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勝又武一君 私は、提案者といたしましてただいまの御
質問にお答えする前提といたしまして、
放送大学を国立
大学としてこの
放送を
NHKが担当する方式をとった理由といたしまして、一つは、
政府案のような
特殊法人方式では学問の自由、
大学の自治が保障されない、国からの独立を保障することができない。そしてまた
政府案は、国営
放送問題を解決し得ない。
この二つのことを根本的に解決するということが、私
たちのこの
法案の最大のメリットといいますか、主眼だというように考えております。確かに
NHKの
放送施設も現行のテレビ、ラジオ
放送で相当手いっぱいになっているということもあると思います。したがって、
放送大学の
放送を
全国ネットワークで行うということになりますと、いろいろの新しい
施設を付加することも必要だろうというように考えるわけです。しかし、
政府案以上に経費がふえるというようなことは、これは考えられ得ません。まして、私は、
政府案よりははるかに少ない額で済むというように考えますけれ
ども、仮に同
程度のような費用あるいはそれに近いものがかかったといたしましても、私
たちの
法案の方がはるかに
先ほど言いましたような大きな目的を達成し得るという
意味ですぐれているということが一つございます。
さらに、二つ目の御
質問と関連をいたしますが、
全国放送を実施しているのはまさに
NHKでございまして、その
意味での
NHKの経験と技術力を十分生かすということができると思いますし、そういう
意味できわめて効率的に
全国放送を実施することができるというように考えます。
NHKの多年にわたる
教育、教養
放送の経験なりすぐれた
放送技術の蓄積あるいはその開発能力を開発することもできますし、経験に富んだ
専門家の活用等が十分図られるというように思います。これらが非常に大きな利点だというように考えるわけです。
さらに、ローカル
放送の活用等によりまして文化の多様性あるいは地域性の要請等にこたえる
放送番組を提供する可能性が大きいことも見逃すことができないと思います。
さらに、私は広島の地方公聴会で痛感をいたしましたが、本当に地方にいる方は、まず広島を先にせよ、東京、関東周辺よりは地方が先だということをおっしゃられるわけでございまして、この点は
報告の中にもございましたように全く地方の切実な声だと思います。恐らく札幌でもそうだったでございましょうし、札幌、広島を問わず他の
全国の地域、九州、四国あるいは北陸、東北、これらの地域すべての
放送大学に期待する
人たちの共通した意見だ、まさに関東周辺、東京中心より地方中心だということは全くそのとおりだと思うわけです。
これを実現するということは、私
たち法案の
NHKに担当させるということがまさに
全国ネットワークに乗せるという点におきましてもすぐれている、
政府案では
放送衛星の問題だとか十数年を要するとかいろいろありますけれ
ども、仮に
NHKが
全国ネットワークに乗せる困難点があるにいたしましても、
政府案による困難点と比較をすれば、
全国ネットワークに乗せ得る点においてははるかに利点が大きい、このように考えている次第です。