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政府委員(
梅澤節男君) ただいま御指摘になりましたのは、主税局で作成いたしております税制統計資料の問題かと思いますが、実は主税局におきましては、税制関係の資料、内部資料をたくさんつくっておるわけでございますが、現在、ただいま
委員が御指摘になりました統計資料集のほかに税制主要参考資料集というのをつくっております。この資料集を二つに分けておりますのは、一つは後者で申し上げました主要参考資料集につきましては、税制の御議論を願う場合の基本的な資料、しかも内容も非常に確立しているものでございますので、部内資料ではございますけれ
ども、これは毎年
大蔵省の統計月報で公表をいたしておるわけでございます。ところが、
委員が御指摘になりました統計資料集の方は、どちらかと言えばこれはいずれも部内資料なんでございますけれ
ども、主要参考資料集に比べますともう少し細かい資料を集めてございます。それから、たとえば外国の制度とか、あるいはわが国の税制制度の沿革、これは内容的にはもうすでに秘密にすべき問題でも何でもないわけでございますけれ
ども、そういう資料として常時使うものではございませんので、また部数も、かなりページ数もとるものでございますから、そちらの方に入れておるわけでございます。
もう一つぜひ御理解を願いたいのは、統計資料集の中に若干対外的に公表することを差し控えたいという資料もあるわけでございます。まあいろんなものがあるわけでございますが、端的に申しまして、たとえば物品税で各物品の小売価格に占める
税負担の割合というのは、案外簡単なようでございまして実は非常に複雑な問題があるわけでございます。といいますのは、物品税は一種物品と二種物品と御案内のとおりございまして、一種物品は小売価格に対して
法律で決められました税率によって何%と出るわけでございますから、消費者の末端の小売価格に対する
税負担というのは、別に統計をつくるまでもなく、税法で税率がわかるわけでございます。ところが二種物品の方は、メーカーの出荷段階で
法律に定められました税率で課税されるわけでございます。そういたしますと、末端の消費者が一体
税負担は幾ら負担しているかということは、結局流通過程で、これは自由競争、市場
経済でございますから、いろいろな価格の形成があるわけでございまして、一概になかなか言えないということで、こういう種類のものにつきましては、私
ども、各業界から小売価格等の資料の提供の協力を受けまして、一つの推計的な
税負担割合を出しておるわけでございます。
ところが、これを仮に世の中に広く公表するとなりますと、若干問題がございます。と申しますのは、それから逆算いたしまして、メーカーの段階から各流通段階での価格形成の過程、端的に言えば利潤の形成過程というものがおおよそ明るみに出てくるという問題もございますし、それから末端価格を、これは標準価格のようなものもございましたり、いろいろ価格があるわけでございますね。仮に、たとえばある種の物品につきまして小売価格を幾らと、したがいまして
税負担幾らというふうに決めますと、
大蔵省の方でこの小売価格について、この物品について、この価格について幾らと設定したと、そういうふうな誤解も招くわけでございます。これは従前、四十年のたしか私の記憶では初めの時分は公開をしておったわけでございますけれ
ども、その後業界の方からいろいろ苦情がございまして、私
どもとしてはぜひその資料が要るわけでございますから、それを公表しないという条件で資料の御協力を得ておると。これは課税資料と申しますか、課税制度を考える場合に欠くことのできない資料でございますが、反面そういった事情で公表できないものも入っておるということでございます。
それからもう一つ、これもよけいなことかもわかりませんけれ
ども、ただいま
委員が御指摘になりました統計資料集、現在項目数で七十項目ぐらいございます。そのうち、先ほど私が申し上げました外国の制度とか、いわゆる制度の問題、内容について、別に秘密性も何もない項目がおよそ二十項目ほどございます。そのほかがただいま私が申しました推計関係の資料とかという項目が約五十項目ございますけれ
ども、このうちおよそ半分くらいは毎年
予算委員会に資料として提供いたしておりまして、その
意味ではただいま
委員から取り扱い注意というふうになっておるというふうに御指摘を受けたわけでございますけれ
ども、これは携行するわれわれの主税局の職員一人一人の心づもりという
意味でのことでございまして、全体が対外的に秘匿すべきもので全部覆われているというわけではございません。