○竹田
四郎君 五十六年度、これは実績といいますかことしの
経済見通しで
国民所得は二百十二兆、六十年度が三百四十兆。そして、いままでの租税負担率、これから見ますと、
昭和五十三年、これはちょうど年度の
所得区分が変わった年でありまして、変わった増額分は差っ引いて計算をいたしますと租税負担率は一九・九%、五十六年、ことしが二四・二%、こういうことで五十三年から五十六年の間のパーセントを引きますと四・三%ということになりますね。それから、五十六年度二四・二、六十年を租税
統計ベースで換算してみますと大体二六%、こういうことになりますと、五十六年度から六十年度の間の差はわずかに一・八%、こういうことになっているわけであります。こういう形で国税分を計算をしてみますと、税収のところの「竹田案」というふうに、これは私が計算したのですから私の責任の数字でありますが、そういう数字が実は出てくるわけであります。これを中期展望の数字と比較してみますと、そこに「差引」という数字が出ておりますけれ
ども、いずれも展望の見通しは一兆程度低い、こういうことが言えるわけであります。そうした意味で、前々からいろいろなところで御批判がございましたけれ
ども、中期展望、これは税収見積もりが非常に低い、これはほかの数字でも私は言えると思います。弾性値の問題をとりましても、あるいは国税収入の伸びの問題をとりましても、いずれも私の数字よりもっと高いわけです。私のでいきますと、これは一四・五%ぐらいになります、税収の伸びは。
政府の伸びが一四・二%ぐらいですから、むしろ私の方がちょっと多い。きわめてマイルドな竹田
四郎が計算したわけでありまして、そういう意味ではあんまり、非常に違っているというわけではございません。これが他の数字でまいりますと、国税の伸びあたりでいきますと、五十三年から五十六年は実に一七・四%の伸び率になっている。弾性値に
経済成長率をかけたものが五十五-五十六年は一七・六六、それから五十一年-五十六年の弾性値から計算しますと一五・七九、こういうことでありますから、恐らく私のこの出した中望との差し引き、もっと大きな数字に私はなってくるだろうと思うのです。
そうなりますと、もう
一つ私は申し上げたいと思うわけでありますが、五十五年度ベースの財政収支試算というのがございますね、これは御承知のとおりだと思う。これと今度の展望の国債費、この下の方も後で申し上げますけれ
ども、国債の発行、これを見ますと、今度の展望ではこれ全然ふえていませんね、特に建設国債、四条国債。いままでのほかの試算――これは試算にもいろいろベースがございます、前のベース、各年度のベース、いろいろ見ましても一〇%から一七%の伸びをしているわけですね。なぜ急にここへ来て展望で四条国債の伸び率ゼロになったのか、いっそういうことをお決めになったのか。私はこれを見まして、展望というのはずいぶん金が余っているんだなという感じをしているわけです。いままで
政府の方はこう言っていたでしょう、特例国債は悪い国債だと、建設国債はまあどちらかと言えばいい国債で、負担をならしたり物が残るからいい国債だと。財政は窮迫しているというのに、まあ特例国債を減らすことはいいでしょう、四条国債がなぜ一遍に伸び率ゼロになったのですか。これはまことに理解に苦しむわけです。私
どもももちろん当初から建設国債いいとは言いませんでした。反対しました。しかし、建設国債がこういうふうに定着してしまうと、一遍にこれをもとへぎゅっと戻すということになるとどこかに大きなしわ寄せができる。それが大増税という形になってくる。あるいはどこかに犠牲をうんとしわ寄せするということになると思う。私はこれを見まして、大蔵省は一般的には中期展望という、大変税金をとらなければ、あるいはうんと行政整理をやらなければお金は出てこない、こういう宣伝をしていながら、これを見ますとまさにお金は余っている、こういうふうに断ぜざるを得ないのです。
もう
一つ、この資料のIIの「展望と試算の
問題点」というところを見てください。これを見ますと、この試算の(A)というのは、この当時は五十五年ベースの試算(A)には地方交付税の分は別に書いてありませんでした。一緒に「その他」の項目の中に入れてありました。で、私は試算の「その他」からこの展望にあります地方交付税の分を差し引きまして、恐らく地方交付税にしても税収にしても、この展望の方が試算よりもその伸び率というのは少ないと思いますから、これを引いても大きな間違いはないと思う。そうして計算いたしましても、実は展望の「その他」というのが非常に多いんです。私はびっくりしました。普通ならば試算の方が多くて展望の方が少ないということであれば、これはわかります。これは「その他」の、資料を私、数値を並べて見ました。たとえば国債費、これを見ましても試算の方がはるかに多い。社会保障移転費を見ましても、これははるかに試算の方が多い。「その他」だけは別なんです。私はこういうことを
考えてみますと、この「その他」の事項の中に大変いろいろなものが入っているだろうと思います。そこで並べてみましたように、五十六年度では試算よりも展望の方が五千三十三億多いんです。五十七年度には九千百億多いんです。五十八年度は実に一兆二千三百億、五十九年度は一兆六千六百億多いんです。これだけはどこかにそれだけ余分に盛り込んである、こういうことが言えると思います。さらに
先ほどもちょっと申し上げましたように、租税負担率の竹田案というところの、そうしたわずかの租税負担率ではおさまらないだろう、もっと私はこれは上がると思います。そうすれば、ここに出てくる竹田案というのはもっと大きな数字になってくる、収入は余ってくる。だからこそ私が鈴木総理も行政改革二兆円できますよと言ってもちっとも痛くない、行政改革がうまくいかなくたって金は余ってくる。その上、行政改革私も賛成ですから大いにやるべきだと思うのですが、行政改革二兆円もやったら、大蔵省にあふれるくらい金が出てくるというふうに私は思わざるを得ない。また建設国債にいたしましても、伸び率ゼロに一遍にしないで伸び率を漸減していくという方式をとったら、また出てくるわけですよ。おたくが言う一番いい国債、この国債をだんだん減らしていけばもっと出てくるわけです、余裕が。どうしてこういうことを私は大蔵省はおやりになっているのか、実はよくわからない。特に「その他」の項目というのは、一番わからない。どういうわけですか。