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本岡昭次君 私も年月を要すると思うんですが、しかしいたずら腕をこまねいて年月を過ごしていくというのでは私は解決しないと思う。いま
局長が言われたように、
地元の
理解を深める、また
地元の
教育レベルというものがそこに附属が来たことによって全体として上がっていくんだというふうな、そういうふうなものに対する積極的な附属側の、あるいは国として、
政府としての
理解、
対応がなければならぬと思うんです。
そこでお伺いしますが、一番の問題は、この地域は都市でありませんから、附属に
子供が転校していくことによって学級減が
具体的に起こっているんです。たとえば社小学校というところの現在の四年生は、三年生のときに百四十二名で四クラス、一クラス当たり三十五人で
子供が
勉強してきた。これは一年からずっとそういう形できたんです。ところが、四年生の募集が始まって附属へ二十三人が転校する。そうすると四年生になったときには百十九名で今度は三クラスになった。そうすると一クラス当たり四十人で
勉強しなくてはならなくなったと、こういう変化が現に起こる。
また、新一年生は、附属がない場合は、百五十八名の
子供が社小学校に入学しているはずのものが、四十二名附属に行ったということによって、新一年生は百十六名と、こうなった。二六%の
子供が附属に行っている。
で、ある町内では、二十人その近くの社小学校という公立へ通うべき
子供がおるのに、その中の十七、八人まで附属へ行ってしまった、公立へ行くのがわずか一人か二人という状態なんです。公立に行く方の親が、これは大変だ、私の
子供も附属に行かさないかぬのかというふうなこと。もし全部附属に行ってしまいますと、その地域と公立の学校の関係は全く切れてしまうわけです。
で、ああいう田舎ではいわゆる地区対抗、学級対抗リレーとか、いろいろなそういうことをやるんですね。その地区から選手出すんだけど、そこの
子供は一人もその学年はおらぬ、皆附属へ行ってしまっておるというふうなこと。それで新宅と本家があって、新宅の
子供は附属に行った、本家が、おまえは何しとるんやというふうな、何か全然関係のないところで悶着が起こっている。解放学級というふうなものがあるんですが、いままで皆一緒にそこで同和
教育の問題を
勉強しておったのに、附属に行ったら、その
子供はもう解放学級へ来なくなる。みんな公立の学校へ行ってるときは、親が交通当番ということで町々に立ってその
子供の登下校の安全を図っておった。しかし附属へ行くようになったら、その附属に行く子の親はどうするんかという問題。そういうふうなものが一向解決されないままいま
地元は大変混乱と不安の中に巻き込まれているんですね。
それで、また現在滝野東というところでは九十二名の
子供がいるんです、四年生。これは非常に微妙な学年でして、二人の
子供が附属へ行けば、たちまち二学級になってしまうんですね、いま三学級でしょう。
こういういま例を挙げましたけれ
ども、いろいろな条件を附属の募集される対象校の中に抱えているんです。そういう実態を知った上で、一、二の問題、当面の問題としてぜひ
文部省に
対応してもらいたい。
先ほどおっしゃった、
地元の
理解を深めるとか、
地元の
教育の水準の向上に役立てるんだ、附属が来たことによって
教育条件が悪くなったというようなことは一切ないんだというあかしを
地元の人に与えなければならぬ。
その
一つは、附属に
子供が転出したことによって、一、二、三年までが四クラスで来たものが三クラスになるとか、あるいは三クラスが二クラスになるとか、あるいは二クラスが一クラスになってしまうとかという学級減というふうなものは、それは起こさせない。現在のクラス数のままとにかく六年生までその学年は
卒業させるという保証をとる。これは今年と来年一年だけですよね、起こるのは。来年は一年生と四年生ととるんですから。その後は一年生からだけとるんですから、そういうことは起こりません。初めから決まった形でいきます。しかし途中の募集の方法は後で尋ねますがね。だから、ことしと来年の問題に限って、附属へ
子供が大量に進出したことによって学級減が起こって、その学校の
教育条件の変化が起こったということについては、これはわずか
先生を一人ずつ配置すれば済むことですよ。そういう
対応を、学校統合するときにもそういう措置をしていますね、ある年度だけ。そういうふうなことをやってでも、全国的に数少ない条件下で、附属というものを教員養成にとって非常に必要な存在としていま
地元の中に育てようとする
事柄について、このぐらいの
対応を私は
文部省はしていいんではないかと思うんです。それが
一つです。
それから四十人学級というのがいまスタートしていますが、この地域はまだスタートしておりません。この四十人学級という問題。附属は四十人学級ですからね、定数に満ちて四十人学級。現在は大体二十人学級でいっている。だから、附属へ行った子の親が、公立の親に対して、附属行ってごらんなさい、いいですよ、少ない生徒に
先生が丁寧に教えてくれますよと。何のことはない、附属へ行ったことによってこっちは人数がふえているんですから、公立に行っている親はかんかんになって怒っているわけです。だから、そういった
事柄が起こらないように、四十人学級の四十人定数という問題についても、特別そうしたところについての配慮というものが、ある短い期間でいいんですよ、そのことが
地元の
理解なりあるいはまた
地元教育の水準を引き上げるところで役立っていくと思うんですが、このことを十分
検討していただきたいと思うんですが、いかがですか。