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小笠原貞子君 確かに
努力されて通年雇用の形になりました。
努力されてきたということはありがたいと思います。しかし、裏から言えば、
努力しなければならないくらい大変な問題だったということが裏づけられると、そう思うわけなんです。
きょう私がずっと申しましたことは、決して楽にできる問題ではございません。困難だからこそ古くて新しい問題だと私は言いましたし、一つの
大学の地方の問題ではなくて
全国の
大学の問題だということも申し上げました。そして、私が言いたいことは、学術研究というのは百年の大計ですよ。この国家の学術研究をいかにするかというのは、政府としても、政治家としても、これはもう展望を持った、そういうしっかりした
方針を持っていかなければならない。これは遊んでいて、それで家族手当もよこせというわけではないんですよ。
また、たとえば言いますと、定員の方は毎日の事務所に行かれます交通費というのが出るわけですね。一日四百円でございます。しかし、この定員外である林業補佐員もやっぱりそこへ行って、そしていろいろと打ち合わせをして仕事をしなければならない。やっぱりこれ、当然その旅費と申しましょうか、これも必要になってくるのではないかという細かい問題も出てくるんです。こういう実情の中で、同じ働いている人同士がほんとにつらいんですね。もらう方もつらいし、もらえないのもつらいと。この日額旅費四百円出ているのを、一体どうなっているんだと聞いたら、その中で、もらっている人は六割にして、そして定員外の補助員の方に百六十円を回しているというような実態なんですよ、
大臣。働いている両方がつらいんです。
先ほど計算機センターのところで申し上げましたけれ
ども、ここも私ずっと見てきたんですけれ
ども、全部同じような職業、同じ仕事ですよ、同じ機械に向かってパッパッパッとやっているわけですよね。同じ機械で同じ仕事をして、定員である、定員外、非常勤であるということでどれだけの差があるかというのを調べてみました。
これは五十五年度で調べてみますと、定員の女子パンチャーは二百七十九万三千八百二十二円なんです。非常勤、定員外の人は百七十七万七千八百八十八円。つまりここに百一万五千九百三十四円という大きな差が出てくるわけですね。同じ職場なんですよ、毎日顔突き合わせているんですよ。だから、働いている人も、定員の人も定員外の人もつらい中で、何とかしてくれということ。
それから、今度これらのお金はなかなか
予算化されませんから、
大学の先生もこれは研究費の方から出さなければならない。研究費を切り詰めなければならない。だから、これは
大学の学問研究をいかに保障して日本の将来を考えるかという立場に立てば、これはやっぱり放置しておけない問題だと、そう思うわけなんです。その実情を
大臣ぜひ知っていただきたい。そして、御
努力をいただきたい。
もう時間が来ましたので、最後に
大臣の何というんでしょうか、これからどうやっていきたいかという御決意のほ
ども伺いたいと思うんですけれ
ども、たとえばこういうふうに言っていらっしゃるんですね。これは林長さんの言葉なんです。林長さん、こういってくだすったんですね。私も本当に感動しましたよ。山も木も人間と同じく一つ一つの顔を持っている。感情を持って親しく接する人によって育つんです。民間の山で働いてきた経験のある技能補助員は、北大の演習林へ来て収入は減った。しかし、この一つの出とじっくり取り組むことができることに私は喜びと誇りを持っている。この出とつき合って、ここでがんばると。低賃金の中で、いみいろの苦労の中でがんばると。それにしては、収入はきわめて低い。待遇
改善で、よりよい仕事、みんなのためになる仕事をしたいと。
本人が言うんじゃなくて林長さんの言葉なんですね。私は、この言葉を聞いたときに、本当に、感動しましたよ。
苫小牧の例を出したが、苫小牧は町ですから、アルバイトに行くということもできるかもしれない。しかし、御承知のようにあそこだけです、町に接しているのは。方々もうずっと人里離れたところの演習林であるとするならば、そうすると奥さんはアルバイトに行くなんということはできないわけなんですよ。
だから、こういう定員外と定員内の人たちの悩み、人間として最低の生活が保障されないようなこういう条件の中で、困難だから仕方がないんだということは、とても
先ほどからの答弁ではおっしゃれないと思うんです。
時間がございません。
大臣、これらの具体的な問題を通して、再度今後の御決意のほど、お答えをいただきたいと思います。