○国務大臣(山内
一郎君)
電波法の一部を改正する
法律案について、その提案
理由及び概要を御
説明申し上げます。
最近における無線局の免許申請者及び無線従事者国家試験の受験者の増加に対応して行政事務の簡素合理化と申請者等の利便の増進を図るため所要の規定を設ける必要があります。
また、アマチュア無線局については、相互に相手国の
国民による無線局の開設を認め合うという最近の動向にかんがみ、外国人にもアマチュア無線局の免許を与えることができるようにすることにより、日本人が諸外国においてアマチュア無線局を開設し得るようにする必要があります。
さらに、違法な無線局の増加に対処するため、罰則の規定を
整備する等の必要があります。
この
法律案を提案した
理由は以上のとおりでありますが、次に、その概要を御
説明申し上げます。
まず第一に、
郵政大臣は、
郵政省令で定める無線設備(特定無線設備)について
技術基準適合証明を行うとするとともに、
郵政大臣の指定する者(指定証明機関)にもこれを行わせることができるとしております。
また、指定証明機関は、公益法人であること等の指定の基準を定めるとともに、その行う
技術基準適合証明の審査は、一定の要件を備える者に行わせなければならないとし、指定証明機関の役員の選任及び解任、業務規程並びに毎事業年度の事業
計画及び収支予算については、
郵政大臣の
認可を受けなければならないとするほか、
郵政大臣は、指定証明機関に対し、
技術基準適合証明の業務の
状況に関し報告させ、またはその職員に指定証明機関の事業所に立ち入り、
技術基準適合証明の業務の
状況等を検査させることができるとする等必要な監督規定を設けることとしております。
第二に、
郵政大臣は、
技術基準適合証明を受けた無線設備のみを使用する無線局については、簡易な手続により免許を与えることができるとしております。
第三に、
郵政大臣は、その指定する者(指定試験機関)に、特殊無線技士、電信紙アマチュア無線技士または
電話級アマチュア無線技士の資格の無線従事者国家試験の実施に関する事務(特定試験事務)を行わせることができるとし、指定試験機関は、特定試験事務を行う場合において無線従事者として必要な知識及び技能を有するかどうかの判定に関する事務については、一定の要件を備える者に行わせなければならないとするとともに、指定試験機関の指定の基準、指定試験機関の役員の選任及び解任等についての
郵政大臣の
認可その他指定試験機関の監督等については、指定証明機関に準じて定めることとしております。
第四に、アマチュア無線局については、日本
国民に対して同種の無線局の開設を認める国の
国民に対しても免許を与えることができるとするとともに、外国人のアマチュア無線局については、その外国人の属する国における日本
国民の無線局に対する取り扱いとの均衡を考慮して、その免許等に条件もしくは期限を付し、またはその運用を制限することができるとしております。
第五に、現行
電波法は、
郵政大臣の免許がないのに無線局を運用した場合は刑罰を科すこととしていますが、これを改め、
郵政大臣の免許がないのに無線局を開設した場合にも刑罰を科すこととしております。
その他、所要の規定の
整備を行うこととしております。
なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して六月を経過した日としておりますが、
郵政大臣の免許がないのに無線局を開設した者に対する罰則の改正規定は、
昭和五十八年一月一日から施行することとしております。
以上が、この
法律案の提案
理由及び概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。