持っている方がいるわけです。大きい会社が何千万株。この比率、いま時間がないから私申し上げないのですが、何千万株というのを持っていると、そういうものをもらった場合に、会社で、私ははっきり言えば相当ばらまいてもいいというのだ、売ってもいいわけだ、そんなもの。だから、そういうものをこれから続けていいものかどうか。しかも、きのうの新聞なんか見ましても、日航なんか大変な株の値段ですよ。五百円株で二千三百八十円でしょう。あるいは全日空だって、五十円株が三百六十五円でしょう。株だって一部上場株で大したりっぱな株なんですよ。  こういうものをやっていて、私はこういう運賃値上げが出てきたからこそ、もっともっとそういう体質改善努力しながら国民の足としての公共性、私が冒頭に聞いたのはそういう意味で聞いているのです。運輸関係というものはすべからく公共性が非常に強いので、国民がもっと納得されるような値上げというものを、これから運輸審議会にかけられて十分やられると思いますが、ひとつ慎重を期してこの運賃値上げについては取り組んでもらいたいし、体質改善に対しては運輸省はもっと厳しく取り組んでもらいたいと御要望申し上げておきたいと思います。  次に、余り時間がありませんので、港湾関係について一点だけ聞いておきます。  港湾関係について私心配しておりますことは、たとえば五十六年三月十三日に第六次港湾整備計画が出たわけであります。いま港湾整備をどんどん進めておるわけですが、特に日本港湾関係を見ますと、その周囲に鉄鋼、石油コンビナートなどがたくさんあるわけであります。  そこで、きのうもテレビを見ますと、東京湾防災関係の訓練をやっておったようであります。そういった点から見まして、海上保安庁、消防庁あるいは港湾局といった関係機関防災保安体制、これについては今後協議会をつくって、ひとつ万全を期してもらいたいということを考えているわけでありますが、その場合に海上保安庁関係あるわけですよ。そのようなことで、その協議会をつくってこれから御検討なさる御意思があるかどうか。もちろん港湾をつくる場合は、その時点で十分に審議会等意見を聞いてやっているから、私は万遺憾ないとは思うけれども夕張炭鉱のあの事件なんか見ますと、やはり日本は火山列島なるがゆえに地下貯蔵がなかなかできないわけであります。  そういった意味で、このコンビナート地帯における防災体制に対しての今後の取り組み方を、簡単で結構でございますからお聞かせ願いたいと思います。
  15. 吉村眞事

    ○吉村(眞)政府委員 お答え申し上げます。  石油、鉄鋼等のコンビナートがあります地域につきましては、その指定がなされておるのが普通でございまして、その指定された地域につきましては、石油コンビナート等災害防止法が適用されております。その場所では、先生指摘のような関係の機関が集まりまして、防災の計画をつくるとかあるいはその情報の交換をいたすとか、それから災害発生時において実施する対策について連絡調整を行うようなことが決まっておりまして、運輸省港湾局の出先でございます港湾建設局もそれに入っておりますし、港湾の各管理者がそのメンバーになって、そういった計画立案、実施に携わることになっております。先生指摘のような問題が起こりませんように、今後とも十分に指導をいたしてまいりたいと存じております。
  16. 近岡理一郎

    近岡委員 そこで、また国鉄関係に返らせていただきたいと思います。これは御要望も入っているわけでありますが、総裁にお聞きいたしたいと思います。  御案内のとおり、東北・上越新幹線が、東北関係が来年の六月、場合によっては上越は少々おくれるということで、来年の十一月を目指して新ダイヤを作成すべくいま進んでいるはずであるわけです。  そこで、私はこの機会に、特に北海道を含めた東北地方の今日までの運輸行政の実態を考えてみますと、日本海側と太平洋側とに対する取り扱いに対して、私は非常に疑問を持っている一人であります。  たとえば、具体的に私ちょっとだけ申し上げますが、いま現在太平洋側と日本海側から東京都に入っている特急列車は、北海道から来るものを含めまして、太平洋側が四十四本、これは常磐線も皆含めます。ところが、日本海側は全部で十本、これが現況であります。時間がないから一々この路線は全部申し上げません。  ところで、考えてみますと、北海道は一番北にあって、その次に青森があって、岩手、宮城、秋田、山形、ここに福島があるわけですが、そこで、北海道の十四本を除いても三十本ということになるわけです。したがって、ダブる青森と北海道を除き、あるいは福島を除きますと、岩手と宮城の人口を足しますと三百四十三万、山形と秋田、この人口が二百四十八万何がし、人口を見ると七対五なんだよ。七対五にかかわらず、いま申し上げたとおり太平洋側は四十四本で日本海側はたった十本しか走らない。しかも、今回は、場合によっては、東北新幹線が走ることによって在来特急「いなほ」それから「つばさ」「やまばと」、これが全部廃止されるのじゃないかというふうなことで、大宮暫定開業を前にしまして、福島で乗りかえ、大宮で乗りかえなければならない。  そこで、私はきのう国鉄にも、一体どのくらい時間がかかるかという詳細な資料はここにあります。したがって、老人化が進んでおる今日において、一体福島のあの駅で乗りかえて、これは総裁も設計図をとってごらんになったわけでありますが、あそこで乗りかえてまた大宮で乗りかえて上野で乗りかえて、しかも特急券をまた二回も買わなければならないというようなことです。しかも、その新幹線ができますと、山形は御案内のとおりいま四時間三十何分かかるわけですよ、仙台が二時間四十分になってしまう。したがって、今度は盛岡まで四時間でしょう。そうすると、山形が、新幹線ができることによって盛岡から以北に位置しなければならない、とんでもないかっこうになってしまうわけであります。  そういった意味で、これは経済関係、特に山形県の場合は蔵王観光というものがあるものですから、お客様がみんな宮城県に行ってしまうんじゃないかというようなことで、もう大変な、県会、県民挙げてこの問題は一体どうなるであろうかというふうなことで、しかも雪国地帯でございますから、この問題が山形県の最大の政治課題になっている。地域のことを申し上げて申しわけありませんが、委員の方も御理解願いたいと思います。  そういった意味で、先ほど私冒頭に聞いた大臣の精神からいけば、当然私はこのダイヤ改正に絡んでも地域民の強い要望にこたえてくれるであろうということを総裁に信じながら、そういった基本的なこれに対する対処の御見解をお聞きしたいと思います。
  17. 高木文雄

    ○高木説明員 かねがね太平洋側と日本海側で便不便があるということを日本海側の方からは承っておるわけでございますけれども新幹線ができますと、ますますその差が大きくなってくるのではないかということで、県、関係市町村等から強く御要請がございます。私どももこの東北新幹線、上越新幹線の開業は「ひかり」を北へということで大変意味のあるものと考えておるわけでございますが、そのことがかえって一種の格差といいますか、差が生じてくるということは問題ではないかという意識は持っております。  ただ、そこは鶏と卵のような関係になりますが、お客様が多ければ列車をたくさん出せるし、お客様が少なければやはり出しにくい、あるいはまた逆に言えば列車が少ないから利用が少ない、こういう問題になってくるわけでございまして、その辺についてはいつも頭を悩ましておるわけでございます。     〔委員長退席、楢橋委員長代理着席〕  地元からはかなり前からその種のお話を承っておりまして、勉強を繰り返しているわけでございまして、いよいよ最終的なダイヤの組み方のときが参りましたけれども、その辺については、なお心して取り組んでまいりたいと思っております。
  18. 近岡理一郎

    近岡委員 ぜひこれは、いま総裁の御答弁がありましたように、地域住民に十分にこたえていただきたいと思います。  そこで、最後にもう一つ航空関係についてお尋ねをします。  現在の日本の国内において、空港サービス空間地帯と称するところ、いろいろ聞くところによりますと島根県の西側、京都の北、わが山形県の庄内、これが日本の三大空港サービスの空間地帯と称せられているわけであります。と申しますのは、ソウルよりも遠い時間でなければ東京から到達できないということでありまして、そのようなことで、今後、地方空港整備計画に対して要望の強い地方、こういったものに対して、先ほど私冒頭に聞きましたように、均衡ある国土の発展、昔は臨海工業地帯と言われたわけでありますが、いまではまさに臨空工業地帯、これは九州の例を見れば明らかにわかるわけであります。  そういった意味で、今後そういった地方に対する地方空港の整備問題について基本的にどうお考えであるか、お聞かせ願いたいと思いますし、特に庄内空港等については地元ではもう各市町村とも同盟会をつくり、また日本航空コンサルタントに調査を依頼し、年度内に予定地が決まるはずであります。しかも、県も予算化をし、地元でも寄金を集めながら猛運動をやっているわけでありまして、そういう要望地区に対する、特にこの空港サービス空間地帯、これに対する御見解をひとつお聞かせ願いたいと思います。
  19. 塩川正十郎

    塩川国務大臣 この件につきましては、かねてから山形県挙げての要望でございまして、近岡先生も何遍も私のところに要望にお越しになっておられますし、非常に熱心に運動しておられます。そしてまた、私は、航空事情条件から見ましても、あの辺は確かに航路から見まして、ちょっと疎外されておる地域であるという認識も持っております。そこで、県警におかれては、県と市とで両方で負担をされて、現在コンサルタントを入れ検討しておられるという、前向きに積極的に取り組んでおられる姿勢というものに対しまして、われわれも敬意を表しております。  これにつきましては、私は知事に、この地域のただ空港がないからあるいは交通の便利だけで空港をつくれとおっしゃるのではなくして、将来における産業なりあるいは教育施設であるとか住宅事情、そういうようなもの、要するに総合した開発計画というものも提示してもらいたい、山形県はいわば海に面しておる方と、陸中と、それから米沢等の山の方とある、この関連をどうして発展をさしていかれるのですか、その連絡等、関連等もあわせてひとつ計画を立ててもらいたいということを申しております。したがって、私たちは、庄内における、地点はわかりませんが、あの辺での空港の必要性というものは十分認めておりまして、どうぞひとつ地元におきまして積極的な対応策をとっていただくことを歓迎したいと思うております。
  20. 近岡理一郎

    近岡委員 そこで、大体時間が来ましたので、最終的に申し上げたいと思います。  先ほど来私は、総裁がちょっとおくれて参りましたので言うことを忘れたのですが、いま国鉄は、はっきり申し上げまして、再建問題は非常に御苦労だと思います。いろいろな労使協定その他内部的に大変御苦労をされております。そのほかに、山形県では国鉄の重点販売地区の指定も受けておりますし、こういった意味では心から感謝を申し上げたいと思います。  そこで、とにかく私は、きょう申し上げたかった本旨はどういうことかと申し上げますと、運輸行政というものは、わが国の将来の経済発展、それの方向に重大な行政的な分野、方向づけといいますか、そういうものへの公共性あるいは公益性を持っている行政だ、私はこのように認識しております。国づくりが過密、過疎のひどい状態に走ったりする、あるいはまことに住みいいような方向に行く、この分かれていく可能性も運輸行政のいかんにあるといっても過言でないほど国民にとっては重要な行政でありますので、ひとつ公共性公益性ということを忘れずに国づくりのために、国土の均衡ある発展のために運輸行政を強力に進めてくださることを最後に御要望申し上げまして、時間が参りましたので質問を終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。(拍手)
  21. 楢橋進

    ○楢橋委員長代理 小林恒人君。
  22. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 まず、冒頭に運輸大臣に御見解を賜りたいと思っている部分が一点ございますので、正確な意味でのお答えをいただきたいと思っているのです。  それは、昨年の十一月段階ででき上がりました国鉄再建法に基づくその後の諸作業の過程で、六月十日以降、関係をいたします一道十九県の知事さんの意見書を求める、こういう作業工程がございました。当初、運輸省当局の考え方からいたしますると、およそ三十日程度の期間設定で、この間に知事の意見書を求めたい、こういう考え方であった模様でありますが、結果として九月三日までこの集約に時間を要した、こういう経過になっているわけです。  ただ、この間にももちろん多くの議論がありましたし、知事意見書が提出をされた以降、九月十八日に、運輸大臣は、関係をいたします四十線区総体を知事の意見言を一顧だにすることなく全面的に承認をする、こういう形に結論的にはなってきているわけです。  もちろん、運輸省の中でも大臣の承認をするに至った経過は多々あろうかと思いますが、特に議論の焦点となったものなどについて、これこれの問題整理をしつつ四十線区はすべからく承認をしたのだという、中身を含めた大臣の取り扱ってきた経過を御説明賜りたいと思っているのであります。
  23. 杉浦喬也

    杉浦政府委員 知事の御意見は、八月の末から九月の初めにかけまして二十県ともに出そろったわけでございます。その前にも全国知事会等の全体的な御意見も出ましたが、個別の御意見はいま申し上げました期間に全部出たわけでございます。  私どもの方は逐一その内容を検討させていただきまして、中身につきまして簡単に大ざっぱに分類してお話を申し上げたいと思いますが、第一の分類としましては、これは一般的な御意見、総論的な御意見と申し上げていいと思いますが、そうした観点からする御意見、これは一口に言いまして各県知事さんともに当該路線の重要性を強調されまして、廃止につきましては反対である、国鉄で維持をすべきであるという、トーンは若干違いますが、共通的な御意見でございました。  これは、私どもといたしまして選定に当たりましての基準の問題としましては若干外れております。しかしながら、一般的な御意見としては十分承るという姿勢でございます。  それから、第二番目の一般論としましては、国鉄経営改善のあり方に関する問題。特定地方交通線だけの問題が先走りしているのではないか。国鉄経営改善に当たりまして、たとえば幹線部分が非常に赤字を生んでいる。そうした面につきまして合理化をもっと徹底してから地方交通線に取りかかるべきである、このような御意見がございました。  これにつきましては、もう当然私どもは幹線も含めまして国鉄全体にわたりまして徹底した合理化をするということが必至の状況であり、またぜひともやらなければいかぬということでございまして、特定地方交通線を先行し、それをやりさえすれば終わりということは全然考えておりませんというようなお答えをいたしておるわけでございます。  それから、三番目の一般論としましては、地域の総合交通政策を樹立した上で特定地方交通線対策を講ずべきである、こういう御意見でございます。  もちろん私どもといたしましては、地域交通のあり方につきましては重要な行政上の問題でございまして、従来もやっておりましたが、今後とも地域交通の重要性にかんがみまして検討を続けていくことは当然でございますが、その完結の後にこれをやれというようなことでなしに、いわば今回の法律に従いまして地方交通線対策も進めていくというふうに考えたいというふうにお答えをいたしております。  その他、基準の適用について画一的な適用はけしからぬというようなこと、地域には特殊事情があるのだからそれを十分考えろというような御意見、これにつきましては非常に重大な地域交通の問題でございますので、基準の適用につきましてはやはり絶対公平が必要であるということから、どうしても画一的な判断をせざるを得ないということを申し上げ、しかしながら、また特殊の地域事情につきましては、今後とも十分に御相談し、検討してまいりたいというふうにお答えをしておるところでございます。  以上が一般的な提案でございまして、これにつきましていまお答えしましたような回答を差し上げているところでございます。  それから、第二の大きな分け方としましては、各線ごとに個別の御意見がございました。これはそれぞれまた御回答申し上げておるわけでございますが、たとえば沿線の開発計画、こういうものが具体的にあるということでこれを認めるべきであるというような点、それから代替輸送道路が非常に不備である、したがって、これは転換をすべきではないという御意見、あるいは貨物輸送についての配慮がなされていないという御意見、さらに新線建設の絡んだ在来線の問題は一体的にこれを考えるべきであるという御意見、あるいは国鉄の車両基地が先端にある場合のあり方については転換について問題があるのではないか、こういう御意見等々の個別的な御意見がございました。  私どもは、こうした御音量を逐一検討させていただきまして、特に路線の選定の基準にかかわる問題につきましては若干の問題がございましたので、陸運局及び国鉄に対しまして再度調査を命じ、あるいは本省みずからが関係者をお呼びいたしまして事情を聴取するというようなことをいたしまして、厳正に審査を行ったところでございます。  なおかつ、一般的なお答えといたしましては、こうした選定基準だけでなしに、幅広い地域交通のあり方につきましては今後具体的に協議会等の場におきまして検討をいたしますというような御回答もいたしております。  以上のようなことを含めまして、事務的には各県知事さんに個別に文書でそれぞれ細かく御回答を申し上げたというのが、知事さんの御意見に対する私どもの対応でございます。
  24. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 相当細かく答弁をした、こうお答えをいただいたのでありますけれども、また一方、法案審議の過程で、これは調査をする段階で基準に照らし合わせてどのような具体的な調査をするのか、こういったことやら、あるいは知事の意見が出た場合の取り扱い方など、意見があったと思うのであります。大臣はその際、再三にわたって、調査を慎重に過ちのないように、知事の意見等についても十分尊重するという立場でお答えをされておったのでありますが、結果として、いま鉄監局長からお答えがあったような形を経過をしながら、承認行為が行われた後も、なおかつ十月の七日付では全国市長会が要請書を運輸省に提出をする、あるいはまたこれに対する回答を十五日に行った模様でありますけれども、その回答を待って十六日に全国知事会の八項目にわたる「特定地方交通線対策に関する申入れ」が行われている、こういう経過があるわけです。果たして、この知事の意見書の中にも示されるように、国鉄が行った調査の段階で基準に照らし合わせて一体過ちはなかったのかどうなのか、過ちがあったとすれば、その修正はどのようにして行われたのか、こういったことが一つ疑問になります。  それから、知事会の意見書に対しても運輸省は十月二十日段階で回答を出しているようでありますけれども、これはきわめておざなりな回答にすぎないのではないのか、こう言わざるを得ません。  たとえて言うならば、申し入れの第七項目の「会議において解決できないことが明らかになった事項については、速やかに関係省庁において検討し、解決策を講ずること。」という申し入れに対して、運輸省の回答というのは実に簡単に「関係省庁と十分相談し、その協力を得たいと考えている。」という程度のことであって、必ずしも知事会が求めている要望内容とは一致をするのかどうなのかということは疑問視をせざるを得ない部分があるのです。  この承認が行われた後、そしてまた同時に会議の開始希望日や廃止の予定時期を運輸省の側で、国鉄の側で明確にした後においても、このようにして全国知事会が大幅な八項目にも及ぶ申し入れをしてこなくては協議会に入っていかれない。俗っぽく言うならば、会議に参加をすることはできない、ボイコットだというような御意見が各新聞等にも報道されている。自治体の首長さん等の談話がそのような形でぽんぽんと飛び出してくるということは、十二分なコンセンサスが得られたという判断をするにはちょっと早計ではないのかなという気持ちを持たざるを得ないのです。  こういったことに関連をして、それでもなおかつ十分な意思統一ができた、知事会に対する回答はこれで満度であったという認識をされるのかどうなのか、御見解を賜っておきたいと思うのです。
  25. 杉浦喬也

    杉浦政府委員 いま御指摘のように、市長会からあるいは知事会から、さらに町村会から、それぞれ会議の開始希望日あるいは廃止予定時期ないしは協議会の運営規則のあり方等に関しまして、刻々と御意見が寄せられました。  私どもは、こうした御意見に対しまして誠心誠意お答えをいたし、御理解を賜るように最大の努力をいたしたつもりでございます。特に、代表的な御意見といたしまして、ただいま先生からお話がございましたように、十月の十六日付で知事会が、その後の情勢に対する御意見をおまとめになりまして申し入れをきれました。それに対しまして、私どもは、八項目にわたりまして回答をいたしたわけでございます。中身は一々申し上げませんが、一つ一つにわたりまして、私どもなりに誠心誠意、今後十分に関係地方公共団体等の皆様方の御意見を承って地方線対策をやっていく、こういう基本的なスタンスでお答えを申し上げたつもりでございます。今後の地方交通線対策の実施に当たりまして大変重大な関心をお持ちになり、いろいろな御意見を持たれるという地方公共団体の姿勢は、全くもっともなことであるという認識のもとに、一つ一つ意見に対してお答えを申し上げたつもりでございます。  したがいまして、十一月二日という協議会の一般的な開始希望日、これが、一般論でございますが、こうした時点に向けましてかなり関係地方公共団体の皆様方の御理解を賜ってきたというふうに現在私どもは考えておるところでございます。
  26. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 再三にわたって、鉄監局長は、理解を賜ってきたものと判断をいたします、こうおっしゃるのでありますけれども、十月十七日における北海道新聞の報道、北海道と九州については十一月中に協議を開始するのはきわめてむずかしいという見通しを明らかにした、国鉄副総裁馬渡、こうなっているのでありますが、国鉄側の認識も運輸省と同じですか。こういう談話がもうすでに出た後ですけれどもね。
  27. 加賀山朝雄

    ○加賀山説明員 そのような報道がなされましたことは、私がちょっと国外に出ておりまして存じませんでしたが、私どもとしては誠意を持って各地方自治体、県を初めとして市町村と話をしておるわけでございまして、十一月二日以降可及的速やかな時期に協議会を各線ごとに開催をしていきたいという形で地元と話し合いをしておるところでございます。確かにあるいは九州あるいは北海道等におきまして、そういう地元との話し合いが、他の地区に比べましていろいろ滞っていると申しますような点がございますので、あるいはその辺が若干そういうニュアンスで報道されたのかと思いますが、私どもといたしましては十一月中のできるだけ早い時期に各地とも発足をさせたいという形で、現在各管理局ごとに努力をしているところでございます。
  28. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 いま願望を聞いている時期ではないのですね。もうすでに公告をされて協議会が始まろうという、日程がどんどん先へ進んでいっている、それに伴う作業も進んでいっているという状況の中で、いまどき運輸省があるいは国鉄が願望を述べているという、そんな時期ではないのですよ。にもかかわらず、副総裁がこういう談話を発表してみたり、なおかつ知事会は、二十日付で運輸省が御回答をした八項目に対する回答内容についても不満の意を表して、この回答ではまだ不十分だから、こんな状態で十一月二日からの三十六線区の協議開始という部分については入り口に入っていくわけにはいかないと言われているゆえんは、法案として審議をしてきた過程でわが党が逐一指摘をしてきた、あるいは修正案の中で示してきたことごとがほとんど網羅をされて、いま現実に問題視をされてきている。これはある日突如として知事会が問題点をえぐり出して、これこれが問題点だと言い出したことではないのです。少なくとも法案審議の過程では、私ども社会党としては修正案を提出して審議をしてきた経緯があるのです。この中身がいま露見をしてきているにすぎないわけですね。  こういった状況が現実にあるということを踏まえながら、それでは次にお伺いをしたいと思うのですけれども、協議開始希望日が三段階に分かれた理由をひとつここで明確にしていただきたいと思うのです。
  29. 杉浦喬也

    杉浦政府委員 協議開始希望日は、会議の開催のための所要の準備期間というものを考えまして、一般原則としましてはことしの十一月二日にいたしました。したがいまして、それから二年間ということでございますと、廃止の予定時期は五十八年度、このようなことが一般でございます。  ただ、いまお話のございましたように、若干の路線につきましては関係知事さんからの強い御指摘があり、また関係省庁からの強い要請もあり、私どもの方でよく事情を調べまして総合的な判断をいたしました結果、廃止予定という点では変わりはございませんが、やはり協議会の開始の時期を若干ずらした方が全体の中で将来のより望ましい姿になる、このような判断をいたしまして、四線につきましてそれぞれの希望日を若干ずつずらした、こういう経緯でございます。
  30. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 それでは、具体的にお伺いいたします。  まず第一に明知線、これは五十八年の四月一日から、廃止の予定時期は昭和五十九年度、こうなっているわけです。北海道の岩内線、これは明年の四月一日から協議を開始したいという希望日が出ているわけです。さらに大畑線、信楽線と四線が協議開始希望日がずれているわけですけれども、それぞれ線区ごとにどのような実情があって会議開始希望日がずれることになったのか、この中身について御説明をいただきたいと思うのです。
  31. 杉浦喬也

    杉浦政府委員 順序不同でございますが、まず明知線でございます。  県知事からの御意見の中にも入っておりましたので、私どもの方で調査をいたしました内容といたしまして、ダムの建設がこの当該路線の沿線にございます。そのダム建設のために、代替バス路線となる代替輸送道路、これは国道二五七号線でございます、これが水没をいたします。それのためのつけかえ道路というのがいま建設されつつあるわけでございます。この建設が五十九年末というふうな状況である。一般的な代替バス輸送は、私どもの方としてはこれがなくてもいいという判断があり、また国鉄はそのような判断のもとに申請があったわけでございます。しかし、このつけかえ道路にもバスを通したい、こういう県知事さんの御意見が強くありました。そうしたことを十分に考慮いたしまして、県知事さんの御意見を実施するためには、その間協議会の開始をおくらせ、結果的には廃止の予定時期をおくらせるということが地元の御意向に沿うものというふうに考えまして、会議の開始希望日を一年半ずらし、廃止予定時期を一年間ずらしたわけでございます。  次に、信楽線でございますが、沿線に住宅開発の計画がございました。特にある大手の建設会社の住宅開発がすでに団地形成が行われております。問題は、その団地の販売がどの程度確実性をもって行われるかどうかという判断の問題でございます。いろいろとこの会社自体にも私どもお聞きいたしました。あるいはまた国鉄から再度照会をいたしました。いろいろと調べた結果、もしこれが販売が完全に行われるとするならば、基準上の問題が生ずるということは事実でございますが、販売が確実に実施されるか否かについての明確な結論が実は得られなかったわけでございます。したがいまして、こうした状況を、若干の期間延ばしまして見守る必要があるという判断をいたしたために、明知線と同様に一年半、開始希望日を延長したという実情でございます。  次は、岩内線でございます。沿線の周辺地区におきまして、泊地区で原子力発電所の立地計画がございます。通産省から御要望がございまして、また知事さんからの御意見も出てまいっております。こうした現地の状況をしんしゃくしてほしいというような御意見が出てまいりました。私どもといたしましては、運輸省、通産省の行政をともに円滑に実施するということのためには、廃止予定時期はそのままにいたしまして、協議の開始時期を半年ずらす。この間に所要の現地の動きがあるやに聞いておるわけでございまして、その半年間の延長というものは両省間の行政の円滑な実施に必要であるという判断をいたしまして延ばした次第でございます。  大畑線でございます。これは沿線の周辺地域、関根浜地区におきまして、現在、原子力船「むつ」の定係港化の問題が持ち上がっております。科学技術庁から運輸省に対しまして要請がございまして、現在、地元におきましてこの母港化についての地元のお話し合いが続けられておるというふうな状況である。したがって、この辺を十分しんしゃくしてほしいという科学技術庁からの御要請を承りまして、また県知事さんからの御要望もございまして、行政上の調整を図る必要があるというふうに判断いたしまして、半年これをずらした次第でございます。
  32. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 大体答弁がおかしいのだけれども、たとえば信楽線の住宅団地造成計画、売却するかどうかわからない。売らないような住宅を建てる業者がいまいるんですか。大体そんなことが議論の対象になるということ自体おかしいのです。これは売るかどうかがわからないので販売計画を確かめるためにというのは、現実に四百十二戸建設しているわけでしょう。こういったことがおかしな形で議論の対象になっている。かと思えば岩内線の原発の動向、これは原子力発電所が建設をされる計画があるということについては周知の事実ですから、このことに触れようとは思わないのですけれども、法案審議の過程でこういったことを対象として考慮するかどうか、こんな議論は一つもないわけです。また、大畑線の原船母港問題、これも同じですよ。これはもちろん特定地方交通線の選定基準としては選定をしたのだからという、協議開始日をずらしただけですという運輸省見解を過般承りましたけれども一体この通産省の要請あるいは科学技術庁の要請、こういうことを考慮に入れて会議の開始希望日を後にずらしていったというのは、一体何が中心になってそういう判断をされたのかわからないのです。ここらについて正確にお答えをいただきたいと思うのです。
  33. 杉浦喬也

    杉浦政府委員 岩内線の関係におきましては、通産省からのお話によりますと、ことしの十一月に、現地におきまして、原子力発電所の立地に関する公聴会が開催をされる予定であるというふうに聞いております。そうしたことを踏まえまして、電源開発審議会がさらに引き続き開催をされるというような状況等々、この原子力発電所の立地に関係いたしまして、現地におきましていろいろな地元との折衝その他の情勢がありますということでございまして、そうしたことが私どもの判断では約半年間ぐらい今後続くであろうというふうに感ぜられたわけでございまして、この間通産省からの御要請におこたえをするということが運輸行政上の判断とも矛盾をしないというふうなことから、ただいまのような延長を考えたわけでございます。  それから、大畑線の問題でございますが、現在この原子力船の母港化につきましては、現地におきましてボーリングなどの立地環境調査が実施されておるというふうに聞いております。これが来年の二月ないし三月ぐらいまで続くであろうというような情勢でございます。こうしたことで、この問題の地元との関係におきまして御考慮を願いたい、こういうような科学技術庁からの御要請、これも私ども運輸行政の立場からいたしまして、協議会の開始を半年ずらすということは科学技術庁からの御要請にも合い、かつまた私どもの方の地方交通線対策上の障害にもならない、このような判断をいたしまして、両省の調整を図った結果、半年ずらしたわけでございます。
  34. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 ちょっとしつこいようですけれども、そうしますと、いわゆる各省庁間でそれなりのプロジェクトを組んで進めている作業工程があった場合については会議開始がおくれるということを行政判断で考慮することがある。しかし、百歩譲って、各県段階あるいは自治体段階でそれぞれに自治体としては非常に大きな計画を組んでいま作業に着手をしているというようなものが、知事の意見書の中では数多く打ち出されてきているわけです。特にこれは地域の開発計画、こういった意味で出てきているわけですけれども、ある意味では原発の建設も開発計画一つと言えるのかもしれませんが、しかし、省庁間のそういった取り扱いならできるけれども、自治体単位のものは取り上げない、こういうことを今回の判断の中では明確にしたことになりますね。こういったものを明確にして、結果としては各知事の意見書についてはほぼ全面的に却下をし、おしなべて三十六線区は十一月二日から会議を開始をする、その他若干の問題点を残した四線区についてはそれぞれ会議開始を若干後にずらしていくという、こういう取り扱いをしたという、こういう判断をせざるを得ないわけですね。こういう判断でよろしいんですね。
  35. 杉浦喬也

    杉浦政府委員 役所同士といいますか、中央官庁同士の話だからその要請を受け付け、地方公共団体の要請は受け付けないというふうな判断を私どもはいたしておりません。たとえばいまの明知線なり信楽線、これは言うてみれば、現地におきます開発計画、ダム建設という開発があり、あるいは住宅団地開発という開発計画があります。こうしたことに着目しました知事さんの御意見を私どもは十分しんしゃくした結果、一年半の延長をしたわけでございまして、決して知事さんの御意見を無視したというふうには言えないと思います。
  36. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 言葉を変えていろいろおっしゃっているからこれ以上は申し上げませんけれども、現実問題、省庁間の打ち合わせで特に要望の強かったものは二線区ほど受け入れたけれども、そのほか知事の意見書のうちダム工事というようなものがあったりした部分は受け入れた。また、信楽線のように四百十二戸の住宅が建設をされている、こういったところについてだけは断片的に受け入れることになったけれども、そのほかは各自治体すべからくと言っていいくらい、地域開発計画、国の方針に基づいて地域の均衡ある発展を求めて努力をしている、こういった部分については一切大臣承認の段階では受け入れられなかった、一顧だにされなかった、こういうことなんですよ。そう判断をせざるを得ないのです。  次に移りますけれども、昨日……
  37. 塩川正十郎

    塩川国務大臣 御質問中でございますが、そういうことはございません。それは絶対ございません。それはなぜかと言いましたら、知事からいろいろ意見ございましたけれども、それじゃ、いつ着手してどうなるんですかといったときには、計画ですな、これはわれわれは客観性がなければと私は何遍も答弁いたしております。これは審議中に私は何遍も、客観性があり、現に着手しておるか、あるいは裏づけされるものが明確にある場合はわれわれは謙虚に取り上げます、御意見を聞きます、こう言っています。いろいろな御意見がございました。私はそれはずいぶん見ました。けれども、こういうことを計画しているんだ、あるいはここへ保養センターをつくる計画なんだ、それで厚生省に聞いてみましたら、それはまだわからぬ、こういうものである以上はわれわれは採択できなかった、こういうことでございますので、その点は十分に御理解いただきたいと思います。
  38. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 発言の途中にあえて大臣が答弁をしてくださったのですけれども、それではさらに大臣、お伺いしますが、岩内線の端末にある泊に原子力発電所ができるという客観性があるのですか。あるいは大畑線の関連で原子力船の母港ができるという客観性があるのですか。そんなものないじゃないですか。
  39. 塩川正十郎

    塩川国務大臣 でございますから、私のところも協議はいつまでも延ばすということにはいたしておりませんで、協議開始希望の期間は切っておる。その間に、北海道知事なんかも、もし原子力開発がここで行われるとするならば、その前提に立つならばぜひこの鉄道を残せ、こういう要望がございました。私は、わかりました、だから、その原子力が決定するまでの間は協議開始は待ちましょう、こういうことでございますから誤解のないようにしていただきたい。
  40. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 この議論は平行線ですから、大臣答弁をわざわざいただいたのですけれども、誤解は決していたしません。いたしませんけれども、理解のできるものではないのです。  次に移りますけれども特定地方交通線会議を開催していく上で必要となる対策協議会運営規則案というものが、過般運輸省の中で模索をされておりました。結果として十月二十一日付でこの規則は適用するというぐあいになった模様でありますから、これはこのとおりに整理されたものと判断をしながら、規則の中身について、なぜこのような規則になったのかという部分について御見解を承っておきたいと思います。  一つは、第二条の中に言う議長の選任です。この第二条二項を読みますると「議長は、〇〇陸運局長をもって充てるものとする。」こうなっているわけです。普通、この種の会議の議長は、第一回会議において議長の互選が通例かと思いますけれども、特に陸運局長は議長なのだということをこの規則の中で明確にされた理由が一つであります。  それから二つ目は、第四条の「会議は、原則として非公開とする。」大臣答弁の中でも、十分に地域意見を聞く、地域住民を代表する自治体の意見等については尊重する、こういったことがうたわれているにもかかわらず、あえてこの規則の中で非公開の会議をやらなくてはいけないという理由が存在をするのかどうなのか。私は、少なくとも非常に大きな社会問題になってきたこの特定地方交通線の取り扱いを議論する会議というのは、線区それぞれの中でやるべきだと思いますし、また公開でオープンに幅広い意見を聴取して結論を求めていくということが大事なんではないかという気がするんです。  この二点について、考え方を明らかにしてほしいと思います。
  41. 杉浦喬也

    杉浦政府委員 運営規則の制定に当たりまして、いま先生おっしゃいました二つの問題は大変重要なポイントでございますので、内部でも議論いたしました。あるいはまた関係地方公共団体の皆様方にも若干の打診もいたしたり、その他いろいろと検討をした結論がこうした形になったわけでございます。  陸運局長を議長にするというふうに明示をいたしたわけでございますが、いろいろなやり方があります。おっしゃいましたように、互選でやるということが通例ではあろうかと思います。ただ、本協議会の性格について十分検討したわけでございますが、やはり現在の実情を総合的に考えますと、地域交通の確保という観点からいわゆる一般的な行政責任を持っておるのは陸運局長であるというふうに判断いたしまして、これが議長をやることが、いわゆる法律上の代替輸送機関の確保という点では最も公正かつ円滑に行うことができるものというふうに判断をいたした結果でございます。  それから、会議の公開か非公開かという問題でございます。     〔楢橋委員長代理退席、委員長着席〕 これもいろいろと議論をいたしました。おっしゃるように、公開によりまして何でもかんでもざっくばらんにお話するというやり方も十分一つの御意見かとも思います。ただ、この会議自体、地方では大変重大な問題であるということはもう当然でございまして、これに関しまして会議自身、構成員が忌憚のない御意見を、もう腹を割ってお話をされるということのためにはやはり非公開の方がむしろざっくばらんなお話が十分できるであろう、このように考えた結果、非公開を原則とするというふうにいたした次第でございまして、何でもかんでも秘密主義という気持ちは全然ございません。たとえば参考人をお呼びいたしまして会議をするというような場合は公開でやっても差し支えないと思いますし、それから会議が終わりました後で議長さんが新聞記者会見をやることになると思います。このプレス発表におきましてはできるだけ会議の模様を正確にかつ簡潔にお伝えをするということをぜひやりまして、できるだけ会議の模様を一般に知らせたいというふうにも考えておりまして、非公開ではございますが、なるべく皆様方にも御理解をいただけるような配慮も十分とるつもりでおるわけでございます。
  42. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 あと一点、この運営規則についてお尋ねをしておきたいと思うのですが、会議の成立要件というのがこの中には記載をされてないわけですね。目下のところ、運輸省の側で、大臣も先ほどいろいろ申されておりましたけれども、そうは言いながらも各自治体、理解できない部分があって会議に参加をすることができない、こういった意向なども非常に強いわけです。こういう状況のもとで会議を強引に招集をする、こういうことになって、一体構成メンバーのうち何人集まったら会議は開始をするという考え方をお持ちなのか、この点についてお聞きをしておきたいと思うのですよ。
  43. 杉浦喬也

    杉浦政府委員 この会議は特殊な性格を持っておりまして、転換後の代替交通につきまして各関係の皆様方の御意見をお伺いをして、より適正妥当な結論を得よう、こういう性格のものでございます。したがいまして、この議事運営に関しましては、会議開催のための要件あるいは会議の結論を得るための議決というようなものにつきまして、これを明瞭に定める必要はない。何人でもお集まりいただきまして、いろいろな御意見を十分お伺いをするということが私どもの最終的な希望でございまして、したがって、会議開催は、二人以上お集まりいただければ、これは会議が開催はできるというふうに考えておりますが、ただ現実の問題といたしましては、できるだけ全員がお集まりができるようにあらかじめ十分に会員の皆様方とお打ち合わせをいたしまして、欠員の少ないような時期に開催をいたしたいというふうに考えております。
  44. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 もう一度確認しておきますけれども、二人以上出席をすれば会議は構成をしたという認識をする、こういうことですね。
  45. 杉浦喬也

    杉浦政府委員 理屈の面ではそのとおりでございます。
  46. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 こういう形で、法律そのものからすると、会議の結論の取り扱い方等もあるわけですから、自治体としては、これからそういう中身が明らかになればなるほどアレルギー反応が出てくることは必至だと思うんです。  こういったことではなしに、もっと民主的に、オープンで会議ができるようなことを模索をする必要があるのではないかと考えますし、できるならばこの運営規則そのものについても再検討の余地があるように私は判断せざるを得ません。  次に、すでに議論が進んでおります部分とこの国鉄線の営業との関連でお伺いをしておきたいと思うのですけれども、昨年の十月三日付で運輸省は陸交審の部会の設置について通達を出されており、すでに十数カ所でこの陸交審部会の設置が行われて、それぞれに協議が開始をされているという実態にあります。これは言うまでもなく、四十六年の運政審答申を初めとして総合交通体系をどうつくっていくかという、こういった議論の中から、それぞれに大所高所に立った議論も必要であろうけれども地域における交通の維持整備というものをこの部会の中で進めていって、少なくとも十年間くらいの計画地域交通が維持整備をできるような、そういったものをしっかりつくっていこうではないか、そういう集大成を総合交通体系に結びつけていきたい、こういう願望があって進められてきたものという判断をしているのです。  その意味では、もちろん陸海空の交通網、現状交通網というのは、すべからくどのように有効活用するのかという対象になっていくという考え方をするのですが、最近、一部の地域でございますけれどもローカル線あるいは国鉄については再建法の中で別途協議をされているという経緯もあって、国鉄はこの部会の対象にならぬのだ、こういう発言をされる陸運局が出てきたのです。以前の運輸大臣答弁の中では、国鉄は特に外さなくてはいけないというような、こんな答弁はなかったように私は記憶をいたしているのでありますけれども、この点について正確な意味で陸交審の部会を正確に一つでも多く全国津々浦々で開催をされていくという、こういったことが必要だと考えられますので、大臣の率直な御見解を賜っておきたいと思うのです。
  47. 塩川正十郎

    塩川国務大臣 いままで交通体系の策定に当たりましては地方自治体の意見を聞きながらやりましたけれども、やはり運輸省中心で、地域の、特に地方交通整備等を進めてまいりました。しかし、現在おっしゃるように地方の時代となってまいりましたし、また交通機関が多様化してまいりましたに伴いまして、それぞれの地域には、いわば局限された地域はその地域に合った交通体系をとってもらうのが一番いい、それがために地域における交通問題を考え、実施していく、そういう機関があっていいのではないかということをわれわれは考えておりました。  たまたま社会党さん等も非常に熱心に、この陸上交通機関のあの審議会の部会を各県ごとにつくれという要望がございまして、私はこれはなかなかいい提案だと思いましたしいたしまして、それで昨年十月からそれぞれ省内の体制をとりまして、各県にお願いいたしまして、陸交審の部会を各県でつくってもらうようにお願いしておる。そして、それぞれの地域で自分らの交通機関というふうに考えてもらいたい。この精神はいまだに変わっておりませんし、これは私たちは大いに推進していきたい、こう思うております。ついては、この部会が、まだ残念ながら九県か十県しかできておらないのです。私たちはできるだけ早くこれが設置されるようにお願いしていきたいと思うております。  さて、お尋ねの中で、この中で国鉄を扱わないんだという御質問でございますが、決してそうではございません。そこは何か誤解が流れておるのではないかと思いますのは、要するに、この部会の中で特定地方交通線協議会で協議をするような問題をこの部会でやるんだということではない。そうではない。この協議会はあくまでも廃止路線を対象としたその問題を協議するものであって、陸上交通審議会のこの地方部会は、その地域全体の交通機関の整合性をとり、発展の策を講じてもらう、こういうことでございまして、これには国鉄自身もやはり参加しなければいかぬ。しかし、この部会で廃止路線の問題を取り上げるのではございません。そこはちゃんと区別してもらいたい。これは私、とくから言っておることでございますので、恐らくそれがごっちゃになった議論がその一部の地域でうわさされているのではないかと思うております。
  48. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 正しい意味での全国指導が行われないと、曲がった議論になっていく心配もあります。  加えて、現状について、審議官お見えのようですから、五十六年度どれくらいの地域でもって進んできたのか、承知でしたらお答えいただきたいと思います。
  49. 石月昭二

    石月政府委員 陸上交通審議会の審議の現状をちょっと御報告さしていただきますが、五十五年度に約八府県でこの審議を開始いたしました。現在の状況といたしましては、御承知のように、まず各県ごとに問題点の整理と現状把握というのをやりまして、それに基づきまして、住民の今後の交通体系に対する要望というようなものを調べます。その上でコンピューターを回しまして将来の需要予測をやりますが、これが相当時間がかかるわけでございます。したがいまして、大体各県におきまして、現在、各作業部会というようなものを設けまして、各関係機関の課長クラス、大学の助教授クラスというような方々に集まってもらいまして、需要予測をやっている段階でございます。  いずれにいたしましても、五十五年度に着手いたしましたものについては、一カ月くらいのおくれはあろうかと思いますけれども、五十六年度中には全部完成したいというぐあいに考えております。  それから、五十六年度につきましては、現在六千万円ほどの予算をいただきまして、五十六年度につきましても五カ所ほど新しくこの部会をつくりまして検討を開始したいというぐあいに考えております。  それから先ほど、先生の御質問に対しまして大臣から御答弁していただきましたけれども、そのとおりでございますが、若干補足させていただきますと、私どもの方では、国鉄の路線を、交通体系を考えるときに参考にしないというようなことは言っておりません。ただ、たまたま特定地方交通線についてどうするかという議論がございますときには、これはその協議会の方で議論をいただきました上で、これに代替する輸送力というものは、廃止される場合でも必ず設定されて廃止されるということであるから、そこには特定地方交通線があったと同等の輸送力があるものとして議論するようにということを地方陸運局長に指示しております。その辺が誤解のもとになったのではないかというぐあいに考えられるわけでございます。  以上でございます。
  50. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 私どもの願望も若干ありまして、たとえば特定地方交通線ではなくて地方交通線のうちなんかでも非常に大きなかかわり合いがありますから、これは議論の対象だぞという部分もあります。それから、目下選定をされている特定地方交通線の取り扱い方、こういったものとのちぐはぐがあることについては私も承知をいたしております。また、願望としては総体的に議論すべきである、こういう願望もありますから、ここら辺は意見の食い違いは多少やむを得ないのかとは思いますけれども、せっかく発足をさせた陸交審の部会運営はできるだけ幅広く、多い個所で、全国的に展開をされることを特に切望をしておきたいと思っているのです。  次に、これは再建法の中でも一つ大きな議論になった部分なのですけれども、第三セクターという問題があります。すでに私どもも数線区について第三セクターでというような動き等について承知をしている部分があるのですが、特に三陸縦貫鉄道、こういったようなところでは今月の十九日にもうすでに早々と設立総会などを打ち上げてしまった、こういったところもあるように伺っております。ただ、法律の中でも、また政令の中でも、いわゆる第三セクターの取り扱い方というのは、新線の場合、いわゆるAB線の場合、あるいは在来線を含めて特定地方交通線の取り扱い方、こういったもの等について、正確な意味での取り扱い手順などは明確になっていないように思うのです。  今日段階、相当検討は進んでいるものと判断をされますけれども運輸省側で進められている作業工程中、明らかにできるものがあれば明らかにしていただきたいと思うのです。
  51. 杉浦喬也

    杉浦政府委員 いわゆる第三セクター、国なり地方公共団体等の公的資本と民間資本との合体によります、形態としましては株式会社形態が多いと思いますが、そうした第三セクターによりまして鉄道事業を継続するという考え方、これは今回の法律によりましてその道を開いたということでございます。  一つは、国鉄在来線の問題でございますが、従来これの譲渡、貸し付けは禁止されておりましたものを解除いたしまして、民間に譲渡、貸し付けができるという規定を設けた。それからもう一つは、現在鉄建公団で新線建設を行っておる部分につきまして、これに対しまして国が告示をいたします。これは特定地方交通線に相当するものとして告示をする。この告示された路線につきましては、この第三セクター等民間が免許申請を行うことができるという規定によりまして道を開いたということでございます。  いまお話しの、特に新線建設に絡みます第三セクターの動きは若干具体化しつつございます。これにつきまして、考え方を先般も知事会でオープンにいたしまして、さらに新聞にも配ったような事情でございまして、第三セクターにつきましての諸般の御疑問、御意見、こういうことにできるだけお答えをしていきたいというふうに考えておるところでございます。特に、この第三セクターに大体どういう助成が行われるのかというようなことがよくわからないという御疑問が非常に多うございますので、そうした点につきまして、たとえば在来線につきましても新線につきましても、基礎的な財産部分はすべて無償で貸し付けられるというようなこと、それから、いわゆる転換交付金、これが在来線につきましては一キロ三千万円、新線建設の部分につきましては、まだ未定でございますが、在来線に準じた助成を行うというようなことを基本にいたしまして、やや詳しい内容をまとめまして、これをオープンにして、御理解をいただくようにしておる次第でございます。
  52. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 この第三セクターの関係については、それぞれ位置づけといいますか、考え方等について、それぞれ手順の整ったものについては、後日で結構ですから、できれば資料で御明示をいただくようにお願いをしておきたいと思っているのです。  それから次に、鉄建公団の関係について大臣にちょっとお伺いをしておきたいと思うのでありますけれども、五十四年の十二月二十八日の閣議決定がございました。これは私ども承知をいたしておるのですが、いま議論されている行革委員会の中でもまたこれは取り扱いをめぐってそれぞれ議論をしていかなくてはいけない問題だと思いますから、鉄建公団そのものの取り扱いという部分については、後日、行革委員会の中でまた御質問申し上げたいと思っているのです。  ただ当面、この先進導坑の工事に従事をしてきたいわゆる直営事業の従事職員、これは臨時職員の扱いになっておって、翻ってみますと、十七年前、月雇用という形で雇用されていたという人たちがやがて一年雇用になっていく、こういうことが十七年間も続いてきたという職員も相当数いらっしゃるわけです。トータルいたしますと、およそ七百五十名のいわゆる臨職がおられるわけですけれども、先進導坑、あと二キロ少々くらいで貫通、こういうようなところから作業がなくなってしまう、こういう状況の中で、ここに従事をしてきた労働者にとっては目下大変な労働不安になってきているわけです。  私ども社会党としても、再三にわたって現地調査どもいたしまして、こういった皆さん方からの御意見ども細かく伺っておるのでありますけれども、作業工程からすれば、青函トンネルの工事というのは、いわゆる取りつけ工事も含めて、以降三年程度の工事工程があるやに説明をいただいております。  こういったことなどをも含めて、臨時職員七百五十名の取り扱いというのは大変な問題でもありますので、十二分な御配慮をいただきたいものというぐあいに考えているのでありますけれども、当面五十七年の雇用については、鉄建公団労使の交渉の中では半年間に限定をした取り扱い方、こういったものが打ち出されたと報告を受けているのです。ここら辺、労働不安を除去するという意味でぜひ大臣の前向きな御検討方を心から要請をしておきたいと思っているのであります。  それから、最後になりますが、特定地方交通線の選定方について、四十線の選定をされて承認をされた、こういう経緯があります。さらに、基準に該当する線区というのはおおよそ三十五線区なのか七線区なのか、こういうことがあるわけですけれども、目下のところ、必ずしも順調に作業が進んでおらないという実態やら、特に知事会からの要請にもありますように、見切り発車をするのかしないのかという、こういった議論が、五十八年度から五十九年度にまたがってこの四十線区の議論が続いていく。  当初、昭和六十年度までにおおよそ七十七線区というような原案が、基準に照らし合わせて出てきた経緯があるわけですけれども、第二次の選定について、目下の段階でどのような作業工程になっているのか、お示しをいただきたいと思っております。
  53. 加賀山朝雄

    ○加賀山説明員 現在までのところ、第一次選定に関します約四十線のいろいろな、もろもろの作業にかかっていたわけでございまして、第二次選定の分につきましての具体的な作業には特にかかっておりません。しかしながら、御承知のとおりに、経営改善計画におきましては、先生指摘のとおり、六十年までに約三千百キロの線の廃止を前提にした経営改善計画を組んでいるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては経営改善計画を着実に実行するという観点からも、これらの第二次の分につきまして、一応大体第一次のいろいろ、もろもろの作業が見通しがつきました上で第二次の作業にかかってまいりたいと考えているところでございます。
  54. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 私どもは急ぐことを特に歓迎しているわけではございませんけれども、当面している第一次選定の取り扱いについてはぜひ慎重の上にも慎重を期して会議がとり行われることを特に希望すると同時に、再建法の中で示されているもう一つ問題点は、地方線に対する割り増し運賃の問題です。特に交通政策交通施策、こういったものが重要視をされてきているさなかに、国鉄問題、ローカル線が議論をされ、加えて追っつけて割り増し運賃を導入するということについては反対の意思表示をあえてせざるを得ません。このことだけを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
  55. 小此木彦三郎

    小此木委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二十五分休憩      ————◇—————     午後一時開議
  56. 小此木彦三郎

    小此木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。西中清君。
  57. 西中清

    ○西中委員 先ほど来同僚の委員からも御質問がございましたけれども特定地方交通線廃止問題についてお伺いをしたいと思います。  この特定地方交通線の廃止につきましては、対象線区の関係知事の意見書が提出されましたし、また全国知事会からも八項目にわたりましての申し入れ、質問書と言うべきものが提出されました。この内容は、いわば地元住民の声を代弁したと言ってもいいんじゃないかと私は思っております。地域住民の生活を守る行政の責任者として、こうした市町村長や知事さんがこういうような御意見をお持ちになるのもまた無理からぬところがあろうかと考えております。  こういう知事の御意見というものを運輸省ではどういうように受けとめておられるのか、また国鉄はどういうようにこれを今後の運営に反映させようとしておられるのか、まずそういった点について御意見を伺っておきたいと思います。
  58. 杉浦喬也

    杉浦政府委員 いまの十月十六日の全国知事会からの八項目の申し入れでございますが、検討いたしまして十月二十日に文書でお答えをいたしました。それから、二十二日に全国知事会が開催されました。そこへ参りましてその中身を詳しくお話しを申し上げまして、関係の皆様方の御理解を得たつもりでございます。  八項目の中身は詳しく申し上げませんが、そのものずばりでお答えといいますか、申し入れどおり実行できるものもございますし、また今後協議会におきまして具体的に詰めていくという過程でお申し入れの御趣旨が実現されるだろうというものもございますし、いろいろと中身が分かれておりますが、こうした関係地方公共団体、特に関係都道府県知事の御意見は十分に尊重いたしまして、今後協議会等の場におきまして検討してまいりたい、このように思っておる次第でございます。
  59. 高木文雄

    ○高木説明員 知事会からのお申し入れに対しましては、十月二十日に御回答いたしたわけでございますけれども、その内容につきましては必要とあれば別途資料としてお差し出しいたしたいと思います。  非常に問題になっております一例を挙げますと、会議開始後二年を経過したからといって必ずしも直ちに廃止の手続をとらないようにというお申し入れがあるわけでございますが、このことにつきまして例示的に申し上げますと、会議開始後二年の間に議論を尽くすことにより結論が得られるものと考えてはおりますけれども、仮に二年を経過した時点において協議が調っていない場合であっても、協議が調う見込みがあるときは、直ちに特別地方交通線を廃止する手続をとるということはなく、協議を継続して円滑に結論を得たいものと考えておりますというような、これは一例でございますが、それぞれ御返事を申し上げておるところでございます。
  60. 西中清

    ○西中委員 この申し入れに対して御回答をされたわけで、いまその一部を御紹介いただいたわけでございますけれども、こういった回答に対して、必ずしも満足してない、こう私たちは承っておるわけでございます。やはりこういった問題は地元の十分な理解がなければ解決、前進ができないということでございますから、やはり私は入口のところで十分な理解を必要とすると思うのです。  今回の回答でほぼ了解を得られたのか、それとも、私が聞いておるのはまだ相当な不満がある、この回答ではなかなか了承できないということも聞いておるわけでございますが、その点はどのようにお考えですか、運輸省の方にお尋ねしたいと思います。
  61. 杉浦喬也

    杉浦政府委員 いろいろな角度からのいろいろな御意見でございますので、現在直ちにお答えできるものと、これからの過程におきましてさらに引き続き検討しながらそれにお答えできるものとがあろうかと思います。  いずれにいたしましても、何といいましても関係地方公共団体の皆様方の御理解がなければ協議会も円滑にまいりません。今後とも誠意を持ってお答えをいたしたいと思いますが、現時点におきましては、一般的な協議会の開催期日がだんだん迫ってきておりますけれども、何とか私どもの真意を御理解いただきまして、協議会に参加という方向に向かっていただいておるのではないかというふうに拝察をしているところでございます。
  62. 西中清

    ○西中委員 全国市長会は、特定地方交通線対策協議会の設置に、条件づきでございますけれどもボイコットだ、こういう言い方をしておられるようでございます。また、知事会の方も、やはり今回の回答で態度を硬化しておる、このようにも伝え聞いておるわけですが、こういう状況の中で来月二日、協議会の設置という段取り、果たしてこれが可能なのかどうなのか、その見通しをお伺いをしておきたいと思うのです。こういう状況の中で強引に設置をするという方針なのか、それともなお十分なる処置を講じていかれるつもりなのか、その辺のところをお伺いしたいと思います。
  63. 杉浦喬也

    杉浦政府委員 市長会からのお申し越しは、今月の七日に文書で申し入れがございました。十五日にお答えを申し上げているところでございます。  七日の内容は三項目ございまして、今後の協議会開催までに、各路線の具体的な内容なり方向づけ、従来行ってきた経営改善努力というものの内容を説明せいというお話でございます。     〔委員長退席、宮崎委員長代理着席〕  私ども国鉄の現場から十分にそうした点を御理解いただけるように説明をいたさせますということを御回答申し上げて、現在なお、国鉄が現場の管理局から各市町村、あるいは県を通じまして市町村に御説明を続けておるところでございまして、一般的な十一月二日の開催期日までには十分に御説明が完了するもの、それによりましてまた関係市町村の方々も御理解いただけるものというふうに考え、またそれを希望し、何とか十一月の初めには全国そろいまして協議会が開催されるものと期待をしているところでございます。
  64. 西中清

    ○西中委員 期待をされているようでございますけれども、この協議会を設置しなければならぬのは三十六路線であると思いますけれども、現在までに協議会を了承されておるのはどの程度でございますか、お伺いしたいと思います。
  65. 岩崎雄一

    ○岩崎説明員 まだ最終的なことは申し上げかねますが、当面三十六線のうち三線ばかりが十一月の二日に第一回の会議を開くというように聞いております。
  66. 西中清

    ○西中委員 まだ三線ということで、非常にこれは厳しい状況ではなかろうかと思います。仮に市長会その他、協議会をボイコットするというような場合にはどういう対応をなさいますか、伺っておきたいと思います。
  67. 杉浦喬也

    杉浦政府委員 何とかいままでの御要望というものを何遍も御説明申し上げまして、誠意を持ってお答えをすれば必ずやある時期に、ボイコットということでなしに御参加いただきまして協議会が開催されるもの、こういうふうに思っておる次第でございます。
  68. 西中清

    ○西中委員 少なくとも一つ計画、われわれとしてばそれなりの批判を持っておったわけですけれども、スタートをしておるわけでございますから、このスタートについてはやはりひとつ慎重にかつ熱心にやっていかれるように願いたいと思います。  そこで、お伺いをしたいのでございますけれども特定地方交通線廃止の協議会設置のスケジュールは少なくともおくれておるという現況、それから合理化に対する労働組合との意見の調整のおくれ、その他臨調部会でも問題になりましたけれども、貨物の見通しに関する総裁の発言等考え合わせまして、果たして国鉄再建計画改善計画どおりの見通しでいけるのかどうか、要するにこの見直しが必要ではなかろうかというような私たちの判断が出てくるわけでございますけれども、この点運輸省としてどういうようにお考えになっておるか、伺っておきたいと思います。
  69. 高木文雄

    ○高木説明員 私からちょっと申し上げます。  御存じのように、この法律に基づきまして、第四条の三項でございますけれども経営改善計画というのは毎年見直すことが前提となっておるわけでございます。と申しますのは、経営改善計画では輸送量がこのぐらいでございましょう、あるいはまた運賃収入がこのぐらい入ってまいりましょうということについて一応の前提を立てておりますけれども、現実にどうなるかということになりますと、毎年毎年では多少の振れも起こってまいりましょうから、したがって、これを見直すことになっておるわけでございます。  その場合に、どういう点がいま予想される点であるかというお尋ねが、臨時行政調査会の専門部会のヒヤリングの機会がございまして、そういうお尋ねがございましたものですから、現在は五十六年の上期を経過したところでございますけれども、現時点で一番私どもの予測と狂ってきた点は貨物の収入減、その原因は輸送減ということであります、したがって、もしこういう傾向が続くのであれば貨物輸送のあり方というものについてもう一度見直す必要もあろうかと思いますということを申し上げたわけでございまして、まず全体として昭和六十年時点において、収支の均衡を回復するための基盤を整えるということば、そういう意味では私は絶対に変更してはならぬと思うわけでございますが、具体的な取り進め方について、やはり事態の変化に応じて多少とも変更していかなければならぬというふうに考えておるわけでございまして、そういう意味見解表明であるということを御理解いただきたいと存じます。
  70. 塩川正十郎

    塩川国務大臣 経営改善計画は、これは私は根本的に見直すべき問題ではなく、むしろこの達成に邁進すべき問題だと実は思うております。  この経営改善計画を出されましたのは、いわば、運輸省の指導もございましたけれども国鉄自身の一つの自主的な計画として策定されたものを中心といたしましてこれが決定されたのでございまして、私はこれは昭和六十年までのいわば経営改善ミニマムだと実は思うておる。でございますから、さらに合理化し得るものはこれにつけ加えていくべき性質のものである。  確かに、法によりますと毎年見直しすることができる、これは当然でございますが、その場合に、たとえば貨物運賃の収入が思わしくないとするならば、それならばどういう対応、つまり努力の、自然現象としてただこれを見ておるのではなくして、これをそれではどのように改善するかというこの改善計画は、これは私たち意見として聞きたいと思うておりますが、しかし、それがために経営改善計画の全体を見直すというふうなことは私はしてはならないと思うております。  よく言われるのに、印象として受けておりますのは、見直しイコールやり直し、こういうぐあいにとられておる。先ほど来国鉄総裁が臨調等で言っておりますのは、そういう部分的に、まあいわば修繕をしなきゃならぬというようなところ、そういうものがあるならば、それに対応するものを考えて措置を講じたいと言うておることでございまして、行革特別委員会で言われておるような見直し的な考え方は国鉄自身も持っておらないということは申し上げられると思います。
  71. 西中清

    ○西中委員 御趣旨はよくわかりました。  そこで、このときに、いま御説明では多少なりとも見直し、まあ手直しというような御説明がございましたけれども、そういう言葉の背景に、たとえば貨物部門のこれは見通しが少し誤ったといいますか、予想以上に落ち込んだ、こういったことから、たとえば三十五万人体制を若干手直しするというケースもあり得るということでございますか、その点はいかがでしょうか。
  72. 高木文雄

    ○高木説明員 三十五万人というのは、まずそういう体制にすることによって減量経営を図ろう、そうすればこの六十年時点の収支の目標が達成し得るということでございますけれども、しかし現状から三十五万人まで縮減をいたしますということは非常に大作業でございます。たまたま現在定年でやめる人が多いというようなことがあって、いわゆる血の出るような首切りというようなことはなしでできますけれども、それにしても、従来のこれまでいろいろやってまいりました合理化計画等との関係からいいまして、きわめて大仕事といいますか、いろいろな意味での切りかえをやらなければならないわけでございます。したがいまして、現時点におきましては、三十五万人体制というものはぜひ実現しなければなりませんし、また実現すること自体がなかなか大変でございますけれども、どうしてもこれはやり遂げたい、やり遂げなければならないというふうに考えているわけでございまして、現時点におきましてそれを変えるというようなことは考えておりません。
  73. 西中清

    ○西中委員 それからもう一つ、この日に問題に取り上げられておりますのは、いわゆる労使関係、この問題で「昭和五十五年度職場管理監査結果について」という報告をなさっておるようでございますけれども、この中身についてどのように国鉄としてはお考えなのか、そして今後の対策はどういうようにお考えか、伺っておきたいと思います。
  74. 高木文雄

    ○高木説明員 職場管理監査というのは、いまから数年前から始めたものでございます。その目標といたしますところは、なかなか多数の現場がございますし、それから現場の種類も多様にわたっております。その多様にわたり、多数に上る現場において、規律状況がどういうぐあいになっておるかということを、私ども本社といたしまして実情を承知いたしたいということで、何カ所かをいわばサンプリングいたしまして調べておるものでございます。本社から直接出向きまして調べます箇所が、毎年七カ所とか八カ所というところになっております。  それで、監査をいたしました結果は一応取りまとめまして、そして内部の指導のための有力な参考資料といたしておりますし、そのためには管理局等にもそれをある程度配付をいたしまして、執務参考とさせておるのでございますが、これは個個のケースをいわば摘発をして、それを個々に是正していくための監査というよりは、現状の一般的標準というようなものを承知するためのものでございますので、従来から時折国会等におきましても、これの提出、公表方の御要請もないわけではありませんけれども、今日までそういう監査なるものの性格から、一般に公表することは御勘弁いただいております。  しかし、それはいろいろな形で新聞あるいは週刊誌等に報道されることがございます関係上、臨時行政調査会の専門部会におきましてもどういう内容のものかというお尋ねがございました。お尋ねでございますから、内容はこういうものでございますということを御説明申し上げたわけでございます。  その内容といたしましては、まことに残念ながらまだ規律が十分保たれていないところがございまして、どういう形態でかと申しますと、本来許さるべからざる一種のやみ協定とでもいうべきものが現場で結ばれている事例がございましたり、あるいは突然勤務の直前に連絡があって休むというようなことが過去においてかなりありました。それがいろいろな意味での仕事の乱れを招くわけでございますので、そういう突発休暇願というようなものは原則的には認めない。体が悪くなった、急病とかいうことならもちろん別でございますけれども、それ以外の理由で、余り認めるべからざる理由での突発休は認めないというようなことでいたしてきておるわけでございます。そうしたことに対する対処方が、私どもの考えておりますよりもどうも緩んでおるといいますか、たとえば普通職員の突発休暇願に対して、仕方ないなということで助役の人がかわりに仕事をするというようなことが過去においてずいぶん行われました。だんだん直ってきましたが、いまでもまだないとは言えないわけでございまして、そういう状態にあるケースがございます。  そうしたことを監査で調べておりますので、監査結果ではいまの職場の雰囲気と申しますか、規律の状態、これははなはだ好ましくない事例がございます。それにはこういうものがございますということの監査結果を御説明をいたしたということでございまして、一部の新聞では何か監査結果を臨時行政調査会に御報告したように伝えられておりますけれども、監査結果そのものを御報告したわけではなくて、内容の御説明をしたということでございます。
  75. 西中清

    ○西中委員 いずれにしても、労使関係の円滑化ということは非常に大事な問題でございますので、御努力を願いたいと思います。  そこで、もう時間もありませんので、航空政策について若干伺っておきたいと思うのです。  まず、運賃でございますが、平均一九・五%の申請が出ております。運輸審議会への諮問、値上げの認可、この問題についてスケジュールとしてどういうふうにお考えになっておるのか、まず伺っておきたいと思います。
  76. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 お答え申し上げます。  今月十六日に、定期航空運送事業四社から平均一九・五%の運賃改定の申請がございまして、今週の火曜日、二十日に運輸審議会に諮問をいたしました。これからの手続といたしましては、当然のことながら運輸審議会での審議が重ねられるわけでございますし、また関係官庁との調整、あるいは物価安定政策会議への付議、さらには物価問題閣僚会議の了承、こういうような諸手続が必要でございまして、現段階におきまして今後の確定的な見通しを申し上げることはお許し願いたいと思います。
  77. 西中清

    ○西中委員 運賃の値上げの問題でございますけれども、端的に言いまして、やはりこれは極力抑制といいますか、厳重な吟味をしていただきたいというのが私の率直な気持ちでございます。昨年三月に大幅の値上げをいたしまして、その際、運輸審議会航空各社の人件費の合理化等を進めるよう指摘をしております。その後各社は一体どのような企業努力を払ってきたのか、具体的に運輸審議会における指摘をどのように実行しておるのか、こういう点をまず伺いたいと思うのです。  また、大型航空機の導入は経営にとっては過大な負担増になっておるわけでございますけれども、この問題は一体どうなのか、いろいろと背景もあろうと思いますけれども企業努力という点で航空各社が今日までどのような努力をしてきたのか、その結果こういう申請が出ておるというそれなりの理由があればやむを得ないですけれども、どうも安易な値上げではないか、こういう気持ちもしないわけではありません。各社としては、たとえば旅客需要の伸び悩みであるとか、航空機燃料の高騰であるとか、公租公課の負担の増大とか、そういうようないろいろな理由があるようでございますけれども、やはり何といっても企業努力を十分しておるということでなければ、それを怠って出た赤字を利用者に転嫁する、こういう姿勢であってはならぬと思うのです。そういった点は運輸省も十分了承されておると思いますけれども、今日までの経過、どういうふうに見ておられるか、まず伺っておきたいと思います。
  78. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 ただいま先生指摘の安易に消費者に転嫁するというようなことがあってはならないという点につきまして、私どももまことに同感でございます。前回の運賃改定の査定に際しましても、私どもも各社に人件費を初めといたしまして合理化努力を強く要請したところでございます。  ただいま御指摘運輸審議会における特に乗務員の乗務手当を中心とする人件費節減努力という前回の改定時の要請でございますが、その後、五十五年度の実績を見ますと、若干の改善は見られておりますけれども、残念ながらまだ十分なものとはいえないというふうに私ども考えておりまして、そのほか航空会社といたしましては飛行方式改善等による燃料費の節減等に努力をしている実績も認められますけれども、今回の査定に際しましてはさらに一層の合理化努力を要請したいというふうに考えております。
  79. 西中清

    ○西中委員 昨年の運賃値上げ以降、航空需要というものは、景気の動向も影響しておると思いますけれども、やはり頭打ちというような傾向でございます。今回の値上げでその傾向に一層の拍車がかかるのではないかというように考えるわけです。利用客は、国鉄もそうなんですけれども、やはり運賃の負担が大きくなるとどうしても旅行を控える、こういう傾向は目に見えておるわけですね。したがって、需要回復のためにはやはり運賃はできるだけ抑制する必要があると私は思うのです。その点、基本的に運輸省としてもお考えであるかどうか、まず伺っておきたい。
  80. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 確かに昨年の運賃改定後、一般的な経済の停滞も加わったと思いますけれども、対前年を下回るという、航空輸送にとりましては戦後三回目というきわめて異例な年であったわけでございまして、五十五年度の輸送実績は、対前年、五十四年度に比べまして平均で九八%、マイナス二%ということになったわけでございます。本年度に入りましてから需要が若干回復を見まして、前年同月比で申しますとほぼ七%、八%、七月は九%というようなぐあいに需要が回復を見てまいりましたが、八月、九月に入りましてまた若干の低下を見ております。もちろん前年同月に比べますと増加をいたしておりますし、前々年度、五十四年度に比べましても需要は増加いたしております。しかし、前回の第一次オイルショック後の需要の回復の足取りに比べますとかなり鈍いという感じを持っております。  したがいまして、今回の運賃の改定に際しまして、私どもとしては十分その点も考え合わせて、考慮に入れていかなければいかぬと思っておりますけれども、しかしながら航空輸送全体をとりますと、特に遠距離の路線あるいは海越え、山越えという航空輸送の特性の発揮し得る路線におきましては、長期的に見ますとやはり安定した需要増加が望めるのではなかろうかというふうに考えております。
  81. 西中清

    ○西中委員 今度の値上げ申請で目立った傾向は、何といっても近距離が大幅な値上げであるということですね。コストがかかるから、これは当然と言えば当然なんですけれども、しかし利用する側にとればこれは大変な負担増で、中には五〇%近い値上げのところもある、こういうことなんで、航空各社の企業実態から見ますと、やはり路線問題をもう一遍見直していかなければ、この傾向は年々厳しいものになっていくのじゃないかというふうに感ずるわけですね。コストが上がったからどんどん上げていく、こういうやり方でやりますと、近距離は大変な値上がりをする。やはりこれは基本的には路線の問題がひっかかっておるわけですね。  ですから、単に値上げが妥当であるかないかという問題以前に、やはり航空政策を抜本的に見直す、こういう時期に来ておるのではないかと私は考えておるわけです。たとえば幹線のダブルトラッキングなど、今回の値上げ申請を契機に一遍見直してみる必要があるんじゃないか。企業内容についても各社非常な格差ができておりますから、そういった点で抜本的な見直しをする必要がある、そういう時期に来ておる、こういうように私は考えておるわけでございますけれども、そういうお考えがあるかないか、お伺いをしておきたいと思います。
  82. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 御指摘のように、今回の申請におきまして、日本航空全日空、東亜国内の三社の間の申請率にかなりの格差がついておるのは事実でございます。もちろん、これは申請でございますので、これからどういう査定をするかというのは別の問題でございますが、それはさておきまして、そういう申請が出てきたということが各社の路線に差があるからではないかという御指摘かと思います。  実は、東亜国内が特に改定率が高いというところの問題でございますけれども、私は二つ問題があろうかと思っております。  一つは、いままで航空のコストが上がってまいりますのが、これは毎年上がっていたわけでございますけれども、ジェット機を投入する、あるいは大型ジェット機に切りかえるといういわゆるジェット化、大型化によってコスト増が吸収できたということが、従来の運賃改定の期間が長引いていたということの一番大きな理由だと思っております。この三社のうちで東亜国内のジェット化あるいは大型化の時期が、他の二社に比べて特におくれた、おくれてようやく大型化して、入れ物が大きくなってきたときに需要が停滞してきたという一つの問題が指摘できるかと思います。  それともう一つ、これは東亜国内の責任ではありませんけれども、たまたまいろいろな事情が重なりまして、東亜国内の主力として使っております空港がジェット化がおくれたという事実がございまして、逆に申しますと、これからジェット化される空港、現在私どもが手がけております空港で一番早くジェット化される空港から順に並べていきますと、大部分が東亜国内が就航している空港でございます。女満別、旭川、花巻、徳島等々でございますけれども、たまたまそういういろいろな事情が重なり合って、今回の東亜国内の改定申請率が高く出ているというようなことが言えるのではないかと思います。  そこで、私どもできる限り路線調整を、御指摘のダブルトラックの推進ということで進めてきたわけでございますけれども、残念ながらダブルトラック化する路線といいますのは東京−大阪路線にほぼ限られると言っていいわけでございますけれども、その東京と大阪の空港が御承知のような状況で、東京もほとんどもう増便が望めないというぎりぎりの線まで来ております。大阪はジェット二百便の枠がございまして、これまた増便はなかなか困難である、こういうことでございまして、私どもといたしましては今後の路線調整を進めていく上に、やはり空港の整備、特に羽田と大阪の空港の整備、これがまず第一ではなかろうか、かように考えております。
  83. 西中清

    ○西中委員 時間も参りましたので、最後に、離島航空路ですね、この運賃の値上げ幅が非常に大きいわけです。この航空路線は、経費がかかるということで割り高になるのは当然と言えば当然なんですけれども、これは何といっても生活路線とも言える性格が強いと思います。したがって、負担軽減を考えていかなければならない、こういうように私は思っておるのです。通行税を一〇%から五%に下げたというような努力もされておるわけですけれども、この離島航路の運賃の値上げの抑制という点については、そういった面も含めて特段の配慮が必要ではなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。要するに、生活の足を奪われる。さらにまた、これは客が減るということにつながってくるわけで、どちらにしてもよくないことでございますから、そういった点で一瞬の減免措置というものをこの際考えていただかなければならぬじゃないか、こういうふうに思うわけでございますが、何らかの対応をお考えかどうか、伺っておきたいと思います。
  84. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 御指摘のように、離島航空路線はやはりどうしても需要が限られるという面がございますので、なかなか採算に合いかねる面がございます。御指摘のように、私どもこれまで通行税だけではなしに、国の空港におきます着陸料あるいは航行援助施設利用料の減免措置をとってまいりました。しかしながら、今回の申請を見ましても、一番改定率の高い離島路線と申しますのは、離島と本土を結ぶ路線ではなくて、離島と離島とを結ぶ路線なのでございます。この離島と離島とを結ぶ路線の使用いたします空港はいずれも第三種空港、県管理の空港でございまして、は県管理の空港の着陸料は減免されておらないわけでございます。  私どもといたしましては、特に県当局とも話し合いをいたしまして、国にならって県当局も離島航空路線のために着陸料の減免というようなものをとっていただくようにという要請をいたしておりまして、実現するかどうかはまだ確定はいたしておりませんけれども、少しでもコストの低減に努めるという努力は続けていきたいと思っております。
  85. 西中清

    ○西中委員 終わります。
  86. 宮崎茂一

    ○宮崎委員長代理 四ツ谷光子君。
  87. 四ツ谷光子

    ○四ツ谷委員 本日は、気象の問題について若干御質問をさせていただきたいと思います。  昨晩は、台風二十四号の被害が、首都圏を中心としていろいろとあったようでございます。それだけに気象業務、とりわけ予報業務の精度の向上というのは国民がみんな期待をしているところでございます。戦後の主な被害をちょっとひもといてみましても、終戦直後の枕崎台風では四千人に近いほどの被害が出ておりますし、南海地震、福井地震あるいはカスリン台風など、それぞれ相当な被害が出ているわけです。しかし、技術が向上しまして、予報業務が精度が向上してくるに従いまして、とりわけ一九七〇年代に入りましてからは、人的被害も終戦当時に比べると非常に減ってきている、こういう状況から見ましても、気象業務につきましては特段の努力気象庁、運輸省挙げてしていただきたい、このように思うところです。  まず、気象衛星の「ひまわり」の雲画像の問題でございますけれども、雲画像の絵につきましては、国民の方はテレビの天気予報でもうすでに相当おなじみになっているところですけれども、この雲画像を気象庁のいわゆる気象官署の中で直接受信できる官署は現在どことどこなのか、それ以外の無象官署についてはどのようにこの雲画像を送信しておられるのか、現時点での状況を御報告願いたいと思います。
  88. 増澤譲太郎

    ○増澤政府委員 御存じのとおり、気象衛星は一九七七年に打ち上げられて以来、気象業務の運営に利用されてまいっておるわけでございますけれども、現在までのところでは、東京都の清瀬にございます気象衛星センターで受けたものを気象庁本庁に送って、そこで利用しているだけでございます。
  89. 四ツ谷光子

    ○四ツ谷委員 本庁だけですか。それから、現在他の気象官署はどのように送信をしておられるのですか。
  90. 増澤譲太郎

    ○増澤政府委員 本庁で受けました雲画像その他の資料に基づきまして、一日に二回雲画像を無線ファクスによりまして地方に送ると同時に、雲解析図として一日四回地方官署に流しております。
  91. 四ツ谷光子

    ○四ツ谷委員 そういたしますと、朝六時五十五分にNHKが天気予報をやっております。そのときの国民が見ています雲画像は、その日の朝の六時の「ひまわり」が撮影した絵をNHKは放映しているわけなんです。ところが、気象の専門官署であるそれぞれの管区気象台におきましては、いわば前日の夜の九時の「ひまわり」の画像しかないというのが現状なんです。  これにつきましては、それぞれの管区気象台の皆さん方からもぜひ直接受像できるような装置をつけてほしいという大変な御要望が上がっておりますし、国民の皆さんもこれを聞かれたらびっくりされるのではなかろうかと思います。現在NHKと関西テレビが直接受像しているわけです。  しかも、昨年の秋、行管庁の方も「予報精度の向上等」ということで、「観測資料の有効活用による予報精度の向上」ということで勧告を出しています。この中にもその時間のずれを言っているわけです。「静止気象衛星が観測した雲画像は、気象庁本庁から地方予報担当官署に対し観測時から約五時間遅れで送画され、かつその解像度も低いなどのため、注意報、警報等に有効に利用できるものとはなっていない」こういうふうに行管庁の方も勧告をしておりまして、「運輸省は、観測資料の迅速、的確な活用を図るため、静止気象御足による雲画像を地方予報担当官署においても有効に活用できるように」しなさいというふうに勧告を出しているわけですね。  こういうふうなお寒い状況では困るわけですけれども、今後気象庁としては、この「ひまわり」の雲画像の配信計画があるのかないのか。その計画があればどういうふうになっているのか、それをここでお示しを願いたいと思います。
  92. 増澤譲太郎

    ○増澤政府委員 お答え申し上げます。  雲画像の配信につきましては、先生指摘のとおり、観測時間から五時間を要するという現在の状態が改善される必要があるというふうに考えまして、われわれ気象庁におきましては、気象資料電送網というものを整備してまいっておりまして、それによって従来五時間かかったものを三時間以内に電送するように目下進行中でございます。  それから、雲画像を直接受信することでございますけれども、先ほど御説明申し上げましたとおり、現在は本庁のみでございますけれども、これを管区気象台、海洋気象台あるいは主要な航空気象官署等、主な気象台、測候所等に直接「ひまわり」の画像を受画できる装置を設置するように計画を立てておりまして、来年度からそれを実施したいとして予算を要求しているところでございます。
  93. 四ツ谷光子

    ○四ツ谷委員 それでは、五十七年度はどことどこで、予算額はどのくらいでしょうか。  それともう一つ重ねてお伺いいたしますが、いま主要官署に配信計画があるとおっしゃっておりますが、何年ぐらいでその配置計画を全部お済ましになる予定ですか。気象官署、それから航空気象測候所ですか、そこにもとおっしゃいましたね。何年ぐらいで完了される御予定ですか。
  94. 増澤譲太郎

    ○増澤政府委員 まず、設置個所は、管区、海洋気象台その他主要な地方気象台、測候所約十数カ所でございます。五十七年度には沖繩気象台と福岡管区気象台の二カ所を要求しておりまして、一カ所三千三百万円の予算でございます。
  95. 四ツ谷光子

    ○四ツ谷委員 十数カ所とおっしゃいましたが、何年で配置し終わる予定ですか。
  96. 増澤譲太郎

    ○増澤政府委員 予算の許す範囲でなるべく早く、数年のうちには全官署に行き渡るようにさしたいと思っております。
  97. 四ツ谷光子

    ○四ツ谷委員 それでは、この「ひまわり」の問題はまた後で出てまいります。  次に、地震と火山の観測について続けて御質問いたしますので、お答え願いたいと思います。  地震は、予想される東海大地震だとか関東直下型地震ということが社会的に非常に大きな関心の的になっておりますけれども、それ以外のところでも地震のおそれがあるということで、国民気象庁の地震業務に非常に大きな期待と要望を持っているということは、長官御自身よく御存じだと思うのですけれども、地震予知連絡会が指定いたしました特定観測地域での観測体制はどうなっているのでしょうか。  それから、全国に専任の地震担当要員というのが八十八名いるそうですが、その中で本庁、気象研究所、地震観測所、管区気象台以外の配置状況はどことどこに配置されておって、何名配置されておるのか。  火山の方ですけれども、いま活火山が六十七、ところが常時観測体制をとっているのが十七、あと五十はノーマーク、こういうことになっているようですけれども、常時観測をしていない火山でも、七〇年代に七つの火山が噴火をして死亡が起こっているという事故もございます。それだけに常時観測をしていない火山についても適切な処置をとる必要があるわけですけれども、いま気象庁で組織をしておられます機動観測班というのがございますね。この機動観測班は本庁三、札幌、仙台、福岡三管区気象台にそれぞれ一班あるというふうに聞いておりますけれども、その一班の人員構成は何名になっているのでしょうか。  それから、いままでその機動班が行かれた基礎調査観測、一年に何カ所ぐらい行っておられるのか、たくさんで恐縮ですけれども、お願いいたします。
  98. 増澤譲太郎

    ○増澤政府委員 まず、地震の特定観測地域のことでございますけれども気象庁は日本付近に発生する大中小の地震を観測するために、全国で百十七の気象官署と地震観測所で各種地震計による地震観測を行っております。地震観測の整備に当たりましては、いま先生指摘のとおり、特定観測地域の指定を勘案いたしまして計画を進めておりまして、全国的地震活動の監視を実施いたしておる次第でございます。  今後の観測体制の強化は、第四次地震予知計画の推進に関する測地学審議会の建議に基づきまして、関係省庁、各機関と密接な関係をとりながら進めてまいりたいと思っております。  それから二番目は、地震業務に専任している者の配置状況とのお話でございますけれども先生おっしゃられたとおり、専任の地震担当要員は八十八名でございまして、本庁の地震課、研究所、それから松代にございます地震観測所、それから主として津波等を担当する管区気象台の職員を除きますと、地方気象台、測候所等について九名が配置されておりまして、それは地震予知のために最も緊急を要する横浜、銚子、静岡、津、甲府、長野、水戸、熊谷、御前崎といったところの地方気象台並びに測候所に配置されまして、五十七年度には岐阜に一名の要求をしておりまして、現段階では九名でございます。  次に、火山関係でございますけれども日本における活火山と称せられるものはわれわれのところでは六十七カ所というふうに考えておりますけれども、そのうち三原山等きわめて精密な観測をしているものが四カ所、それから普通の観測を現地でやっておるものが十三カ所、合わせて十七カ所でございますけれども、その他の火山約五十カ所におきましては常時の監視体制はとっておりませんで、先生指摘の火山観測機動班によって行っておるわけでございます。  それで、それに要している人員でございますが、本庁には三班がございまして、そのほか地方には札幌、仙台、福岡の各管区気象台にそれぞれ一班がございまして、現状では一人の専任者に他の観測職員が応援をして行っているというわけでございます。  それから、機動観測班により最近五カ年に行いました基礎調査の観測は、十五の火山につきまして延べ三百一日間でございます。それから、突然に噴火等がございまして、緊急に観測したものが四火山でございまして、延べ千三十一日の観測を行っております。
  99. 四ツ谷光子

    ○四ツ谷委員 いまのお答えを聞いておりますと、地方気象台は非常に危険なところにだけ置かれておりまして、特定観測地域には、ほとんど管区気象台以外には地震の専任者が配置されていない、こういうことになります。それから、火山の機動班も一班一名、それを助けるということですけれども、この辺では非常にお粗末ではないかというふうに思うわけでございます。  そこで、気象庁の予算についてちょっとお伺いしたいんですけれども、五十六年度の予算、一般会計の予算ですけれども、四百四十億六千万円、五十七年度概算要求されましたのが四百六十一億三千万、こういうことになっています。とりわけこの次に「ひまわり」第三号を気象庁がその予算を受け持つ、こういうことになって二十億をこれから気象庁の予算の中に入れてこなければいけない、こういう状況が起こっているわけです。  なるほど五十六年度の予算と五十七年度の概算要求の合計で見ますと二十億ふやしているわけですけれども気象関係予算等を引きますと、一般経費では純増はわずかに二億九千八百万円しかふえていない、こういう計算が成り立つわけです。細かいことを言っていますと時間がありませんから、もう結果だけ言いますけれども、それだけしかふえておりません。  そういたしますと、「ひまわり」の打ち上げは非常に重要なことだということで、それは私も十分認めますけれども、二十億をふやすのは、「ひまわり」を打ち上げるということで、先ほど私がいろいろ御質問いたしましたほかの大事な災害予報の問題についてどこかでへつっているのではないかと思うのですが、一体どの辺で減らされたのですか。
  100. 増澤譲太郎

    ○増澤政府委員 気象庁における五十七年度の概算要求の取りまとめに当たりましては、各要求項目の緊急性あるいは重要度といったものを総合的に勘案いたしまして、現下の財政事情ももちろん考えに入れまして、当庁といたしましては最善と思われる要求を行ったつもりでございます。三号衛星の予算というのは、従来の気象庁の予算の枠から考えると大変大きな額でございまして、この予算の要求につきましては運輸本省の格別な御配慮もありまして、そのため特に重要項目について概算要求で非常に差し控えなければならなかったというふうな事項はほとんどございません。
  101. 四ツ谷光子

    ○四ツ谷委員 そのしわ寄せは、たとえば概算要求していました長風丸の代替、こういうふうな建造予算が落とされておりますね。三億八千四百万というのが落とされているわけです。ですから、どこかでしわ寄せが起こっているということなんです。  ここで大臣にちょっとお聞きしたいのですけれども、ことしは運輸省全体の御好意のおかげで二十億ふやすことができたというふうに長官はいまおっしゃいましたけれども、ところが、この「ひまわり」第三号で気象庁がこれから受け持たなければならない金額が百四十六億三千万、こういうことになるわけです。そういたしますと、五十七年度二十億をすでに概算要求しておりますから、残るのが百二十六億、そしてそれをあと三年間、五十八年度から三年間といいますと、平均しても四十二億つけなければいけない、こういうことになるわけです。ところが、いまの臨調答申でまいりますと、ゼロシーリングということを言っておられますと、一般会計でいきましても、五十七年度と変わらないと計算をすると、この「ひまわり」の打ち上げの金額、四十億をもし仮に見込んだといたしますと、二十六億三千六百万円のマイナスを生ずるわけなんです。これではたとえば火山、地震関係だとか台風関係だとか、来年度の概算要求でも二十八億、ざっと三十億の要求をしておられますけれども、これの九一%を削らなければ「ひまわり」も打ち上げられないことになるのです。  大臣はこういうふうな予算のあり方につきまして、先ほど私も申しましたように、これは国民生活の直接関連部門で非常に大事なところなんでございますけれども、「ひまわり」が上がる分、これは気象庁にゼロシーリングで災害を予知するようなところを削らないような予算を、ぜひとも大臣の御努力でつくり上げていただきたいと思うのでございますが、いかがでしょうか。
  102. 塩川正十郎

    塩川国務大臣 来年はゼロシーリング、再来年、それからまたその次はどうなるかということはまだ未定でございます。しかし、来年と同じように厳しい財政状況である、これはもう御承知いただいておるところであります。そこで、そうなりますと、やはり予算は効率的に使用しなければなりません。と同時に、政策の志向するところに重点的に配分しなければならぬ。私は、この「ひまわり」は国際的協力の中で活用されておるものでもございますし、また日本の技術の向上という点からいいましても非常に大きい効果がございますし、気象庁が大変な苦労をいたしまして開発してきたこの衛星を今後とも必ず打ち上げられるようにいたしたい。そのことのために、たとえば気象庁内で予算のやりくりができない場合は運輸省全体の中でもその対策を講じなければいかぬと思いますし、私はそれよりもまず第一に、こういう科学技術開発につながる予算というものは、これは総理も科学技術の振興というものに格段の配慮をいたしたいと言っておる、その線に沿って私は交渉もしてみたいと思うたりいたしておりますが、いずれにいたしましても、地震であるとか火山の観測であるとか、そういうものを削って「ひまわり」に資する、そういうことは現状においては不可能なんではないか、できるだけの知恵をしぼりまして努力をいたしたいと思うております。
  103. 四ツ谷光子

    ○四ツ谷委員 ただいまの大臣の御答弁をそのままぜひとも実現をしていただくように、再度御要望申し上げたいと思います。  それでは次に、離島空港の委託観測の問題についてお伺いをしたいと思います。  離島空港の委託観測について通達が出ているようでございますけれども、その中で、第三章の「基地気象官署業務」の中に「臨時の観測の指示」というのがございますね。「第九条 基地気象官署は、航空機の運航のために必要と認めたときは、航空気象観測所において臨時に観測を行わせることができる。」こういうふうになっておりますね。だから、これは委託業務をしておられる方に対して臨時観測を行わせることができる、こうなっているわけですね。  ところが、航空気象管理課が五十一年の三月に出しておられる「離島へき地空港の航空気象業務整備について(案)」というのがございますね。これは案を見せていただきたいと思うのですが、なかなか出てこないわけですけれども、その案によりますと、この委託業務をしていただくことについて業務が受けられるかどうか、こういうことがあるんですが、そこのところの委託についての問題で「一日一〜二便の就航であればこれに必要な航空気象観測通報は飛行時間からしてせいぜい数回と考えられる。一回の業務に二十分を要するとして五回の観測に要する時間は百分である。この程度の負担であれば頼み込む余地がありそうである。」こういうふうに案の中で述べておられます。  この気象観測の委託業務は、一体どこに委託をしておられるのですか。
  104. 増澤譲太郎

    ○増澤政府委員 お答えします。  全国の空港のうち、気象庁職員を配置せずに委託しているところを航空気象官署と申しておるわけでございますけれども、これは地方公共団体等に委託してやっていただいているわけでございます。
  105. 四ツ谷光子

    ○四ツ谷委員 それでは、再度お伺いいたしますけれども、こういうことでいきますと、地方公共団体に委託をしておられるということは、その委託を受けておられる方は気象の観測に専念をしておられるわけではありませんね。ほかの業務と兼ねながらこの委託業務、いわゆる気象観測をやっておられるわけでしょうか、どうですか。
  106. 増澤譲太郎

    ○増澤政府委員 専念する業務の量がございます場合には気象庁職員を完全に張りつけなければならないわけでございますので、部分的にお仕事をしていただいていることになります。
  107. 四ツ谷光子

    ○四ツ谷委員 そういたしますと、航空法の第七十三条の二、「機長は、運輸省令で定めるところにより、航空機が航行に支障がないことその他運航に必要な準備が整つていることを確認した後でなければ、航空機を出発させてはならない。」これに罰則規定もついておりますが、そのことを長官は御承知でございましょうか。
  108. 増澤譲太郎

    ○増澤政府委員 存じております。
  109. 四ツ谷光子

    ○四ツ谷委員 そういたしますと、パイロットの方がお飛びになる前には、罰則規定があるところまで、このぐらい厳しくやられるわけですね。ところが、この委託業務ということになりますと、たとえば気象変化が起こった場合に一体どうなるかということがあるわけです。普通のプロの気象庁の職員がいらっしゃるところでは、特別観測もすぐに実施できるわけです。ところが、先ほどのあの規定でいきますと、基地官署の要求でなければ特別に天候の変化が起こっても実施しなくても、特別に義務も責任も生じないわけですから、非常に問題があるわけです。たとえば、パイロットが飛んでいって着陸をしようと思っても、小型機ですと横風十メートルもあればもうひっくり返るから着けないというふうなこともある。大体この離島の空港といいますのは、やはり気象の変化の非常に激しいところですね。ですから、パイロットの方々が上に飛んでいっても、初めに離陸をしたときの気象条件とその空港の気象条件が変わっておる。もし専門家であれば、滞空しながらでもこういうふうな気象の変化が起こるからどうしなさいという具体的なアドバイスは受けられるけれども、ここに専門家が置かれていないということで、パイロットの皆さん方は、ここのところに、委託業務であるということに非常に不安を感じておられるということが私の方にたくさん寄せられているわけでございます。  ところが、この気象業務法の第十四条によりますと、「気象庁は、政令の定めるところにより、気象、地象、津波、高潮及び波浪についての航空機及び船舶の利用に適合する予報及び警報をしなければならない。」と、こうなっていますけれども、このように非常に信頼性が少ないとか、あるいは急激な気象の変化にも臨時観測もちゃんとできないというふうな状況で、これがこの第十四条の「適合」に値するものかどうか、長官はどのようにお考えでしょうか。
  110. 増澤譲太郎

    ○増澤政府委員 先生指摘のように、航空にかかわる気象業務は人命にも強い影響を持っているわけでございますので、われわれとしても非常に深刻に業務を運営しているわけでございますが、委託の場合でも、使用している気象測器につきましては、気象庁で検定を施した信頼の置けるものでございますし、また委託の観測者に対しましては、その測器の取り扱いその他につきましても定期的に指導を行い、あるいは定期的に研修を行ったりいたしまして、その技術の維持に努めておるわけでございます。  それからまた、委託観測所の職員は、常にその基地の気象官署と密接な連絡をとって、そごの起こらないように、見落としの起こらないように努めておるわけでございます。
  111. 四ツ谷光子

    ○四ツ谷委員 もう時間が参りましたが、最後に一言、長官と大臣と両方に御質問したいのです。  いま、そこの官署に置かれている計器も信頼性のあるものだ、こういうふうにおっしゃっていますけれども、もし故障が起こっても、こういうところは全部専用電話で一遍親官署へ行って、それからもう一つ上の官署へ電話で問い合わせして、そうでなければ機器の故障が見つからないというふうなこともあります。  それから、気象観測はしょっちゅう注意をさせているとおっしゃっていますけれども、しかし、これは地方公共団体の職員が業務を兼ねているとおっしゃったでしょう。そうしますと、業務を兼ねておって天候の変化などがいつも観測ができるのですか。注意をしているというけれども、これは専門家であればこそ天候の変化——天候の変化というのは、風向きの変わることもあるし、霧の発生もあるし、いろいろな変化があるわけですよ。そういうふうなことができるのかどうかということがございます。  それで、私は大臣と長官と両方にお伺いしたいのですけれども、先ほども同僚議員の御質問の中に、これから地方にだんだんと高速化が進んでくるということで離島航空がだんだん盛んになってくる。これは結構なことだと私は思うのですけれども、そのたびにそういうふうな委託がふえていくようでは、かえって住民の皆さん方の安全性ということ、唯一の足にしておられる飛行機について、パイロットの安全性だけではなくて、そこにおられる住民の皆さん方の安全性ということもございます。  こういうふうなところに対して専門の気象庁の職員を配置するようにぜひ考えていただきたい、こういうふうに思うわけでございますけれども、長官と大臣とお二人のお考えを聞かせていただきまして、質問を終わらせていただきます。
  112. 増澤譲太郎

    ○増澤政府委員 御指摘のとおり、航空業務については重大に考えておりまして、気象庁としてもできる限りのことをやってまいっておるわけでございますけれども、業務の運営にかかわって効率を図るために現在のような運用が適当であるというふうに考えておりまして、今後もそのように進めてまいりたいと思っております。
  113. 塩川正十郎

    塩川国務大臣 気象庁長官の言っておるのと全く同じでございます。
  114. 四ツ谷光子

    ○四ツ谷委員 終わらしていただきます。
  115. 宮崎茂一

    ○宮崎委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時十七分散会