○沓脱タケ子君 これは確かに
大臣もおっしゃっているように、長引いているということで
関係者はもちろんのこと、やはり国民世論の中でも、これはこのまま長引かして放置できないという立場になっておりますから、いままでの御努力も実らせていただくというために、ひとつぜひあと一押しというところ御協力を賜るようにお
願いをしておきたいと思います。
限られた時間でございますので、次に移りますが、
一つは簡単な問題ですけれ
ども、糖尿病治療のインシュリンの問題ですね。これについてちょっとお聞きをしておきたいわけです。糖尿病の治療の中でインシュリンの注射というのは非常に重要な位置を占めているというのは、これは医学
関係者だけでなく御
承知のとおりだと思います。ところがインシュリンの自己注射というのが、現在健康
保険では認められていないんですね。このインシュリンというのは、この治療というのは非常にめんどうでございまして、御
承知のように毎日一回以上の注射が必要になるわけですね。少なくとも毎日注射をしなければならないということで、これをやりますと、日曜日も祭日もなしに医者もこれに
対応しなければならない、
患者さんもこれに毎日行かなきゃならないということで、長い年月大変な負担になるわけです。国際的にもこのごろはインシュリンの自己注射、自分で注射をするということが広がってきておりますけれ
ども、現在、日本の健康
保険制度ではこれが認められていないわけですね。だから、どういうことになってきているかと言いますと、ずいぶん
医療機関も困っているわけです。
患者さんも負担が重くて困っているわけですが、実際に糖尿病
患者というのはかなり数がおりますからね。
どうなっているかというと、たとえば
医療機関は全額自費扱いとして健康
保険の請求をしない、そういうかっこうになるわけですね。請求のしようがないわけですね、いまの制度では。そうなると、これは健保法からいうと差額徴収になるわけですね。健康
保険の
患者さんで、それで他の治療は全部
保険診療をやって、糖尿病のインシュリンの治療だけが自己負担ということになると、差額徴収という形になって、これはやっぱり適法とは言えないというかっこうになるわけですね。
患者さんにしたらこれは自分の負担が、だから非常に重くなると。あるいはもう
一つは
患者さんの負担を軽くしようということで一カ月に四日ないし五日のインシュリンの注射を請求をしたり、残りの日数は、
患者さんの自己負担にしてそうして薬を渡して、自分で注射をしてもらうと、こういうやり方をしている向きもあります。そうなりますと、やっぱりこれも健康
保険法では差額徴収になるわけですね。その他ずいぶんいろいろとあるわけです。それじゃ毎日来て、毎日注射をして再診料と注射ということになると、これはまた架空請求ではなかろうかみたいなことにもなって、実際上は大変
患者の側でも困りますし、
医療機関の側でも扱いに困るというのが今日の姿になっております。
患者さんの団体である日本糖尿病協会からも
要望が
厚生大臣あてにかねてから出されているようでございます。これでも非常に切実にそのことが、
患者さんの御
要望には述べられております。実数が二百万をはるかに超えるという状態、このうちの三分の一、六、七十万はインシュリンの注射が毎日必要だと。生涯を通じて一日も欠かすことができない注射を中断するということはできないわけだ。ところが休みの日も旅行中も常時
医師の手を煩わすというのは実際問題として不可能なので、糖尿病
患者の注射に限って自己注射が世界的に進められていると。しかし、インシュリンは
医師が注射する場合は健康
保険が適用されているが、各人が各毎日注射をする場合には全額個人負担として一生継続をしなければならない。薬価負担等は大きな問題になってくるので、何とか制度として確立をしてもらいたいという
患者さんの御
要望も出ておるわけでございます。こういう簡単な問題なんですけれ
ども、実際上制度の中では大変なんです。
そこで、
大臣は大変この問題にはお詳しいように伺っておりますけれ
ども、いわゆる自己注射と言われております自分で注射をするということを、こういう限られた分野で
保険制度化をするということについてはどうなんでしょうか。学会筋でも、ほぼ糖尿病の自己注射についての
意見というのは、御見解というのはまとまってきているようでございますが、これは学会等の
意見もお聞きになって、早期に
実現をしていただくということはできないものだろうか、そういうことをちょっと御見解を伺っておきたいと思います。