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井上計君 昨晩の本会議で
増税六法案が成立をいたしました。
大臣初め、特に
大蔵省御当局は非常にほっとしておられると思いますが、そこで、いまさら
増税六法案に関連をすることについての
質疑はどうかと思いますけれ
ども、いささか納得のいかない点がまだ二、三あります。もっとたくさんあるんですけれ
ども、時間の
関係がありますので、そのうち二、三お伺いをいたしたいと思います。
俗に、過ちを改むるにはばかることなかれということがありますから、もしいろいろとお感じになりまして
問題点がおわかりになれば、またひとつぜひ御検討をお願いをいたしたい、こう考えます。
そこで、最初に印紙税の問題についてお伺いしたいと思うんですが、先般、三月十六日の本院の
予算委員会で私
どもの民社党の柄谷議員が印紙税、金銭または有価証券受取書の場合のことに触れたわけであります。時間の
関係で少ししか触れておりませんが、そのときに
大蔵省側の御
答弁では、受取書は全国で約一年間に百億通ぐらいつくられておる、その中で免税点以下の三万円未満の受取書は約九割、それから
残り約一割のうち五十万以下の受取書が四分の三と、こういうふうな御説明がなされております。
なお、途中は略しますけれ
ども、これは文書の作成行便の背後にある担税力に着目するような軽度の流通税、そういうふうな印紙税の本質からして、格別
中小企業に対する
負担の増ということにはならぬ、こういう御
答弁が大蔵当局からなされておるわけですが、私はかねがね、同時に民社党としては、この印紙税が現在でも
負担の公平を欠いておるのに、さらに今度一挙に倍額引き上げということで、ますます
負担率が不公平になっておるということを
指摘をしてきたわけでありますけれ
ども、それについて若干具体的に伺いたいと思います。
そこで、委員長、私がつくったリストがあるんです、表が。よろしゅうございますか。——ちょっとこれを配ってください。これをちょっとごらんをいただきたい。当然
大蔵省はおわかりのことでありますけれ
ども、
大蔵大臣はここまで細かく余り御存じないかもしれませんので、ちょっと急いで配ってください。
じゃ、お伺いをいたします。いまこれは私がつくった表でありますけれ
ども、今度一躍倍になりまして、したがって百万円の場合の
負担率は〇・〇二、これは百万円、二百万円、要するに区分されるところでは全く同じ〇・〇二であります。ところが、
先ほど読み上げましたように、
予算委員会で
大蔵省御
答弁にありますように、五十万円以下の受取書が
残り一割のうちの四分の三ということでありますから、相当な量に上がっておるわけであります。とすると、五十万円の
負担率は〇・〇四になると、こういうことであります。さらに、私が数年前から
中小企業のいろんな人たちに大体どれくらいの金額の受取書が一番多いんだと、こういうふうにいろいろと調査をしたことがあります。大体その場合に出ましたのは、十万円前後ということであります。そこで、十万円で今度の
負担率を考えますと、〇・二という大変高い率になります。
御
承知のように、現在
中小企業の場合で
製造業の売り上げに対する純利益率は大体三%以下だと思います。流通業、特に卸売業の純利益率はまず一%ないし一・五%ぐらいに落ち込んでおるんではなかろうか、こう思います。といたしますと、一%あるいは二%程度の純利益しかないものでも十万円のものについては〇・二%実は印紙税がかかる、こういう数字が出るわけであります。明らかに私はこれについては
負担の公平を全く欠いておるんではないかと、こういう感じがしますが、
大蔵省どうお考えでしょうか。