○井上計君 このグリーンカード制を実施した場合の
中小企業金融の問題等については、審
議官と先般予算
委員会の大蔵分科会でも若干やりとりをいたしました。私もまだ納得できない点も多々あります。また次の機会に、いまこの問題を含めた御答弁ありましたが、この問題も含めてまたいろいろとひとつもっと詰めた
質疑を行いたいと、かように
考えております。
次に
中小企業税制の問題でこれまた大蔵省にいろいろとお伺いいたしたいと思います。
先ほ
ども審
議官から、やはり整合性保っておるというふうな
意味のお答えがありましたが、その前に要望でありますけれ
ども、俗に、税の捕捉率はトーゴーサンであるとかあるいはクロヨンであるとかよく言われております。確かに、給料生活者に比べると
中小企業に対する税の捕捉は五〇%であるとかあるいは六〇%であるとかと言われておりますが、ところがこれが私は、こういうふうなことがあたかも
中小企業が多く脱税をしておるというふうな印象を社会全般に与えておると、こういうふうに
感じておるんですね。トーゴーサン、クロヨンと言われておりますけれ
ども、
中小企業の中で仮に六〇%捕捉をされておるとすると、四〇%が脱税をしておるんだという認識を持っておる人がいっぱいいるんですね。これはしかし事実と違うと思うんです。
中小企業の全
事業所から見て、納税している人が六〇%であるということなんですね。したがって、あとの四〇%は、脱税をしているんじゃなくて、実は税を払いたくても払う所得がないと、こういう人なんです。ところがトーゴーサンとかクロヨンだとかと言われるものだから、一般では、
中小企業けしからぬ、脱税ばっかりしておる。したがって、
中小企業の脱税を捕捉するためにはこういうふうなグリーンカード制を実施してもう全部捕捉すべきであるというふうな、誤ったとは言いませんけれ
ども、いわば誤ったことに近いような、そういうふうなやっぱり世論というものがあるというふうにも思っておりますから、大蔵省も、トーゴーサン、クロヨンということを大蔵省が宣伝されているとは言いませんけれ
ども、そういう面についても誤解のないような今後ひとつ発表の仕方をお願いをいたしたい、こう思います。だから、給料生活者が一〇〇%税を納めていると、こう言われております。ところが、いま言ったような
中小企業の税を納めようとしても収益のない人という計算でいくと、独身の場合には八十万円以下の人は無税でありますし、扶養家族一人の場合には年間約百十万円
程度までは無税です。扶養家族が二人なら年間約百三十五万円ですか、
程度まで無税であるわけですから、そういうふうな計算でいくと、給料生活者、必ずしも一〇〇%源泉所得税を納めているということにはならぬ、こういうことになるわけでありますから、そういうふうに
考えておりますので、この点もぜひ御
配慮をいただきたい、こう思います。
なお、これも先般予算
委員会で大臣や審
議官等とも
質疑を行っておりますからお答えは要りませんけれ
ども、今度の、五十六年度の増税等についても、
中小企業に対する軽減税率、従来二八%を二%アップして三〇%、大法人の四二%から見ると
中小企業には特別な
配慮をしておる、こういうふうな大蔵省からいろんな発表がしばしば行われております。ただし、従来七百万円までの二八%の軽減税率を百万円上げて八百万円ということでありますから、余り私は
配慮をしておることにはなりませんと、こうあのときも申し上げました。ところが、それもこういう発表の仕方も、一般の人は
中小企業の法人所得税の税率は全部三〇%だと思っている人が非常に多いんですね、大法人は四二%、中小法人は三〇%、こういうふうな発表がありますから。所得が八百万円までは三〇%であるけれ
ども、八百万円超えた、中小法人も全部、大法人も同じように四二%だと思っている人が案外少ない。これもひとつ大蔵省、発表の中でも十分ひとついろんな点で
配慮をしていただきたいと思いますが、お答え、特にしていただけますか。別に、特別に要りませんけれ
どもね、わかり切っていることで。ただ要望としてお聞き取りいただければ結構です。
それからもう
一つ、これも愚痴になるかもしれませんが、私はあのときも
指摘をしたことですけれ
ども、もう一遍
指摘をしておきますが、今度の印紙税の要するに引き上げ、倍の引き上げ、これも大変不公平きわまるということも申し上げました。たしかあのときも梅澤審
議官がお答えになったかと思いますけれ
ども、今度の印紙税の引き上げによってますます
中小企業の、特に金銭受取等を
発行する場合の印紙税がますます過酷になってきたわけですね。あのときもリストを、私の計算した表をお配りをして申し上げました。もう一度、きょうは通産大臣、
中小企業庁長官もお見えでありますので申し上げますと、従来の三万円以上、百円の印紙税が今度二百円になりました。
中小企業の場合の平均値というのは大体十万円です、受取書の
発行の平均値は。としますと、十万円に対する二百円の印紙税の
割合は〇・二%に当たるわけですね。まして三万円の場合には〇・六七%に当たるわけです。大変過酷な印紙税率だ、こう言わざるを得ないわけですね。だから、百万円あるいは三百万円、五百万円、一千万というふうにずっとランクがつくってありますが、全部これは〇・〇二%、これは事実そのとおりなんですね。とこみが、
中小企業が最も多く使う十万円以下の受取を
考えますと大変な高率の印紙税になっておるということですね。こういうことも、私は
中小企業政策というものが大蔵省に欠けておる、こういうふうなことを言わざるを得ない
理由の大きな
一つなんです。だから、これらもひとつお
考えいただいて、今後の中で、
財源が云々、だからやむを得ぬというふうなことでなしに、やはりそういうふうな
配慮をしてもらうことが
中小企業の活力をさらに大きくしていくために必要だということをあえて申し上げておきます。
そこで、具体的な点を二、三お伺いいたしますが、製造業の場合の機械等の設備の法定耐用年数の問題であります。この十数年前から、大体おおむね十一年が多いと思いますが、ほとんど変わっておりません。いろんな
中小企業の中で法定耐用年数の短縮の要望はずいぶんと出ております。事実、この十数年来のわが国の製造業の
実態からいくと、技術革新の時代でありますから、まあ大体製造業の設備は十年も使えるなんというものはほとんどありません。中には三年ぐらい、長いものでも六、七年でみんな更新をせざるを得ない。更新をしなければ技術革新に対応できないし、厳しい市場競争に立ち向かうことができないという
実態ですね。ところが依然として法定耐用年数は十一年
程度である。まあ中には九年というのもあるけれ
ども、大体ほとんどが十一年ですね。一向に短縮されない。ところが、従来は法定耐用年数が長いのを補完する
意味で、租税特別措置の中で、初年度特別償却であるとか、あるいは近代化等を行う業種に対する割り増し償却等があったわけですけれ
ども、ところが、一昨年あたりから優遇税制見直しという、そういう旗印の中で、
中小企業に対するそういうふうな租特もほとんど見直しをされていない、ますます圧縮をされておる、さらにまた今後も圧縮される傾向にあるやに聞いておりますけれ
ども、これらについてはどういうふうにお
考えでありますか、ひとつお答えをお願いをいたします。