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川村清一君 ぜひそれをお願いしたいと思うんです。
それで、そういうことをすればとても
お金がないんだというようなことをおっしゃるかもしれませんが、私がいただいたこれは
大蔵省の資料なんですがね。
積立金ですね。
積立金が驚くなかれ二千九百億でしたかな、そのくらいあるんですね。そしてその
予算の中で利息の収入が六十五億かあるんですが、そんなに
お金あるんですか。利息収入が六十五億くらいあるんですが、そのくらいの
お金があるというんなら、やるなら幾らでもできる。
そこで私は、最後にひとつもう少し、
中央競馬会のやることにけちをつけるというわけじゃないんですが、
お金があるわけですからもっとやってもらいたいことはどういうことかというと、
競馬というものは、私が言うまでもなくまず馬がある、
競馬ですから馬がある。それと馬をつくる
生産者がある、
生産者の努力によっていい馬ができる。いい馬が走ることによって
競馬は栄えるということ、ファンにこたえることができるということ。その次にその馬を持っている馬主がいるということ。その次にその馬をいろいろ走らせるように調教する
調教師がいるということ。それで馬に乗って走らせる騎手がいるということ。そしてその走る馬のように、ちょうど
競馬のときにコンディションよく走れるような
状態にするために一生懸命縁の下の力持ちで働いている厩務員という者がいる。この五つが
一体となって、そうしてよい
競馬をやるように努力することによって本当のよい
競馬、健全なる
競馬というものがぼくは発展すると思うんです。
私は一番こっち側の馬を
生産する
生産農家の話に主力を置いてやってきたんですけれ
ども、この五つの中で一番恵まれない
立場の人が、最後に言った五つ目の厩務員です。厩務員というのは、これは
調教師との間に雇用を結んでいるわけですね。ところが、
調教師そのものがそれは大きな
調教師、小さな
調教師、たとえば有名な尾形
厩舎のように馬房をいま幾つ持っているか知りませんが、まあ四十ぐらいも持っているんではないですか。そしていい馬が入っているんではないですか。そういういい
厩舎から走った馬がたとえばダービーで優勝した、有馬記念で優勝した、あるいは天皇賞を取ったといったようなことになれば
賞金ががさっと入る。
賞金ががさっと入ればそのうちの一〇%は
調教師がもらう、騎手も五%いただく、厩務員も五%いただく、馬主は八〇%いただく、こういうような仕組みになっているわけでしょう。ところが、どの
調教師の
厩舎にいる馬もみんなそういうことではないわけですから、したがっていいところで働いている厩務員はいいけれ
ども、余り
お金の潤沢でない、入ってこないような
調教師のもとで働いている
方々は大変これは不遇なわけだ。そこで彼らも厩務員でもって労働組合をつくって、そうして団体交渉をやるわけだ。しかし、雇い主の
調教師はそれだけの力がないんだ、力がない。そこで春闘でもってストライキをぶつ。そのために仮に天皇賞の大レースが行われないというようなことになったら大変だから、そこで本来的に言えば雇用
関係にないところの馬主が馬主会から金を出して、そして何とかそれをまあまあと言って抑える。若干
中央競馬会からも出てきてこうやる。したがって、厩務員の労働条件、雇用
関係というものが非常にまずいんだが、そこで農林省でもいいし、
中央競馬会でもいいですが、厩務員という者の労働条件、
一体給与はどのくらいなのか、初任給がどのくらいで最高がどのくらいで平均でどのくらいなのか。勤務時間は
——これはもう私は馬のことよく知っている。必ず朝四時に起きるんだから、あの牧場で働いている牧者さんなんかみんな朝四時に起きるんだから。四時に起きて一日の労働をやって、そして夜になって休むということなんだ、非常に厳しい労働をやっている。この厩務員に対する手当とか、そういうものは
一体どうなっているのか。これは
日本中央競馬会もこの厩務員に対する待遇というものをどう考えてどういうようなことをやっているのか。
それで、最後に私が申し上げたいのは、この厩務員の労働
関係をきちっとするために
調教師との間の雇用を結ぶんではなくて、
中央競馬会との
関係の雇用
関係を結ぶ。団体交渉でもって
調教師の
方々——もちろん組合的なものがあるんでしょうが、それ言ったって当事者能力がないわけですから、一番大きな
中央競馬会がこれを抱え込んで、
中央競馬会の職員として
中央競馬会と団交するという
かっこうにすることによって、厩務員の身分というものは一番確立されるものと私は思っておるんですが、いまちょっといろんなことを申し上げましたが、それを整理してひとつ御答弁いただきたい。