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1981-02-23 第94回国会 参議院 災害対策特別委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
五十六年二月二十三日(月曜日) 午前十時開会
—————————————
委員
の
異動
一月二十九日
辞任
補欠選任
松尾
官平
君
長谷川
信君
喜屋武眞榮
君
青島
幸男
君 二月二日
辞任
補欠選任
青島
幸男
君
喜屋武眞榮
君 二月七日
辞任
補欠選任
喜屋武眞榮
君
青島
幸男
君 二月十日
辞任
補欠選任
長谷川
信君
松尾
官平
君 二月十九日
辞任
補欠選任
青島
幸男
君
喜屋武眞榮
君 二月二十日
辞任
補欠選任
谷川
寛三君
長谷川
信君 二月二十一日
辞任
補欠選任
松本
英一
君
村沢
牧君
下田
京子
君
近藤
忠孝
君
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
広田
幸一
君 理 事
熊谷
弘君
鈴木
省吾
君
鈴木
和美
君
和泉
照雄君 委 員
井上
孝君 岡部
三郎
君
古賀雷四郎
君
下条進一郎
君
長谷川
信君
安田
隆明君
村沢
牧君 鶴岡 洋君
近藤
忠孝
君
伊藤
郁男君
喜屋武眞榮
君 国務大臣 国 務 大 臣 (
国土庁長官
) 原 健
三郎
君
政府委員
国土庁長官官房
審議官
柴田
啓次
君
国土庁地方振興
局長 四柳 修君
農林水産大臣官
房審議官
矢崎 市朗君
林野庁長官
須藤 徹男君
事務局側
常任委員会専門
員 森 一衞君
説明員
人事院事務総局
給与局次長
林 博男君
警察庁刑事局捜
査第一課長
仁平 圀雄君
防衛施設庁総務
部施設調査官
窪田 稔君
科学技術庁研究
調整局生活科学
技術課長
倉持 哲士君
大蔵省主計局主
計官 保田 博君 国税庁直
税部所
得税課長
冨尾 一郎君
文部省管理局教
育施設部指導課
長
福岡純一郎
君
厚生省医務局指
導助成課長
小沢 壮六君
厚生省社会局施
設
課長
岡光
序治
君
林野庁林政部長
宮崎
武幸
君
通商産業省立地
公害局液化石油
ガス保安対策室
長 寺西大
三郎
君
資源エネルギー
庁公益事業部業
務課長
植松 敏君
資源エネルギー
庁公益事業部技
術課長
越川 文雄君
中小企業
庁小規
模企業部参事官
中尾 舜一君
運輸省鉄道監督
局国有鉄道部財
政課長
丹羽 晟君
運輸省鉄道監督
局国有鉄道部地
方交通線対策室
長 金子 史生君
運輸省鉄道監督
局国有鉄道部保
安
課長
金田幸二郎
君
気象庁予報部予
報課長
立平
良三君
気象庁予報部長
期予報課長
菊池 幸雄君
郵政省電気通信
政策局総務課技
術室長
松尾
勇二君
建設省河川局防
災課長
川合 恒孝君
建設省河川局砂
防部砂防課長
釣谷
義範君
建設省道路局企
画課長
萩原 浩君
建設省住宅局建
築
物防災対策室
長 久保 敏行君
自治大臣官房参
事官
池ノ内祐司
君
消防庁消防課長
野沢 達夫君
消防庁防災課長
森 繁一君
日本国有鉄道運
転局列車課長
小野 純朗君
日本国有鉄道施
設局保線課長
神谷 牧夫君
日本国有鉄道施
設局土木課長
村上 温君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
災害対策樹立
に関する
調査
(
派遣委員
の
報告
) (
豪雪被害対策
に関する件) (
桜島火山周辺地域
の
防災対策
に関する件) (静岡駅前
ガス爆発事故
に関する件)
—————————————
広田幸一
1
○
委員長
(
広田幸一
君) ただいまから
災害対策特別委員会
を開会いたします。 まず、
委員
の
異動
について御
報告
いたします。 去る二十日、
谷川寛
三君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
長谷川信
君が選任され、また、二十一日、
下田京子
君及び
松本英一
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
近藤忠孝
君及び
村沢牧
君がそれぞれ選任されました。
—————————————
広田幸一
2
○
委員長
(
広田幸一
君)
災害対策樹立
に関する
調査
を議題といたします。 まず、
桜島火山周辺地域
における
防災対策
の
実情調査
のための
委員派遣
について、
派遣委員
より
報告
を聴取いたします。
鈴木省吾
君。
鈴木省吾
3
○
鈴木省吾
君 去る一月十一日、十二日の両日、
広田委員長
、
和泉理事
、
田原委員
、
鈴木和美委員
、
下田委員
、
伊藤委員
、
喜屋武委員
と私、
鈴木省吾
は、
桜島火山周辺地域
における
防災対策
の
実情調査
のため、
鹿児島
県に行ってまいりました。以下、その
概要
について簡単に御
報告
をいたします。
桜島
は
鹿児島湾
の中央に浮かぶ面積約八十平方キロメートル、周囲約五十二キロメートルのほほ円形の
火山半島
で、島には
北岳
、中岳、
南岳
の三つの峰があり、そのうち
南岳
は現在も盛んに
噴火活動
を続けています。
大正
三年の大
爆発
の後、
昭和
に入って、二十一年、三十年の
爆発
を経て、四十七年ごろから
火山活動
が再び活発となり、現在に至っておりますが、
降灰
や
火山ガス
による農作物などの
被害
に加えて、
山腹
の
崩壊
・
土石流
により
農耕地
や
集落等
に大きな
被害
を与えております。昨年中の
爆発
、噴煙、
地震回数
はそれぞれ二百七十七回、四百七十二回、三万七千三百三十八回となっており、
降灰量
は一平方メートル
当たり
千三百五十六グラムとなっております。 この
桜島火山
の
防災対策
といたしましては、
治山事業
、
砂防事業
、
防災営農等農林漁業対策
、
避難施設整備事業
、
学校
・
社会福祉施設
の
降灰防除事業
、
降灰除去事業
及び
住民
の
健康調査
、
降灰
。
火山ガス等
の
調査
が進められておりますが、五十五年度の
事業費
は約七十億円で、前年度比九八・六%とのことでございます。 続いて、
治山
、
砂防事業
について申し上げます。
桜島
の
河川
はいずれも小
渓流
であり、ふだんは水のないかれ川ですが、河床の勾配は非常に急で、少量の
降雨
でも荒廃した水源で
発生
した
土砂
が、直接
下流
の
集落
や
道路
に到達するので、
砂防工事
が一層重要なものとなっております。私
ども
は
桜島民有林直轄治山事業
の行われております
金床沢
の
現地視察
をしたのでございますが、
火山活動
の
活発化
に伴う
降灰
の
堆積
で浸透に異変が生じ、
地表流下水
が増大するなどの事由により、各
渓流
の
渓床
、
渓声
は異常に浸食され、わずかな
降雨
でも容易に
土石流
が
発生
して大きな
被害
を受けております。昨年七月十三日の
集中豪雨
でも、
治山関係
で総額五億円の
被害
が
発生
し、その
災害復旧
が進められておりました。この
治山事業
は
河川
上
流谷頭部
における
土石流
の
発生
を防止し、
河川中流部
における
土石流
の
流下
を抑制し、あわせて
渓床
と
山脚
の浸食を防止するなど、
山腹崩壊
、
土石流
による
被害
を緊急に防止するため、五十一年度より国の
直轄治山事業
として総
工事費
百三十億円をもって実施されているものでありますが、その
進捗率
は五十五年度末で約三三%とのことであります。この
下流
では県の
砂防事業
も進められており、将来においては
土砂
の
流路等
も
整備
されるとのことでありました。 また、
河川
の
砂防事業
につきましては、
降灰
の異常な
堆積
と山容が変貌するほどの
山腹崩壊
のため
多量
の
土砂
が生産され、それに伴って
野尻川
を初め各
河川
に
土石流
が頻発している中で、現在、
野尻川
、
黒神
川等七
河川
において、
土石流被害
を防止するための国の
直轄事業
が進められております。私
ども
は
野尻川
、
黒神
川、
高免河原等
の
現地
を
視察
してまいりましたが、
黒神
川では
中流域
に一・五平方キロメートルの堆砂地を有しており、そこに
砂防堤
を築きまして
土砂
を貯留しております。しかし
多量
の
土砂流出
のため、十年
程度
を予想していたものが四年で
満杯状態
となり、海へ
土砂
が流出し、
火山軽石
が海に浮遊して
漁業被害
を及ぼしているとのことであります。次に、
野尻川
では、毎年二十回前後の
土石流
が
発生
し、約五十万立方メートルの
土石
が流出されるとのことで、この
土石流
を海へ安全に
流下
させるため
流路工
が設けられておりました。この
流路工
によって約三十万立方メートルの
土石
が海に流出いたしますが、約二十万立方メートルは
流路工
に
堆積
いたしますので、
流下能力
の
確保
のためたびたび
除石
の必要があり、多額の
経費
を要するとともに、
土石
捨て場の
確保
が困難で今後の課題となっております。また、
土石流
については、
大隅工事事務所
の撮影した映画、
ビデオテレビ等
も見ましてその猛威を知ったのでありますが、その
発生流下機構
は未解明の事項として残されており、今後その
解析
に努めるとともに
土石流対策
が講ぜられるよう望まれます。 以上の
治山
、
砂防事業
について、
県当局
より、
桜島地区
の
治山事業
はきわめて大
規模
でかつ緊急を要するので、
直轄事業費枠
を大幅に拡大し、五十六年度の
事業費
十四億四千四百万円を配分するよう、また
砂防事業
は
桜島北側
についても南側と同様に
直轄砂防事業
を実施し
予算枠
を拡大するよう
要望
がありました。 次に、
防災営農施設整備事業
の推進について申し上げます。
桜島
におきましては、
降灰
や
火山ガス
による
被害
を防除しながら
県民一体
となって努力しているところであります。そして五十六年度からは新たな
防災営農施設整備
三カ年
計画
が樹立され、
ビニールハウス
による
軟弱野菜
の
栽培
、
降灰
・
火山ガス被害
に対応してのミカンから
ビワ栽培
への
転換等悪条件
のもとで
農業振興
が図られております。
県当局
より、
次期計画期間
の
事業費
として、
畑作振興深層地下水調査事業費
七千八百万円、
団体営土地改良総合整備事業費
九億七千万円、
活動火山周辺地域防災営農対策事業費
四十九億七千八百万円等を
確保
されるようにとの
要望
があり、また
地元農民代表
からは、
ビニールハウス栽培
の
規模拡大
に伴う
施設費
の
助成
について十分留意されること、
ビニール更新
のための
費用
についても
助成措置
を講ぜられることとの
要望
がございました。 次に、
京都大学桜島火山観測所
におきまして、
桜島火山
の
観測
、
調査研究
の
現状等
を
視察
してまいりましたが、
噴火予知
のため
地震観測
と
地震データ
の
解析等
に重点を置き、五十五年から五十八年の間に
広域火山観測網
を
整備
して、
地殻変動
の
観測
・測定を進め、
火山活動
の
相互関連性
を
調査研究
しているとのことであります。
桜島
が活発な
噴火活動
を続けている
現状等
から、今後
観測体制
の
強化
に努めることが緊要であると痛感した次第であります。 次に、私
ども
が
桜島
を
視察
しました十二日には、
大正
三年の大
爆発
を記念して、
関係市町等
二十八
団体
の参加を得て、
桜島火山爆発総合防災訓練
が行われ、
避難訓練
を初め
各種
の
訓練
が実施されておりました。私
ども
は
松浦港
において実戦さながらの
訓練
を目の
当たり
にしまして、今後の
防災対策
に非常に役立つものがありました。島内の
避難
ごう、
避難舎
、
避難道路
、
避難港等
の
整備
もほぼ完成されておりましたが、今後とも
避難施設
の
整備
に万全を期するとともに、
緊急事態
に対処して迅速、適切な
応急対策
をとることができるように、日ごろの
訓練
が望まれるところであります。 最後に、
鹿児島
市等二市三町で構成されている
桜島火山活動対策協議会
から
桜島火山
の
防災対策
について
要望
がございましたので申し添えておきます。
要望
の第一は、
土石流対策
については、
直轄治山
・
砂防事業
の全体的な見直しと
工事費
の枠を拡大し
事業
の
促進方
を図られたい。 第二は、
降灰除去事業
の
補助率
を一律に三分の二とされたい。 第三は、
桜島周辺道路
の
整備
を促進されたい。なお、県道、早崎−
桜島
港線、仏道−
牛根線
については、
主要地方道
として位置づけられるよう御配慮願いたい。 第四は、
降灰防除指定地域
内の
畜産関係事業
については
防災営農事業
の対象とされたい。 第五は、
施設園芸
の
張りかえ防じんビニール
の
購入費
について
助成
されたい。 第六は、
指定地域
内の
公立小学校
、中
学校
及び
高等学校
の
運動場
の
散水施設
及び
散水施設用井戸掘削
に要する
経費
を
助成
されたい。 第七は、
指定地域
内の
公立
の
教育機関
の
冷房施設
及び窓、建具の
アルミサッシ化
に要する
経費
を
助成
されたい。 第八は、
教育施設
に係る
降灰防除
のための
施設整備
に要する
費用
の
補助率
を一律に三分の二とされたい。 第九は、
防災拠点
として
消防分遣隊
・
分団舎
の
堅牢化
に伴う
補助舎
の
制度化
を図られたい。 第十は、
指定地域
内の庁舎の
降灰防除施設整備事業
を
通信事業
として認められたいというものであります。 以上、簡単でございますが、
報告
を終わります。
広田幸一
4
○
委員長
(
広田幸一
君) 次に、
北陸地方
における
豪雪被害
の
実情調査
のための
委員派遣
について、
派遣委員
より
報告
を聴取いたします。
鈴木和美
君。
鈴木和美
5
○
鈴木和美
君
派遣委員
を代表して、私から今回の
北陸地方
における
豪雪被害
の
実情調査
について御
報告
いたします。 去る二月三日より五日までの三日間、
広田委員長
を初め
和泉理事
、
井上委員
、
長谷川委員
、
下田委員
、
伊藤委員
、
喜屋武委員
と私、
鈴木和美
の八名は、
新潟
、
富山
、
石川
、
福井
の
北陸
四県における
豪雪被害
の
実情調査
を行いました。 まず、
調査
の
概要
を申し上げます。 第一日の三日は、早朝、東京を出発して小出に下車して、早速マイクロバスに便乗、
表層なだれ
によって多数の
犠牲者
を出しました
新潟
県
湯之谷
村の北魚沼郡
養護老人ホーム
及び
守門
村
大倉地区
の
被災地
を
視察
するとともに、
国民宿舎
及び
生活改善センター
において
村当局
から
被災概要説明
及び
陳情
を聴取した後、
国道
十七号線の
除雪状況
を
視察
しながら
長岡
市
濁沢地すべり被災地
を
視察
、次いで
長岡市役所
において
新潟
県、
県議会
、
長岡
市などより
豪雪対策
について
概況説明
及び
要望
並びに
陳情
を聴取いたしました。 第二日の四日は、
北陸
本線を経由して
富山
に赴き、
富山県庁
において
県当局
、
県議会
などより
概況説明
及び
要望
並びに
陳情
を聴取した後、建設、
農林水産
、商工及び
教育関係
の四グループに編成して、
幹線道路
の
除排雪
、杉の
倒伏折損
、
高波農業集落センター
、
国鉄富山操車場
、
高岡銅器団地
、
高岡工芸学校
、同
養護学校
などの
状況
を
視察
するとともに、それぞれの
現地
において
概況説明
及び
陳情
を受けました。 次いで、
降雪
の中を
北陸自動車道
を経て
金沢
に入り、
石川県庁
に全員集合して
県当局
、
県議会
、
金沢
市などから
概況説明
及び
要望
並びに
陳情
を聴取いたしました。 第三日の五日は、一時的な雪捨て場に使用されている
学校
の
グラウンド
及び
国道
百五十七号線の
積雪
、
除排雪
の
状況
などを
視察
し、河内村において
石川
郡の六
カ町村
よりそれぞれ
概況説明
及び
陳情
を聴取した後、
小松市内
の
林木
の
折損状況
を
視察
したのであります。 次いで、
航空自衛隊
のヘリコプターを使用して、いまなお
隣接市町村
と自由な
交通
が
確保
されず、ほとんど
孤立状態
となっている
福井
県
和泉
村に赴き、
国道
百五十八号線の
スノーシェッド
の
崩壊状況
などを
視察
するとともに、
村当局
などから
概況説明
及び
陳情
を聴取し、
福井空港
に飛来いたしました。 また、
福井県庁
において
県当局
、
県議会
、
福井
市などよりそれぞれ
概況説明
及び
要望
並びに
陳情
を聴取して、三日間にわたる
現地調査
を経て帰京の途についたのであります。 なお、
志苫議員
、
安田譲員
、
熊谷議員
がそれぞれの
出身県
において参加されております。 以下に
調査
結果の
概要
について御
報告
申し上げます。 まず、今次の
豪雪害
をもたらした要因であります気象並びに
積雪
の
状況
を県などの
報告
により総合いたしますと、昨年の十二月二十六日、日本海と太平洋を二つの低
気圧
が発達しながら通過し、その後冬型の
気圧配置
が強まり、上空五千五百メートル
付近
にあった大陸の強い寒気が
北陸地方付近
を中心に持続的に流れ込み、停滞して記録的な
大雪
をもたらすに至ったのであります。特に十二月二十八日より三十日、一月三日より七日及び十日より十五日にかけて三波にわたって
降雪群
が続き
大雪
となり、一日
当たり
四十ないし八十センチの
降雪量
があり、一メートルを超える
地域
も出るなど、所によっては三八
豪雪
を上回る
豪雪
となったのであります。 このように今回の
豪雪
が長期間にわたる
交通
の途絶を初め多方面にわたる
被害
を生んだ理由は、弟一に
年末年始
という時期に
予想外
の
豪雪
に見舞われたこと、第二に
雪質
が例年と違い、
多量
の
水分
を含み重く、そのために
住宅
の損壊が生じ、また人力、
機械力
による
除排雪
を一層困難にしたなどの事情によるものと思われます。いずれにしても、多数のとうとい
人命
を失うとともに多大の
雪害
をもたらしました。
各種交通機関
を初め
教育
、
社会福祉関係
、
農林水産業
及び
中小企業
などに甚大な損害を与えました。また膨大な
除雪費
の支出は
地方自治体
の
財政
を極度に圧迫するものとなっております。 今回の
雪害
は時期的に見て終了したとは言えない
状況
にあります。したがって、その
被害
の全容を把握することは不可能であります。ここに
報告
する
被害額
は
視察
時において各県の示された
被害
であります。
新潟
県は約六百十六億円、
富山
県は約千百五十五億円、
石川
県は約六百億円、
福井
県は約九百八十一億円という
状況
にあります。このような激甚な
雪害
に際して各
県市町村
はいち早く
豪雪対策本部
または
雪害対策本部
を設置し、その
対策
に
全力
を挙げているところでありますが、まだ冬期半ばであること、
融雪期
における
災害
の危険も予想されるなど、その
被害
はさらに増大するものと思料されるところであります。 次に、各県下において寄せられた
要望
と
現地
の
視察調査
を通じて痛感いたしました幾つかの点について申し上げます。 第一に、
さき
にも申し上げましたが、
豪雪
による
被害
は
調査
が進むに従って膨大な額に達することが見込まれることから、
激甚災害
に対処するための特別の
財政援助等
に関する法律の規定により、
激甚災害
として指定するよう早急なる検討を求めるものであります。 第二に、異常な
豪雪
に伴う
住家
の
除雪
問題などであります。今国会に提出されている
所得税法改正法案
によれば、雪おろしの
費用
について
減免措置
の
改善
が図られることになっておりますが、とりわけ
老人
及び
母子家庭
などにあっては
除雪作業
はきわめて困難な環境にあります。
作業員
を雇うと、日当が一人一万円から一万五千円、所によっては二万円という
状況
であります。自治体によってはこれら
家庭
に
給付金
を決めたところもあり、また職員、
消防団
などの
協力体制
をとっておりますが、これら
弱者
に対する保護と
個人負担
を軽減するための
措置
が必要であります。また
老人
、
母子家庭
などにおける
除雪
のための
保安要員
の
確保
などを強く希望するところであります。 第三に、
道路
の
除雪
及び
防雪施設
の問題であります。各県とも
降雪期
に
当たり
、十二月初めにはそれぞれ
管理道路
の
除雪計画
を定めてその
体制整備
を行っているのであります。このため
幹線道路
は
大型除雪機械
による
機動力
と消
雪パイプ
、
流雪溝
などによる
防雪施設
の補完によって一応の
交通
は
確保
されておりますが、
なだれ
の危険及び
スノーシェッド
の
崩壊
などによって
交通
の
規制
及び不能が生じている個所もあり、
福井
県
和泉
村のごときはその
対策
が急がれるところであります。 また、
除雪機動力
の阻害となったと言われるとか雪をかぶったまま
道路
上に放置された
自動車
の
保管責任
の
規制強化
並びに現在
金沢
市の小・中
学校
の
グラウンド
に
堆積
されている大量の雪については
融雪期
を待つことなく早い機会に
排雪
に努めることが重要であります。現在軒先まである
積雪
は
生活
上衛生上きわめて不健全であります。特に
市町村
の
生活道路
及び
細街路
については一刻も早く
除雪
に努めるべきであり、その
対策
を講ずる必要があります。 なお、
地方自治体
の強い
要望
でもあり、
道路交通
の
実情
から見ましても、
道路
の拡幅、
除雪機械
の
充実整備
に対する
補助
の増額、
除雪機械オペレーター
の
確保
、消
雪施設
の
整備
などが
豪雪地帯
における重要な
対策
であります。 第四に、
国鉄各線
の早急な
機能回復
であります。
北陸
、上越、
信越各線
の特急、急行の運休が相次ぎ、
年末年始
の
需要期
には相当の混乱が生ずるとともに、
富山操車場
の
機能停止
を見たのであります。このため
自衛隊
の応援を求め、また
ラッセル車
、
ロータリー車
などの
機動力
に
全力
を挙げたにもかかわらず、今冬の
異常降雪
に対しては現有の
除雪車両
、設備では対応し切れず、沿線の
宅地化
により
機械除雪
に制約を受けたこと並びに
除雪協力会員
の
確保
も特に
年末年始
に当たって十分でなく、
除雪力
が弱かったとしております。 特に越美北線の不通は長期間にわたっており、この二月一日に越前大野まで開通したのにすぎません。このため
孤立化状態
にある
和泉
村への
緊急物資
は勝原−九頭竜湖間でモーターカーによって輸送する
状況
にあります。本線は
住民生活
上必要不可欠な唯一の路線であって、その
運行確保
のため万全の
対策
を望むものであります。 今後、
豪雪
時における
恒久対策
は、今回の隘路となった諸点を十分に検討して、その上で
機動力
の
充実整備
など抜本的な
改善対策
を講ずるべきであると考えます。 第五に、
林木
の折損問題であります。
さき
にも申し述べましたが、ことしの
雪質
は
水分
を多く含み、比重が通常の二倍と重く、しかもどか雪により、
林業者
が長年手がけて丹念に育ててきた二十年生、三十年生の
林木
が、
視察調査
いたしました
小松市原
町ではその三〇%
程度
の
被害
を受けておりました。この湿雪による
林木
の
冠雪害
について
福井
県では、その
被害額
は百四十四億円を超えるものと見ております。この激甚な
被害
は
林業者
の
生産意欲
を失わせかねないと言われており、この際特別の
補助措置
を強く希望するものであります。 第六に、
なだれ
及び
地すべり対策
の問題であります。今回
視察調査
を行いました
湯之谷
村及び
守門
村の
なだれ
につきましては、深夜の全く一瞬のことで、多くのとうとい
人命
が失われたのでありますが、現在四・五メートルを超える深雪をかぶり、
なだれ
に対する
対策
が講じられる
状況
にないようであります。特に
守門
村の場合は
規模
が大きく
なだれ
危険による
避難者
は七
集落
、四十六世帯、百八十九人に達しており、不安の中に
避難
を続けているのが現状であります。本格的な
降雪期
、
融雪期
を迎えるに
当たり
、十分に監視を行い、
なだれ
防止に対する抜本的な
対策
を講ずることが緊要であります。 次いで、
長岡
市濁沢の地すべりでありますが、三・六メートルを超える
積雪
で、その
被害
の全容は容易に把握できませんが、
避難
誘導が適切であったため人的な
被害
がなかったことは非常に幸いであったと思います。地すべり
規模
は面積九ヘクタール、九十万立方メートルの土量が動いたと推定されており、被災世帯は二十世帯でありますが、現在
避難
されているのは二十四世帯、八十五人であり、一都市営
住宅
などに入居されております。また、すでに緊急処置として埋塞された太田川の流水処理などが行われたほか、
融雪期
までに本格的な仮排水路を開削して
被害
の拡大を防止することにし、抜本的な工事は融雪を待って
調査
を行い、全体
計画
を決定した上で実施することになるでありましょう。要は、まず
災害復旧
事業
及び緊急
地すべり対策
事業
によりすべり面の防止に
全力
を挙げて取り組むことが重要であります。 第七に、地方
財政
関係の問題であります。県及び
市町村
においては、
豪雪対策本部
及び
雪害対策本部
を設置して
全力
を挙げてこの
豪雪
に対処しておりますが、
道路
を初め
教育
、社会福祉などの公共施設の
除雪費
、あるいは
生活
必需品の輸送
確保
など、今回の
豪雪害
に要した
費用
は莫大な額になるものと予想されています。
新潟
県を例にとりますと、
除雪機械
の出動数は一月三十日現在においてすでに五十四年度を上回っており、また
道路
の
除雪費
としての予算計上額二十億余万円をすでに一月二十四日現在において上回ること一億五千万円を執行したとしておりますほか、
富山
県においても知事専決で八億円の支出を決めたと言われております。このような
状況
から
地方自治体
においては、特別交付税の増額、
市町村
道の
除雪費
に対する
補助措置
、公共施設に対する
補助
などを強く
要望
しておりますが、これらの特別
措置
について検討の上、速やかに講ずる必要があると存じます。 次に、各県からの
要望
事項中、その主要なものについて申し上げます。 緊急
対策
として、 一、
激甚災害
の指定について 二、異常
豪雪
に伴う特別交付税の増額配分について 三、
市町村
道
除雪費
に対する特別
補助措置
について 四、
中小企業
に対する金融
措置
について 五、
農林水産業
に対する
助成措置
(
林木
の
倒伏折損
被害
に対する救済を含む。)について 六、国鉄輸送の
確保
について 七、濁沢地区地すべり
災害復旧
事業
についてであります。
恒久対策
といたしましては、 一、
豪雪地帯
における
地すべり対策
事業
の促進について 二、
なだれ
対策
事業
の促進について 三、防災のための集団移転促進
事業
について 四、雪に関する総合的な
調査研究
の推進について 五、無雪町づくりについて 六、
積雪
時の
交通
確保
について 七、
積雪
地域
における税
財政
制度などの
改善
についてその他多くの
要望
がありますが、ここでは省略させていただきます。 以上が
現地調査
の結果であります。 特にこの際考慮すべきことは、このような
豪雪
は
融雪期
になると融雪
なだれ
、地すべり、あるいは洪水などによる
被害
の
発生
する危険があります。また異常
積雪
のため局地的な
表層なだれ
、あるいは全層
なだれ
となるおそれも多分にあるということであり、現にとうとい
人命
を失っているところであります。これが他の
災害
と異なるところであり、また期間が長期にわたるということであります。
融雪期
を終わるまで警戒を要し、万全の
対策
を講ずる必要があります。
北陸地方
は毎日が雪との闘いであり、しかも一年のうちその三分の一ないしは四分の一の長い期間が雪にかぶり、いかにしてこれを克服するか大きな問題であります。同時に
積雪
地域
の民生の安定と
地域
格差の解消こそ政治の課題であると痛感いたした次第であります。 最後に、本
調査
に当たって御協力を賜りました
新潟
、
富山
、
石川
、
福井
の各県を初め地元関係者の方々に深く謝意を表しまして
報告
といたします。 なお、各県、各
市町村
から寄せられた詳細な
要望
事項などについて、これを本日の
委員
会会議録の末尾に参照として掲載していただきますよう
委員長
にお願いいたしまして
報告
を終わる次第であります。
広田幸一
6
○
委員長
(
広田幸一
君) ただいまの
要望
事項等につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
広田幸一
7
○
委員長
(
広田幸一
君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 以上で
派遣委員
の
報告
聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
鈴木省吾
8
○
鈴木省吾
君 昨年暮れから本年の初めに
当たり
ましての
豪雪
につきましては、まず、政府は早速閣議で御決定になられまして、一月九日、
昭和
五十六年度
豪雪対策本部
を設置されまして、本部長であります原長官みずから
現地
に数回出向かれまして
実情調査
をしていただいて、さらにまた二月四日には当面の緊急な
対策
事項あるいはまた恒久的な
対策
事項等、これまた閣議決定をしていただいて着々実施をしていただいております。まずもって敬意を表しておく次第でございます。 わが党におきましても、早速
豪雪対策本部
を設置いたしまして、
調査
団を派遣し各地方の
実情
を
調査
し、また
要望
等を聴取してまいりました。緊急に実施すべき事項あるいはこれから検討すべき事項等を決定いたしましてそれぞれ政府に
要望
いたし、また実施を強く要請をいたしておるような次第でございますが、ただいま配付されました「十二月中旬からの
豪雪
等による
災害
」の
報告
を見ますと、前回の二月十二日現在で死者が九十二人でありましたけれ
ども
、今回配付されましたこの
報告
書を見ますと、二月二十一日現在百六名とさらに死者がふえておるような
報告
でございます。死者一つをとってもかような
状況
でありますから、恐らく
被害
も判明するに従って大きいものになっているであろうと思います。 実は、私全般についていろいろ質問を申し上げるつもりでございますけれ
ども
、時間が限られておりますので一間一答式にやってまいりますので、どうぞひとつ簡潔にお答えを願います。 まず、この死者の百六名という数字は、その原因、態様はどうでありますか、
なだれ
であるとか、あるいは雪おろしの
被害
であるとか、そういう類別にいたしますとどうなりますか。
柴田啓次
9
○
政府委員
(柴田
啓次
君) 死者百六名の原因別内訳でございますが、雪おろし中転落した方が二十四人、それから屋根雪等の落下の下敷きになった方が十九名、それから
なだれ
による家屋倒壊等による者が十九名、
除排雪
中に川に転落した者が十一名、その他いろいろな原因の者が三十三名でございまして、百六名ということになっております。
鈴木省吾
10
○
鈴木省吾
君 死者に弔慰金を出しておりますね。
災害
弔慰金の支給及び
災害
援護資金の貸付けに関する法律ということで弔慰金の支給並びに援護資金の貸し付けをいたしておりますけれ
ども
、それを見ますると、弔慰金は二百万円、それから援護資金は住居の全体が損失もしくは流出したときは百三十万円というようなことでありますけれ
ども
、わが党でも各地に参りまして
要望
を聞きますと、死者に対する二百万円というものは少ないんじゃないかと。これを決定した時期はもう前でありますから、現在の物価水準、あるいはまた
各種
の弔慰金の制度がいろいろあるようでございますが、その制度とも関連して考えますと二百万円は少ないんじゃないかと、こういう意見が強いわけでございます。党としましても、これはもっと増額すべきではないか、さらにまたこの援護資金も百三十万円というのでは十分な再建ができないんじゃないかと、こういうような意見があるわけでございますけれ
ども
、現在政府においてはそういう点について御検討されておりますかどうですか、お伺いをいたしたいと思います。
岡光序治
11
○
説明員
(
岡光
序治
君)
災害
弔慰金と
災害
援護資金の額の引き上げの件でございますが、非常に御
要望
も強いことにもかんがみまして前向きにいま検討をしております。 先生御指摘のとおり、現在の水準を定めておりますのが五十三年の六月でございますので、それ以降の国民
生活
の動向であるとか、それから他の類似の制度との均衡であるとか、それからもちろんこの金額の引き上げは法律で改正をしなければなりませんので、国会の御判断とか、そういったものを総合的に踏まえながら私
ども
あわせて検討していきたい、そんなふうに考えております。
鈴木省吾
12
○
鈴木省吾
君 弔慰金の方は法律ですね、それから援護資金の方は政令ですか、これは前向きというようなお話がございましたが、法律改正までしてもやる意思だというふうに了解してよろしゅうございますね。
岡光序治
13
○
説明員
(
岡光
序治
君) 先生おっしゃいましたとおり、弔慰金の方は、法律で金額を決めておりますので、法律を改正して変えていただかなければならないわけでございます。
鈴木省吾
14
○
鈴木省吾
君 それはわかっているんですけれ
ども
、やる方針がどうかをお尋ねしたんですが、これはこの
程度
にしておきましょう。そうするものと私は理解して、これ以上あなたにあれしても、大臣でもありませんから申し上げません。 次に、死者の原因になりました
なだれ
等が大分起きておるわけでございます。
守門
村その他の地点で、ただいまも御
報告
のように、大変
なだれ
等による死者が出ておりますが、これについて集団移転をしたい、こういうような地区もあるわけです。もうここは危険だからこれ以上もうおられない、集団移転したいと。その場合に、これもまた法律によりますと、十戸以上の場合は政府がいろいろ御援助を願うことになっておりますが、十戸以下ではそういう制度がないように思いますけれ
ども
、これも十戸じゃどうだろう。
なだれ
に遭うようなところは山村過疎地帯ですから、必ずしも十戸とまとまっておらない。あるいは七戸とか五戸とか、こういうようなところもあるわけでございますが、そういうところには救済の手が及ばないということになりますと、これもまた法律等を改正していただいて、もっと緩和していただいたらどうかと、こういう意見が多いのでありますけれ
ども
、この点についてはどうですか。
四柳修
15
○
政府委員
(四柳修君) いま御指摘の点でございますけれ
ども
、現行制度では、たとえばA部落で三戸、それからBという部落で五戸、いろいろ各部落ごとに危険な
住宅
がございます。それらを集めまして新しくCという団地をつくりますときに、そのCという団地が、公共的な施設の
整備
も必要でございますから、十戸という基準の単位でございまして、それからもう一つ、私
ども
の方の所管でなくて建設省の方の所管で、がけ地近接の場合には十戸未満でも特別に危険なところはお手伝いしていると、そういう仕組みでございます。
鈴木省吾
16
○
鈴木省吾
君 そうすると、新しく行ったところが十戸ぐらいまとまればよろしい、出てくるところは三戸、五戸であってもよろしいと、こういうことですな。
四柳修
17
○
政府委員
(四柳修君) 結局、お尋ねの場合に、たとえばいまの例で申し上げますと、Aという部落の中で、ここの地区は非常に危険である、そこの地区は全部動いてもらわなくちゃ困る、そこで一戸、二戸残っちゃうと困るわけです。そういう形で
市町村
の方で危険地区を部落ごとに御指定いただきまして、その危険地区の中にある
住宅
の方々が全部移転していただきまして、移転した先に、先ほどの例で言えばCという地区に十戸以上の
集落
をつくればよろしいという形になります。
鈴木省吾
18
○
鈴木省吾
君 この点も実はもっと議論したいのでありますけれ
ども
、時間が限られておりますのでやめますけれど、どうぞひとつ弾力的に運用していただきまして、
現地
の皆さんの御
要望
に沿えるようにひとつお願いをしたいと思います。 それから、何と申しましても、
豪雪
時におきます
地域
住民
の問題は
交通
問題だと思います。それにつきましても、ことし、今回の
豪雪
は、国鉄にいたしましても、あるいはまた
道路
の
交通
にいたしましても、
交通
がとまり
地域
住民
が非常に心配をされたのでありますけれ
ども
、今回の
豪雪
というのは例年よりはなはだしく異なっていたという条件があるんですか、どうですか。気象庁の方からまず御説明を賜りたいと思います。
立平良三
19
○
説明員
(
立平
良三君) ことしの冬の
積雪
の
状況
は、局地的に見ますと、三十八年の
豪雪
を上回るような量になっております。
北陸地方
、それから東北地方の南部では、いままでの
積雪
の記録を破るというふうなところも何カ所か出ております。こういうふうな
状況
でございますから、その辺の局地的な
地域
につきましては、非常に異常な雪が降ったんだというふうに解釈してよろしいかと考えております。
鈴木省吾
20
○
鈴木省吾
君 そのぐらいのことはわかっているんですけれど、もっと本当は数字的に具体的に知りたかったんですけれど、これもまた時間がありませんので次に進みます。 まず、国鉄はどの線で何日間、どのぐらいとまったか、まずそれを
報告
していただきたいと思います。
小野純朗
21
○
説明員
(小野純朗君) お答えいたします。 このたびの
雪害
で利用者の皆様に大変御迷惑をかけておりますことを深くおわびいたします。 まず幹線から申しますと、
北陸
線がほほ不通になりましたのが延べ七日間でございます。それから上越線が同じく二日間、それから信越線が三日間、それから高山線が二十日間でございます。 それから支線関係では、これはまる一日以上不通になった日の累計でございますが、越美北線が四十日、越美南線が二十二日、大糸線が二日、飯山線が二十四日、それから只見線が三十五日と、このようになっております。
鈴木省吾
22
○
鈴木省吾
君 今日でも不通になっておる個所はどうですか。現在でも不通になっておるところは。
小野純朗
23
○
説明員
(小野純朗君) 現時点ではございません。
鈴木省吾
24
○
鈴木省吾
君 国鉄はちょっとしたことでもすぐ汽車がとまるんですな。私は東北線によく乗るんですけれ
ども
、ちょっと風が吹いても汽車がとまる。この間十二月の
豪雪
では何日ですか、一日じゃきかなかったと思いますがね。主要幹線でありながらそういうふうにとまってしまうということになりますと、平素からそういったものに対する対応が不十分じゃないんですか、そう思いませんか。
神谷牧夫
25
○
説明員
(神谷牧夫君) お答えいたします。 先生御指摘の年末の東北線の事故でございますが、これは東北電力の送電塔が線路の上に落ちてきたというようなことで、いわばもらい事故というぐあいに感じたわけでございますが、御指摘のとおり雪、それから風、面と、自然の中でいろんな障害を受けつつ輸送をやっておるわけでございますが、御指摘のようにまだ十分じゃない点も多々あると思いますので、今後ともひとつそういった
災害
対策
に十分意を払っていきたいと考えております。
鈴木省吾
26
○
鈴木省吾
君 いま東北線の例を出しました。私は東北線と言ったからあれだったかもしれませんけれ
ども
、
北陸
の方も七日もとまっているわけですね。例年こんなにとまりますか。
神谷牧夫
27
○
説明員
(神谷牧夫君) 御質問の
北陸
線に関して申し上げますと、三十八年の
豪雪
のときに十六日間の不通がございました。以降、
北陸
線に関しましてはほとんど不通といった現象は起きておりません。ことしの七日が三十八年以来の不通期間の長記録と思われます。
鈴木省吾
28
○
鈴木省吾
君 雪も三十八年以来だから汽車のとまったのも三十八年以来、こういうことの説明のようで、先ほどの気象庁の説明を聞いても、雪も何か三十八年以来の雲と、こういうような説明ですから符節を合わせたようなものでございますけれ
ども
、いずれにしましても、
住民
が最も期待をいたしておる国鉄でありますから、そういう
豪雪
でも一日も早く再開できるように今後いろいろな点で検討していただきたいと思います。 次に、
道路
の問題に移ります。 主要
幹線道路
ではこの間どのくらい
交通
不能になりましたか。路線名、日数等をひとつお知らせをいただきたいと思います。
萩原浩
29
○
説明員
(萩原浩君) 今冬の
豪雪
におきます
幹線道路
の
交通
確保
につきましては、日常物資の輸送に支障ないよう非常に努力をいたしましてその
確保
に努めてまいりました。しかし残念ながら、
なだれ
のおそれであるとか、
なだれ
の
発生
、さらには高速
自動車
国道
等におきます
交通
事故のために、一部において
交通
どめの
交通
規制
を行わざるを得ませんでした。統計によりますと、名神高速
道路
を初めといたしまして、高速
道路
につきましては九路線、十五カ所、延べで四百六十八時間。また直轄
国道
におきましては、
国道
八号等十四路線、五十九カ所、延べ九百六十九時間の
交通
どめを行っております。高速
道路
におきます四百六十八時間の延べ時間のうち十二時間以上
交通
をとめてしまったという事態が九回ございます。東北
自動車
道で一回、名神高速
道路
で一回、
北陸自動車道
で三回、中国
自動車
道で四回の九回でございます。
鈴木省吾
30
○
鈴木省吾
君
道路
関係は大変御努力されております。その点私もよく承知をいたしておりますが、地方においても、
幹線道路
でさようでありますから、地方道、県道あるいはまた
市町村
道、こういう
道路
におきましては、これは大変な苦労をいたしたわけでございます。先ほどの
視察
団の
報告
にもございましたが、各地において大変な
経費
等も要しておるわけでございますが、県道なりあるいは
市町村
道、こういう
除雪費
に対する
対策
というものは建設省なりあるいは自治省、どういうふうな
対策
をとっておりますか伺いたいと思います。
池ノ内祐司
31
○
説明員
(
池ノ内祐司
君) 自治省の所管の件につきまして御説明申し上げます。 御案内のように、通常の年の
除排雪
経費
につきましては普通交付税で
措置
しておりまして、今年度のような異常
豪雪
の場合には普通交付税を上回る分につきまして特別交付税で
措置
する予定にしております。 今年度の特別交付税の総額でございますが、これも御案内のとおり、昨年冷害などがございまして非常に
財政
需要が多端でございましたので、五十五年度の補正予算の関連におきまして二百四十四億円の増加をお願いしておるところでございます。 そういうことで、現在との税度の額になるか明らかではございませんけれ
ども
、ただいま申し上げました総額の範囲内におきましてできるだけ枠を
確保
いたしまして関係地方公共
団体
の方に配分をしたいということでいま準備を進めておるところでございます。
鈴木省吾
32
○
鈴木省吾
君 特交は本年は五千億ですな。そのうちこの間補正で、ただいま御
報告
のように二百四十四億を補正したということでありますけれ
ども
、平素でもこの特交は全国にばらまくわけです。特に昨年は東北等は未曾有の冷害であります。それに対する特交も
要望
いたしておりますから、恐らくこういうものも御考慮されているでありましょう。そうなりますと、今度はまた
除雪費
がいままでの三倍、五倍とかかっておる
県市町村
に対して、この特交で本年度の枠で貯えますか。見通しはどうですか。
池ノ内祐司
33
○
説明員
(
池ノ内祐司
君) ただいま御説明申し上げましたように、自治省といたしましてはできるだけ枠内で努力をしたいというふうに考えております。 ただし、いま御指摘ございましたように
除排雪
経費
が非常に著しく多額になるんではないかと、こういうことでございまして、これは後ほど建設省の方からお話があるのかもしれませんけれ
ども
、五十一年度の例によりまして国の予備費を支出していただきまして、
市町村
道の
除雪費
の
補助
をしていただいた例がございます。そういう例もございますので、特別の国庫
補助
制度も必要なのではないかというふうに私
ども
考えておりますので、そういうことで関係各省庁に要請をしておるところでございます。
鈴木省吾
34
○
鈴木省吾
君 それでは建設省。 自治省では恐らく賄い切れないと思います。予備費を支出してもらわなきゃならない。それについての建設省の考え方、現在までの対応の状態、御
報告
を願います。
萩原浩
35
○
説明員
(萩原浩君) ただいま自治省さんの方からお答えいただきましたように、通常の年でございますと、普通交付税、特別交付税で処置ということでございますが、去る五十一年度の
豪雪
のときには、臨時特別の
措置
といたしまして、幹線
市町村
道の
除雪
に対しまして予備費を支出していただいたという事例がございます。今冬の
豪雪
におきましても、そのような
措置
に準じた
措置
を講ずるという方向で現在関係省庁と協議をいたしているところでございます。
鈴木省吾
36
○
鈴木省吾
君 大体わが党として
要望
している線に沿っていただいておるようでございます。しかし五十一年度よりさらに多額な金額を要するんじゃないかと思いますので、どうぞひとつ予備費の支出を——大蔵等のいろいろな交渉があるでありましょう、各地が大いに満足するような金額を獲得していただきますように
要望
しておきます。 また、国土庁においても、大臣からもひとつ所信を伺いたいと思います。
原健三郎
37
○国務大臣(原健
三郎
君) いま
鈴木
先生から御質問ありました、一般交付税、特別交付税において賄い切れない幹線
市町村
道の
除雪費
その他につきましては、これは政府の
災害
対策
本部におきましても、不足分は予備費をもってひとつ対処しようと、こういうことに決まっておりますから、よろしくどうぞ。
鈴木省吾
38
○
鈴木省吾
君 どうぞひとつ一段の御努力を要請しておきます。 次に、この
豪雪地帯
、
豪雪
時に心配になりますのは通信であろうと思います。そういう点で電話の不通はなかったか、あったならば、どの地帯で何日ぐらいだったか御
報告
を願いたいと思います。
松尾勇二
39
○
説明員
(
松尾
勇二君) お答えいたします。 今回の
豪雪
によります加入電話の
被害
は、東北地方、
北陸地方
、信越地方、東海地方、東海地方は岐阜県の北部だけでございますが、こういう地方に及んでおりまして、現在私
ども
の方でまとめております延べの
被害
件数で申し上げますと、東北地方で二万二千七百件、
北陸地方
で三万二千五百二十件、信越地方で二万七百三十件、東海地方で二千件ということでございまして、合わせますと七万七千九百五十件という数になっております。この管内の加入電話の数は三百九十四万加入でございますので、被障害率といいますか、率で考えますと約二%ぐらいがこの期間に
被害
に遭っておるということでございます。 その
被害
状況
でございますが、この
被害
状況
は、家の近くで電柱から電話線を引き込んでおりますが、その引き込み部分の障害がほとんどでございまして、
地域
全体が、電話局全体が機能を停止したというような事例は一件もございません。 で、復旧
状況
でございますが、
被害
が
発生
する都度保守要員が出動しまして回復に
当たり
ました結果、
被害
が
発生
した当日もしくは遅くとも翌日にほとんどが回復しておるということでございます。 以上でございます。
鈴木省吾
40
○
鈴木省吾
君 どうま
被害
の復旧が非常に早急にいったようで、本当に御苦労さまでありました。 つきましては、電気、これもまた一時間も国民
生活
にはもう欠かせない状態になっております。しかもまだ、先ほど国鉄からの御
報告
もありましたが、国鉄にも影響を及ぼしたと、こういうことでございますけれ
ども
、停電した区域、時間、そういうものに対する御
報告
をお願いいたします。
越川文雄
41
○
説明員
(越川文雄君) 今回の
豪雪
に際しまして、電力関係いろいろと皆様方に御迷惑をおかけいたしましたことを改めておわび申し上げます。 昨年末から本年にかけて
被害
がございました
状況
でございますが、まず東北電力関係。昨年十二月二十四日未明から福島県、宮城県を中心にいたしまして停電が
発生
いたしました。最大の停電戸数で約六十一万戸でございます。東北電力では他の電力会社等からの応援を受けまして復旧に
当たり
ました結果、二十七日には大部分復旧ができました。 なお、主な設備
被害
でございますが、送電線の支持物の倒壊等が百三十七基、配電線の支持物の倒壊等が約一万二千本などとなっております。が、すでに送電線の一部を除きまして復旧を終えております。なお、送電線が復旧しておりませんところにつきましても、別途のルートをもちまして供給は
確保
できでございます。 それから
北陸
電力関係でございますが、昨年末以降、
北陸地方
の
豪雪
によりまして送配電系統に
被害
が断続的に
発生
いたしております。そのため電力会社といたしましても最善の努力をしてまいったわけでございまして、その結果停電の
被害
はそれほど拡大せずに済んでおるということでございます。 なお、主な設備
被害
でございますが、送電線の支持物の倒壊等が十一基でございます。それから配電線の支持物の倒壊等が約七百本となっております。 そのほか北海道電力、あるいは中部電力、また中国電力におきましても、
雪害
によりまして若干設備
被害
が出、あるいは停電が
発生
いたしまして、需要家に御迷惑をおかけしているケースもございます。が、しかしそれらの電力会社については、それほど例年に比べて大きなものにはなってございません。 以上でございます。
鈴木省吾
42
○
鈴木省吾
君 私は東北電力の送電線の倒壊したところを見てまいりましたが、こんな大きな鉄塔が倒れている。そしてその近辺は五日ぐらい停電をしたんです。しかも本当に寒冷の真っただ中で、各
家庭
は暖房もあるいは食事もその他
生活
一切
被害
を受けて大変な不安に襲われたわけです。恐らくこの東京近辺ならば暴動まで起きたんではないかと思うような五日間も停電をしたんですがね。ただいま聞きますと、雪の多い
北陸
の方はああいう倒壊が十一基ぐらいしかなくて、東北の方に百三十七基もあったと。しかもまだ送電線、配電線のホールドのあれね、あれもまた
北陸
の方は七百ぐらいで、東北、福島、宮城の方が千二百ということを考えますると、何かああいうものをつくる場合の基準というものが間違っていたんでないかと思うんですけれ
ども
、その点はあるいはまた手抜き工事でもやったかどうか。通産省はきちんと基準というものを決めて監督しているんでしょうね、どうですか。
越川文雄
43
○
説明員
(越川文雄君) まず、電気
事業
法によりまして技術基準を定めておりまして、そこにおきましては、電線の強度であるとか、あるいは鉄塔の各部材の強度であるとか、あるいは基礎の強度であるとか、そういったようなことにつきましても決めてございます。
鈴木省吾
44
○
鈴木省吾
君 そういう基準には合っていたというふうにおっしゃるとするならば、これは何年かに一回の雪がとも思いますけれ
ども
、しかし何年かに一回は来るわけですから、その基準を見直してもらわなきゃならぬと思います。その意思はありますか。
越川文雄
45
○
説明員
(越川文雄君) 今回の事故につきましては、私
ども
といたしましても予想もしておらなかったというのが
実情
でございますが、少なくともその事故の原因の究明及び今後の
対策
ということにつきましては、本年早々に官・学・民で協力して検討を急いでおるというところでございます。それによりまして事故原因の究明等が進みました段階で、先生御指摘のような点も含めて考えていかなければならないだろうと思っております。
鈴木省吾
46
○
鈴木省吾
君 早急に検討してください。 時間がありませんから前に進みますが、それにしましても、短いので二日間、長いところで五日間——私は一週間なんということも聞いていたんですけれ
ども
、一週間はないのかもしれませんが、五日はあります。五日間も停電していたということは、一体何してたんですか、その点。
越川文雄
47
○
説明員
(越川文雄君) お答え申し上げます。 まず電力会社でございますが、今回の
豪雪
が
発生
いたしました際に、速やかに社長を本部長といたします非常
災害
対策
本部を社内に設置いたしました。それによりまして機材であるとか資材の緊急手配、あるいは需要家へのPR、また私
ども
の方の要請にもこたえまして他の電力会社への応援要請等、所要の
対策
を鋭意講じたところでございますけれ
ども
、今回予想以上に
被害
が広範囲にわたったこと、また
豪雪
が断続的に続いておったというようなこと、あるいは特にこの
地域
におきましては
道路
に放置車両がかなりの
程度
あったというようなこと等によります
交通
渋滞等、そういったようなことで大型の復旧機材なんかの運搬も思うようにいかなかったということ等々、いろいろな悪条件が重なったということでございますが、大部分復旧いたしましたのは、先ほどお答え申し上げましたようなことで、二十七日であったということでございます。 なお、私
ども
当省といたしましては、今回の経験等も踏まえまして。電力会社に対し必要に応じ
災害復旧
体制に対する指導ということもさらに
強化
していきたいと思っております。
鈴木省吾
48
○
鈴木省吾
君 大体私は、極端なことを言うと、経営者なりあるいは会社自体が
災害
に対して十分な認識なり体制を整えておかなかったんではないかと、こういうふうに極論したい。
災害
基本法によりますと、政府なりあるいは地方公共
団体
、さらにまた公共機関、公益
団体
等、こういうものは
災害
のために万全の
対策
を立てておかなきゃならないと基本法に定めてありますけれ
ども
、電力会社、東北電力はこの
災害
基本法に言いますところの第二条の指定公共機関——日本専売公社とかいろいろ書いてありまして、その末尾に、「他の公共的機関及び電気、ガス、輸送、通信その他の公益的
事業
を営む法人で、内閣総理大臣が指定」したものはこの基本法に沿ったいろんな
計画
、体制を整えておかなきゃならないと規定しておりますけれ
ども
、東北電力はこの総理大臣の指定した
団体
になっておりますか。
越川文雄
49
○
説明員
(越川文雄君) 東北電力もその指定の対象になってございまして、基本法に基づきます防災業務
計画
も立て、また電気
事業
法に基づきます保安規程にも規定を設けておるわけでございます。さらに社内的にはそういった国の定めに基づくものをさらに細分化いたしまして、社内規程あるいは実施要領等も
整備
しておるということで、また毎年
災害
に対しての
訓練
も行ってきておるわけでございます。
鈴木省吾
50
○
鈴木省吾
君 私は、時間がありませんから、この問題はこれでは終わりません、いずれまた機会を見て徹底的に究明してまいりたいと思います。 そこで、五日も六日も停電したのに対して、電気需要者に対する補償といいますか、そういうものはどうなっておりますか。
植松敏
51
○
説明員
(植松敏君) 先生御案内のとおり、電気の需給契約の条件と申しますのは、電気供給規程、各社が定めます供給規程で定められておりますが、今回のような非常変災等でやむなく中止を、停電をする場合がございます。あらかじめ供給規程で、非常変災等の場合には中止をすることがあるということと、その場合の料金の取り扱い及び需要家の方が停電によりまして受けました損害の賠償責任の所在というものを明らかにしてございます。 損害賠償につきましては、その停電が電力会社の責めによらない事由で
発生
した場合につきましては、需要家が受けました損害については賠償責任は免責であるということが明記されてございまして、したがいまして今回のようなケースについてはなかなかむずかしいと、こういうことでございます。
鈴木省吾
52
○
鈴木省吾
君 賠償は免責かもしれませんが、新聞によりますと、一日何円か、四十円とか五十円の料金だけ差し引いてやるなんというようなあれなんだそうですが、大体供給規程なんて需要者は見て電気を供給してもらっているわけではないからわからない。一方的だよ。そういう点もひとつこれから見直していただけますか。
植松敏
53
○
説明員
(植松敏君) 供給規程につきましては、これは普通の契約条款でございますので、それぞれ各営業所等の見やすい場所に掲げまして、需要家さんがみんなそれぞれ契約条件というものがわかりますようにということで、それを義務づけておりますが、そのほかに今回のようなケース、現実問題としましては、一般需要家は電気供給規程まではごらんにならないというのが実態でございますので、東北電力の方では、いま先生御指摘の新聞に、全国紙の地方版あるいは地方紙にそれぞれ本件料金の割引の制度の中身につきまして告知をいたしまして、謝罪及び告知をいたしてございます。 それから料金の割引につきましては、需要家が知る知らないにかかわらず、電力会社の方で必ずその分供給規程に基づきまして割引をするということにされてございます。
鈴木省吾
54
○
鈴木省吾
君 時間がなくなって、メーンテーマがまだ残っておりますので、いずれこの問題は改めて別の機会にやりたいと思います。 次に、今回の
豪雪
による
被害
、産業
被害
といいますか、そういうものから言うと、一番大きなのは林業であろうと思うんです。折損木、二十年、三十年営々として育てた木がもう折れてしまった。しかもまだ若い木は雪の中に倒伏している。こういう状態でありますけれ
ども
、これらについての
報告
とか何かは、もう時間がなくなってきまして、こちらでもかなりの人がいま気をもんでおりますから、
報告
を求めません。いずれにしましても大変な金額であるようでございます。 しかし今度折損しました木はほとんど無価値になってしまっておるわけですね。何に利用しようかと言ってもちょっと利用のしようがない。恐らくこれは山のごみのような状態になってしまっている。したがって、森林所有者もこれを早急に片づけて造林をしようという意欲がむしろ失われている。このままに放置しておくならば、
治山
治水はもちろんのこと、あるいは山火事の原因になるかもしらぬ、あるいは病虫害の
発生
の原因になるかもしらぬ、二次
災害
が起こることは必至である。そういうことを考えますと、この折損木は何とかして早急に片づけなきゃならぬ。これについて
農林水産
省はどういうお考えでおりますかお伺いしたいと思います。
須藤徹男
55
○
政府委員
(須藤徹男君) このたびの
豪雪
によります森林
被害
、ただいま先生から御指摘のとおりでございまして、特徴といたしまして、従来にないいわゆる二十年生、三十年生のちょうど間伐期に到達したような株分が非常に折損を受けておるということでございます。今後これらをとり片づけまして、さらに跡地に造林をするということが必要でございまして、ただいま当面の
措置
といたしましては、いろいろな従来の制度、森林保険なりあるいは共済なりあるいは金融
措置
なり、いろいろ講じておるわけでございますが、
被害
がはっきり把握まだできておりませんので、特に
北陸地方
はまだ
積雪
が非常に多いということでございまして、今後十分にこの
被害
を把握いたしまして、これらの
措置
につきまして万全を期していくように、特に大臣からも御指示をいただいておりますので、現在鋭意検討を進めておるという段階でございます。
鈴木省吾
56
○
鈴木省吾
君 大臣も各地に参りまして、今回の
被害
はもう異常なもんだ、いままでの法律なりあるいは金融制度ではもう救えない、何とか新しい制度、われわれが推測すると、新しい立法をしてまで処理しないとこれは処理し切れないであろう、こういうような発言をされておりまして、全く同感であります。またわが党におきましても、いまの制度では恐らくこれは処理をし切れないから新しい立法をしようと、こういうふうに党の
豪雪対策
委員
会ですか、あるいは党の林政
調査
会はこういうことを決議いたしております。 それで、時間がありませんから前に進みますけれ
ども
、われわれはどうしても新しい立法をしていただかなきゃならない、こういうふうに考えております。また大臣の御発言等からも私はそうしていただけるんではないかと、こういうふうに考えておりますけれ
ども
、その場合に方法として三つあると思うんですね。いまの俗に言う
激甚災害
、この中に林業は入っておりませんから、これを入れる方法。それからいまの
農林水産
施設
補助
は、何という法律だったか、
災害
の場合に
補助
していただく暫定法がございますね、農林関係の。その法律でもとてもこれはやり得まい。これを改正する方法も一つでありましょう。それから第三としては、何かの新聞にちょっと出ていたんですが、今回の
災害
だけに限り時限立法をしたらどうだとか、こういうふうに言われておるが、三つの方法があると思いますね。そのうちのどれをあれしたらいいかということはこれからの検討課題であろうと思いますけれ
ども
、
農林水産
省はそういう点にまで検討しておりますか。
須藤徹男
57
○
政府委員
(須藤徹男君) ただいまお話ございましたように、自民党の林政
調査
会で御決議をいただいておることは承知をいたしておりますが、いまお話ございました三つの案につきましては具体的に承知いたしておりません。また、これらにつきまして各党におかれましてもいろいろ御検討いただいておるというふうに仄聞をいたしておりますので、私
ども
といたしましては、今後各方面の御意見を十分お聞きしながら
対策
の詰めを行っていきたいというふうに考えております。
鈴木省吾
58
○
鈴木省吾
君 ぜひひとつこの点は前向きで必ず新立法するということで進んでいただきたいと思います。
安田隆明
59
○
安田
隆明君 それじゃ私まず、本院の方からいち早く
委員長
初め
現地調査
団を派遣していただきました。非常によく
調査
していただきましたし、同時にまた
委員長
初め皆さんから
現地
に大変激励をいただきました。お礼を申し上げたいと思います。それから長官初め政府の方もよくやっていただきました。私からもお礼申し上げます。 そこで、第一点でございますけれ
ども
、長官に一つ、今度の
災害
についての理解というものとこれに対応する決意ということをちょっとお聞きしたいわけでありますが、百余名という死傷者を出している。それから私は
北陸
でございますけれ
ども
、あの国鉄
北陸
線に普通科第一四連隊の戦力を全部投入してもついに七日間とめざるを得ない。第一〇師団の特科隊を
国道
八号線に投入してもついにこれもとめざるを得ない。小松の航空基地を六航空団が昼夜滑走路をとめないということでやってみましてもやはり空の便もとめざるを得ない。全く異常中の異常の今度の
豪雪
であったと、私はこう理解しておるわけであります。まことに自然の猛威というものは大変なものであるな、これに対応する
措置
は一体いかんと、こういうことをいろいろつくづく考えているわけでありますが、私たちは三八あるいは五一年災、それと
規模
を異にすると、こういう意味で今度の五六
災害
については大変な厳しいものを私たちに求めているんだという理解です。それに対応する政府は一体どうかと、こうなりますれば、長官初め非常に心配いただいておりますが、それは三八あるいは五一以上に、それ以上の対応の
措置
を考えなきゃならないというそういう理解のもとに決意を長官はお持ちだと、こう思うわけでありますが、まず長官の今度の
災害
についての理解というものとこれに対応する決意をひとつ簡潔に御回答願いたいと思います。
原健三郎
60
○国務大臣(原健
三郎
君) いま
安田
先生のおっしゃったとおり、全く同感でございます。三八
豪雪
や五一災以上の深刻なる
被害
に遭っておること、私も
現地
を数回にわたって
視察
をいたしましてよく認識しているつもりであります。また多数の
犠牲者
を出しましたことに対して謹んでお悔やみ申し上げ、御冥福を祈ってやみません。 それで、普通のことじゃだめでいろいろ
対策
をやりたいといって、われわれも
対策
本部では種々の
対策
を研究しております。まだ遺憾ながらその
被害
の
実情
をしっかり把握——努めておりますが、まだ雪が多くてたとえば山の中等は全然踏み込めませんし、等々
実情
把握に十分ではございませんが、せっかく
実情
把握の最中であります。 それで、
豪雪対策本部
といたしましては、各省庁連絡の上にきわめてきめ細かくしかも積極的にその
対策
をやりたい。最前も申したように、
排雪
、
除雪
に対して
経費
の足らぬところは予備費から支出する等々まで考えて、その他いろいろ
対策
をこれから研究して御期待に沿いたいと、こう考えております。
安田隆明
61
○
安田
隆明君 いま長官がおっしゃいましたように、本当に期待にこたえるよう努力すると、こういうことでございますから、ひとつそのように取り計らいを願いたいという、これは要請でございます。 そこで、次の問題でございますけれ
ども
、私も今度の
豪雪
を機会にずいぶん
災害
対策
、いわゆる予防、それから防除、あるいは援護、あるいはいろんな法体系を一通り目を通しました。これは国土庁が中心になって各省庁がいろいろやらなきゃならない問題が規定されているわけでありますが、基本法を中心にずっと九十数本という法律でもってこれに対応する規定が出ておる。これをずっと一通り読んでみるわけでありますけれ
ども
、その中には、われわれちょっと理解のできない、同時に今日の社会経済に対応するにはこれでいいのかどうか、いろいろ私たちはこれに疑問があるわけであります。あるいはまたこうしてほしいという希望もたくさんあるわけであります。 これらの法律をずっと読むというと、その中には豪雨、
豪雪
という文言が出ている。あるところの法律ではこれが
降雨
、
降雪
というとらえ方になっている。これは文言のとらえ方でありまして、究極はこれは
被害
というものをどうとらえるかということになるんでしょう。そこは何かわれわれ素人にするとわからない。これはお役人さんにはわかるかしらぬけれ
ども
、われわれ素人にはなかなかわかりにくいようなそういうとらえ方をやっているこの法体系の現状、そして一次産業と二次産業、これでいいのかどうか。 それから官民の扱い方について、その中に一貫して流れるものは、本当に
被害
者を救済しようじゃないかという精神でなく、むしろ
財政
が先行している、こういう感じがないでもないですな。 いろいろ申し上げたいことございますけれ
ども
、私が申し上げたいのは、今日このような経済社会の中においてこういう九十数本の法律というものが今日これでいいのかどうか。私は見直し、総点検——おとつい私は「北国新聞」を地元で読みました。今度の
豪雪
について国鉄の対応の
措置
がいいか悪いかということを行管が行管の機能において一遍ひとつ査察してみようと、こういうことをやっておられる、そういう記事を見ました、「北国新聞」で。これは行管の機能がここに入るまでもなく、各省庁がこれを全部やはり見直すべきじゃないかなと、こういうことをつくづく感じているわけであります。 だからどうかひとつ、これは
要望
ですが、政府が行う行政行為についての配慮、
措置
は非常にスムーズに流れる。これはひがみかもわかりませんよ。日米繊維協定のときに政府は二国間協定でもってやられた、これは行政行為であります。だからして二千億というああいう
財政
措置
をさっとやってしまう。二百海里、これも行政
措置
でしょう。すぱっとなかなか歯切れよくやりますな。こういう
災害
に対する対応の
措置
はなかなか、その行政行為に対応するモーション、行動の起こし方とどうもちょっと符合しないような、もう少しやってほしいなという感じを持つわけであり、ますよ。そういうことをつくづく感ずるし、これをひとつよくよく見直してみるというといろんな疑問がありますから、
要望
として、この九十数本にまたがる法体系というものについて再点検してみる、今日の社会経済への対応にまだこれは及ばないものがあるぞと、こういうことをつくづく感ずる一人として、これを長官、各省庁に
要望
申し上げておきます。 あと今度は、時間がございませんが、各論でございます。——もう時間ありませんので、それじゃ私は端的に項目だけ申します。私の持ち時間がないものでありますから。 第一点はこれは交付税の問題です。もう時間がございませんから全部言います。自治省から先ほど話がありました二百四十四億というものをわれわれが了解しましたのは、これは冷夏に対応する問題としてのいわゆる特交財源の補正であると、こういうふうに理解してるんですから、何としてもこれは予備費から出すと、こういうことを強く求めておきます。これは先ほど長官からお話ございましたからこれ以上触れません。 それからもう一つ、私は不思議なのは、どうして国県道が
財政
負担法の国庫負担の対象になり、主要
市町村
道がなぜ対象にならないんだろうか。これも私は法体系の中でちょっと理解できない。これは時間がございませんから、国県道で不足財源はどれだけでしょうか、
市町村
道でもって不足財源はどれだけだろうか。これを計算してみてください。すぐ出るでしょう。さあ、これに対応するいわゆる立法上の立場は、これは出ていない。
市町村
道はだからして予備費云々という問題が出てくるわけです。ある
集落
に患者が出ちゃった、隣の
集落
へこれを運ぶ。患者救済の道は、国県道よりか
集落
、いわゆる主要
市町村
道に依存する部分、
生活道路
です。大変な問題があるわけですな。こういう法体系の問題はどうも私は理解できない。こういう疑問を持つ一人として、これも時間がございませんから申しませんが、きちんとこの法律そのものも今日考えてもらいたい、こういうことを申し上げておるわけであります。
林木
につきましては先ほど申し上げたとおり。そして答弁だけ求めたいのは、これは三月補正でやる問題、地方自治財源でですね。だから三月の補正でやってくれるものはどれとどれですか。
林木
等は五十六年度補正と、こういうことになるだろうと思うんですよ。その場合に、しかとひとつ長官にお願いし、きょうは大蔵お見えになっているでしょうか。——もう既決予算の調整財源でやる、流用でやるよ、こういうことでやられたんじゃとても
林木
問題は解決つかない。もう六〇%の充当率でそれで終わり、こういうことで流用財源でやられたんじゃ、いま
鈴木
先生から質問ございましたけれ
ども
、これは本当に山は立つ瀬がない、もう
林木
は立つ瀬がない。こういうことを私は心配し、強くそれを要請する、こういう立場です。済みませんけれ
ども
、
林木
関係は五十六年度補正と、こういう用意ですな。そして流用その他でやらない、流用その他でやらないよと、しかと別途財源でこれを処理しますと、こういう答えを求めまして、私の時間ございませんから終わりにいたします。お願いいたします。
宮崎武幸
62
○
説明員
(宮崎
武幸
君)
林木
の
被害額
につきましては、御案内のように、まだ詳細私
ども
に入っておりません。刻々と動いておりますが、このような
被害
の実態を把握いたしました後に、どのような手段あるいは財源で実施するかということにつきましては、政府部内におきましてもその時期に至りましてしかるべく
財政
当局等とも協議をする、協議をしまして、私
ども
としては
実情
に基づいて適切な
措置
をとりたいと、こういうふうに考えております。
長谷川信
63
○
長谷川信
君 わが党の持ち時間はもう幾ばくもないようでありますけれ
ども
、何しろこういう際でございますので、
委員長
から若干お許しをいただきましてお願い申し上げたいと思うのであります。 さっき三十八年ぶりの
大雪
だということでございますが、今回の
大雪
はまさに安政四年以来の百年ぶりの
大雪
なんですよ。だから、さっきもいろいろお話ございますように、
交通
が一カ月もとまって、そしていまでもなおかつ三メーター、四メーターの雪がある。これが全部消えるまでには、場所によっては五月いっぱいかかるんです。五月まで半年間土を見ることができない。
交通
は、さっきお話ございましたように、汽車が長きにわたっては一カ月有余も全面的にストップしている。それで百六人も亡くなって、六百人も大けがをして、これでなおかつ激甚法——これはやることになっておりますが、せっかくやっていただくなら、これは早くやっていただくということがやっぱり政治です。八月、九月になってことしの雪の激甚法を発動しても、
措置
としては悪いとは申し上げませんが、いま本当に冷蔵庫の中で雪地獄のような
生活
をしているので、せっかくやっていただけるならこれは早くやっていただけないものかというふうにお願いをし、また大臣から御答弁も承りたいと思うのであります。 もう一つは、時間がないので、温かい
措置
をやっていただきたいということでございますが、この
豪雪
地域
に降った雪はこれから三月、四月、五月と解けて、そして水になって電気になる。その電気は八〇%が都会に送られておるんですよ。それで都会の豊かさが
確保
されておる。労働力だってそうでしょう。
新潟
県、福島県、
北陸
から半分以上の高校生が都会に集中をして就職をしておる。電気を送り、そして米を送り、天然ガスを送り、水も送り………。いまの都会の豊かさなんというのは本当に
積雪
寒冷、
豪雪地帯
がもっているみたいなものだ。それで、おまえらは雪掘りだけしろ、われわれは豊かな
生活
をするというふうな慣習、何となくそれに対する反感的というか、ひがみというか、そういうのがいま
雪害
、雪の中に——まだ私のうちもいま二メーター五十もあるんですよ。窓をあけたって太陽ひとつ見えない。これはしみじみこたつに当たって考えていると、やっぱり東京が何となくねたましいというか、恨めしいというか、私でもそんな気持ちがするのでありますから、これは
住民
はそういう感情がまさに高まりつつある。だから、これは先ほど先生方おっしゃるように、法律に定められたそれにプラス何とか温かい
措置
を講じないと、
豪雪
県——
国土庁長官
が御担当でいらっしゃいますが、これから三全総だとか定住圏構想だとかそれから田園都市構想だとか、おまえらがみんなおまえらのところで働いて豊かな
生活
ができるようにやるぞと言って政府が大きいのぼりを掲げて進軍ラッパを吹いていらっしゃいますが、いまのこの
豪雪
の
対策
なくして私は三全総も定住圏構想も田園都市構想もまさにこれは絵にかいたもちになると思う。全国の五〇%の
積雪
地帯の
対策
なくして、そのような
措置
を幾ら政府が言ってもまさにこれは絵にかいたもちに近いようなものになる危険性もあると思うのであります。 そういうことで、いまの人口状態も、明治以来日本の人口は三倍になっておりますが、
豪雪
地域
の人口は逆に三分の一に下がっている。みんなそうなんですよ。本来なら平らに伸びなきゃならぬのでありますが、逆に三分の一になっている。私はこれはやっぱり現在の政治の一つの盲点だと思いますね。これがもしエスカレートしたら、日本の国は本当にかしがるかもわからない。
国土庁長官
からここで歯どめをかけていただいて、
豪雪対策
をやり、激甚法を直ちに発動することによってこの
豪雪
県の諸君が、それでも政府は温かい手を差し伸べてくれたなあ、それじゃひとつがんばってやるかと。 この間も五万円の税金の足切りの話を私が
現地
で説明したんです。今度の政府はうまくやってくれて、五万円以上
除雪費
がかかったのはその領収書で引いてくれるそうだがありがたい話だなと言ったら、
豪雪
地域
で税金を納めているのは全体の五〇%より少ないんだもの、幾ら引くと言ったって税金を払ってなきゃ引くわけにいかないので、それでその諸君は言っておった、私
ども
はこの雪国を守って……
広田幸一
64
○
委員長
(
広田幸一
君)
長谷川
君。
長谷川信
65
○
長谷川信
君 はい、わかりました。 そういうことでありますので、温かい
措置
をいただきたいと同時に、激甚法の発動を——何か新聞を見ると早急にやっていただけるようでありますが、これをひとつ大臣のお計らいで直ちに発動していただけませんか。この点ひとつ御質問を申し上げておきます。
原健三郎
66
○国務大臣(原健
三郎
君)
長谷川
先生にお答え申し上げます。 御説はもう全然同感でございます。この際未曾有の大
豪雪対策
を速やかにしかも十分やるにあらざれば、いまおっしゃいましたような定住圏構想も三全総の構想も田園都市構想も全然だめになると、まことにごもっともでございます。それで、政府といたしましても
全力
を挙げてこの
豪雪対策
をいまやっておるところでございます。 それで、もう直ちにいわゆる
激甚災害
の指定を速やかにやれということでございますが、その
豪雪
の
被害
の
状況
の把握にいま努めておる最中であるし、全部完了したわけでもございませんので、いま直ちにあした
激甚災害
に指定するというわけにもいきませんので、ただし
激甚災害
の指定に向かってそういう方向でいま鋭意準備を進めておるし、
調査
もいたしておるという
実情
でございますから、御了承のほどをお願い申し上げます。
鈴木和美
67
○
鈴木和美
君 私は今回の
豪雪
の問題について、第一にこの場を借りて今回
豪雪
によって死亡された何人かの皆さんに心からお悔やみを申し上げたいと存じます。同時に、家屋の
被害
をこうむった方々にお見舞いを申し上げたいと存じます。 そこで、
国土庁長官
にお聞きをしたいのでありますが、いま
激甚災害
の指定を早急にやりたいというお話でございますが、私の認識と一致しているのかどうかお尋ねしたいと思います。 私は、今回の
豪雪
の問題、つまり雪の問題を四つの特徴から大変異常な
豪雪
であると考えています。その一つは、皆さんお話しのとおり、五十一年、三十八年
豪雪
を上回ったということが何としても一つだと思うんです。もう一つは、雪の降り方が速かったということと、一日の
降雪量
が多くて同時に連続的に降った、これが非常に積もった原因だと思うんです。三つ目は、雪の質が重くて、そのために山や家屋の
被害
が大変多かったと思うんです。同時に、
降雪
の
地域
が大変広いと思うんです。ちなみに総理府の
豪雪地帯
、特豪地帯の指定のところを見てみますと、私必ずしも政府と一致しているかどうか知りませんが、二十四県にまたがって九百六十七
市町村
、世帯別に見ますと六百二十万世帯ですね。そしてこうむった人数にすると二千百四十五万人がこの雪で大変な
被害
をこうむったという数字になると思うんです。 そういう意味から考えると、例年の雪、
雪害
、そういう問題と違って、大変異常な
豪雪
であるというように見ておりますけれ
ども
、長官の認識はいかがでございましょうか。
原健三郎
68
○国務大臣(原健
三郎
君) ただいまの
鈴木
先生の御説は全く同感でございます。いわゆる異常
豪雪
である、しかも非常な
被害
の大きい
豪雪
でございまして、それで私自身のことを申し上げて恐縮ですが、全然雪の経験のない男が
現地
を数回にわたって
視察
いたしましたが、もうまことにその
住民
の
生活
は身につまされるものがございました。それで、政府としても速やかに
豪雪対策
をつくって速やかに万般の手落ちのないようなきめの細かい、しかも積極的な
対策
をやるべきであるということを決め、私も閣議に五回
報告
いたして、すべて了承を得ておるところでございます。今後ともよろしく皆さん方の御意見も拝聴して万遺漏なきを期したいと、こう考えておるところであります。
鈴木和美
69
○
鈴木和美
君 そこで、
対策
の進め方ですが、
豪雪
ですから緊急にやらなきゃならぬ問題と、半ば中長期的にやらなきゃならぬ問題と分けて
対策
を立てなきゃいかぬと思うんです。私は当面の
対策
として何としても、各先生方申しておりますけれ
ども
、
激甚災害
法の発動を早くしてもらいたい。それから現行関連法を最大に適用するという問題について検討しなきゃならぬと思うんです。同時に、
除排雪
の
経費
の
助成
、個人支出に対する見舞い金、弔慰金・見舞い金の改正、
農林水産
関係の
助成
、商工業者への
助成
などは本当に緊急
対策
だと思うんです。 同時に、中長期
対策
の方から考えてみれば、いま御指摘がありましたが、
災害
法や関係法の見直しをやっぱりやらなきゃならぬと思うんです。同時に雪国に対する普通交付税の算出の根拠というものをもう少し考えておかなきゃならぬと思うんです。いずれ具体的に御質問したいと思います。 もう一つは
除排雪
の機械の配車、同時に融雪・消雪装置の拡充、
なだれ
防止の施設拡充、移転
対策
、同時に国鉄の
除排雪
の充実、
道路
建設のあり方と補修の問題。
自動車
が
生活
にいまたくさん関係しておりますから道交法上の問題が出てきます。
避難
場所、公共施設の拡充、こういうふうなことが中長期
対策
に考えなきゃならぬと思うんです。 そこで、当面の
対策
としてお尋ねし、私も意見があるんですが、先ほど
鈴木省吾
先生からもお話がありましたが、弔慰金の問題についてお尋ねを申し上げたいと思うんです。 亡くなった方が現行法上二百万円になっています。ここへ持ってくるまでの皆さんの努力は多とします。しかしいま
災害
と言われるようなところで民間の裁判問題になっている
人命
に関する補償の問題を考えてみると最高八百万円になっていますね。雪で死のうと思って死んだわけじゃありませんで、まさに不慮の
災害
だと思うんです。そういうことについていま政府は、弔慰金二百万円ということは低い、何とか
改善
したい、こういう見解に立っているのかどうか、もう一度お尋ねしたいと思うんです。
岡光序治
70
○
説明員
(
岡光
序治
君) 先ほ
ども
お答を申し上げましたが、前向きの方向で検討しておるところでございます。先生御承知のとおり、この法律は四十八年にできました。それ以降四十九年、五十一年、五十二年、毎年のように大きな
災害
が起きましたその都度改正をしておりまして、当初五十万でございましたが、それが現在二百万ということになっております。 で、いまお話がありましたように、類似のいろいろな制度がございます。そういったものとの均衡を考えて、かつこれはまさに見舞い金でございますので、そういう弔慰金としての性格にふさわしいようなものということで従来金額が設定されたわけでございますし、かつこの法律は議員立法でできまして、過去の改正、三回ございますが、その都度議員立法で改定されてきた、そういう経過もございます。したがいまして、そういう意味で与野党のお話し合いというのもひとつ契機になるんだろうと思っておりますが、そういった動きを踏まえながら私
ども
もあわせて一番妥当な線に持っていきたい、そんなふうに考えておるわけであります。
鈴木和美
71
○
鈴木和美
君 いまのお話は、政府としても現行の二百万では適当でないという認識に立っている、しかし議員立法で出たから各党派で考えてほしいというように理解してよろしゅうございますか。もしもそうであれば、
委員長
にお願い申し上げますが、各党派でこの弔慰・見舞い金についてお互いに検討するようにぜび計らっていただきたいと思うんです。いかがでございましょう。
岡光序治
72
○
説明員
(
岡光
序治
君) おっしゃるような方向で処理をするしかないと思っております。
鈴木和美
73
○
鈴木和美
君 いまのお答えをいただきまして、
委員長
、どうぞ各党で弔慰金のことについて引き上げるようにお計らいをいただきたいと思います。
広田幸一
74
○
委員長
(
広田幸一
君) 理事会で検討いたします。
鈴木和美
75
○
鈴木和美
君 それから家屋のことやその他の個人の財産に関する
被害
のことについてなんですが、現行では税制上雑損控除で見るくらいの適用しかありませんね。しかし現実に家屋が破壊しちゃって
生活
に非常に困るというようなことについて新しく見舞い金というようなものを考えろ考え方はございませんでしょうか。国土庁にお願い申し上げます。
柴田啓次
76
○
政府委員
(柴田
啓次
君) 個人の家屋の破損に対します救済
措置
といたしましては、
災害
復興
住宅
資金の貸し付けあるいは
災害
援護資金の貸し付け、そういった金融
措置
のほか、租税の減免、徴収猶予、それから家屋損壊にかかわりますところの雑損控除、こういった税制上の
措置
がございます。今冬の
豪雪
災害
につきましても、これらの制度を積極的に活用していくべきものであるというふうに考えます。
鈴木和美
77
○
鈴木和美
君 個人の見舞い金の問題については、後ほど
除雪
、
排雪
に関する個人支出の問題と一緒にもう一度お尋ねします。 そこで、
除雪
、
排雪
の関係についてお尋ね申し上げますが、各
地方自治体
は、つなぎ
措置
また
県市町村
のあらゆる資金を投入して、現在
除排雪
の
経費
は大変高まっていると思うんです。そこで、この
除排雪
の
経費
について、先般衆議院の
災害
特別
委員
会で、長官から、同僚小林進
委員
の質問に対してのお答えの中でこういう御発言があるんです。小林
委員
の
除排雪
の
経費
についてはすべて国が
助成
すべきじゃないかということの問いに対して、
国土庁長官
、全く同感でありますというお答えがあるように私は議事録を読まさせていただいたんですが、
除排雪
の
経費
がいま特交で賄い切れないというときに、本当に予備費充用までやって国が全面的に全部
助成
する考え方があるのかないのかをお尋ねしておきたいと思うんです。つまり、すべて
除排雪
の
経費
は国が
助成
するかしないか、これが一つです。 もう一つは、特交で賄い切れないというのであれば、本当に予備費ですべて賄うということを大蔵省からもはっきり答弁をいただきたいんです。そして五十五年度じゅうにこれを
措置
するということの考え方があるか、ないかをお尋ねしたいと思います。
原健三郎
78
○国務大臣(原健
三郎
君) いまお尋ねのことでございますが、
除排雪
については、その
費用
が多額に上っており普通ではなかなか解決できませんので、特別交付税によってこれを処理いたしたい、それでもなお足らぬ場合にはいわゆる予備費を使う。でありますが、
市町村
道の
除排雪
については、これは言うまでもなく幹線
市町村
道ということになっているわけでございます。路地裏まで全部その
費用
を負担する、こういう意味ではございませんので、よろしくお願いします。
鈴木和美
79
○
鈴木和美
君 大蔵省。
保田博
80
○
説明員
(保田博君) お答えをいたします。
市町村
道の
除雪費
についての御質問がと思いますが、先ほど来建設省の方からも御答弁をしておりますように、本年度の
豪雪
に伴います
市町村
道の
除雪費
につきましては、従来のような普通交付税ないし特別交付税で賄い切れない部分もあろうかと思います。現在国土庁を中心といたしまして所要
経費
等について
調査
をいたしております。その結果を集計いたしまして、五十一年度の特別な
補助
をいたしましたような
措置
等を前例として、なお特別交付税等で十分でないという部分があるとしますと、
補助
金の交付を予備費を財源として検討するということになろうかと思います。
鈴木和美
81
○
鈴木和美
君 もう一度お尋ねしますが、現在の
除排雪
の
経費
はもうすでに特交の枠では賄い切れないということは明らかだと思うんです。したがって、明らかだというのであれば、その場合には予備費を充用する、五十五年度に
措置
するということをやっていただきたいと思いますが、そういう確認でよろしゅうございましょうか。
保田博
82
○
説明員
(保田博君) お答えいたします。 国土庁において現在
調査
をいたしておりますので、その結果を待ちまして善処したいと考えます。
鈴木和美
83
○
鈴木和美
君 それでは次に、個人の雪おろし
経費
、その他個人の支出に関する
助成
、援助、見舞い金などについてお尋ねしたいと思います。 まず一つは、先ほど
長谷川
先生からも御指摘がありましたが、雑損控除の問題についてお尋ねしたいと思います。 今回一〇%足切りの予算にしておったものを一〇%もしくは五万円ということになったようでありますが、五万円になったこと自身は私もそれは一つの前進だと思うんです。しかしここで二つの問題点があるように思うんです。一つは、つまり税金を納めている人にはこの
措置
によってある
程度
のカバーができるかもしらぬけれ
ども
、税金を納めなくてもいいような人は、まるっきり低所得の人は今回の雪おろしや
除雪
にかかった
費用
について恩恵がこうむれないと思うんですね。非常に不公平になっていると思うんですが、こういうことについて大蔵省はどういう考え方を持っておりましょう、お尋ねします。
冨尾一郎
84
○
説明員
(冨尾一郎君) お答えいたします。 ただいま雑損控除の制度は、税額のない納税者、つまり税金を納めていない納税者にとっては何ら恩恵にならないではないかというような趣旨の御質問だったと思いますが、私
ども
は実は、国税庁は執行官庁でございますので、この御質問に直接的にはお答えできる立場にはございませんが、税の制度と申しますのは、要するに税金を納めていただく方に特に限定されることは性格上やむを得ないかと思います。その税金を納めるまでの所得に達しない方の問題につきましてはその他の方法で別途お手当てをいただくしかないのではないか、とりあえずこのように御答弁さしていただきます。
鈴木和美
85
○
鈴木和美
君 仮に税を納めている人がどのくらい今度の雑損控除で恩恵をこうむるかということを調べてみたのですが、一つの例を申し上げますが、子供二人お持ちの方で年収三百万円の人、この人は給与所得控除で大体百五万円ぐらい給与所得控除になります、
各種
の控除が大体百三十九万五千円です。残りが五十五万五千円。そうしますと、これにかかる所得税が五万五千四百円です。仮に雪おろしに二十万円今度かかったというように仮定しますと、五万円だけ切られますから、残った十五万円が雑損控除になりますね。その雑損控除によって受ける恩典というのは何だろう、幾らぐらいだろうと計算してみましたら、一万四千九百円なんですよ。雑損控除として見られる雪おろしにかかった金額の大体一割が恩恵をこうむるということになるんですが、実際問題として考えれば、雪国の方はみんなわかると思いますが、今回雪おろしにかかっている個人
費用
というのは最低二十万円ぐらいかかっていますね。二十万円以上かもしれません。二十万円以上。二十万円以上かかっている人で税の負担をする人は、雪おろしのたった一万五千円しか恩恵をこうむらない。税金を納めていない人はまるまる二十万円です。つまりここには非常に不公平さがあると思うんですね。 だから、雪おろしの問題というものは、雪国の人は大変大きな個人支出を伴っておりますから、これはいずれ大蔵
委員
会でも議論になると思いますが、雑損控除の問題については、五万円なんて言わなくて、すべて見るぐらいの考え方にぜひ立ってほしい。 もう一つは、個人支出に対して何らかの見舞い金というものを、国土庁あたりからもアドバイスするようなかっこうで、個人支出に対して恩典をこうむるような方法をぜひとっていただきたいと思いますが、いかがなものでしょう。
原健三郎
86
○国務大臣(原健
三郎
君) 御趣旨の点はわかりましたですが、一般
家庭
等へ見舞い金のようなものを差し上げる、こういうことにはいろいろ困難があろうと思って、いまの現時点においてははなはだ困難であると答えざるを得ないところでございます。
鈴木和美
87
○
鈴木和美
君 いまの政府の答弁としてはそう言わざるを得ませんと思いますが、一月の二十日に、社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合三党で自民党の安倍政審会長に申し入れをして、いまの問題についてもぜひ超党派で考えようじゃないかということに対して、前向きにお互いに取り組もうというお答えをいただいています。そういう意味では、これからも各党いろんな
対策
がとられると思いますが、ぜひ政府もその心構えだけは持っていただきたいと思います。 さて、次に進みますが、先ほど問題になりました
生活道路
の問題ですが、これにつきましても、実際上県道、
国道
などの主要幹線については国の
助成
、交付の対象になっていますが、実際問題としては一番苦しいのは
生活道路
だと思います。この
生活道路
に
市町村
が大変なお金をかけているわけです。そして現に、ある市のごときは、市が
市町村
道のところまでの
経費
を六〇%負担までしてやっているところもあるわけです。それだけ
市町村
の
経費
というのはもうふくらんでいるわけですよ。それを現行法規の中ではどうしても
市町村
道、つまり
生活道路
が対象になっていないということだけでけられちゃっているわけですね。こういう制度に対して、私も制度的におかしいと思うし、
住民
の福祉、
住民
の民生の安定ということを考えれば、何としてもここのところをこの異常
豪雪
に伴って検討し、
対策
を
改善
しなきゃならぬと思うんですが、考え方はいかがなものでしょうか。
萩原浩
88
○
説明員
(萩原浩君)
道路
の
除排雪
関係につきましては、現在
積雪
寒冷特別
地域
における
道路交通
の
確保
に関する特別
措置
法という法律に基づきまして
道路交通
の
確保
ということを図っているわけでございます。
市町村
道につきましては、消
雪パイプ
等の防電工であるとか、
流雪溝
等の凍
雪害
防止の施設の
整備
の
事業
を進めていると同時に、多額を要します
除雪機械
、
除排雪
機械の
購入費
についての
補助
を行っておるわけでございます。しかし、先生の御指摘のとおり、これにつきましては幹線
市町村
道を対象といたしております。
市町村
道の冬季
交通
の
確保
につきましては、
国道
あるいは県道と一体となりまして
道路
網として全体で
確保
されるということを一つの眼目にいたしておりますので、どの部門を
確保
すべきかということにつきましては、
幹線道路
の
除雪状況
、沿道の利用
状況
、
降雪
の
状況
、あるいは施設の配置
状況
、
道路
の
整備
状況
、いろいろな
状況
を踏まえて、
地域
全体として弾力的に対応する方が非常によろしいのではないかというふうにわれわれは見ております。したがいまして、現状ではあらかじめ路線を特定いたしまして、それを
補助
事業
として採択するような、そういうやり方ではなくて、
市町村
の自主的判断に基づきまして弾力的に運用できますような、そういう
助成措置
が合理的であると、こういう考えで普通交付税あるいは特別交付税で
措置
していただく。特に大きな雪のときには幹線
市町村
道について
補助
の制度を取り上げる。こういうやり方が最もよろしいのではないかと私
ども
は現在認識いたしておるわけでございます。
鈴木和美
89
○
鈴木和美
君 制度的な問題についてはいずれまた検討しながら一番合理的な方法を考えたらいいと思うんです。私の言わんとするところは、
市町村
道、つまり
生活道路
というものが
除排雪
の対象になっていないもんですから、どうしても
経費
が
住民
負担になっちゃうということで不公平になっているんじゃないかということを指摘していますので、ぜひ特交の算定のときにもそういうことを考えてもらいたいと思っております。 さて、その次の問題ですが、
住民生活
安定と危険
地域
の問題についてお尋ねをしたいと思います。 地すべり、
なだれ
対策
、このことを考える場合には、緊急に
対策
を立てなきゃならぬ問題と中長期に考えなきゃならぬ問題とあると思うんです。特に中長期的な問題として考えなきゃならぬのは、
スノーシェッド
の問題であるとか、
なだれ
防止さくであるとか、消雪・融雪工の施設拡充の問題であるとか、雪の特質にかんがみて研究機関を置いてもっとしっかりした抜本的な検討をしなきゃならぬというような問題があると思うんです。 そこでお尋ねしたいのは、建設省、国土庁、自治省にお尋ねしますが、まず一つは、
なだれ
対策
を現在考えているときに人家を対象とした
なだれ
対策
はどういうふうに考えられているのか。それからもう一つの角度は、主要
幹線道路
に
なだれ
が来ちゃうともう
交通
がとまっちゃうというような意味で、主要
幹線道路
の
なだれ
対策
というのはどういうことがいま行われているのか、そのことについてお尋ねをしたいと存じます。
柴田啓次
90
○
政府委員
(柴田
啓次
君) 主要幹線道に対する
なだれ
対策
につきましては後ほど建設省の方からお答えいただくことにいたしまして、
なだれ
対策
一般についてお話をいたします。 今回の
豪雪
に際しまして、先ほ
ども
御
報告
申し上げましたとおり、
なだれ
で死者十九人という多くの
被害
を生じたことはまことに遺憾に存ずる次第でございます。
なだれ
の
発生
の危険のある場合には、いま地方公共
団体
におきまして、危険個所を警戒する、あるいは標識の設置を行う、あるいは
避難
命令を出す、そういうようなことで
住民
の安全を図ってまいっているところでございます。このたびの
豪雪
も
なだれ
の危険が非常にございますので、去る二月四日に
豪雪対策本部
の本部長の
国土庁長官
の名前によりまして、関係道府県知事あてにこの
なだれ
、融雪
災害
の防止のため防災体制の
強化
に万全を期すように通達をしているところでございます。 そのように応急的な
対策
をいろいろとやっているわけでございますが、さらに問題は
恒久対策
でございます。
なだれ
は先生御承知のように大変むずかしい現象でございまして、なかなかその
発生
原因というのが、あるいは
発生
場所というのが予測がつかないというようなむずかしい問題もあるわけでございます。この
恒久対策
につきましては、関係省庁と密接に連絡をとって進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
萩原浩
91
○
説明員
(萩原浩君) 主要
幹線道路
の
なだれ
の防止
対策
でございますが、先生御指摘のように、一番これがききますのは
スノーシェッド
でございます。しかしこの
スノーシェッド
はトンネルと同じぐらいの非常に多額の
費用
を必要といたします。かなり力を受けるわけでございますから、非常に弱いものではこれは効果がございません。したがいましてかなり多額の
費用
を必要といたします。それから一部分
積雪
状況
によりましては、
なだれ
防止さくが非常に大きな機能を発揮いたしまして
なだれ
を防いでいる事態もございます。そういうようなものを研究をいたしますと同時に、
財政
上いろいろ問題はございますが、鋭意
スノーシェッド
その他の防電工の
整備
についてこれからも努めてまいりたいと考えております。
鈴木和美
92
○
鈴木和美
君 まだ完全に
被害
状況
はつかまれていないとは思いますけれ
ども
、
融雪期
に入りますから、どうぞ緊急的な
なだれ
の問題について
対策
を充実してほしいと思うんです。 そこで、
審議官
、先ほど
避難
のことについて御答弁がございましたが、この
避難
の問題については、危険
地域
、区域の移転
対策
として根本的に国としてどういう指導が行われているのか聞きたいと思うんです。つまり、どういうことかというと、先祖伝来からその
地域
に住んでいるものですから、雪が消えちゃうと、春が来て夏が来てというようなことになると、雪のことを忘れちゃったというような問題な
ども
あったりして、それでどうしてもそこに住んでいたいというような気持ちというのはそれなりにわかるわけですよ。しかし雪が降ると非常に大変な危険
地域
なものですから、できればその村、その部落全部移ってほしいということだってあると思うんです。しかし根本的に国の指導要綱としては、そこに住むことにするのか、もう完全に移転させるのか、住むことを認めるというんであれば、今度はなたれ
対策
とか
地すべり対策
の恒久的な
対策
が必要だと思うんです。基本的にどっちの線を指導要綱としているのか、これをお尋ねしたいと思います。
四柳修
93
○
政府委員
(四柳修君) 大変むずかしいお尋ねだろうと思います。いわば選択的にどちらかということが非常に決めにくい問題でございまして、大変抽象的になって恐縮でございますけれ
ども
、私
ども
恒久対策
としておあずかりしている場合に、実は個々の
市町村
なり
地域
の御判断がどうしても最初であり最後になると思います。ということは、国の方としましては、制度がございますから、できるだけ危険
地域
から移っていただきたいということを県を通じて御要請します。
市町村
も県もできるだけ関係
地域
の
住民
の方々にお願いいたしまして
計画
をつくってやりますが、最後になりますと、表現が大変悪うございますけれ
ども
、すぐそばにお墓があるから私は死ぬまでおじいちゃんの墓を見ていたいからという方がおられますと、どうしてもそこだけは残ります。 という形で、基本的には実は、いま御意見にもございましたように、いままでの
生活
条件なり環境条件ではある
程度
支えられたものが、たとえばモータリゼーションが進むとか、あるいは燃料事情が変わるとか、あるいは過疎化が進むとか、さらには周辺に
道路
ができるとか、いろんな条件が変わってまいりますと、いままで予想しなかった条件が、ふだんは気がつきませんけれ
ども
、御指摘のように異常
豪雪
時にやはり何らかの支障を及ぼすんだろうと思います。ところが、遺憾ながらそういった異常
豪雪
時のそういった支障というものにつきまして、なかなか地元でも県でもふだんからわかりません。そういう点で、できるだけ私
ども
としますれば明らかに危険なところは移っていただきたいと思いますけれ
ども
、それ以外のところはできるだけ地元の方で、たとえばまとめるとか、あるいは緊急時におきましては近所にございます公共施設にとりあえず
避難
してもらうとか、あるいは極端を言いますと、冬場は冬期分校のかわりに里におりてもらうとか、そういうような各
地域
の御指導なり御対応ということが必要ではないだろうかと考えております。
鈴木和美
94
○
鈴木和美
君 この
避難
の問題については、私は個人的には、雪国の場合の危険
地域
というのは基本的にはやっぱり移転というか、そういう方向に指導されるのが
人命
の立場からも私はいいと思うんです、個人的には。 そこで問題点があるのは、その移転するときの県が
補助
する
経費
ですね、これが安いんですよ、いま。安いために移ってもいいという気持ちがあっても移れない、移りたくないという問題が一つあるんです。 それからもう一つは、十戸ですね、単位が。一戸、二戸でも移れる制度に制度がえした方が私はいいと思うんですよ。 そういう意味で、これからもぜひ検討を急いで危険のないようにしていただきたいと思います。いかがでしょう。
四柳修
95
○
政府委員
(四柳修君) ただいまの御意見の点、ちょっと時間とって大変恐縮でございますけれ
ども
、具体的な例で申し上げますと、実は北海道の有珠山の噴火のときにそういった問題が出、いま進行形でございます。有珠山の場合に、市街地で灰をどけるための水路をつくりますと、これは公共
事業
になりますものですから、そこにお住みの方の土地を買い上げることが可能でございます。相当の金額が出ます。ところが、その隣のところで、
地殻変動
によりまして帯状に危険
地域
がございますと、そこの帯状にかかっている方に移ってもらいたいという場合に、自分の家屋がかかっている方は住めませんものですから移ってもらいたいという希望が出ます。ところが、物置がかかっている方は移りません。そういう事情で、御指摘の前段の点は、結局は土地代につきまして、先祖伝来の土地から離れるということについての補償の御希望がございますけれ
ども
、これができないもんですから、いまの形では新しく町村の責任において十戸単位の団地をつくった場合に移ってもらいたいという形でございまして、それからその場合に、大蔵省の方の御配慮にもよりまして、それなりの毎年毎年の単価アップをしてまいりましてそれに対応してまいりました。 それからもう一つ、その場合の十戸という点でございますけれ
ども
、先ほど前段で御答弁申し上げましたように、いままでも青森県や徳島県でそういう前例がございまして、新しくつくる団地に十戸でございまして、移るもとの方は十戸でなくても町村の責任において危険
地域
と指定される場合には、全戸お移りの場合には五戸、七戸という例もございます。
鈴木和美
96
○
鈴木和美
君 ぜひその
対策
について、
人命
の問題ですから、万遺漏のないように
措置
、指導を強めてもらいたいと思います。 さてその次に、主要
幹線道路
と国鉄の問題について私もお尋ね申し上げたいと存じます。 今回私たちが
調査
してきた中では
幹線道路
の方の
除雪
は比較的早くやられたようでありますけれ
ども
、国鉄の対応が非常に遅いというのが大変問題になっています。しかしまだ
和泉
村のように孤立していて、百五十八号線が
なだれ
の危険があってまだあかないというような問題な
ども
あって、主要
幹線道路
についてもまだ
除雪
が完全に行われていないというところもありましたけれ
ども
、ぜひ
幹線道路
は
全力
を挙げてこの
除雪
体制をとるような人的な
経費
的な
対策
を強めておいてほしいと思うんです。 そこで、国鉄にお尋ねいたしますが、先ほどの質問のお答えの中でよくわからないんですが、国鉄が今回復旧が非常に遅かったということは、つまり
除雪
をするための人が
確保
できなかったんですか、お金の
対策
が少なかったんですか、
除雪
の
経費
ですね。ここのところをお尋ねしたいんです。 それともう一つは、
和泉
村みたいなところは、越美北線に関しては、これはもう村長以下全部が、あれはまさに
生活
路線であり、それが国鉄ローカル線の廃止ということで、単なる経済合理性だけでローカル線の廃止をされたらとても困ると言うんです。なぜかというと、片っ方百五十八号の方は、
なだれ
の危険があるもんですから、主要
幹線道路
といってもなかなかあかない。したがって今回トロッコで
生活
物資を運んだといって越美北線に対して大変評価が高いんですよ。そういうことから考えてみると、村長以下全部がこのローカル線廃止反対だという意見なんですよ。そういう考えについての国鉄の考え方をお尋ねしておきたいと思います。 もう一つは、
富山
の操車場を見させていただきました。
富山
の操車場でも貨車がたくさんたまっちゃったもんですから、商工業者の経済活動、つまり原材料費、製品運搬に大変な障害を来していると私は思うんです。ああいう大きな操車場の抜本的な
対策
として国鉄は何を考えているのか、この機会にお尋ねしておきたいと思います。
神谷牧夫
97
○
説明員
(神谷牧夫君) お答えいたします。 まず、
除雪
問題でございますが、先生御指摘のように、やはり設備面と
除雪
人力といいますか、人力
除雪
の両方に問題があったということです。 まず設備面について御説明いたしますと、国鉄といたしましては、三十八年の
豪雪
、それから四十八年の
豪雪
の体験を生かしまして、四十九年から
雪害
対策
長期
計画
というものを策定いたしまして、それによって設備面の充実を図っております。四十九年の
雪害
対策
長期
計画
の主たる内容は、人手不足といいますか、産業構造の変化もございまして、今後は人力に依頼する
除雪
ということが非常にむずかしいだろうというようなことから、主として地上設備の
強化
なり
除雪機械
の配備、こういったものに重点を置いてこの五年間進めてきておるわけでございます。その成果といたしまして、先ほ
ども
御説明いたしましたように、
北陸
線の不通期間が三八に比べて少し減ったとか、それから上越線でございますと、十六日の不通期間が二日で済んだとか、いろんなメリットはあったと思います。 残念ながら、今回の
北陸
の
豪雪
に対しましては、いままで私
ども
が進めてまいりました設備
計画
が不備であったと認めざるを得ないと思っております。また
除雪機械
につきましても、重い雪といったようなことに対する機械配備、これがやはり不十分であったというぐあいに反省をいたしておる次第でございます。今後とも省力化時代に備えまして、こういった設備面の
強化
、これに重点を置いて今後とも
整備
を進めていきたいと考えておるわけでございます。 それから
除雪
人員の問題でございますが、先生御指摘のように賃金問題がございますが、それとは別に産業構造の変化というようなことで、だんだん
除雪
に従事していただく沿線の方たちが少なくなってきておる。それから今回の
北陸
では、鉄道だけでなくて、人家の雪おろしでございますとか、それから
道路
除雪
とか、多々
除雪
人員を要する場が多かったわけでございます。そういったことと重複して、従来に比較いたしまして確かに
除雪
の人員が少なかったわけでございます。 賃金問題につきましては、確かに需要供給の関係がございまして、少し安目だなという感じがいたすわけでございますが、国鉄で比較いたしてみますと、たとえば北海道では同じ賃金でもかなり充足されたというようなこともございまして、今回の
北陸
のケースは非常に異常でなかったろうかというぐあいに思っておりますけれ
ども
、なお賃金の問題につきましては、今後のこともございますので、十分検討いたしまいりたいと考えておるわけでございます。 それから越美北線の問題でございますけれ
ども
、御指摘のとおり、越前大野から九頭竜湖間、約四十日間という長い不通期間を出してまことに申しわけなく思っておるわけでございますが、お話ございましたように、後半におきましては、トンネルを利用して私
ども
の保線の作業車でもって
緊急物資
の輸送とか緊急人員の輸送とかやって、少しでも地元のためにというぐあいに努力いたしたわけでございますが、何せ大変な
豪雪
と湿った雪ということで、大変地元に御迷惑をかけて申しわけなく思っております。これも
北陸
本線と同じように、今後とも
除雪機械
の
強化
を中心に
除雪
体制の
強化
に取り組んでいきたいと考えております。 この越美北線の地方
交通
線問題につきましては、現在運輸省で御検討中でございますので、後でまた運輸省から御返事があろうかと思いますので、この辺で省略させていただきたいと思います。 それから
富山操車場
の問題でございますが、
富山操車場
につきましては、五本の
流雪溝
と数台の
除雪機械
でもって三十一年以来
除排雪
に努めてきておりまして、従来はほとんど
被害
を最小限に食いとめるといったことで輸送面に障害を起こすことはなかったわけでございます。今回三十八年以来の
豪雪
といったこともございまして大変な輸送障害を起こしたわけでございます。 それで、いろいろ反省をいたしておるわけでございますが、
流雪溝
の使用につきましては、何分にも水の使用ということがございまして、量近の環境変化によりまして水が非常に使いにくくなってきておるということもございますけれ
ども
、今後とも
地域
の方とお話し合いをしてこの水の
確保
に努めていきたい。それから従来の
流雪溝
と
除雪車両
による
排雪
のみならず、今年度から両三年をかけまして散水式の消雪設備を設置いたしまして、今回のような
災害
状態にならないように設備を
強化
していきたいということで具体的な
対策
を練っておる段階でございます。 以上でございます。
金子史生
98
○
説明員
(金子史生君) 地方
交通
線
対策
との関係でございますけれ
ども
、御承知のように地方
交通
線等の選定基準、政令につきましては現在関係各省と協議中でございます。したがいまして、現時点におきまして越美北線の取り扱いは決まっておらないわけでございます。 しかしながら運輸省といたしまして考え方を申し上げますと、転換対象となります特定地方
交通
線といたしましては、バスと鉄道とコスト比較いたしましてバスの方が経済的であるという一日一キロ
当たり
四千人未満の輸送量、こういった基準といたしたいと考えております。しかしながら四千人未満でありましても、たとえば冬期
積雪
あるいは雪
なだれ
、こういったことのために十日を超えてバスの通行が
確保
できないといったような線につきましては転換対象から除外したいというふうに考えております。
鈴木和美
99
○
鈴木和美
君 どうぞ、国民の国鉄ですから、
除雪
体制に
全力
を注いでもらいたいと思います。 同時に、越美北線の問題については、もうはっきりしているんですから、百五十八号線は
なだれ
の危険
地域
で、主要
幹線道路
にバスを走らせると言ったって、あそこは雪のときには走らぬのですから、そういう意味でどうぞこの問題についてしっかり受けとめてもらいたいと思っています。 さて、その次の問題は、山の問題についてこの機会にちょっとお尋ねしておきたいと思います。 先ほど御質問がありましたが、端的に言って、時間がありませんから、現在ある
農林水産業
施設
災害復旧
事業費
国庫
補助
の暫定
措置
に関する法律及び
激甚災害
に対処するための特別の
財政援助等
に関する法律というのがありますが、これは森林というものは農地並みに見ることができないのか。そこに農地並みに森林というものを入れておけば、
激甚災害
法の指定を受ければ当然この法律で全部受けることになりますね。それで山を農地並みということに見ることができるのかできないのか、それだけお尋ねしておきたいと思います。
宮崎武幸
100
○
説明員
(宮崎
武幸
君) お尋ねのようにただいまの制度上は農地と森林は区別されておるわけでございます。農地の機能あるいは実態と森林の実態というのはやはりいろいろ違うところがあろうかと思います。ただいま先生のお話は、それをさらに今後の
措置
として同じような扱いができないのかと、こういうふうなお尋ねであろうかと思いますが、私
ども
としましては、ただいま大臣等の御指示もありましていろいろな面から今回の森林
被害
につきまして検討をやっておりますが、まだその具体的な内容等につきましてはお答えできる段階に達しておらないわけでございます。そういうことで、今後とも
被害
の実態等を十分把握しまして
対策
を講じたいと思っておりますが、ただいまの御質問のような具体的な点につきましては、いまだ残念ながらお答えできる段階ではございませんので、御了承いただきたいと思います。
鈴木和美
101
○
鈴木和美
君 この折損木の問題については今回の
豪雪
の大変な特徴でありますから、各党でいまそれぞれ検討が進められているようでありますので、政府自身もそれを受けて、造林意欲がなくならないようなそういう
対策
を、温かい
対策
をとってもらいたいと思っています。 さて、もう一つの問題は商工業者の問題ですが、通産省にお尋ねいたしますが、今回の雪の特徴として、商工業者の経済活動が麻痺しちゃって損害額が私は大変だと思うんです。どのくらいの損害額になっているのか、現状についてお聞かせいただきたいと思います。 同時に、その指導
対策
というか、どういうふうにして
助成
をこれからしていくのか。これから三月決算に入って納期の時期になりますが、契約の不履行などによって大変なトラブルが起きるんじゃないかと思うんです。そういう場合の指導体制はどういうふうになっているのかお尋ねをいたしたいと思います。
中尾舜一
102
○
説明員
(中尾舜一君) 先生御指摘のように今回
豪雪
によりまして
中小企業
関係は非常に
被害
を受けております。各県からの
報告
がありました
被害
状況
で申し上げますと、工場の倒壊とかあるいは機械の損壊といいましたいわゆる直接的な損害だけで約百三十六億円に現在上っております。それからこのほかいわゆる
道路
、鉄道の不通によりまして原材料あるいは製品の輸送難が生ずる、あるいは
作業員
の通勤難が生ずるとかいうことで生産の低下あるいはお客の減少とかいうようなことで売り上げの減少が相当生じております。そのほか雪かき
費用
等も相当かかっております。これにつきましては金額の把握は非常にむずかしゅうございますけれ
ども
、
北陸
三県だけに限って申し上げましても、売り上げ減少額等が約二千億円
程度
に上っておるという
報告
が県から出されております。 そういう
状況
でございますので、
中小企業
庁といたしましては、
被害
を受けました
中小企業
者に対する緊急
措置
ということで、
中小企業
金融三機関によります
災害復旧
貸付制度というものを早速にも発動いたしました。 それから体質
強化
資金の積極的活用ということで、要するに
中小企業
の経営の安定に支障が生じないように対処したところでございます。 それからさらに設備近代化資金とか、あるいは高度化資金等につきまして、それの返済猶予につきまして企業の
実情
に応じた対応策を講じたということでございます。 それから金利等の問題でございますけれ
ども
、
中小企業
の経営を著しく不安定にしているということで、二月六日付の閣議の決定によりまして、特に
被害
を受けた
中小企業
者の
地域
につきまして、先ほど申し上げました中小三機関からの
災害復旧
貸し付けにつきまして、
激甚災害
並みの低利融資を行う、金利を引き下げるということによりまして、年度末を控えまして
中小企業
者の資金面に支障がないように対処しているところでございます。
鈴木和美
103
○
鈴木和美
君 時間がありませんので、農林省、また通産省のガスの問題などについてお聞きしたいと思ったんですが、時間がございませんので省略しますから、また個人的にいろんな
対策
について申し上げたいと思いますので、配慮をしていただきたいと思います。 最後ですが、
桜島
の問題について幾つか質問してお答えをいただきたいと思います。時間がございませんので要点だけ全部述べますので、関係どころ簡単にお答えをいただきたいと思います。 まず一つは
土石流対策
について、現在十五カ所が
直轄事業
となっておるようですが、先般私たちも見さしていただきまして、あの
土石流
が大変な勢いで流れてくるということで、直轄の
事業
の枠を拡大をしてもらって
住民
の安定した
生活
をとってもらいたいという
要望
が非常に強かったんであります。 同時に、
報告
書の中でも述べられておりましたが、
流路工
の中にたまった
土石
、これの排せつに非常に苦労しておりますし、捨て場所に困っているというようなことがありまして、そういう問題についてこれから一体どういう
対策
をとられるのかということについてぜひ聞いておきたいと思うんです。同時に、直轄の
事業
の枠をもっと拡大をして、そして征民福祉にぜひ寄与していただきたいということを申し上げておきたいと思うんです。 それからもう一つは、雪の場合と違いまして、
桜島
の場合には若手は全部外に、まあ出かせぎという言葉は適当ではありませんけれ
ども
、
鹿児島
の町で働いているわけですね。残っている人はみんな高年者の人です。そういう意味ではあの土地から離れるということができないわけですね。そのために営農
事業
が
助成
としてやられているようですけれ
ども
、
ビニールハウス
の問題にしても、灰を非常にたくさんこうむっちゃって大変な個人支出が行われているというような
状況
にかんがみて、営農
事業
に対する
助成
を私はぜひしっかりしてほしいというように思います。 同時に、三つ目は防災
訓練
の問題ですが、私は、各二市三カ町が集まって大変な防災
訓練
をされていることに敬意を表したいと思うんです。 ただ一つあそこで心配だったのは、昼間の防災
訓練
なもんですから、仮に
爆発
が起きるというのは、聞いてみますと、全部夜中のようですね。十二時か一時ごろに起きる。そういうときに昼間の
訓練
だけでいいんだろうかということを大変心配な点として私は受け取ってきました。
経費
も大変かかるそうでありますが、ぜひ夜の防災
訓練
についても指導を強めていただきたいし、
経費
がかかるようであれば
助成
の
措置
を考えてもらえないかと思うんです。 最後は、現在ガスの
被害
というのはないというように聞いてきたんですが、火山のことですから、いずれガスの問題、人体に与える影響が出てくるんじゃないかと私は思うんです。風の向き、それから天候な
ども
関係がありましょうけれ
ども
、そういう将来にわたってガスの人体に及ぼす影響に対してどういう予防の
措置
がとられるのか、検討しておればぜひ聞かしていただきたいと思います。 以上です。
原健三郎
104
○国務大臣(原健
三郎
君) 残余のところは
政府委員
からお答えしますが、火山のいまおっしゃられたガスが出る、それがいかに人体に害があるか問うと。これはなかなか
調査
しなきゃわかりませんので、昨年の五月から
火山ガス等
調査
委員
会というのを国土庁に置きましていま鋭意検討いたしております。遠からずその結論が出ますから、それが出とのに従いましてその
対策
をやりたいと、こう思っております。
釣谷義範
105
○
説明員
(
釣谷
義範君) お答えいたします。まず私の方から最初の御質問の
桜島
における
土石流対策
についてお答えいたします。
桜島
につきましては、御存じのように、
昭和
五十一年度から
野尻川
等の各
河川
を直轄施行区域に編入しまして鋭意
対策
工事を実施してきたところでございますが、その後火山噴火に伴いまして非常に
降灰
がはなはだしくなりましたので、
昭和
五十六年度から新たに北斜面の
桜島
町側の金床川を直轄施行区域に編入いたしまして、
直轄砂防事業
の枠を拡大することといたしております。また
桜島
の
状況
にかんがみまして、五十六年度から新規
事業
としまして火山等緊急
対策
砂防事業
というものを設けまして、これによりまして、先ほど先生おっしゃいましたように、
流路工
内にたくさん
土石
が入っていかないように既設砂防ダムの
除石
工等も実施するという予定でおります。 以上でございます。
矢崎市朗
106
○
政府委員
(矢崎市朗君) 営農
対策
につきまして
強化
するようにという御指摘でございますが、現在、営農関係につきましては、活動火山
対策
特別
措置
法によります
防災営農施設整備
計画
に基づきまして実施を図っておるところでございます。この
計画
は五十五年度で終了することになっておりまして、
鹿児島
県はさらに五十六年度からの新しい
計画
を立てて実施をしてまいりたいということで現在検討が進められております。私
ども
もこの
計画
に基づきまして
事業
実施のさらに一層の促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
森繁一
107
○
説明員
(森繁一君)
避難訓練
のことについてお答え申し上げます。 先生御指摘のように、
桜島
につきましては、退避ごう、退避舎、かなり施設の
整備
も進んでおるわけでありますけれ
ども
、
避難訓練
等が必要なことにつきましては論をまたないところでございます。これまでのところ、
避難訓練
を年一回以上行っておりますけれ
ども
、御指摘のように昼間の
避難訓練
が多いようでございます。ただ、
爆発
は、先生御指摘のように、昼夜を問わず起きるものでございますし、夜間の
爆発
に備えましてもそれ相応の
訓練
が必要かと思います。ただ夜間につきましては、参加者の数の問題とか、あるいは不測の事故等の問題もございますので、地元の関係
団体
と十分よく協議をいたしまして、そのような指導を進めてまいりたい、かように考えております。
広田幸一
108
○
委員長
(
広田幸一
君) 以上をもちまして午前中の質疑はこの
程度
にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時四十分休憩 —————・————— 午後一時三十四分開会
広田幸一
109
○
委員長
(
広田幸一
君) ただいまから
災害対策特別委員会
を再開いたします。 休憩前に引き続き、
災害対策樹立
に関する
調査
を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
村沢牧
110
○
村沢牧
君 私も長野県や
新潟
県の
豪雪地帯
を回り、雪に埋もれて
生活
を破壊され苦しんでいる
現地
の事情を
調査
してまいりましたが、そういう立場上、私の質問の中には具体的な町村名や
道路
名あるいは鉄
道路
線名等が入ることがありますけれ
ども
、率直に答弁してもらいますように最初に
要望
しておきます。 さて、今回の
豪雪
はまさに記録的であり、長野県におきましても
昭和
三十八年、五十一年の
豪雪
をはるかに上回る
積雪
であり、過去の
豪雪
とは異なった
状況
を呈しておるわけであります。したがって、政府の対応も
被害
地の
実情
に即したものでなくてはならず、またきめ細かく積極性も持たなければならないわけであります。政府は
豪雪対策
の緊急
措置
を決定しているわけでありますけれ
ども
、そのほとんどは五十一年の特定
措置
に準じておって、特段目新しいものはないというふうに思うんであります。そこで伺いますけれ
ども
、今回の政府の
措置
で自治体や
住民
の要求に十分対応できるという自信を持っておられるか。
被害
地の皆さん、政府がやりますからどうぞ御安心くださいというふうに言い切れるかどうか。さらに、国会の審議や、これから自治体等からまたいろいろな
要望
も出てくるというように思うんですけれ
ども
、これらについてさらに内容を充実さしていく考えをお持ちかどうか。そして、こうした
対策
をする上に必要な財源
措置
というのは十分
確保
されておるのかどうか。以上の点について長官から御答弁を願います。
原健三郎
111
○国務大臣(原健
三郎
君) お答え申し上げます。 私も
現地
を三回にわたって
視察
いたしまして、その
豪雪被害
の甚大なこと、それがいままでに例を見ないほど
被害
が激しいことを身をもって痛感した次第であります。それ以来政府にも
豪雪対策本部
を設置し、私が本部長になるし、閣議において私は五回にわたってその
実情
を
報告
してことごとく閣議の了承も得ておるところであります。 さて、そういう点から見ましても、政府も非常に力を入れておるし、海外に行っておる
鈴木
総理大臣から電話でその
状況
を聞かれたというようなふうでございまして、非常な決意を持って対処しているところであります。 それで、その一つでありますが、
除雪
、
排雪
なんかについても、いわゆる幹線の
市町村
道について一番金のかかるのは、
除雪
、
排雪
が一番大々的に
経費
がかかりますので、予算
措置
といいましてもこれが一番中心をなすものであろうと思っております。これについても一般交付税で間に合わなければ特別交付税、これでもまだ間に合わぬ場合においては予備費を使う、こういうことまで決まっております。また、御承知のように、全体にどれほどの
被害
があるかという詳細は目下
調査
中でありますし、
報告
も受けておる最中でございますので、それが決まりましたら私
ども
もこの異常
豪雪被害
に対して非常な決意を持って積極的に取り組んでやる決意でございますので、地元の方に対してもどうぞ御安心願いたいということをいままでも言ってきましたが、御安心願いたいとこの機会に申し上げておく次第であります。
村沢牧
112
○
村沢牧
君 政府はそのような
対策
を立てておりますけれ
ども
、衆参両院で
豪雪
問題についてはかなりの論議も行われており、
要望
も出されておりますから、今後の問題として新たに対応しなければならないようなことが生じた場合においてはさらに
対策
を充実してもらいたい、充実すべきだというふうに思ってそのことは要請しておきます。 さて、
災害
の法体系の
整備
についてでありますが、午前中も同僚議員から質問や指摘をされました。私もかねてから
豪雪
に関する法体系を
整備
充実すべきであるというふうに考えまして、実は五十二年十一月十六日の当
災害
委員
会でも質問も要請も行ったところでありますが、今回の
豪雪
を経験してその必要性を一層痛感をしておるものであります。今回政府も具体的な
対策
を講じてはいますけれ
ども
、既存の法律や制度では救済されないもの、すなわち不備な点が多々あることが実証されておるわけであります。その二、三について質問いたしますが、まず
災害
対策
基本法についてであります。
災害
対策
基本法は、自然現象によって
被害
が生じた場合に
災害
としてみなす、すなわち
豪雪
によって公共施設や
道路
、
河川
に直接の損害を与えた場合には
災害
であるというふうに認定されるというふうに思います。
積雪
による間接
被害
は
災害
とはみなされない。しかし雪の場合には
除雪
をしなければ
交通
機関も途絶してしまいますし、家屋も倒壊をする。この
除雪
には多額の
費用
がかかる。そしてまた人的物的精神的にも大きな負担がかかるわけであります。したがって、雪が解けてしまえば何でもなかったという認識は私は間違いであるというふうに思うんです。よって、
積雪
によって国民
生活
を破壊するような
被害
を受けた場合には、そのものが間接的
被害
であったとしても
災害
であるという認識に立って法体系を
整備
すべきではないか、このように考えますが、どうでしょうか。
原健三郎
113
○国務大臣(原健
三郎
君) 現行法でも
豪雪
に対してはこれは
災害
の取り扱いをいたしておりますので、特に
豪雪被害
を除外しているという、そういうことはございません。
村沢牧
114
○
村沢牧
君 長官、私は除外しているというふうには申しませんよ。いま私が申し上げたことは、
豪雪
はあるけれ
ども
、
豪雪
によって直接的
被害
を受けた場合に
災害
ですね。間接的
被害
も
災害
とみなしますか。
柴田啓次
115
○
政府委員
(柴田
啓次
君)
豪雪
等による
被害
は、お話しのように、施設
被害
のほかに人的
被害
、それから雪のために
交通
途絶、材料の運搬不能といったような関係から
各種
事業
の減収減益、あるいは農作物の
被害
など多種多様なんでございます。これらの
被害
に対しましてそれぞれ
助成措置
を設けているわけでございます。 今冬の
豪雪
に際しましても、
被害
を受けた
中小企業
者に対して、二月六日の閣議決定で特に安い金利の特別の融資というのをやるようにしております。この場合の基準におきましては、
事業
用資産の損失の場合ばかりでなくて、前年同期と比べまして三〇%減収減益があったというようなことも考慮して、その基準によりまして特別の
災害
融資をするというふうになっているのでございます。 また、いまお話のありました
除雪費
につきましても、特別交付税において特別の
措置
をするほか、さらに先ほどから何度も出ておりますように、予備費をも充用して五十一年の特例
措置
に準ずる
措置
を講ずるというようなことをやっているわけでございまして、必ずしも施設
被害
のみを中心にしてやっているのではないというふうに理解をいたしております。
村沢牧
116
○
村沢牧
君 いま柴田
審議官
から答弁があったわけですが、私が先ほど申しました五十二年ですか、この
委員
会で質問したときの当時の国土庁長冨田澤さんの
豪雪
に対する考え方と、いま大臣や
審議官
から答弁があったことと大分食い違いがありますが、これは時間がありませんからきょうここでは論議しませんから、後ほど検討してくださ そこで、私が言っていることは、間接的
被害
、言うならば個人
災害
ですね、税法上の雑損控除を緩和したことは、これは評価できるとしても、午前中
鈴木
委員
からも指摘があったように、
豪雪地帯
山村
地域
においては所得税を納入しない人、つまり税金控除の恩恵に浴さない人がほとんどなんです。したがって、
豪雪
によって
住民
が受けた経済的肉体的な
被害
等の
生活
被害
に対して特別給付を行う、こういう新たな制度をつくるべきだというふうに思うんです。死亡者に対する弔慰金の引き上げはもちろんでありますけれ
ども
、その他
弱者
に対して国と自治体が特別給付を行うというような
措置
を何としても考えなければいけない。すでに
市町村
ではやっているんです。政府としてどうしてもこういうことができないのかどうか。
原健三郎
117
○国務大臣(原健
三郎
君) お答えします。 いま御質問の一般
家庭
等にお見舞い金のようなものを交付するかという議論に突き詰めてはなるわけでありますが、それについてはいまのところ非常に困難であると、こう考えているところであります。
村沢牧
118
○
村沢牧
君 そのようなことは政府でどうもやる意思が余りないようでありますが、ということはそういう実態について政府が的確な把握をしていないことだというふうに思うのであります。
豪雪地帯
の幾つかの
市町村
では、
豪雪
による間接
被害
や生計費
調査
をすでに行っているんです。私はここに
新潟
県小千谷市が行った
昭和
五十一年十二月から五十二年四月までの間接
被害
実態
調査
を持っておりますけれ
ども
、これによれば、その当時で一般世帯で平均負担額が三十万九千四百九十三円もかかっている。この
調査
では人夫賃を五千五百円で計算していますが、現在では一万円以上もかかっております。こういうことから推計すれば、今回の
豪雪
に対しては四十万も五十万もかかるということがおのずからわかるわけです。 そのほかこの実態
調査
では、公共建物、施設関係は間接
被害
がずいぶんかかっている。あるいはまた
中小企業
に対しても農業に対しても間接的な
被害
がかかっているということをこれは明らかにしているんですね。なおかつ、ここに財団法人の日本
積雪
連合やあるいはまた社団法人の日本能率協会ではこの種の
調査
を行うべきだということで具体的な
調査
要綱等も示して町村にも要請をしている。 一体政府はこの種の
調査
を行ったことがあるのかどうか。恐らくないでしょう。やっぱり国土庁が窓口になって、今回の
豪雪
を契機として、
住民
がどんなに悩まされているのか、
生活
がどのように破壊されているのか実態
調査
を行って、そして法律や制度をつくらなければならない。こういう資料にすべきだと思いますが、どうですか。
四柳修
119
○
政府委員
(四柳修君) ただいまのお尋ねのうち
災害
にかかわる分につきましては別としまして、一般的な関係、特に
豪雪地帯
に指定されました
市町村
のうちの、二十四県ございますけれ
ども
、そのうちの半分につきましていままでいろいろ
状況
を聞いておりますけれ
ども
、大変申しわけございませんが、いまお尋ねのような個人の負担の
状況
を国土庁において直接
調査
した例はございません。
村沢牧
120
○
村沢牧
君 それはいろいろ
調査
ありますよ。農林関係の
調査
もいろいろあることは承知してますよ。私が質問していることは、
豪雪
によってこんなに
被害
を受けているんだ、そのことの
調査
を
市町村
や他の
団体
ですでにやっているんですから、政府がそれを把握しているのかどうか、どこがやっているんですか。
柴田啓次
121
○
政府委員
(柴田
啓次
君) 個人のいろいろの雪おろしの
費用
というのを実際問題として集計するようなことは非常にむずかしいわけでございますが、いろいろと関係府県あるいは
市町村
の方から
豪雪地帯
の
住民
がこのたびの
豪雪
のためにいろいろの
経費
を要したというようなお話は伺っております。
村沢牧
122
○
村沢牧
君 私は国土庁がみずから
調査
しろと言うんではないんですよ。皆さんが府県に要請をして、ぜひやりましょう、その
調査
の結果を知らせてくださいと、そのくらいの努力がなければ個人
災害
救済すると言ってもできないんじゃないんですか。どうですか。今度
調査
をやってみませんか、そういう形で。どうでしょう、大臣。
原健三郎
123
○国務大臣(原健
三郎
君)
調査
はまだやることも決まっておりませんが、御趣旨の点はよくわかりますので、これは国土庁だけでもいきませんので、各省庁と連絡して一度検討をし相談してみたいと思います。
村沢牧
124
○
村沢牧
君
林野庁長官
に尋ねますが、先ほど来森林の
被害
、特に立木の損傷の
被害
に対しての質問が行われました。林野庁も
調査
をしなければわからないという答弁ですけれ
ども
、
調査
をしなければ的確な数字は把握できないといたしましても、現在すでに各府県から実態が挙がってきておるわけです。皆さんもまた
現地
に行ってどんな
状況
だか知っているわけです。私は、いまの状態では既存の法律の適用をもってしては救済することができない、損傷木の
災害復旧
をするということはいまの法律では困難だと思うんですね。そこで法律改正なり特別の法律をつくらなければならない。大臣も意欲に燃えているようでありますが、林野庁はそのことについて検討しているのかどうか。林野庁がやろうとするのか、それとも政府ではできないというふうに考えるのか、どうなんですか。
須藤徹男
125
○
政府委員
(須藤徹男君) 今回の
豪雪
が従来にない大
規模
の、しかも折損木が非常に多いということでございまして、従来も局所的にはこういう
被害
もあったわけでございますが、すべて
激甚災害
復旧造林でもって対応してまいってきておるわけでございます。今回はこれが余りにも膨大であるということでございますし、この
対策
についていろいろ検討を進めておるわけでございます。また各党におかれましてもいろいろ御検討いただいておるように仄聞をしておるわけでございまして、今後各党の御意見なりあるいは国会の御意向なり、あるいは政府部内の意見なりを十分詰めまして今後の
対策
を詰めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
村沢牧
126
○
村沢牧
君 わが党もこの種の救済に対して、
災害復旧
に対して何らかの法的な
措置
を講じなければいけない、そういう立場に立っていろいろ検討をしておるわけでありますが、これはわが党だけでなくて、できれば国会においても全党一致でつくらなければいけないのじゃないか、そういう気持ちも持っているわけでありますので、政府の方でできないならできないというはっきりした態度を、そんなに遅くなるんじゃなくて、示すべきだと思うんですね。国会でひとつやってくださいというんならその向きにすべきだと思うんですが、そのことについて要請をしておきます。 それから
豪雪地帯
特別
措置
法の規定には、特例
事業
について「五十七年三月三十一日までの間」に限るとか、「五十六年まで」の間というふうに期間を定めているものが非常に多い。この法律の中身は時限立法的な性格を持っているわけであります。したがって、本法律は本年度中に検討しなければならないものでありますけれ
ども
、この特別
措置
法は今後どのように扱ってまいりますか。
四柳修
127
○
政府委員
(四柳修君) お尋ねの点、私
ども
の方もそういう問題意識を持っておりまして、実は国土審議会の中にこの問題を取り扱います特別
委員
会がございまして、この特別
委員
会には国会の方からも
委員
の御推薦をいただいておりまして、すでにそのことが議論になっておりまして、実はこの法律は議員立法でございますから、どういう形で扱うかは問題としましても、そういう問題意識を持ってどうするか、とりわけ今回の
豪雪
を踏まえまして、いまの十四条、十五条という形だけでいいのか、いろいろ御議論がまたふえてくると思います。それらを受けとめまして、この特別
委員
会で御議論いただきまして一つの方向づけをしたいと考えております。
村沢牧
128
○
村沢牧
君 二、三の点について指摘をしたわけでありますが、答弁にもありますように、また先ほど来指摘がありますように、
豪雪対策
の法律はやはり
整備
をしなければならない、そういう時期に来ているというふうに思いますから、国会でも取り組みますけれ
ども
、政府自体が前向きにひとつ取り組んでいくことを強く要請をしておきます。 次に、
豪雪地帯
あるいは特別
豪雪地帯
の指定基準の見直しについてであります。今回の
豪雪
は従来の尺度でははかり切れない問題が多々生じておるわけであります。
豪雪地帯
の指定基準は
豪雪地帯
特別
措置
法に基づく政令で指定をされておるわけでありますが、その
観測
期間は二十年あるいは三十年という長い期間の
積雪
度を取り上げているために
実情
にそぐわないものがある。最近年度の
積雪
度も加えて、特に今回の
豪雪
を契機としてこの指定基準の見直しと
指定地域
のさらに拡充をすべきである、このように考えますが、どうですか。
四柳修
129
○
政府委員
(四柳修君) お尋ねの点、一般の
豪雪地帯
と特別
豪雪地帯
に分けまして、一般の
豪雪地帯
は三十八年以降特に追加、変更はございません。 お尋ねの点は特別
豪雪地帯
の点も一つあろうかと思いますけれ
ども
、実は一昨年何度目かの改正をいたしましたが、その際は過去の三十年間をもう十年間手前に引っ張りまして、最近の
積雪
の
状況
等あるいは
交通
途絶の
状況
なり幾つかの新しい要件も加えて検討したわけでございますが、いま
村沢
委員
がおっしゃいますような点、実は前回の指定に関連しまして隣接の幾つかの
市町村
で、自分のところは残されている、どうして数字がおかしいんだろうかというこういう御意見がございまして、その点も先ほど申し上げました特別
委員
会でもいろいろ御意見ございまして、ただこの指定につきましては、一般の
豪雪
は特別
委員
会の御意見を聞き、それから特別
豪雪
は特別
委員
会の議決が必要でございます、その上で物差しをつくって指定するもんですから、そういったための何か新しい客観的な数字がないだろうかということは、いま特別
委員
会の場で御議論いただいているところでございまして、私
ども
も何かそれにかわるべき、あるいは補完すべき客観的な比較的長期間統計がとられるならば、それをもっていま御指摘のようないわば追加希望の
市町村
に対します点の御検討を一つの物差しとしまして特別
委員
会に御検討をお願いいたしたいという考え方を持っております。
村沢牧
130
○
村沢牧
君 具体的な地名を挙げて一、二質問いたします。 長野県の北安曇郡八坂村、人口は千七百名であります。傾斜度が非常に強くて
道路
状況
も悪い、雪が降らなくても
生活
の不便度が高い山村でありますけれ
ども
、この八坂村に境を接する大町市美麻村、信州新町、大岡村、これはいずれも
豪雪地帯
になっているわけでありますけれ
ども
、それにすっぽり囲まれた八坂村が
豪雪地帯
じゃない。この村だけ雪が降らぬというわけじゃない。ことしの雪も二メートルに達するような
積雪
があって大変苦しんでいるわけです。この地図についてはそちらに上げたように思うんですけれ
ども
、一体こういう村がなぜ指定をされないんですか、今後どうしようとするんですか。
四柳修
131
○
政府委員
(四柳修君) ただいまの具体的な町村名をお挙げになりました村に限らず実はほかにも幾つかございまして、その村についての客観的な統計資料がないもんですからそういう形になっておりまして、それを補完すべき資料がないだろうかという形でいろいろ議論いただいているところでございまして、いま御指摘の八坂村と反対側の方の更埴市も実はなってない、あるいは八坂村より南の方はなっていないという
状況
ですけれ
ども
、これと比較しまして、たとえば周りが全部なっていますけれ
ども
中だけがなっていないというところもございます。 そういう意味で特別
委員
会の方でも何かしかるべき物差しがないだろうかどうかということを御議論いただきまして、私
ども
の方も実は各省庁のいろんな統計
状況
につきましていろいろ御検討いただいているところでございますけれ
ども
、その中で物差しとしまして、一つは
積雪
の
状況
の問題がございます。
積雪
につきましては気象官署なり委託しました施設の数字が必要でございます。もう一つは
生活
の支障度という問題で、とりわけ
交通
途絶の
状況
等がございまして、その後者の点につきましてはだんだん新しい資料が入ってきまして、それで補完することが可能でございますけれ
ども
、前者の比較的長期間の気象官署等によります
積雪
状況
の資料がないためになかなかそういう事情が出ないとか、そういった点が若干ございまして、いましばらくその点で、ほかにも例がございまして、私
ども
の方も非常に気にしているところでございますので、もう少し検討の時間をいただきたいと思います。
村沢牧
132
○
村沢牧
君 次は特豪地帯についてまた具体的な自治体を挙げて申し上げますが、大町市は未曾有の
豪雪
に見舞われて、二メートル余の
積雪
になって市民は
生活
に大変苦しんでいるわけです。
道路
も
交通
不能の状態が幾日も続いている。市が実施をした
交通
確保
や公共施設の保守等の
費用
は平年度の十倍も要している。この大町市は
豪雪地帯
ではないんですが、お隣の白馬村、さらにちょっと離れた小谷村は特豪地帯である。こんなに雪が降ってこんなに苦しんでいるところがなぜ特豪地帯にならないんですか。ことしだけ特に降ったっていうんじゃないんですよ。
四柳修
133
○
政府委員
(四柳修君) 前段御答弁申し上げましたように、そういう意味での、何といいますか、資料につきましては、個々の
市町村
によりましておとりになる地点が、いろいろ事情もあろうかと思いますけれ
ども
、たとえば長野で言いますと大町も特豪でございませんし、あるいは中野市も特豪でないというかっこうで、私
ども
の方もそういう意味で特定の
市町村
についてどうということは非常に困る、何といいますか、判断しかねるものですから、その
市町村
に何でそういう資料がないんだろうか。その
市町村
で最も客観的にとりやすくてほかの
市町村
にも適用できるような物差してございませんと、これは判断しかねますという意味で、関係省庁の方のいろいろ御協力をいただきながら資料の充実を図っているところでございます。
村沢牧
134
○
村沢牧
君 資料があるかないかはここで議論してもいたし方もありませんが、これらの私が指摘をした
市町村
でも資料もあるというふうに思うんです。それらの資料を提出すれば国土庁の見通しとしていつごろ、いま検討しておるけれ
ども
、見直しを行うのか、どのように考えますか。
四柳修
135
○
政府委員
(四柳修君) 大変恐縮でございますけれ
ども
、これは全国的な物差しの問題でございますから、特定
市町村
が特定の
状況
によっておとりになりました資料によってだけ決めるということは不可能でございます。同様の事情にお苦しみの
市町村
でもできるような、しかも何か客観的な条件に基づきますものでございませんと、ほかの
市町村
との比較ができません。そういう意味で、たとえば大町市の方からこういう資料について見て、たとえばほかの県でもほかの町でも、たとえ二十年間はないとしてみても最近五年間はこういうものがあるじゃないかとか、そういうような御意見がございますれば、私
ども
も決して検討するにやぶさかでございません。
村沢牧
136
○
村沢牧
君 いろいろ答弁しておるんですけれ
ども
、いずれにしても指定の中身についても十分でないと私は思うんですね。皆さんも認めておると思うんですよ、こういうところが残っているんですから。これは指定の見直しを今回の
豪雪
を契機にしてやはり考えるべきだというふうに思います。私がいま指摘した村だけ、市だけやるということじゃないんですよ。全国的に再検討すべきだと思いますが、長官どうでしょうか。
四柳修
137
○
政府委員
(四柳修君) いま御指摘の点、実は先ほど私、特定の県の名前挙げませんでしたけれ
ども
、北海道でそういう例がございまして、北海道の特定
市町村
じゃなくて、北海道全域についての資料を見直しするからどうだろうかという御意見まで来ておりまして、その北海道全域についての資料を、たとえば長野県について見てもとり得るかどうかと、そういうことになりますればということで、決して私
ども
の方、実は特別
委員
会の方でも、社会党の方からも
委員
さん入っておられまして、重ねてのお尋ねがございまして、その点につきまして、申しわけございませんが、北海道だけの資料をどうやったらもう少し全国的な物差しにできるか、五十五年度の問題としては困難だけれ
ども
少し検討の時間をいただきたいと、こういうふうに御答弁いたしまして、検討の時間をいただいている
状況
でございます。
村沢牧
138
○
村沢牧
君 次の問題に入りますが、
市町村
の
財政
救済についても質問のあったところでありますが、確認をしておきたいんですけれ
ども
、従来自治省は
豪雪
による
措置
として、普通交付税による
措置
等含めて特交でほぼ充足させる、普通交付税で見られない分については特交で一〇〇%処置をするという方針を持っていたわけでありますけれ
ども
、これに変わりはないかどうか。 そこで、先ほどの答弁で確認をしておきたいんですけれ
ども
、特別交付税の枠内で見ることができないものは建設省の特例
措置
で
措置
をするのか、逆に建設省の特別
補助
を適用してもなおもちろん不足になりますから、その不足分は特交で全部処置をするのか。さらに建設省の
補助
やあるいは自治省の特交の枠いっぱいを使ってもなお不足するものについては、これは予備費で見るのか、その点について確認をしておきたいと思います。
柴田啓次
139
○
政府委員
(柴田
啓次
君) 先ほどからお話し申し上げておりますように、このたびの
豪雪
というものは非常に大きいので、
昭和
五十一年度に前例がございますが、幹線
市町村
道の
除排雪
の
費用
につきまして特別の
措置
をして、これに
補助
をしようというのがあるわけでございます。そのほかにいま先生のお話がございましたように、普通交付税において元来
除排雪
費用
というのは相当
程度
算入をされているのでございますが、このたびのような異常
豪雪
になりますと、その算入額では足りないので、普通交付税の算入額あるいは
降雪量
等を勘案しながら、特別交付税におきましていろいろの
措置
をするわけでございます。したがいまして、両々相まって
市町村
の
除排雪
費用
、
道路
の
除排雪
費用
を国において
財政
措置
をするというような形でございまして、いま端的にお話のありましたような、片っ方で見なかったものをもう片っ方でというような形ではないんであります。 ただ、発想の初めといたしまして、この幹線
市町村
道の
除排雪
の
費用
につきまして
昭和
五十一年度に準じた特例の
措置
をしようというのは、それをしなかったならばその分も特別交付税で見なければならなくなる、そういうような場合には特別交付税におきまして非常に配分に困難を来すと、そういうようなことが発想の根底にはございますが、いま御指摘がございましたように、片っ方の残りを片っ方というような形のものではございません。
村沢牧
140
○
村沢牧
君 いずれにしても、
市町村
道の
除排雪
も含めて、特交は
市町村
道の
除排雪
だけが要素になるものじゃないと思うんですね。ほかにもいろいろ特交要素はあると思うんですけれ
ども
。いずれにしても、
豪雪
に
市町村
が費やした出費というものについては、
補助
なり特交なり、あるいは予算が足りなければ予備費でもって十分これは見ますと、そういうことなんですか。
柴田啓次
141
○
政府委員
(柴田
啓次
君) 予備費と申し上げますのは、幹線
市町村
道の
除排雪
の
費用
につきまして建設省がする
補助
、その財源が予備費をもって充当されるということでございます。 そのほかに
除排雪
の関係では、
学校
、
社会福祉施設
等の公共施設の
除排雪
がございますが、これにつきましてもいわゆる公共施設
除雪
法というような法律がございまして、それで
豪雪
が指定されますと一定の基準に達するものについて
補助
があるわけでございます。この
補助
も行うような方向で進めているわけでございます。
村沢牧
142
○
村沢牧
君 自治省に尋ねますが、自治省のいわゆる特交財源の枠の中で、いま国土庁から答弁があったような形でいろいろなものを見ても、なおかつ特交で見なければならないものもあるというふうに思うんです。枠の中で大体消化できる、期待にこたえることができるというふうにお考えになっていますか。
池ノ内祐司
143
○
説明員
(
池ノ内祐司
君) 先ほ
ども
説明がありましたように、実際にどの
程度
所要
経費
がかかるかというものの最後の
調査
結果というのはまだとっておりません。ただ、現在の段階で申し上げられますのは、特交要因と申しますのは、先ほどお話ございましたように必ずしも
除排雪
経費
だけではございませんで、大きなものとしましては冷害
対策
等の
経費
も非常に多額にわたっております。ですから、そういうことで現在どうなるかわかりませんけれ
ども
、非常に窮屈な
状況
にある。ただ、その中で
除排雪
経費
につきましてはできるだけ配慮をしたい。それにつきましては、応援団といたしまして、
市町村
道の予備費の充当であるとか、先ほど説明がありました
学校
等の公共施設につきまして国庫
補助
制度がございますが、そういうものの発動とかということで、全体として
市町村
関係の
除排雪
経費
を賄っていく、こういうふうな考え方をしております。
村沢牧
144
○
村沢牧
君 先ほ
ども
申し上げたんですけれ
ども
、自治省は従来
豪雪
に関する
費用
については普通交付税等で処置いたしますと、処置いたしておりますという自信を持ってかなりやってきたわけですね。が、今回の場合には自信持って言い切れるかどうか、非常に心配されるんですが。
池ノ内祐司
145
○
説明員
(
池ノ内祐司
君) これは先生十分御承知の上の御質問だと思いますけれ
ども
、通常の年におきましては、いまお話ございましたように普通交付税で対応できるということで、毎年充実には努めておるわけでございます。ただ、今年度のようないわゆる異常
豪雪
でございますとか、そういうような場合には特別交付税でその上乗せをすると、こういう仕掛けで従来もやってきておりますし、今年度につきましてもそういうことで対応をいま準備しておるわけでございますけれ
ども
、先ほど来申し上げておりますように、普通交付税プラス特別交付税だけで全部が賄えるのかという御質問に対しましては、これは最終結果を見なければわかりませんけれ
ども
、非常に窮屈な
状況
にあるということでございます。
村沢牧
146
○
村沢牧
君 大臣、いま御答弁があったような状態であろうというふうに思いますので、ぜひこの
豪雪
に対しては
補助
でもいいし特交でもいいし、自治体の期待にこたえるように大臣の立場でひとつ努力をしてもらいたいというふうに思いますが。
原健三郎
147
○国務大臣(原健
三郎
君) 御希望もわれわれの考えておるのと大体一致いたしておりますので、非常に窮屈だということは事実でございますが、しかも
被害
が甚大である。結局いまの
道路
の
除雪
、
排雪
につきましても足らぬところは予備費をもって充てたい、こういう方針だけは確定いたしております。ただし、どのくらいになるか、どのくらい足らぬかというところはいま
現地
から情報を集め、資料を集めて検討しておるところでございます。
村沢牧
148
○
村沢牧
君 地方交付税の基準
財政
需要額算定の中に
積雪
補正があるわけですね。私は
積雪
補正も見直すべきだというふうに思うんです。具体的に言って、一級地から四級地までは係数差がかなりあるわけですけれ
ども
、五級から八級地までの格差がない。たとえば八級地であっても七級地と余り違いがないということですね。非常に矛盾があるというふうに思いますけれ
ども
、実態に即するようにすべきだと思いますが、どうですか。
池ノ内祐司
149
○
説明員
(
池ノ内祐司
君) 御指摘のとおり、
積雪
による
除排雪
経費
につきましては、いまお話ございましたように、一級地から四級地まではそれぞれ段階に差がございまして、五級地から八級地まではこれは一律になっております。これはどうしてそういうことになっておるかということでございますけれ
ども
、実は四十六年に従来は五級地区分であったわけでございますけれ
ども
、これが
積雪
地帯の実態に合わないということで、実態
調査
を行いまして八級地区分にしたわけでございます。その際に、
道路
の
除排雪
経費
につきまして、これは実態
調査
を行いましたところ、一級地から四級地につきましてはそれぞれ段階差がございますけれ
ども
、五級地以上につきましては級地ごとの増加
経費
が出ておらない、差が出ておらない。こういうことで五級地以上は同じ係数を用いるというようなことになってきておるわけでございます。その後いろいろ御指摘がございましたので、最近実態
調査
を行ったわけでございます。その結果でございますが、五級地以上の級地につきましては、
道路
の
除排雪
経費
以外の
積雪
にかかる増加
経費
については差が見られない。ですから、
道路
については見ておりますけれ
ども
、その他については見られない。こういうことでございますので、いまのところ級地ごとに補正係数に差を設ける必要はないというふうに考えております。
村沢牧
150
○
村沢牧
君 どのような実態
調査
をしたか知りませんが、たとえば八級地の村と七級地の村とを
現地
で比較してみてずいぶん違いがあるわけですね、
積雪
量において。ですから、これは今後の課題としてもう一回ひとつ検討してもらいたいというふうに思うのです。これは要請しておきます。 それから
市町村
の特別
豪雪
事業
債ですね、これを借りているような村はほとんどが過疎であり、あるいは辺地でありますね。したがって、この
事業
債の償還に当たっては、たとえば過疎債や辺地債のように元利償還金を普通交付税の算定基準に算入すべきである、こういうふうに思いますが、どうですか。
池ノ内祐司
151
○
説明員
(
池ノ内祐司
君) 特別
豪雪地帯
におきます投資的
事業
——建設
事業
でございますが、建設
事業
につきましては、いまお話ございましたような特別
豪雪地帯
ということで特豪債というもので特別に認めておるわけでございます。これにつきましてはなぜ交付税算入をしないのか、元利償還金交付税算入をしないのかというお尋ねでございますけれ
ども
、これも先ほどお話ございましたように、
積雪
地帯におきましては寒冷補正、いまお話ございました
除排雪
経費
だけじゃございませんで、
道路
等の投資的
事業
につきましても
積雪
寒冷ということで、
積雪
量に応じまして補正をいたしまして、普通交付税におきまして割り増し
措置
を行っているわけでございます。そういうような
措置
を行っておりますところから、現在のところは特豪債につきまして普通交付税
措置
をするという考え方は持っておりません。 また、ただいま御指摘ございましたように、実は
豪雪地帯
と過疎
市町村
あるいは辺地
市町村
というのは、これは大部分がダブっております。ですから、具体的な
事業
の実施の段階におきましては、過疎債あるいは辺地債というものを弾力的に活用して
豪雪対策
を実施しておるというような
措置
をとっておりますので、そういうような対応方法で今後も考えてまいりたいというふうに考えております。
村沢牧
152
○
村沢牧
君 次は、
市町村
道の
除雪
についてでありますが、建設省は今回の
措置
で平年の一・五倍以上の
豪雪
に見舞われた
市町村
には幹線
市町村
道の
除雪費
用に対して平年の
除雪費
用の半額を国が
補助
する、こういう
対策
をとっておるようでありますが、この場合幹線
市町村
道とは何か。先ほど建設省の答弁では、幹線
市町村
道は
市町村
の実態に合わして認めていくということでありますけれ
ども
、
市町村
がこれは幹線
市町村
道でありますというように決めて申請した場合に、では皆さんが即それを認めてくれるかどうか。 それから二番目には、平年の一・五倍以上の
市町村
であれば、たとえその
市町村
が
豪雪地帯
でなくても、特豪地帯でなくても、地帯のいかんを問わずこの
補助
は適用になるのかどうか。 三つ目には、幹線
市町村
道以外の
生活道路
あるいは通学
道路
、これらの
除雪
に対しての救済すべき
措置
は特交等で見るしかないのかどうか。 四つ目には、
市町村
道の改良でありますけれ
ども
、
市町村
道は幅員が狭くて
除雪
をしても
交通
確がなかなか困難である。建設省には
市町村
道の改良
補助
事業
がありますけれ
ども
、
豪雪地帯
に対しては大幅に枠の増額等傾斜配分をすべきではないか、このように考えますが、どうですか。
萩原浩
153
○
説明員
(萩原浩君) まず最初に、先ほど御答弁申し上げましたうちで弾力的にというのは、
市町村
道全体を弾力的にということで申し上げたわけでございます。 まず最初に、幹線
市町村
道の定義でございますけれ
ども
、幹線
市町村
道は、
道路
網の長期構想におきまして、
国道
、都道府県道と一緒になりまして
地域
の
幹線道路
網を形成し、かつ主要な
集落
、公共公益施設、他の
幹線道路
等を連絡する路線といたしまして、
市町村
道のうちから選定をいたしております。大体現在
市町村
道約九十万キロございますけれ
ども
、そのうち約二十万キロを幹線
市町村
道として選定をいたしておるのでございます。この幹線
市町村
道につきましては、五十一年には臨時特別の処置をとった、
除排雪
費用
について臨時特別の
措置
をとった、こういうことでございます。 それから二番目の一・五倍の
地域
であるとかなんとかという先生の御指摘でございますけれ
ども
、それは五十一年度に行いました
措置
でございます。本年はその五十一年度の
措置
に準じてということでございますけれ
ども
、実はことしの雪はすでにいろいろ御指摘令れておりますように、ちょっと従来と違った降り方をいたしております。五十一年度の雪には
豪雪地帯
の
地域
に限って先ほど申し上げました幹線
市町村
道の特別
措置
をとりました。ところが、今年の雪は
豪雪地帯
以外でも非常に雪が多いという非常に特別の事態でございます。その
地域
をどのように選定するか。五十一年度のような
豪雪地帯
だけに限るのは非常に不適当ではないかという御指摘も受けておりまして、その
地域
をどこに選定するかということについて現在関係省庁と協議中のところでございます。
豪雪地帯
に限るということは不適切であるというふうに考えております。 それから三番目に御指摘がございました幹線
市町村
道以外についてどんなそれでは
除排雪
の
措置
をしているのかということでございます。先ほど
鈴木
先生の御質問にもお答えいたしましたように、
道路
の
除排雪
費用
の
補助
につきましては、
積雪
寒冷特別
地域
における
道路交通
の
確保
に関する特別
措置
法に基づきまして
補助
をいたしておるわけでございます。
市町村
道につきましては、消
雪パイプ
等の防電工の設置
費用
、あるいは
流雪溝
等の凍
雪害
防止の施設の
整備
の
事業
、あるいは多額を要します
除雪機械
の
購入費
について
補助
を行っております。この
補助率
は三分の二でございます。いずれも三分の二でございます。 それからほかに、
市町村
道全体といたしましての
除雪
の問題につきましては、
幹線道路
の
除雪状況
その他いろいろの
状況
を勘案いたしまして弾力的に対応すべき要素が非常に多いものでございますから、普通交付税並びに特別交付税などで財源
措置
を行っていただくのが最適ではないかというふうに考えておるところでございます。 第四点目の
市町村
道の
整備
の問題でございますが、先ほ
ども
申し上げましたように、現在
市町村
道九十万キロございます。そのうちから選定基準で選びまして二十万キロを幹線
市町村
道として
整備
をいたしておりまして、その
整備
については鋭意努力を払っているところでございます。御承知のように、現在御審議いただいております政府予算原案、非常に
財政
の厳しい
状況
でございますが、その中でも
市町村
道の
整備
費については非常に大きな伸びを見させていただいているものでございます。今後とも幹線
市町村
道の
整備
については、精力的に取り組んでまいりたいと考えておる次第でございます。
村沢牧
154
○
村沢牧
君
国道
の
除雪
に対しても国・県で努力はしておるんですけれ
ども
、なかなか思うように進捗しない。その一つの原因として、
国道
の
道路
改良が大変におくれておる。
道路
改良しておれば
除雪
も早いし、一車線でも二車線でも
確保
できるというように思うんです。したがって、今日予算編成、さらに予算の配分の時期になって検討していると思うんですが、
豪雪地帯
の
道路
改良等は積極的に行うようなことを考えるとか、特に今回の
豪雪
を契機としてそのような方向に処置すべきだと思う。 具体的に路線名を申し上げますけれ
ども
、たとえば信越を結ぶ幹線
国道
百十七号線は改良が大変におくれておる。したがって雪が降ると
交通
途絶してしまって、
除雪
にも大変苦労しているけれ
ども
、通行不能になってくる。栄村なんという村は孤立してしまう。
新潟
県にも通ずることができない。さらにまた
国道
二百九十二号線も、これもまた飯山地区の改良が大変におくれておる。また長野県西部と
新潟
県を結ぶ幹線
国道
百四十八号線についても、あれだけ観光地が多くて観光客が多いところであるけれ
ども
、改良がおくれているために通行不能になってしまう。 時間がありませんから、簡単に以上三線について私は指摘をしましたが、どういう改良
計画
をもって今後
措置
しようとされるんですか。簡単でいいです。
萩原浩
155
○
説明員
(萩原浩君) 全国の
道路
整備
につきましては各地から非常に強い御
要望
をいただいております。予算の範囲内でどのように個所づけを図るかということについて私
ども
非常に苦心しておるところでございますけれ
ども
、この御指摘の
国道
百十七号、二百九十二号、百四十八号、いずれも非常に地形的に急峻のところでございます。したがいまして、
道路
の改築に
当たり
ましてはかなりの多額の
費用
を必要といたします。そういうようなところを含めまして、この一般
国道
につきましては、
昭和
六十五年度に概成することを目途にいま懸命に
整備
を進めておるところでございます。非常に
財政
事情厳しいところではございますが、なお一層努力をいたしたいと存じます。もう少しお待ちをいただきたいと思います。
村沢牧
156
○
村沢牧
君 次は国鉄です。 国鉄からもいろいろと今回の
豪雪対策
についての答弁も聞いたわけでありますけれ
ども
、率直に言って国鉄の対応は大変におくれておる。なぜ国鉄がこんなに弱いのかという指摘も受けているわけであります。雪が多過ぎたからどうしようもなかったんでは済まされぬ問題です。それで、私は国鉄、特に長鉄局に関して
現地
も
調査
したわけでありますが、いずれにしても防雪設備が不十分である。機械が足らない、あるいは人間が少ない、こうしたことが原因になっているわけでありますけれ
ども
、国鉄当局としてはどのように考えるか。まずそれを伺います。
神谷牧夫
157
○
説明員
(神谷牧夫君) お答えいたします。 異常
豪雪
ということではございますけれ
ども
、先生御指摘のように、私
ども
も雪の量だけでどうだということを申し上げておりません。まず大糸線もそうでございますし、また飯山線もそうでございます。特にはなはたしかった
北陸
線に顕著でございますが、私
ども
先ほど申し上げましたように、
除雪
の省力化ということを目指しまして
除雪機械
を大量投入してまいったわけでございます。環境の変化もございまして、ロータリーによって
除雪
をさせるというところは非常に部分的に困難な場所が多く出てきた。 それからもう一つは、産業構造の変化によりまして、
除雪
協力員制度といったものを設けておるわけでございますが、これが結果的に余り機能できなかったということが第二点でございます。 第三点といたしましては、特に
北陸
線で顕著でございましたけれ
ども
、車両設備、
除雪
設備でございますが、
除雪
の
機械力
が今回の
積雪
に対して対応できなかった。また地上の
除雪
設備、
流雪溝
でございますとか散水設備、こういったものは水の不足、こういったもので十分に機能しなかったというぐあいに反省をしておるわけでございます。 先ほ
ども
申し上げましたように、五十年以来厳しい
財政
の中ではございますけれ
ども
、年間百億ないし百五十億の
雪害
対策
費を投じてまいりまして、この五年間でかなりの雪に対応できるようになったというぐあいに考えておったわけでございますが、残念ながら今回の
豪雪
に対して対応できなかったと非常な反省をいたしております。今回の貴重な経験を生かしまして、今後の
雪害
対策
、地上設備、それから
除雪機械
の
強化
、こういったことに努力をしてまいりたいと考えております。
村沢牧
158
○
村沢牧
君 そこで、国鉄の
除雪
に対して
除雪
協力員の協力は欠かせないものだというふうに思うんです。しかし協力員に登録をしてくださった方はかなりおりますけれ
ども
実際の出動人員は少ない。この一番大きな原因は労務費の低さなんです。いま長鉄局で見るならばこの賃金は一日
当たり
四千九百五十円だ。ほかのところに
除雪
に行けば一万円以上もくれるんですよ。こんな安い単価でもって協力員を頼んで一日
除雪
をしてもらう、そんなことで済まされるのかどうか、そのことが一つ。 それから
施設整備
をする場合に運輸省から
補助
をするという制度もあるわけでありますけれ
ども
、しかし個所やその内容によっては
補助
規定で当てはまらないところもある。たとえば飯山線を見ても、これから施設をしなければならないところはなかなか運輸省の
補助
基準に当てはまらないということですね。国鉄
財政
も大変に厳しいときであって、国鉄の金だけでやるということは、よしんばそのものが利子補給があったとしても大変だと思う。そこで、運輸省としても実態に即するような
補助
基準にすべきだというふうに思いますが、二点について。
神谷牧夫
159
○
説明員
(神谷牧夫君) お答えいたします。 第一点の
除雪
賃金の問題でございますが、御指摘のとおり、今回の
豪雪
に対しては需要供給の関係もあったろうと思いますけれ
ども
多少低目であった。先ほ
ども
申し上げましたように、
地域
的にいろんな差異はあるようでございまして、北海道ではかなり出ていただいたというような実績もございました。全国的にどういった形でこの
除雪
賃金の問題を取り扱っていくかということについて来年に向けて至急検討いたしたいと考えております。
丹羽晟
160
○
説明員
(丹羽晟君) お答え申し上げます。 国鉄に対する
助成
につきましては、いま御審議いただいております予算案の中で約七千三百四十一億ほど計上してございます。そのうち
雪害
対策
にかかわるものといたしましては二種類の制度がございまして、一つは防災
事業費
補助
ということで、雪に関しましては
なだれ
対策
、
なだれ
防止、それから落石防止、そういったようなことにつきましてその
工事費
の三分の二の
助成
という制度が一つございます。もう一つは
工事費
補助
金と申しまして、これは工事のために使いました
費用
にかかる利子につきましてその利子補給をいたす、その十年分の利子補給をするという制度がございます。 それで、現在までのところは、私
ども
といたしましては、このような制度を適切にうまく使うことによりまして対処していきたいと思いますが、ただいま国鉄の方からも御説明ありましたように、今回の
豪雪
につきましていろいろ国鉄としましても新しい経験を積み、また反省もすべき点もあるということでございますので、その設備投資の関係につきましてさらに適切に対処できるように国鉄を指導してまいりたいと思っております。
村沢牧
161
○
村沢牧
君
除雪機械
で長鉄局には、大型
除雪
車DD一四というんですか、これが一台しかない。したがって、機敏に
除雪
をするためにはこれを適正に配置しなきゃならないんですね。小型の
除雪
車ではもうだめなんですよ。どういう
状況
で配置をするかというと、気象庁の気象
観測
によって、照会をして配置をするというんですけれ
ども
、今回の場合、気象庁の
積雪
、
豪雪
に対する気象
観測
は全部狂っちゃったというんですね、間に合わなかったと。だから対応がおくれてしまったというんですけれ
ども
、気象庁、
積雪
、このぐらい雪が降るだろうということは気象
観測
としてはできないんですか。
菊池幸雄
162
○
説明員
(菊池幸雄君) 現在予報で最も進んでおる技術といいますのは、これは高
気圧
とか低
気圧
の移動とか発達とか衰弱の予測であります。それで、雪というのは、シベリアに高
気圧
が発達した場合に降る場合と、低
気圧
が通過する場合に降る場合とがあります。そのいずれの場合にも高
気圧
とか低
気圧
の中に存在しております小さい擾乱が雪を降らせるということであります。実はこれらの擾乱といいますのは、レーダーとか気象衛星などによってとらえることができますけれ
ども
、その発達とか衰弱ということ、その予測ということは非常にむずかしいというのが現在の段階であります。しかもこういう小さい擾乱が日本のような複雑な地形と絡み合いますとさらにその予測がむずかしくなる、そういうわけでございます。 したがいまして、先ほど量的予報は当たらないというお話でございましたけれ
ども
、一応ある
程度
の量的予報は出しております。それで当たらないときもありましょうけれ
ども
また当たったときもあるということであります。その精度が不十分だというのは、いまお話しいたしましたように、小さい擾乱の振る舞いがまだよくわかっていない、そういうところにあるわけでございます。したがって、もちろん今後ともいろんな資料を十分に利用いたしましてそういう量的な予報の
改善
に努力する、そういうつもりでおります。
村沢牧
163
○
村沢牧
君 気象庁は当たるような気象予報をひとつ十分これから検討してください。そうしないと——機械がないでしょう、国鉄には。あすの雪がこれだけ降るというならそこにうまく配置するわけなんですよ。それが気象庁の通報を見ておっても、余り積もりそうもないものだから機械を配置してないから間に合わないということになる。そういうことがしょっちゅうありますから、そのことは要請しておきます。 最後に、厚生省にお尋ねをするんですけれ
ども
、
積雪
地域
、特に
豪雪
地域
ですね、この僻地医療
対策
として、患者輸送用の雪上車、この
補助
事業
があるわけでありますけれ
ども
、この
補助率
の基準は単価が百八十万円で、
補助率
が三分の二ということになっている。患者輸送車で、しかも雪の上を走るんですから、百八十万円では買えないんですよ。現に飯山市が本年度購入した患者輸送用の雪上車は七百二十三万円かかっている。これらは
実情
に合うように基準単価も決めるべきだ。百八十万の三分の二で百二十万しかもらえないわけですね、
補助
金を。これは実際に合うように改定をしていくべきだというふうに思いますが、どうですか。
小沢壮六
164
○
説明員
(小沢壮六君) 先生御指摘のとおり、
豪雪地帯
の医療の
確保
につきましては、従来の僻地医療
対策
の中で、中核病院の
整備
等と並びまして、患者の輸送用の雪上車の
整備
、それから医師の往診用の雪上車の
整備
等を行っているわけでございますが、御指摘の基準単価の関係でございますが、百八十万円でその三分の二の
補助
ということでございますが、今後ともその基準単価の引き上げにつきましては努力をしてまいりたいというふうに考えております。
村沢牧
165
○
村沢牧
君 時間ですから終わります。
和泉照雄
166
○
和泉
照雄君 今回の
豪雪
の
被害
については大変な
被害
でございまして、まず質問の冒頭に百六名の死者に対しまして厚く御冥福を祈るわけでございますが、わが党も
豪雪
の
調査
団を編成いたしましてその結果を政府に申し入れたところでございますが、私も去る二月の三日から五日まで四県を
視察
してまいりましたが、私の生まれは南国の
鹿児島
でございますので全然経験はございませんで、
現地
の方々の大変な御苦労を本当に如実に知ったわけで、いままでテレビとか新聞等で知った以上の大変なところであるということを認識をしたわけでございますが、本日はこの
豪雪
の
委員派遣
で得た体験、あるいは
陳情
、そういうことをもとにしまして質問を展開してまいりますが、特に
豪雪地帯
の
対策
特別
措置
法の内容の改正ということも踏まえまして質問をいたしてまいりたいと思います。
豪雪地帯
の問題、それから一月の十一、十二日に
桜島
の火山地帯の
調査
もいたしてまいりましたが、この二点。それから一般的な問題を踏まえて質問をいたしてまいりますが、
災害
地はそこに住んだ人でなければその苦労というものはわからないと思いますので、ひとつ各省庁も、答弁は私にするんじゃなくて、
災害
地の方に対して答弁をするというそういう親切さを持って答弁をしていただきたい。しかし時間に限りがありますので簡潔にひとつお願いをいたしたいと思います。 まず第一点は、気象庁にお尋ねをいたしますが、先ほ
ども
質問がありましたが、気象庁は開設以来たしか百六年になると聞いておりますが、今回のこの
豪雪
は三八
豪雪
に比べて大変な
大雪
であるということを予測しておられたと私は思うんですが、しておられたのかどうか。しておられたとしたならば、その予測に対してどのような対応をされたのか。また今後長期予報はどのような状態であるのか。私が
現地
で聞いたところでは、あの能登半島を中心にして雪の質が大分違うんだというような
現地
の方々の話も聞きました。何か日本海に暖流が北上しておって、その関係で非常に影響を受けるんだというようなことも聞いておりましたが、そういうこと等はもうあなた方は専門ですからおわかりだと思いますので、そういう長期の予報とか、あるいはまた
豪雪
の予報、あるいはわかっておったと私は思うんですが、そこらあたりはどうなんですか。
菊池幸雄
167
○
説明員
(菊池幸雄君) まず最初の御質問ですけれ
ども
、ことしのこの冬の
豪雪
を予測したかどうかということだと思いますけれ
ども
、一応気象庁では十月二十日に寒候期の予報を発表しております。これは秋から春先までの期間の予報をしているわけでありますけれ
ども
、この予報の中では、年末から一月にかけて日本海側の地方では
大雪
の降る期間があると、そう予想しております。そういう意味では今回の
豪雪
、
大雪
を的確に予測できたのではないかと考えております。このほかに気象庁では向こう三カ月の予報あるいは向こう一カ月の予報を出しておりますけれ
ども
、これらの予報におきましても、今冬の雪に関しましては、ほぼ先ほど申し上げました寒候期予報の線に沿った予報を出しております。 それからこういうような予報を出しまして、それがその後どういう対応をとったかという御質問でございますけれ
ども
、それはそういう予報をどういうように周知徹底させたかということだろうと思いますので、その点でお答えいたしますと、長期予報につきましては、先ほどのように寒候期予報、三ヵ月予報、一ヵ月予報とございますけれ
ども
、これは気象庁及び各予報中枢の気象官署で発表いたします。そこで発表されますけれ
ども
、その発表された予報は報道機関の協力を得まして新聞とかテレビ、ラジオ、そういうものを通じまして一般の方々に周知するように鋭意努力しております。さらにまたこの長期予報は各府県の地方気象台から印刷物となりまして、これは地方の行政機関、電力、
交通
などの公共機関に配布されております。それからさらに防災会議、防災関係の会議にも出席いたしまして予報の説明をするということも行っております。それから毎日の予報に関しましても、
大雪
とか風雪、
なだれ
などに関しまして、
災害
発生
のおそれがある場合には注意報、警報、情報というものを出しておりまして、これらも先ほど申し上げましたような地方行政機関とか公共の機関に通知いたしますとともに、報道機関の協力を得まして一般の方々への周知をも図っておるというところでございます。 それからことしの雪の質は違うのではないかということについて御質問があったかと思いますけれ
ども
、一番いい例が、三八
豪雪
の場合には一月を中心に降った雪でございます。したがって、気温がわりと低い時期ですから比較的比重が少なかったんだろうと思います。しかし今回の
豪雪
の場合には十二月から一月の初めにかけて主に降っておりまして、比較的気温の高い、三八などに比べますと気温の高い時期かと思います。そういう意味で比較的比重の重い雪が降ったんではないかと、そう考えております。 それから今後の
降雪
の見通しということをお尋ねになったと思いますけれ
ども
、それに関しましては、後一時的に冬型の
気圧配置
になりまして日本海側で雪が降るということがありますし、また低
気圧
が通過して一時雪が降るということもこれからあると思いますけれ
ども
、いままでのような
大雪
になるということはないだろうと、こう考えております。 以上でございます。
和泉照雄
168
○
和泉
照雄君 ただいま御答弁の中にもございましたとおり、国土庁にお尋ねをいたしますが、ことしの雪は非常に雪の質が重かった、時期的にそういうことになったというようなことでございますが、大体二倍ぐらいの重さであったように試算をしておられるようでございますが、
豪雪対策
特別
措置
法によりますと、雪の量というのが指定の基準になっておるようでございますが、ここらあたりで雪の質というものも、重さということも考慮に入れてお考えになるというふうに法の改正をすべきじゃないかと思うんですが、そこらあたりはいかがお考えですか。
四柳修
169
○
政府委員
(四柳修君) ただいま御指摘のように
積雪
の量という形が一つの物差してございまして、実は今回のような
状況
で、いろいろ
状況
を伺いますと、大変申しわけないんですけれ
ども
、目方をはかるといいますか、密度をはかるといいますか、これは現実に気象官署の体制としましても非常に困難かと思います。 ただいま御指摘のことしの雪ではなくて、関係の方でいま特に御
要望
がございますのは、
生活
の困難という意味ですか、支障度という点でいままで統計なり資料にございませんでしたいわゆる地吹雪につきまして、これは何といいますか、
道路交通
網が
整備
されてまいりますと、いままでの気象官署の統計等には出てまいりませんでした市街地の外の方で、
幹線道路
等の地面のところの雪が吹雪のように巻き上がりまして前方が全然見えなくなってしまうとか、あるいはそこに非常に雪がたまってしまうとか、こういうことが言われておりまして、そういうものを何か物差しに取れないだろうかというお話で、私
ども
の方もそのための
調査
は特定の大学の特定の先生でございますけれ
ども
、そういう方にも御連絡しながら
調査
をして、何かそういう統計資料があるものはできるだけ取り入れたいと、こう考えております。 いま御指摘のことしの冬におきます雪の質ということも、いずれひとつ一段落した段階で関係の県なり
市町村
の方でどういうふうにその
状況
をお取りになっているのか、あるいはどうすれば可能なのか、そういうことの御意見も伺いながら研究さしていただきたいと思います。
和泉照雄
170
○
和泉
照雄君 やはり今回の雪は重かったということで、先ほどからいろいろ問題になっておる雪おろしの問題も、例年一回ぐらいで済んだものが四回ぐらいやらにゃならない、それに対していろいろ
経費
がかかっておる、あるいは家のつぶれたものが出てくると、そういうようなことでございますから、これははかり方がどうのこうのというそういうことじゃなくて、いまの発達した計量の時代ですから、そういうことも考えに入れて基準の中に入れるということで御考慮をしていただくことが大事じゃないかと、こういうふうに思いますので、前向きでひとつやっていただきたい。 それから
豪雪地帯
の
対策
特別
措置
法においては、特別
豪雪地帯
に指定されますと、
幹線道路
の
整備
、
公立
小・中
学校
における国の負担割合は大きくなるわけでございますが、今回の
豪雪
によってこの指定基準を見直して指定地を広げなければならないのではないかというような感覚を持ったわけでございます。 いろいろとお話がありました中で、指定地については、三十三年から五十二年まで二十年間における累年平均積算値一万五千センチ日以上の
地域
云々と、このようになっておるようでありますが、この
観測
が公的な
観測
機関でなければならないとなっており、
降雪量
では十分に条件を満たしていても過去二十年の
観測
データがないという理由で指定から外されてしまう
市町村
も先ほどの質問の中であったわけでございます。また、今後は三十二年から五十二年までの年度を小刻みにずらしていかなければ、五十六年、五十七年に
豪雪
に見舞われるような町村は指定がおくれるというようなことにもなりかねないと思うのでございますが、指定基準の緩和、指定
市町村
の拡大ということを今回の
豪雪
を機にして行うべきではないかと思うのでございますが、御見解を承りたいと思います。
四柳修
171
○
政府委員
(四柳修君) ただいまのお尋ねの中にもございましたように、いままで三十年分を、一九四一年から七〇年のものをまた最近に直したというかっこうで、幾つか手直しをしてまいりました。そういう中で実は、雪の量とそれから
生活
に与える支障度、二つの要件で、最近はむしろ
生活
に与える支障度の方の御
要望
が強うございまして、とりわけ今回
豪雪地帯
を御
調査
いただきましておわかりのとおり、十年前に、三八に比べまして
自動車
の台数が十倍になっておる、一けた違う、こういう
状況
がございますものですから、私
ども
もそういう意味で、最近におきますいわば
交通
途絶の
状況
とか、
集落
の孤立の
状況
とか、そういった新しい資料によります補完といいますか、こういうことの資料集め、それもできるだけ全国的な物差しといいますか、そういう方向で検討しております。 ただいまの御意見の中で私
ども
一つ迷います点は、御案内のように、特定の
地域
だけが異常
豪雪
ということになりますと、そうでない
地域
、いわば平常の雪になりますと、その平常のところでいままで指定になってるのをまた外すのかという議論がございます。これはなかなか仕組みとしましては困難でございます。そういう意味で、物差しをつくりますときに、新しい
状況
によりますいろいろ関係
地域
の
住民
のお困りの点につきましては、いろいろな物差しのとりようがございまして、これはどんどんつけ加えることがある
程度
可能でございますが、自然条件につきまして、いままで入ったところを最近十年間は減ったから外せということはなかなかむずかしくて、そこら辺が実は新しい物差しをとりますときに非常に苦しい点でございます。
和泉照雄
172
○
和泉
照雄君 私は、減ったから外せという、そういうようなことじゃなくて、
住民
のために拡大をして、緩和していくという方向に考えてもらいたい、そういうことを言ったわけでございます。 それから次の質問に移りますが、林野庁にお尋ねをしますが、ことしの
豪雪
の
災害
で私が非常に印象が深かったのは立木の
被害
でございましたが、杉という品種は縦からの力には非常に強いというふうに理解をしておったわけでございますけれ
ども
、ああいうふうに二十年、三十年、四十年生の杉が縦裂きにざっと根元まで裂かれるというような現状を見まして、これはどこかに原因があるんじゃないか。間伐が非常に行き届かなくって密植しておったのではなかろうか、あるいは枝打ちが非常に行き過ぎておってというようなこと等も考えたわけでございますが、あのような立木の
被害
というものが甚大であった理由についてお聞かせ願いたいと思います。
宮崎武幸
173
○
説明員
(宮崎
武幸
君) 今回ありましたようないわゆる折損木でございますが、従来からも毎年少しずつはあちこちに出ておるわけでございます。ただいま御質問ございましたような植栽方法、密植でありますとか、あるいは手入れの方法等、こういったことが
雪害
の原因に影響しているんではないかというふうなお尋ねでございます。一般的通常の場合には、植栽方法あるいは保育のやり方等が
被害
にある
程度
の影響を持つということは言われておるところであると思いますが、今回の
雪害
を見ますと、個々の森林、地区ごとの詳細なデータ等はまだ私
ども
わかりませんが、現在までにわれわれが受けております
報告
によりますと、植栽の方法あるいは保育のいかんが影響しているというふうなことはどうもないようでございまして、植栽保育のいかんを問わず
被害
を受けているというふうに考えております。したがいまして、今回の大きな
被害
を受けました直接の原因は、全くまれに見る
降雪量
であったというふうに言わざるを得ないんではないかというふうに考えております。
和泉照雄
174
○
和泉
照雄君 そういうことでやはりいままで立木の
被害
は僅少ずつはあったんだ、今度みたいなああいうような甚大なやつは、三三%というようなことはことしが初めてだったという御答弁のようでありますけれ
ども
、そこで
豪雪
と森林問題というものを研究する国立の森林研究所というようなものをあの
豪雪地帯
に設けて、それ専門に原因とか、それから防遏の方法とかいうものを研究する必要があるんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
宮崎武幸
175
○
説明員
(宮崎
武幸
君) 森林の
雪害
に関します研究につきましては、国立の林業試験場の本場あるいは東北支場におきまして総合的に推進しているところでございます。またこういった研究につきましては、特に
現地
試験も必要でございますので、林業試験場におきましては、
新潟
県の十日町、それから山形県の真室川町に試験地を設けておりまして研究体制の
整備
を図っているところでございます。 また、国立のみではなくて、
公立
の林業試験場等とも連携を強めまして、効果的効率的に研究を推進したいというふうに考えておるところでございます。
和泉照雄
176
○
和泉
照雄君 ぜひともそういうような公式の機関で、原因究明、それから防遏のためにはどういうようなことをやればいいかというような答えを早急に出して、造林者が安心して業務に従事できるような方法を講ずることが大事じゃないか、こういうふうに思います。 そこで、林業
被害
の救済策については、
現地
に行ってみてこれは大変だなと思ったのは、あの裂かれた商品価値のない立木を、まず伐採、そして運搬、再造林、こういうことになりますと、やっと二十年、三十年手塩にかけて育ててきた杉でございますけれ
ども
、人間にたとえれば、子供をそれまで育ててきて
交通
事故に遣わして死なしたというようなショックを受けておられるのが造林家の偽らざる心境じゃないか、このように思うわけでございますが、林業
改善
資金という既存の融資制度は
災害復旧
にはなじまないという問題もありますし、また予備費の投入についても大蔵省が大分ネックのようであるようでございますが、そういうことで
農林水産
省の方で特別立法を考えておられるということが報道されておるようでございますけれ
ども
、この林業
被害
の
対策
について大体どのような考えでどれぐらい進んでおるのかお聞かせ願いたいと思います。
宮崎武幸
177
○
説明員
(宮崎
武幸
君) 折損木の
対策
につきましては、従来とってまいりました考え方としましては、融資と
補助
がございますが、まず
補助
の方につきましては造林
補助
金がございまして、その中に復旧造林という制度がございます。復旧造林をやるためには造林地の地ごしらえが必要でございまして、造林に支障がある木は伐採するとか、そういった作業も入っておるわけでございます。したがいまして、再造林ということを前提にしまして、従来は立木が
被害
を受けましても、ある
程度
この復旧造林の
補助
金で対応するということをやっておったわけでございます。 それからまた融資の方でも同様に、再造林のための農林漁業金融公庫の融資があるということで、これで原則として対応したわけでございますが、御指摘のように、今回の
被害
は非常に大きゅうございまして、特に折損木につきましては、単に再造林のための準備作業のような形でこれが完全に復旧できるかどうかということにつきまして非常に問題があるんじゃないかという理解は持っております。 そういうことで、私
ども
としましても、
被害
の実態の把握とともに、これをどのようにすれば最も適切な対応がとれるかということで検討を進めておる段階でございまして、ただいま特別立法というふうなお話も出たわけでございますが、先ほ
ども
長官がお答えいたしましたが、各党等におきましてもいろいろ御検討が進められておるというふうに承っておるわけでございまして、私
ども
としましても、こういった各党のお考えあるいは国会での御意向、さらには政府部内での各省間の意見等々も十分参考にしまして適切な
措置
をとりたいというふうに現在検討中のところでございます。
和泉照雄
178
○
和泉
照雄君 次は建設省にお伺いをいたしますが、
豪雪地帯
の
道路
は
積雪
による車両のチェーンがけあるいは装軌車の運行等によりまして舗装が減耗しておるようであります。そのほか
除雪作業
による
交通
安全施設等の破損、損傷が起こっておるのは当然でございますが、今回のような
豪雪
で
除雪
を何回も行いますとそれが激しくなっておるのは事実であります。舗装補修の採択基準を緩和をしていただかないと、融雪後の各県及び
市町村
の
道路
の補修作業というものにたくさんな
費用
を要するわけでございますが、こういうような
道路
の補修の
助成
ということを建設省の方ではどのように考えておられるのか、その点が第一点。 また、ガードレール、落石の防護施設、これも
豪雪
によって
被害
を受けておるようでございますが、この復旧作業も公共土木施設
災害復旧
事業費
国庫負担法の対象
事業
としては載っておりませんので、これに採択をして援助してやるのが当然かと思いますが、この辺のところはいかがでしょうか。
萩原浩
179
○
説明員
(萩原浩君) 最初にタイヤチェーン等による舗装補修の問題についてお答え申し上げます。 従来より舗装補修につきましては、既設の
道路交通
の安全
確保
あるいは
道路
の保全の観点から、その重要性にかんがみまして経過年数であるとか、あるいは破損の
程度
であるとか、そういうようなものを勘案いたしまして
補助
採択をいたしておるわけでございます。特に
積雪
寒冷地におきましては、タイヤチェーン等による舗装の摩耗が先生御指摘のように非常に多いものでございますから、いろいろ技術的に耐摩耗性のすぐれた舗装材を使用するとか、あるいは摩耗層を設置するとかということにつきましても
補助
の対象といたしておるわけでございます。
積雪
寒冷地の舗装の構造ということについて、いま申し上げましたようにいろいろ技術的な問題を踏まえて検討いたしておりますけれ
ども
、西欧諸国では、このタイヤチェーンであるとかスパイクタイヤというように舗装にじかに当たる場合には、舗装を非常に摩耗させるような、そういうタイヤについて使用禁止の
措置
を講じている国もあるやに聞いております。ここら辺はまた代替のタイヤの開発というものも必要であろうと思いますので、タイヤの開発あるいは舗装の構造両面から今後検討を進めたい、こういうふうに考えております。 舗装補修の採択の実態を見ますと、
積雪
寒冷
地域
にかなりの重みをつけて現在も採択をいたしておるところでございます。ことしの
豪雪
がわりあい時期が早かったということで舗装の傷みが非常に激しいということを聞いております。この実態につきましては、今後
調査
をいたしましてできる限り適切な
措置
を講じたいというふうに考えております。
川合恒孝
180
○
説明員
(川合恒孝君) いま御質問ございましたガードレール等の
道路
の附属物に対する損傷につきまして、公共土木施設
災害復旧
事業費
国庫負担法の対象にならないかというような御質問だろうと思いますが、従来こういった附属施設が
道路
本体と一緒に壊れた場合につきましては負担法の対象として採択いたしております。しかし附属物のみの
災害
は従来維持補修の範疇に属すということで負担法の対象としてございません。しかし今回の
豪雪
にかんがみ、現在のところまだこういった附属施設の
災害
の額の
報告
は受けておりませんが、これから
融雪期
に向かいまして相当な額に上がるのではなかろうかということが予想されておりまして、この処置につきまして現在私のところで関係機関とも協議を行いまして検討しているところでございます。
和泉照雄
181
○
和泉
照雄君 前向きでひとつ善処されるようによろしくお願いをしておきます。 次に、先ほどからいろいろ問題になりました
市町村
道の
除雪
の
費用
の問題でございますが、この
補助
体制は
制度化
されておらないのはもう御承知のとおりでございますが、
昭和
五十一年度の
豪雪
に際しては、臨時特例で
市町村
道の臨時
豪雪対策
事業費
補助
として約二十億円
助成
の
措置
がとられたわけでございますけれ
ども
、
市町村
道については予備費の取り崩しというような臨時的なことではなくて、
豪雪地帯
に対してはこの
市町村
道に恒久的な
助成
の
措置
を私はとるべきではないかと思うのでございますが、この点についての御見解を建設省からお伺いしたいと思います。
萩原浩
182
○
説明員
(萩原浩君)
道路
の
除排雪
費用
の
補助
は、
積雪
寒冷特別
地域
における
道路交通
の
確保
に関する特別
措置
法に基づいて現在
補助
制度をとらせていただいております。その中で
市町村
道につきましては、消
雪パイプ
等の防電工であるとか
流雪溝
等の凍
雪害
防止の施設、あるいは多額を要します
除雪機械
の
購入費
というものについて三分の二の
補助
を行っております。直接的な
除排雪
費と申し上げますか、
市町村
道のそういう
除排雪
費につきましては、国県道と一体となって
道路
網として全体で
確保
されるという要因がございますものですから、たとえばどの部分ごとしは
交通
を
確保
するかということにつきましては、
幹線道路
の
除雪
の
状況
であるとか、沿道の利用
状況
であるとか、あるいは
降雪
の
状況
、施設の配置
状況
、そんないろいろな要因を踏まえて
地域
全体の
除排雪
として弾力的に対応されるのが最もよろしいのではないかというふうに考えております。 そのため現在、あらかじめ路線を指定いたしまして
補助
対象といたしますようなそういう
補助
体系ではなくて、
市町村
の自主的判断に基づいて弾力的に運用可能な
助成措置
、すなわな交付税、特別交付税等による財源
措置
の方がより適切ではないかというふうに考えておる次第でございます。
和泉照雄
183
○
和泉
照雄君
市町村
道は御承知のとおり、県道と性格は同じような点があるところが多いと思うのです。県道については積寒
地域
道路
事業費
の
補助
制度というのを建設省所管でやっておると思うのですが、本年度は約百五億五千万円と計上されておりますが、こういうような幹線の
市町村
道あたりは恒久的な制度をもってやるということが大事じゃないかと、先ほどいろんな
委員
の方々からの質問もそういうような趣旨だろうと思うんですが、そういうように変えるべきではないかと、一歩前進してですよ。
萩原浩
184
○
説明員
(萩原浩君) 先ほどから
鈴木
先生あるいは
村沢
先生、
和泉
先生、いろいろ御指摘をいただいております。私
ども
はそういう路線を指定いたしました。確かに幹線
市町村
道の中には県道と同じような機能のものもあるではないかという御指摘があろうと存じます。ところが、幹線
市町村
道の中にはかなり
地域
的な
道路
もございます。それから多くの
市町村
の中にはいろいろ
市町村
によって
除雪
の体制あるいは
除雪
のやり方というものが違う
市町村
が非常に多うございます。そういうものを全部画一的な路線指定の
市町村
道として路線を指定して
市町村
道を
除雪
するのが果たしてよろしいかどうかということについては十分研究をさせていただきたいと思います。
和泉照雄
185
○
和泉
照雄君 これから融雪時期に入るわけでございますが、そうなりますと
なだれ
が起こるわけで、全層
なだれ
あるいは地すべり、こういうような危険が非常に多くなるわけでございますが、この
なだれ
が
発生
しそうな危険な
地域
における
住宅
についてはどのような
対策
をお考えになっておられるのか、建設省の御所見を伺いたいと思います。
久保敏行
186
○
説明員
(久保敏行君)
なだれ
による
被害
防止のための直接的な
対策
ではございませんが、私
ども
の方である
程度
急ながけ地に近接しておる危険な
住宅
の移転につきましてがけ地近接危険
住宅
移転
事業
というものを行っております。これは危険な
住宅
を除却いたしまして、新たに建てます
住宅
につきまして一定の
補助
を行って
住宅
の移転を推進しようと、こういう
事業
でございます。こういうような
事業
の執行によりまして、間接的ではございますが、
なだれ
の
災害
防止に役立つという点がございますので、今後ともそうした
事業
の推進を図ってまいりたいと考えております。
和泉照雄
187
○
和泉
照雄君 次は科学技術庁にお尋ねをしますが、同庁には防災科学技術センターというのがあるようでございますが、
雪害
についての研究を進めておられるようでございますが、いままで主にどういう研究をしてどういうような研究成果があったかをまずお尋ねをいたしたいと思います。 また、今回特別研究促進調整費として二千五百万円の予算がついたらしいですが、この研究は一体何をされるのかお伺いをいたします。
倉持哲士
188
○
説明員
(倉持哲士君) 御説明申し上げます。 ただいま先生の御指摘がございましたように、防災科学技術センターでは三十九年に
長岡
市に
雪害
実験研究所というものをつくっておりますし、さらに
昭和
四十四年に山形県の新庄市に新庄支所というものをつくりまして
雪害
実験研究を行っているわけでございますが、これまでに当初は特に
道路
除雪
に関する研究ですとか、あるいは雪に関する計測機器の開発ですとか、いろいろやってまいりました。あるいは
なだれ
防止技術の研究ですとか、それから家屋周辺の雪処理技術の研究、こういうものを幅広く
調査研究
してきたわけでございます。特に今度五十六年度につきましては、太陽熱利用によります屋根雪の処理等の
雪害
防止技術の開発研究を行うこととしております。 これまでの成果でございますが、これは防災センター単独のものもございますし、関係省庁の協力を得て成果を得たものもございますが、たとえば
積雪
量の自動
観測
システム、これは
積雪
量を自動的に
観測
いたしまして
除雪
車の合理的な配置に役立てるというようなシステムでございます。このほか高速ロータリー
除雪
自動車
というようなものも開発に貢献しておりまして、これらは各地に活用されております。 それから第二点の特別研究促進調整費によります
昭和
五十六年
豪雪
に関する特別研究の
概要
についてでございますが、この研究につきましては、国立防災科学技術センターを中心といたしまして、国の試験研究機関の協力あるいは大学、
地方自治体
等の協力を得まして、緊急に研究に着手したところでございますが、内容といたしましてはリモート・センシング・データ——航空機ですとか人工衛星を使いました
積雪
状況
の把握ですとか、あるいは
なだれ
危険
地域
の予測、それから
積雪
による影響に関する研究、こういうものを行うこととしております。
和泉照雄
189
○
和泉
照雄君 今回の二千五百万円の上乗せは緊急なこととして上乗せされたようでございますけれ
ども
、いままでのセンターの年度予算を見ますと、五十四年度が四千八百万、五十五年度が五千万、五十六年度が五千六百万と非常に少額で、伸び率も非常に少ないようでございますが、こういうような
豪雪
になりますと、予算もある
程度
増して研究も積極的に取り組まなければならないと思います。 そこで申し上げたいことは、いま
長岡
にありますね。ところが、
現地
で聞いてみますと、能登半島を中心にして、あそこを境目にして雪の質が大分違うんだと、
現地
の方では。
富山
県でしたかね、それから
石川
県あるいは
福井
県、各県に研究所を設置してもらいたいと。そして
現地
で
雪質
の違うやつを研究をして、その成果をいろいろ
地方自治体
の行政に反映をしてもらいたいと、こういうような意見がございましたが、あの
長岡
だけで十分なんですか、それとも
雪質
が違うから能登半島から少し西の方に、西というか、南ですかに一カ所ぐらい研究所を設けた方がいいとお思いになりませんか。
倉持哲士
190
○
説明員
(倉持哲士君) 先ほど申し上げました二つの
雪害
実験研究所のうち、特に
長岡
に設置されております
雪害
実験研究所の方では
北陸
、あるいはその面といいますか、南の方の
地域
も対象として
調査研究
をしておるところでございます。今回の
豪雪
に対しましても、この防災科学技術センターの職員がたとえば
富山
県、
石川
県、
福井
県、そういうところを早速
調査
に参っております。さらに先ほど御説明申し上げました特別研究促進調整費によります研究も、
福井
県とか
富山
県、
石川
県等の協力を得て
雪害
に関する研究を推進しておるところでございます。申しおくれましたが、そういうことでございますので、今後さらに
長岡
の
雪害
実験研究所を充実してまいりますが、それに研究を進めるに
当たり
ましては、大学ですとか、
地方自治体
とか、そういう関係機関と積極的に連携を図って研究を進めてまいりたいと思っております。
和泉照雄
191
○
和泉
照雄君 じゃ、次に移りますが、私は
福井
県の
和泉
村というところに行きましたが、ここは孤立した村でございました。国鉄越美北線が、ここはありましたけれ
ども
、ここも途絶をしておりまして、昨年の十二月二十八日から私たちが行くまで約四十日間不通で、四メーター以上の
豪雪
に埋まっておりましたが、
航空自衛隊
のヘリコプターで行ったわけでございますが、日本の本土でこのように孤立したところがあるのかと本当に驚いたわけでございます。 特に、この越美北線は
和泉
村にとっては生命線であるというような感じを受けるわけでございますけれ
ども
、今回のこの不通は明らかに国鉄の
除雪機械
の不備に起因すると考えられますが、この点を補足して充実するというその意味からも、あるいは
交通
の
確保
の上からも
強化
することが当然だと思いますが、これについての
対策
をどのように国鉄はお持ちか、それが一点。 また、
和泉
村を通る
国道
百五十八号線の
スノーシェッド
の設備が非常に大事であろうかと思いますが、これの充実も緊急の課題かと思いますが、これを建設省はどのように考えておられるか、その点が第二点。 それから第三点は、越美北線は特定地方
交通
線の廃止路線の候補に挙がっておるようでございますが、昨年暮れの運輸省がまとめました地方
交通
線等選定基準案によりますと、当該営業線に係る代替輸送
道路
が冬期において
積雪
等のため十日を超える期間
交通
を
確保
することが困難であると認められる営業線を除くと、このように基準の中にありますけれ
ども
、この越美北線に並行している
国道
にはバスが走行していたわけでございますが、途絶した関係上バス路線も途絶をしたわけでございます。そして先ほどお話があったとおり、国鉄の九百メーターのトンネルを通っていろいろ物資とか人員の輸送が行われてやっと命脈を保っておったというのが実態でございます。越美北線は今冬四十一日間の不通でございましたけれ
ども
、二月の七日に開通して、開通時には
住民
が万歳を叫んで迎えだというような、そういうような
生活
に密着をした路線でございますけれ
ども
、こういうような選定基準があるという、このことからも私は当然、
和泉
村の
住民
の冬期の
生活
安定のためにも、越美北線は存続の方向に進めるのがこの基準からしても当然だと思うのでございますが、運輸省のお考えをお聞かせを願いたいと思います。
神谷牧夫
192
○
説明員
(神谷牧夫君) 最初の御質問の越美北線の
雪害
の実態、それから今後の
対策
についてお答えいたします。 先生御指摘のとおり、越美線は最長四十日間、これは越前大野から
和泉
村のございます九頭竜湖まででございますが、その手前の
福井
寄りの方は
除雪
と
降雪
の繰り返してございました。三度にわたって営業開始また途絶、こういったことを繰り返しております。残念ながら越前大野から
和泉
村に至る路線は、先ほど来申し上げておりますように、非常に多雪と
水分
の多い雲とあわせて、沿線の杉の木の倒木、これらが重なり合いまして
除雪
に大変困難をいたしました。折あしくちょうど
北陸
本線も大変な
豪雪
でございました。
福井
に配置いたしておりました大型のロータリーを越美線に入れることができずに本線関係に回して、それからこの
除雪
車の不備を助けるために盛岡の方から大型ロータリーを移送したわけでございます。この移送したロータリーも越美北線に入ったとたんに重い雪と倒木のために機械が損傷した。こういったようなことの繰り返しで、結果的に越前大野と九頭竜湖の間が四十日間の不通になってまことに申しわけなく思っておるわけでございます。 この越美北線開業以来こういった長期間の不通はなくて、従来でございますとモーターカーロータリーという小型のロータリーでもって運転に支障なく
除雪
ができておったわけでございます。今回の事故にかんがみまして、こういった
豪雪
には大型のロータリーが必要であるというような認識を持っております。つきましては、
北陸
本線のロータリー不備の問題もございますので、この本線と兼ね合わせましてこの地区に大型ロータリーの増備を考えたい、このように考えております。
萩原浩
193
○
説明員
(萩原浩君) 先生御指摘の
和泉
村に至る
国道
百五十八号線の問題でございますが、現在大変残念ながら
なだれ
の危険のために
交通
をとめております。途中朝日までは車は通れるのでございますけれ
ども
、村長さんの証明証、許可証のある方に限って通っていただいておる、非常に
なだれ
の危険がございます。それから朝日から先の二十キロにつきましてはいま鋭意
除雪作業
中でございまして、大体二月二十五日には開通するのではないかという予想を立てております。 この百五十八号が今回このような
状況
になりましたのは、従来にない、この地方にとっては本当に従来にない
大雪
であったということが非常に大きな問題でございました。 それからそのために谷底にたまりました雪が、川にたまりました雪が
スノーシェッド
の屋根の雪と一緒になりまして
スノーシェッド
がつぶれております。そういうような予測しないような非常な
大雪
のためにこの百五十八号の復旧にはかなり時間を要しておりまして、大変申しわけなく感じております。 先生御指摘のように、これから
スノーシェッド
あるいは
なだれ
防止さく等の設置を精力的に進めていかなければならない路線であるというふうに認識しておりまして、今後ともそれらの
整備
を一層充実していきたいというふうに考えておるところでございます。
金子史生
194
○
説明員
(金子史生君) 午前中に御説明申し上げましたように、運輸省といたしましては、並行
道路
が過去一定期間の実績から見まして冬期
積雪
等のために十日以上閉鎖される、十日を超えて閉鎖されるといったような路線につきましては、転換対象である特定地方
交通
線から除外いたしたいというふうに考えております。 なお、過去の
道路
の閉鎖
状況
の実績というものにつきましては、今後国鉄が特定地方
交通
線の選定に
当たり
まして
道路
管理者あるいは
道路交通
を管理する警察、そういったところにデータを照会することによりまして確定いたしたいというふうに考えております。
和泉照雄
195
○
和泉
照雄君 建設省の
スノーシェッド
は、つぶれたところがありましたけれ
ども
、ぼくらが見た中では古い施工のところがつぶれておったようでございまして、見てみたら取りつけのところががんじょうでなかった、岩のところに食い込まして設置してなかったという工法のまずさがあったような感じを
和泉
村に行ったときは受けました。新しいやつはがんじょうにちゃんとあるんですから、そういう施工上のこともよく検討されてひとつ大いにあそこは
強化
してもらわないと通路が
確保
ができないと、このように思いますので参考までに申し上げておきます。 次は、通産省の方にお伺いをしますが、
豪雪
によるLPガスの事故が起こっておるようでございますが、特に
福井
県では多いようでございまして、
福井
県の
報告
によりますと、大体二千件あるというような
報告
があるようでございますが、通産省の方でガス漏れ事故、ガス
爆発
の
被害
状況
、件数、原因、これらを県別に把握しておられたら御
報告
を願います。
寺西大三郎
196
○
説明員
(寺西大
三郎
君) 御説明申し上げます。 先生御指摘の今回の
豪雪
によりますLPガス設備のガス漏れ事故等でございますが、その
被害
状況
につきましては、現在
現地
に専門家からなります
調査
団を派遣いたしまして、詳細な
調査
に当たらしているところでございますが、これまでに把握いたしましたところによりますと、いわゆるガスが漏れてこれに着火し
爆発
し事故に至ったという件数は全国で三十件前後というふうに聞いております。ただし、このうち人身事故を伴いましたものは三件でございまして、死亡は幸いにしてございません。 なお、先生ただいま御指摘のございました数字でございますが、これは何らかの形でガスが漏れた、しかし早急に
対策
をとることによりまして事なきを得たというものが相当数ございます。これにつきましても現在の
調査
を待っている最中でございまして、各県別の数字はその
調査
後に把握できると考えております。
和泉照雄
197
○
和泉
照雄君 いま
報告
された件数は非常に少ないようでございますけれ
ども
、私が調べたところでは、
福井
県の消防防災課でLPガスの販売店六百店に対して
調査
をしたところでは、現在まで
調査
の回答があったのは三百十八店。その内容を見ますと、調整器が悪くてガス漏れがあったのが百八十一件、配管が二百七件、ゴムホースが悪いということで二百十四件、メーター類の器具が悪いということで六十三件、こういうことがガス漏れの原因になっておるということを消防防災課は把握しておるようでございます。そして雪の質が重かったということが原因でこういうような通常起こらないことが起こったという
状況
の把握が当然じゃないかと、このように思うわけでございます。そういうことがございますので、通産省の方でももう少し的確に把握をして迅速な
措置
をとるべきであると思いますが、その辺のところはどうお考えですか。
寺西大三郎
198
○
説明員
(寺西大
三郎
君) 事故が
発生
をいたします原因、ガス漏れによる損傷が起こります原因といたしましては、先生ただいま御指摘ございましたように、非常に重い雪が、しかも通常それほど多く降らない
地域
で降ったということかと思いますが、その辺につきましても、現在
現地
に派遣しております
調査
団の結果を待って十分な分析を加え、かつ今後の
対策
に役立てたいと思います。 それから早急にとるべき
対策
でございますけれ
ども
、まず、そういった損傷のおそれがございますので、液化石油ガスの取締法によりまして各液化石油ガス販売
事業
者が、ボンベ回りと申しましょうか、設備を定期的に点検することになっております。これは月に一回ぐらい原則として点検することになっておるわけでございますが、この点検義務の完全な履行ということを通じましてただいま先生御指摘のございましたような趣旨にのっとって保安の
確保
に努めてまいりたいと、かように考えております。
和泉照雄
199
○
和泉
照雄君
爆発
事故になりますと人身事故を伴う場合が多うございますから、ひとつ的確にこれは早く
措置
をしてもらいたいと特に強く
要望
しておきます。 次は、一月十二日に
桜島
の
視察
をいたしましたので、それに関連して質問をいたします。 一月の十二日、
桜島
の
爆発
の六十七周年の記念日でございましたが、その日ちょうど
避難訓練
を地元で実施をしておりました。当
委員
会でもこの日に
視察
したわけでございますが、大変貴重な体験を得たわけでございます。このときはヘリ塔載の海上保安庁の巡視船が一隻、海上
自衛隊
の水上飛行艇、それにヘリコプター、それから陸上
自衛隊
の装甲車、これらが参加しておりましたけれ
ども
、地元の人がおっしゃるのには、果たして実際のときにこういうような状態で来てくれるものだろうか、またヘリコプターとか水上艇あたりがぼかんぼかんと噴石を打ち上げるときに飛来してこれるものだろうか、こういうような
訓練
がマンネリ化した一つのショーみたいなことになっておるんじゃないか、こういうような
訓練
が果たしていいのだろうかというような批判があったわけでございますが、これについて消防庁はどういうふうにお考えになって
訓練
の指導をされるつもりか。 それから第二点目は、
大正
三年の大
爆発
のときには湾は全部軽石に埋まったというのが実態でございます。船は運航ができない。それが実態でございましたので、そこで大事になるのは
避難道路
でございます。 そこで、地元の方々が
要望
しておるのは、県道の二百七号早崎−
桜島
港線と県道五百十八号線仏道−
牛根線
を早期に
整備
ができるように
主要地方道
に指定することが必要であろうと、こういうような
要望
でございました。建設省の方でも早くこの問題を解決していただきたいという
要望
があるわけでございますが、これに対する対処はどうか。 また、
国道
二百二十四号線の有村川の屈曲部を——屈曲しておるものですから大型車両の通行が非常に困難でございます。この屈曲部を直線架橋にして
避難道路
としての使命を果たさせるようにすることが大事であるという意見があるわけでございますが、これについての建設省の見解をお聞かせ願いたいと思います。
萩原浩
200
○
説明員
(萩原浩君) 先生御指摘の二番目の
道路
の問題から先に御答弁させていただきます。 御指摘の県道早崎—
桜島
港線、これは
桜島
の北海岸沿いに
桜島
港から垂水市までを結ぶ県道でございまして、活動火山
対策
特別
措置
法に基づきます
避難
施設整備
計画
は緊急
事業
といたして五十三年度に完了をいたしておるものでございます。しかしながらこの
道路
は島民の
生活道路
としても
整備
する必要がございますので、一般
事業
としていろいろな改良
事業
の
計画
を立てまして、現在未改良区間を中心に
整備
を進めております。 また、県道仏迫−
牛根線
、これも垂水市牛根から仏迫町を結びます全延長約十六キロの路線でございます。
昭和
五十五年度、本年度から特殊改良一種
事業
に着手をいたしておりまして、今後ともその
整備
を進めてまいる所存でございます。 これらの二本の
道路
につきましての
主要地方道
昇格の御指摘がございました。
主要地方道
の指定につきましては、
道路
網の再編成の一環といたしまして、本年度、五十五年度から検討を開始いたしているところでございまして、第一番に
国道
昇格という問題をいま検討いたしております。この
国道
昇格に引き続きまして、
主要地方道
の指定というものを今後検討課題として取り上げていくことを考えておりますので、その際にこの路線についても検討することといたしたいと存じております。 もう一本の直轄
国道
の二百二十四号線の有村局改につきましても、いまその
整備
につきまして鋭意検討を進めているところでございます。先生御指摘のとおり、できるだけ早い機会に
整備
を完了するように努力いたしたいと考えております。
和泉照雄
201
○
和泉
照雄君 次は林野庁と建設省にお尋ねをしますが、これは確認の質問でございますが、林野庁の方は金床川の支渓の鹿馬野台地、この
災害
状況
から、林野庁の
治山
工事の抜本的見直しをしていただきたいということを先般も私は地行の
委員
会で質問を申し上げておりますが、その問題と、それから建設省の関係の西
桜島
の
砂防工事
の建設省の直轄工事は確定をしたと見ていいかどうか、その点をお答え願いたいと思います。
宮崎武幸
202
○
説明員
(宮崎
武幸
君)
桜島地区
の
治山事業
はその荒廃が非常に激甚であるということにかんがみまして、
昭和
五十一年度から
直轄事業
として鋭意実施しておるところでございます。 ただいま御指摘がございました金床川支流の鹿馬野台地につきましては、昨年の豪雨などによりまして非常に荒廃の様相が著しいわけでございまして、林野庁といたしましても、本年の一月に
現地
で総合的な検討を実施したわけでございます。そうしまして、当地区の
計画
につきまして見直しを行い、地形、地質などから見ましてさらに適切な技術上の基本的な方針を立てまして、それをもとにして新たな全体
計画
を樹立中であると、こういう段階でございます。
釣谷義範
203
○
説明員
(
釣谷
義範君) お答えいたします。
桜島
町におきます
砂防事業
の直轄施行区域の拡大の問題でございますが、最近の火山の噴火
状況
によります
降灰
状況
から見まして、
昭和
五十六年度からさらに北斜面の
桜島
町側の金床川を直轄施行区域に編入することになりまして、
桜島
の
直轄砂防事業
を拡大することにいたしております。 以上でございます。
和泉照雄
204
○
和泉
照雄君 最後に、私たちが
視察
をしてまいりました
桜島
の地獄河原地区の
土砂
の
土石流
のボラ、これが海中に流出をしまして、その軽石をハマチが飲み込んで繁死をする、あるいは航行中の船のビルジに引っかかって故障を起こすというような、そういう
災害
が起こっておるわけでございますが、これについては、国の
直轄事業
として砂防提を築いてそして
土石流
を海に流さないようにする工事−因果関係といいますか、そういうことからすると、建設省の所管でその
災害
対策
を立て、
災害
が起こらないようにしてもらいたいという
要望
があるわけでございます。 また、流れ出したやつを清掃するのは、ハマチとかあるいは船の運航上
災害
を起こすんですから、それの対応は水産庁じゃないか。
住民
としては非常に苦慮しておるわけでございます。 この両方の省庁にかかわる問題で新しい問題を投げかけておきますので、いま地獄河原の
黒神
川の河口のところにオイルフェンスみたいなやつを張って海に流出するのを防止し、ある時期そこにたまった軽石を排除してどこかに捨てる、あるいはほかの利用に供すると、こういうことをしてもらう。あるいは、それから流出をしたものは、廃油を清浄する船がありますね、ああいう船で採取をするというような、そういう手だてをとってもらいたい。そうでなけりゃ、湾奥の漁民は非常に困っておるわけでございますが、これについてはどのようにお考えになっておるか、それが第一点。 それから第二点目は、建設省は、
桜島
の緊急の
爆発
、
災害
に対応するために、
桜島
の東
桜島
町というところに
桜島
砂防事務所というのを設けておって対応しておるようでございます。林野庁の方は
鹿児島
にある営林署の中の
治山
課でやっておって、いま袴腰というところに家屋を借りてそこに出張をしてきておるようでございますけれ
ども
、建設省の方は一歩また前進して、袴腰に二名の人を常駐させる、連絡所を設けるというような対応ぶりでございます。林野庁の方はちょっと一歩おくれておるような感じがするわけはございますが、林野庁も袴腰というところに連絡所ぐらい設けて、そこに二名ぐらい常駐するぐらいの対応をしていただいたら町民の人たちも非常に喜ぶんじゃないかと、このようなふうに思うんでございますが、その点についてどのようにお考えがお答えを願って私の質問を終わります。
釣谷義範
205
○
説明員
(
釣谷
義範君) 私の方から、まず最初の御質問の軽石といいますか、ボラの流出の問題についてお答えいたします。 御存じのように、
桜島
の場合は活火山のために火山噴出物が非常に多く供給されまして、しかも先ほど先生おっしゃいましたボラにつきましては、比重が非常に小さいために
下流
へ流出することが現状では避けられない形になっております。しかしながら、われわれとしましても、新規
事業
として五十六年度から採択されました火山等緊急
対策
砂防事業
によりまして既設の砂防ダムの
除石
を実施することにいたしておりますので、従来よりは軽減されるかと考えております。しかしながら、それでもなお海面へ流出する分につきましては、
砂防事業
としては残念ながらちょっと対応が困難かと考えております。
矢崎市朗
206
○
政府委員
(矢崎市朗君) 軽石などが
河川
等から海に流出いたしましてハマチ養殖場等に流れ込んで
被害
を与えているという実態につきましては、今後地元の関係者等とも十分連絡いたし、その
実情
の把握に努めてまいりたいというふうに思っております。 なお、養殖水産物の
被害
の防止につきましては、軽石などが海面に流出することを防止することが何よりも基本であるというふうに考えております。その
状況
を十分把握の上で、関係省庁あるいは県などとも連絡をいたし十分にその辺に対する対応についての調整も図ってまいりたいというふうに考えております。
宮崎武幸
207
○
説明員
(宮崎
武幸
君)
桜島地区
の
治山事業
につきましては、
直轄事業
ということで、
鹿児島
営林署に特に
治山
課を設置しまして鋭意実施しておるところでございますが、
事業
の実施に
当たり
まして、現場連絡の事務を処理するということで島内に詰め所を借り上げまして現在まで実行してきたところでございます。ただ、この詰め所の所在地が若干狭隘でございますし、また
山脚
にありまして危険もございますので、新たに連絡所を兼ねた新しい詰め所の設置ということにつきましてただいま検討しているところでございます。
近藤忠孝
208
○
近藤忠孝
君 きょうは
雪害
問題につきまして各
委員
から重要な問題の指摘がされ、またいろいろな
要望
がありました。私もその多くの問題について同意見であります。たとえば弔慰金の増額問題、それから
なだれ
の危険個所の民家の集団移転に対する
助成
の問題、それから
除雪費
に対する
対策
、予備費からも繰り入れて
対策
を立てる、さらには森林
被害
を立法問題も含めて対処しようという問題、激甚指定の問題、また税法上の雑損控除、さらには特別
豪雪地帯
の指定基準の見直しなど、また
北陸
三県の方に
雪害
研究所を設けるべきだという、こういう点で私も同意見であります。あえて時間の関係上繰り返しませんし、また答弁は特に求めませんけれ
ども
、これについて特別に強く
要望
したいと思うのです。 それから他の問題について若干お聞きしますが、最初に大臣に
雪害
についての考え方、これをお聞きしたいと思うのです。 三メーター、五メーターという雪の中はまさに雪と人間の闘いです。一歩でも緩めればまさに負けてしまうという、そういう
状況
の中で、国も一生懸命
対策
を立てていることはわかりますけれ
ども
、ただ、
災害
に対しては、雪は自然の問題で仕方がない、自力復旧が基本だといったてまえ、これはやっぱりあると思うのです。それからもう一つは、具体的に
被害
が出なければそれに対する
対策
が立て得ないと思います。しかし先ほ
ども
新潟
あるいは長野選出の議員からも指摘がありましたように、雪が降っている、三メーター、五メーターという雪があること自身を
災害
である、具体的に
被害
が出なくともそれを
災害
と見、それに対する
対策
を立ててこそ初めて本当の
対策
ができると、私はこう思いますが、それについての大臣のお考えはいかがでしょうか。
原健三郎
209
○国務大臣(原健
三郎
君) 私自身は雪のないところに生まれ育って、その後は兵庫県の淡路島で、その後は東京なんでわかりませんでしたが、今度数回にわたって
現地視察
をいたしましてその
豪雪
の
被害
の甚大なこと、また
豪雪地帯
の方々がいかに苦しんでおるかということを身につまされまして、そして深く感動いたしておるところであります。いまおっしゃいましたように、その
被害
の結果だけでなく、その
豪雪
の中に住んでおる、現に住んでおるんですからね、それは大変なことで、それ自体が
災害
である、これからもきわめて積極的にきめの細かい
対策
を政府としてもやるべきであると決意して、
対策
本部を置きましたり、いままでないことだと思いますが、閣議に私は五回
報告
して全部了承を得ております。あらゆる
対策
が現行法の中においても全部できるようにいま進めてやっておるところでございます。
近藤忠孝
210
○
近藤忠孝
君 いまの大臣の雪が積もっていること自身が
災害
だと、このお考え、大変大事な問題ですし、これからも個々の問題についていろいろとそのことが意味を持つ場合があると思いますので、ひとつその立場で進んでほしいと思います。 私はまず国鉄の問題についてお尋ねをしたいと思うんです。これもすでに指摘がありましたけれ
ども
、特に国鉄に対して一体どうしてるんだと、特にだらしがないじゃないかという意見があったことはもうすでに何度も繰り返された問題です。ところが、
金沢
鉄道管理局の
雪害
概況によりますと、「今次
雪害
の特徴」として、「今冬の異状
降雪
に対しては、現有の
除雪車両
、設備では対応し切れなかった。」と、こう述べておるんですが、果たして本当にそうなんだろうか、こういう問題があると思うんです。 そこで、たとえば特に
北陸
線が大問題だったんですが、一番強力なロータリーDD一四、これは
北陸
線の場合に敦賀と
富山
に各一台ずつあるんですね。われわれ素人目に見ましても、二百キロに一台ということなんですが、そうだとするとなぜ
福井
になかったんだろう。
福井
にあればもう少し対処できたんではなかろうかという問題があると思うんですが、この点いかがですか。
神谷牧夫
211
○
説明員
(神谷牧夫君) お答えいたします。 先生お尋ねの
北陸
線における
除雪
車の配置でございますが、ロータリーについては敦賀地区、
富山
地区に配置いたしております。この地区は通常
積雪
が一メーターないし一メーター五十という地区でございまして、私
ども
の平均的な
除雪
車の配置からいきますと二両で従来足りておったわけでございます。事実この十年間
北陸
本線で大型ロータリーを運転したことがなかったという実態でございます。 敦賀に配置しておった理由は、敦賀が
北陸
本線と、それから米原方、
福井
方、それから小浜線という山陰に向かうルートがございますが、この三つの線が分かれるところであるというようなことで、
福井
地区も含めて敦賀地区に配備した機関車形式のロータリーで対応する、こういったことで敦賀地区に配備いたしております。 また、
富山
の方の一台は、
北陸
本線の
富山
地区はもちろんでございますが、高山線でございますとか大糸線、こういったところを本線とともに対処するということで二台の配置になっております。
近藤忠孝
212
○
近藤忠孝
君 それから
流雪溝
ですが、先ほど話が出ました
富山操車場
には五本の
流雪溝
が設置されているんですが、実際は五本のうち一本しか利用されていない。それから南
福井
、ここでも五本の
流雪溝
が設置されておりますけれ
ども
地盤沈下で水が流れない、あるいは取水制限があって地下水が取れない、こういう問題がありまして、実際設備がありながら機能しなかった、こういう問題があるんですが、これはどう考えますか。
村上温
213
○
説明員
(村上温君) お答えいたします。
富山
の操車場には、先生御指摘のように、
流雪溝
は五つのルートに対して水が流れ得るように設計がされておりますが、実際の
除雪作業
は、通常の年ですと、一つのルートに水を流しまして、そこに
除雪
をする車両を配置して順繰りに
除雪
をするということで足りております。そのために水を取る取り方の設備といたしましては、一ルー十分しか水が取れないようになっております。これを水をもう少したくさん取れるようにいたしますためには、一番問題になりますのは水を取り入れる口、他の利水権との関係等もございまして、これの調整の必要がございます。それから流末、いまのところは一ルー十分の水しか流さないような流末の設備にしておりますので、今冬の
豪雪
にかんがみまして、さらに複数のルートで同時に水が流せるように今年度、来年度から
調査
をいたしまして実施をいたしたいというふうに考えております。 それから南
福井
の駅でございますが、これは駅の端から水を取りまして他の端へ流すということになっておりますが、もともと非常に平らなところでございまして水の流しにくいところである。それに地盤が必ずしもよくないということででこぼこに沈下をいたします。そういうことで強制の取水、排水という設備を
強化
しなければなりません。これにつきましても、今回の
被害
にかんがみまして部分的にぜひ改良を進めたいというふうに思っております。
近藤忠孝
214
○
近藤忠孝
君 五本あるうち、
富山
の場合ですね、地元の関係者の理解が得られないで排水できないと、こういう問題があるんじゃないんですか。また、それは常時備えておかなきゃいかぬことで、それに対してどういう対応
措置
をとってきたのか、この点どうです。
村上温
215
○
説明員
(村上温君) 必ずしも了解が得られないということでなくて、先ほど御説明いたしましたように、いままでは一ルー十分の排水ということで
計画
をしておりましたものですから、ふやそうといたしますと当然新たな了解が要るということでございまして、これはこれから積極的に話し合いを進めていきたいというふうに考えております。
近藤忠孝
216
○
近藤忠孝
君 その見通しはどうですか。またいつ雪が降るかわからないわけで、せっかく機能がありながら、そういういわば対人関係がうまくいってないために活用できないということでは、これはせっかく投資した意味がないわけですから、これはむしろ怠慢と言うべき問題だろうと思います。その点どうなんです。
村上温
217
○
説明員
(村上温君) これは話し合いのことですから、御指摘のように十分に誠意をもって話し合わなければなりませんが、繰り返しますが、いままではそういう設定をしておらなかったということで、決して話し合いをして放棄したといいますか、そういう必要がありながら放棄したということではございません。今後積極的に進めていきたいと思います。
近藤忠孝
218
○
近藤忠孝
君 じゃ別の問題ですが、
昭和
四十九年九月にできました国鉄の
雪害
対策
長期
計画
というのがあります。これによりますと、
昭和
五十年から五十四年が前期、後期が
昭和
五十五年以降ということで
計画
が立って、
雪害
対策
の設備投資の額も予定されておりますが、そこでお答えいただきたいのは、東海道新幹線に幾ら、そしてその達成率がどれだけか、それから
金沢
鉄道管理局の場合にこの目標が幾らで達成率が幾らか。どうでしょうか。
神谷牧夫
219
○
説明員
(神谷牧夫君) 御質問の長期
計画
でございますが、三十八年、そして四十八年の二回の
豪雪
を経て長期
計画
を策定いたしまして、五十年から今年度まで六年間を経過いたしております。ほぼ所定のペースで進んでおります用地上設備に関しましては、必要とすべき地上設備に対して約八割の進捗、それから
除雪車両
、
除雪機械
等につきましても必要数の約八割というような進捗
状況
になっております。 それで、いま御質問の東海道新幹線の関係でございますが、ちょっと投資額については勉強不足で手元に持っておりませんが、事柄だけ御説明さしていただきますと、御承知のように、東海道新幹線、雪に弱い……
近藤忠孝
220
○
近藤忠孝
君 金額だけでいいですよ。
神谷牧夫
221
○
説明員
(神谷牧夫君) ちょっと投資額を現在手元に持っておりませんので失礼いたします。
近藤忠孝
222
○
近藤忠孝
君 時間がないんで結論だけいきますと、私の方の
調査
によりますと、東海道新幹線六十二億円、
金沢
鉄道管理局は二十六億円。東海道の場合には関ケ原だけですから、距離から見ますとそんなに長くないわけですね。で、達成率は、この長期
計画
との関係でいきますと、むしろもう後期の分までそれを超えて達成していると、こういう
状況
ですが、それに対して
金沢
鉄道管理局の方は東海道新幹線の三分の一、一キロ
当たり
の投資額ではもっと少なくなってきて恐らく何百分の一と、こうなってしまうんですね。 私は決して東海道新幹線の方をよけいにやったのはけしからぬとは言ってはいないんで、むしろ目標達成は結構なことです。ただ、こういう幹線については目標を達成してやっていながら、一番雪の多い、また一番
被害
の出るところについてはその達成率が低い、そして今回こういう事態になったわけです。設備に対して雪が多過ぎだから仕方がないという事態ではむしろないんじゃなかろうかと思うんですが、私が言った数字は間違ってないでしょう。その問題どうですか。
神谷牧夫
223
○
説明員
(神谷牧夫君) お答えいたします。 御指摘のように、東海道新幹線
対策
は非常に力を入れておるわけでございますが、決して
北陸
本線についても手を抜いたということじゃございませんで、私
ども
一定の考え方に基づいて線区単位にいろんな投資を進めてきております。そのペースには
北陸
本線も乗っておるわけでございますが、御指摘のように、今回の
豪雪
を通じて考えられますことは、特に
除雪車両
が貧弱だ、その中でも
ロータリー車
が足りなかった。先ほ
ども
お話ございましたように、三百六十キロの
北陸
本線に二台ということでは、支線区を含めての
除雪
にはちょっと貧弱であるというぐあいに反省をいたしております。
近藤忠孝
224
○
近藤忠孝
君 ここで運輸省にお聞きしたいんですが、いま私が指摘した点について運輸省としてはどうお考えですか。
金田幸二郎
225
○
説明員
(
金田幸二郎
君) 地上設備の面におきます
雪害
対策
ということにつきまして、先生御指摘のとおり、長期
計画
に基づいて国鉄においては進められておるわけでございまして、いま国鉄からも答弁のございますように、全体としては予定どおり進行しているということでございますけれ
ども
、ことしの雪、これは各地において記録的な雪であったということはございますけれ
ども
、結果的には各地において輸送障害を生じたということは非常に残念なことでございまして、ことしの雪の経験、いろんなそういう知恵というものも踏まえて今後の長期
計画
の見直しなりなんなり、
雪害
対策
の
強化
という問題につきまして国鉄を督励してまいりたいというふうに考えております。
近藤忠孝
226
○
近藤忠孝
君 それから次に指摘したいのは、人員の問題もあるんですが、これは省略します。 そこでもう一つは国鉄の管理体制です。これは具体的な事例ですが、敦賀にあります客貨車区で、そこの検修車庫が一月十三日に雪の重みで倒壊しました。その四日後の一月十七日には敦賀第二機関区で検修車庫が倒壊するという事故が
発生
し、そして車庫内の機関車六両もつぶされてしまった。こういう事故が
発生
したんですが、国鉄で現在判明している損害額、どれぐらいですか。
神谷牧夫
227
○
説明員
(神谷牧夫君) お答えいたします。 損害額でございますが、現在まだ詳細
調査
中でございますが、約四億と聞いております。
近藤忠孝
228
○
近藤忠孝
君 その倒壊事故の原因は屋根の雪おろしがおくれたこと。実はこれはもう危ないということが指摘され、屋根の雪おろしをしようと思っておったら、その前日につぶれちゃったと。私はむしろこれは過失だと思うんですね、管理体制のミスですよ。それをどう思いますか。
神谷牧夫
229
○
説明員
(神谷牧夫君) 御指摘の建物でございますが、
昭和
二十四年製の木造と、それから古レールを組み合わした検修車庫でございます。この車庫につきましては、建築基準法以前の建物でございまして、当時の設計者としては経験に基づいた雪荷重ということで設計したものと思われます。 敦賀地区は基準法上約一・五メーターの
積雪
深を設計荷重にするということになっておりますが、今回の最大の
積雪
時には屋根上で二・三メーター、かつそれがかなり結果的には重い雪であったということが倒壊の原因になったんではなかろうかと思います。 で、この間敦賀地区におきましては建物の
除雪
体制がどうなっておったかということを少し御説明さしていただきますと、実は敦賀駅構内には二百十四棟の古い建物が散在しております。面積にいたしまして約三万八千平方メーターでございます。これらの建物の雪おろしをやるわけでございますが、何分にも
除雪
能力にも限度がございますもので、建物の構造でございますとか、古さぐあいでございますとか、それから旅客の安全の問題でございますとか、こういったものを勘案しながら
計画
的に
除雪
を行っておったわけでございます。この雪が一月の十一日から十五日間という短期間に集中的に降ったというようなことで、
除雪作業
が結果として追いつかずに倒壊したものと考えております。
近藤忠孝
230
○
近藤忠孝
君 これから時間ないから端的にお願いしたいと思います。 いま建築基準法上の問題が出たんですが、当時敦賀市では県の通達によって市が広報ビラを全市民に配りまして、木造の場合には六十センチ、鉄筋の場合には百五十センチを限度に、それを超える屋根の雪は危険であるから雪おろしをするように、こう市民に注意をしておったわけです。現にいま答弁のとおりこれをはるかに超える雪の量なんですね。明らかに建築基準法の面から見ましてこれはもう限度を超えておることは明らかなんです。そういうことを見過ごした結果四億円の損害です。四億円というのは大変大きなものだと思います。特にいま国民には
財政
再建ということの一環として運賃値上げを毎年やっているんですからね。いわば国民に大変苦労をかけて値上げをし、片方ではまさにこれは管理の問題、幾つか注意すればちゃんと防ぎ得た問題——人員集めるのは大変だと思いますけれ
ども
。しかしそういう問題があって四億円の損害を与えた。私は国鉄の再建という面から見ましても大問題だと思うんです。しかもこれはものすごくりっぱな鉄骨なんですよね。(写真を示す)ここからこれ全部落ちちゃったんですからね。これも落ちちゃうんですね。そういう点、こういう管理体制の問題どうお考えですか。
神谷牧夫
231
○
説明員
(神谷牧夫君) まず最初に、実は建物が二つございまして、十三日に壊れた方が木造の古い方でございます。十七日の方は鉄骨造でございます。これをトータルいたしまして約四億円の
被害額
になっております。 それで、まず最初の建物でございますが、これは三十八年の
豪雪
を経験いたしております。そのとき約百五十四センチの屋根上の
積雪
があったというぐあいに記録されております。そういった過去の経験から、今回も
除雪
を始める時期では百二十センチぐらいの
積雪
でございましたんで、まだ大丈夫だろうというぐあいに判断しておったわけでございますが、それが急激に翌日約四十センチの
積雪
があって、結果として約百六十センチになった。これで倒壊してしまったというぐあいに私
ども
聞いております。 それから二番目の鉄骨づくりの、いま先生写真でお示しになった建物でございますが、これは三十四年につくられた検修庫でございます。設計上は一応基準法では一・五メーターの
積雪
となっておりますが、私
ども
短期荷重で計算いたしますと、二メーター五十ないし三メーターまでもつというようなことで対処しておったわけでございますが、倒れる前の
積雪
は二メーター三十
程度
でございました。当時
福井
駅のホームが非常な
積雪
でもって急傾斜をしてきたというようなこともございまして、同時期に
除雪
を
計画
しておったわけでございますが、ついホーム上屋の方の旅客の方に全精力を集中していたさなかにこの鉄骨造の方が倒れてしまった。私
ども
夢にもあのりっぱな建物が落ちるというぐあいに思っていなかったわけでございまして、まことにこの点残念に思っておるような次第でございます。
近藤忠孝
232
○
近藤忠孝
君 私は、残念じゃなくて、やっぱり国民に対しては申しわけないと謝るべき問題なんですよ。三八
豪雪
のときの経験と言うけれ
ども
、それは誤れる経験主義ですよ。その結果こういう事故が
発生
したという点で、これはやっぱり改めてそういう意思表示をすべきだと思うんです。どうですか。
神谷牧夫
233
○
説明員
(神谷牧夫君) 御指摘のように、私
ども
のいろんなそういった強度上の推定が誤って大変な損害を出したことをまことに遺憾に思っております。今後とも設計面にも反映さしてりっぱな建物をつくっていきたいと思っております。
近藤忠孝
234
○
近藤忠孝
君 あと林野庁、それから建設省、たくさんお呼びしちゃって申しわけないが、時間がもうあと五、六分しかないので、大方のところは省略さしていただきます。 これは建設省、こういう問題どうでしょうか。いま幾つかの都市、
福井
、
金沢
、高岡では緊急
避難
的に雪を
学校
の校庭に置いているんですよ。するともうこれは大変なんですね。やがて解けてくる、あるいは校庭として使うためには大変な金がかかるんです。校庭の補修
費用
も大変なんですね。建設省でこれは対応してくれるんでしょうか、どうでしょうか。——建設省に事前にちゃんと質問通告してありますよ。ちょっと時間の関係で急ぎますので……。 その結果、建設省の答えとしましてはこういうことなんです。
道路
の雪を校庭へ持ってきたならば責任負いますと言うんですよ、建設省の仕事だと。しかし雪は必ずしも
道路
だけじゃない、どこの雪がわからぬものは責任負えぬ、こういうのがいままでのお答えなんです。大臣、よく聞いてください。 そこで、じゃ文部省どうするんですか。
福岡純一郎
235
○
説明員
(
福岡純一郎
君) 御説明申し上げます。
学校
施設の校舎あるいは校内の通学路等の
除雪
につきましては、公共
事業
の
除雪
法に基づきます
補助
をいたしております。 お話のございました件につきましては、私
ども
も聞き及んでいるわけでございますが、これは設置者の判断によりまして、緊急的な
措置
としてやらざるを得なかったところであろうかと思います。それで、設置者の方でこれに対する
対策
は考慮しているというふうに聞いておりますので、私
ども
といたしましてはそれを御期待申し上げているところでございます。
近藤忠孝
236
○
近藤忠孝
君 関係の
市町村
はいま頭を痛めちゃっているんです。どこへ持っていったらいいか。建設省へ持っていきゃああいうことですね。文部省の方もなかなかはっきりしない。そこで
国土庁長官
、それを調整するのがまさに長官の仕事じゃないでしょうか。ひとつ御意見を伺いたいと思います。これも国土庁に質問通告してあるんですよ。
柴田啓次
237
○
政府委員
(柴田
啓次
君) 緊急
避難
的に校庭、公園等を雪捨て場にしてしまった、それをどうするかという問題でございますが、
実情
をよく調べましていろいろ
対策
を考えたいと思います。
近藤忠孝
238
○
近藤忠孝
君 じゃ最後になります。公務員に対する
豪雪
手当の問題です。 民間も大変だったけれ
ども
、公務員は文句が来たり、自分のうちの雪おろしもできないで大変努力をされたわけです。ところが、この
豪雪
手当、三八
豪雪
の経験に基づいてできたんですが、いまだにこれが全然適用されていないんですね。適用するとなれば今回初めてですが、しかしこれは人事院の勧告が必要だと、こう聞いております。 そこで人事院、いままでの公務員に対する
豪雪
手当の支給について、その一応の基準、その
調査
はどう進んでおるのか、その見通し等についてお答えいただきたいと思います。
林博男
239
○
説明員
(林博男君)
豪雪
手当についてのお尋ねでございますが、
豪雪
手当は、先生御承知のとおり、国家公務員の寒冷地手当に関する法律に基づきまして、寒冷地手当の三級地以下の
地域
に相当な量の
豪雪
がございまして、それが相当広範囲にわたりまして、かつ相当長期間にわたって続いたという
状況
がございまして、その
地域
がその冬については四級地以上に準ずるというふうに認めた場合にこれを支給するということでございます。 したがいまして、自然的条件につきましては、
積雪
の
状況
がどうであるかということを気象官署等のデータに基づきまして検討いたしております。ただ、何分まだ二月でございまして、これから全く雪が降らないという
状況
ではございませんので、一応それの時期を待ちましてその結果結論を出したいと、こういうことでございます。 で、この点につきましては、自然的条件もそうでございますけれ
ども
、政府の方でいろいろな
対策
等もございますし、そういった
状況
等も見ながらあわせて真剣に検討したいということでございます。
近藤忠孝
240
○
近藤忠孝
君 今回適用にならないと、これはまた何十年適用にならずに済んでしまうかもしれぬということだと思うんです。その適用する場合に、その
地域
の民間でそういう
豪雪
手当的なものが支給されているかどうかというのは、これは大分参考になることでしょう。
林博男
241
○
説明員
(林博男君) これは先生御指摘のとおり、前回の
昭和
三十八年の
豪雪
の経験にかんがみてつくった手当でございまして、
昭和
三十八年当時は、相当数の民間において見舞い金あるいは給与というような形で一時金の支給があったということを一つの参考にさせていただいたという経緯がございます。したがいまして、今回もそういう
状況
も把握する必要があるというふうに考えております。
近藤忠孝
242
○
近藤忠孝
君 そういう点で
福井
をちょっと調べてみましたら、
福井
新聞では妻帯者に三万、独身者二万、それから
福井
放送では妻帯者二万九百円、独身者一万円、
福井
鉄道でも一万円と、こう支給されておりますので、ひとつ大いにこれを参考にしてぜひとも支給できるように、このことを強く
要望
しまして質問を終わります。
伊藤郁男
243
○
伊藤
郁男君 最初に
豪雪対策
の問題につきまして二、三質問をしていきたいと思います。 すでに午前中からの質疑を通じましてさまざまの問題が出尽くした感がございます。私もまた激甚法の早期発動はもとより、
災害
にかかわる法体系の全面的な見直し、あるいは各
委員
がそれぞれ指摘をされました問題点の解決につきまして政府がさらに鋭意努力されることを希望しておきたいと思います。 〔
委員長
退席、理事
鈴木和美
君着席〕 私も長野県生まれでございまして、雪に対してはかなり知識があったと自分では思っておったわけですが、今回の
調査
を通じまして、そんななまやさしいものではない、本当に大変なものだということを強く実感をしてきた者の一人でございます。 特に
新潟
県に参りましたら、かつて
新潟
県では自殺者が全国一多かったと、こういう話でございます。あるいは
福井
か
富山
どちらかでしたか、あそこでは結核患者が日本最高の患者数を示していたと、こういうようなこともございます。要するに、長い間雪に閉じ込められておりまして、そのことによる精神的な負担、あるいは
なだれ
や地すべりやそういうことに対する不安、雪国の人々、まさにそこに住んでみなければわからない大変な精神的な不安があると思うわけでございまして、毎日それに悩まされている、こういうことでございます。午前中にも
長谷川委員
が指摘をされましたが、雪国が負っている格差、これを是正していかなければ本当の雪国
対策
にならぬのではないか。雪に強い都市づくりを前進させなければならない。そのためには
恒久対策
がきわめて重要である。こういうように思いますし、その観点からまず第一点、科学技術庁の方に質問をしておきます。 これはもう
和泉
委員
からも先ほどお話がございましたけれ
ども
、いまの雪に対する研究体制というものがどういうようになっておるのか、
実情
をお話しいただきたい。
倉持哲士
244
○
説明員
(倉持哲士君) 御説明申し上げます。 雪に対する研究開発体制の現状ということでございますが、雪に関しましては、大学、国立研究機関、たとえば大学でございますと北海道大学の低温科学研究所、あるいは国立研究所におきましては私
ども
の国立防災科学技術センターの
長岡
にございます
雪害
実験研究所、あるいは山形県の新庄市にございます新庄支所、これなどがございますが、そのほかにもたとえば建設省の土木研究所でございますとか、あるいは林野庁の林業試験場等でもそれぞれの所管業務に関連いたしまして
雪害
に関する研究をなさっている現状でございます。
伊藤郁男
245
○
伊藤
郁男君 雪に対する研究、まださまざまやらなけりゃならぬ問題がたくさんあると思うんですね。
なだれ
のメカニズムが一体どうなのか、これもよく解明をされていないようでありますし、あるいは消
雪パイプ
、これは全面的にすべての
道路
にやればいいけれ
ども
、これも地下水の枯渇の問題があってなかなか実現できない。こういうこともございますし、さまざま指摘をされました山林の
被害
の問題につきましてもなかなか原因がつかめない。あるいは気象の問題も先ほどありましたけれ
ども
、そういう問題もなかなかつかみ切れない。そういう現状の中で、いまのような体制、確かに科学技術庁としては真剣に研究をされ、消
雪パイプ
の問題とかあるいは
除雪
車の開発とか、さまざまなことをなされてきたわけでありますけれ
ども
、いまのお話しのように、科学技術庁が防災科学技術センターへ持っている、各大学もそれぞればらばらに研究している、各県もそれぞれ県単位で独自の研究をしている、あるいは林野庁だとか建設省だとかそれぞれの分野でそれぞれまた雪に対する研究をしている。 〔理事
鈴木和美
君退席、
委員長
着席〕 こういうばらばらの体制ではなかなか
恒久対策
が進んでいかないというように私は思いますので、もっと大きな見地から、本当に雪に強い都市づくりのために本格的な研究体制というものに踏み込んでいく必要があるのではないかと思いますけれ
ども
、その点はいかがでしょう、御見解をお伺いします。
原健三郎
246
○国務大臣(原健
三郎
君) いま
伊藤
先生の御説、まことにごもっともでございまして、もっと根本的に
恒久対策
をやらないとつけ焼き刃的なことばかしては解決しませんので、まだ今後ともそういう
豪雪
が来ることは必然でありますので、われわれも苦慮いたしておるところであります。 幸いに、この間
富山
県へ行きましたら、
富山
県の知事はこの前一月の十日に行ったときも言われたんですが、
豪雪
無
被害
の都市をつくりたい、雪が降ることはとめられないけれ
ども
、雪が降った場合に直ちに雪を消してしまう、そういう
対策
をやろうと思って
富山
県ではいま研究しておる、それで政府と連絡とってやりますからということで、それをお願いしてきました、政府と地方と連絡とってひとつやりましょうと。国土庁もそういう御趣旨をよく了解してやる。まず
現地
で、一番苦い経験を持っておる
富山
県においてその知事が
対策
をやる。たとえば消雪、雪を消す水をやるとか、特別の雪を運ぶ機械を持ってくるとか、いろいろあるんだそうですが、そういうものをモデル地区をつくって根本的
対策
をやるということで、いませっかく
富山
県の知事は
現地
でそれをやるということで進めておりますので、われわれも連絡をとってその
対策
をしばらく見据えていきたい、こう思っております。
伊藤郁男
247
○
伊藤
郁男君 ぜひひとつそういうところに観点を発展さしていただきまして本格的な
恒久対策
を樹立していただきたい、このように思います。 そこで、今度は国鉄の問題ですけれ
ども
、国鉄の弱さということがしばしば指摘をされてきました。特に
北陸
線の問題で、
現地
でお聞きをしますと、あの
除雪
、
排雪
がうまくいかなかった。そのために汽車がとまったと。そこの大きな原因は、この
報告
書にもございますけれ
ども
、結局線路の周辺に三八
豪雪
や何かのときには見られなかったように
住宅
が立て込んでしまった。したがって、
機動力
のある
除雪
車を持っていつでもその雪を
排雪
することができない、
住宅
に
被害
を及ぼす、こういうことになります。したがって、先ほどからの質問の中で、鋭意努力して十分な
対策
を研究をしていくんだ、こう言うんですが、大変ますますむずかしくなってきた、こういうように思いますので、これらに対する
対策
、国鉄としてはいままでの御答弁だけではどうも私も満足できないのですが、もっと研究すべき必要があるのではないかと思いますが、国鉄当局どうでしょうか。
神谷牧夫
248
○
説明員
(神谷牧夫君) 先生御指摘のいわゆる都市化された鉄道沿線の
除雪
対策
でございますが、御指摘のように
ロータリー車
がかけられないということで側雪が処理できない、自後の
降雪
に対処できないということでございます。この側雪となった雪の処理についていろいろ従来からも技術開発をやっておるわけでございます。 今後の方向といたしましては、一つはレールを使って側雪を本線上の貨車でもってしかるべきところまで、雪捨て地まで持っていく方法、それから上越線等で現在非常に有効に活用されておりますが、水のある地区かつ線路勾配のあるところにつきましては、線路上に水を一時的に流しまして、そこでもって雪を融雪させるなり運ぶ方法、それからこれは
道路
等にも用いられておりますが、いわゆるロードヒーティングという方法——線路の地下に温度の高くなる電線等を敷き込みまして電気でもって融雪する方法、いろいろ技術開発の方途をやる。またどうしてもそういったことの不可能なところにはいわゆるスノーシェルターをかけるといったようなことで、特に今回問題となりました敦賀
付近
でございますとか
福井
付近
、そういった技術開発、設備投資等で対処していきたいというぐあいに考えております。
伊藤郁男
249
○
伊藤
郁男君 融
雪施設
につきましては見てまいりましたけれ
ども
、あれは一キロぐらいのところでその
道路
に電線を通すと電気代だけでも一億円かかっちゃう。こういう莫大な金がかかるような話でございまして大変なことではないか、このように私は思います。 もう一点国鉄にお伺いをしておきますが、あの
富山操車場
、三キロ、幅三百メートルに及ぶ広大な
地域
、私も見てまいりましたけれ
ども
、あれが十二月の二十七日から一カ月間——本格的に貨車輸送が、あの機能が回復されたのは二月の上旬になるわけですね。約一カ月間、しかもその間十二月二十七日から
年末年始
に入ってしまった。その
年末年始
に入った約一週間の間はほとんど
除雪作業
が行われなかったのではないか、このように私は
現地
の人から聞いておるわけですけれ
ども
、そういう
状況
であったのかどうか。
神谷牧夫
250
○
説明員
(神谷牧夫君) お答えいたします。
富山
操につきましては、二十六日から雪が降り出しまして、三十日の明け方まで降り続いております。それから正月の間小康を得まして、再び四日の朝から雪が降ったと、こういう
状況
になっております。 この間の
除雪
体制でございますが、二十八日から本格的な
除雪
体制に入りまして、年末の三十一日まで一日平均約三百人、それから
除雪
車にいたしましてロータリーを五台、それからブルドーザーを三台投入いたしております。 それから御指摘の
除雪
休みでございますが、元旦の日だけこれは全く
除雪
をやっておりません。それからまた二日の日から
除雪
を始めまして、以降一月の末まで延べ八千八百人に及ぶ
除雪
人員を投入して
除雪
に当たっております。 御指摘の元旦の
除雪
休みでございますが、たまたまこの時期は貨車輸送の需要もなくて、たまたま
積雪
もありませんし、だんだん雪が解けてまいったというような
状況
、それからこの三カ日は運送会社等も休みでございまして操車場がいわば正月休みと、こういうふうな状態にあったわけでございまして、全く
除雪
をサボって貨車輸送を休んだということではございませんでした。よろしくひとつ御理解賜りたいと思います。
伊藤郁男
251
○
伊藤
郁男君 休みの間に雪がいつ降ってくるかわからぬわけでございますので、そういうことに対する
除雪
、
排雪
の作業についてふだんから積極的な
対策
を講じて、いついかなるときも——貨車の場合には製品その他を運ぶわけでありまして、商工業、
中小企業
その他に甚大な影響を及ぼすものでありますので、そういう意味から積極的な人員配置あるいは日ごろからの体制づくり、こういうことを御
要望
しておきたいと思います。 それから
豪雪
に関連をいたしましてもう一点でありますけれ
ども
、これは私、意見としてだけ申し上げておきますので、御返事は要りません。 それは、こういうような特殊の
豪雪
のようなときには、
補助
金とか特別交付金とか、そういうものを総合的に考えて一括して地方におろす。いまのやり方だと、
道路
の方は建設だ、文教施設は文部省だ、さまざま各省庁の縦割りで全部そういう
補助
金がおりていくというシステムになっていて、総合的に把握できないというような欠陥があると思うんです。この種の問題につきましては、総合的な見地からそういうものの統合化というものを私は
要望
しておきたいと、このように思います。
豪雪
の問題につきましてはその
程度
にいたしまして、次に静岡ガスの問題に関連をいたしまして二点お伺いをしておきたいと思います。 第一点は、私もしばしば御質問を申し上げてまいったわけでありますけれ
ども
、あの静岡ガスの
爆発
の原因につきましてまだ究明が済んでいない、こういうことのようでありますけれ
ども
、中間的な御
報告
で結構でありますけれ
ども
、どのような究明が進んでおるか御説明をいただきたい。
仁平圀雄
252
○
説明員
(仁平圀雄君) 静岡駅前の
ガス爆発事故
につきましては、昨年八月十六日事故
発生
以来、八十余名の捜査体制をもちまして、検証、鑑定及び関係者からの事情聴取等鋭意努力を推進しているところでございます。しかし何分にも大
規模
かつ複雑な事故でございますので、捜査の対象範囲等がきわめて広範でございまして、いまだ捜査を継続しているところでございます。 御承知のように、この種事故の原因究明は鑑定が中心になるわけでございますが、今回の事件は、御承知のように第一次、第二次と二回の
爆発
があったということ、
規模
が非常に大きいというようなことから、鑑定もまたきわめて多肢にわたっておるわけでございます。たとえば第一次
爆発
の原因となった可燃性ガスにつきましても、可燃性のあるものについてはすべてこれを鑑定によって確かめなければならないということでございますし、またガスの種類が仮に特定されましても、それだけで原因を断定するというわけにはいかないわけでございまして、そのガスの
発生
場所とか量とか滞留の具体的な
状況
等もまた鑑定しなきゃなりませんし、さらにはその
爆発
力と現場の破壊
状況
等との関係もこれまた鑑定によって立証しなければならないというところでございます。また、このことは着火源につきましても同様でありまして、可能性のあるものすべてについて鑑定し、いずれが着火源かを明らかにしていかなければならないというものであります。第二次
爆発
に関するもの等を含めまして現在鑑定を委嘱しております項目は数十項目に上っておるわけでございます。 こういった事情から、現在のところではいつ鑑定結果が出るかということを明確には申し上げられない
状況
でございます。過去の大
規模
事件の例からいたしまして、この種の事件の鑑定結果を得るには相当の時間がかかると思いますが、御承知の大阪の天六の
爆発
事件につきましては、鑑定に一年二ヵ月を要しておるわけでございます。私
ども
といたしましては、鑑定を嘱託いたしました専門家等とも緊密に連携をとりながら、引き続き多数の関係者につきましても事情聴取を行うなど諸般の捜査を進め、できるだけ早く原因を究明するとともに、その刑事責任の有無、
程度
を明らかにする所存でございます。
伊藤郁男
253
○
伊藤
郁男君 それで、消防庁にお伺いをしておきますが、あの火災の現場におきまして消防活動に協力をしている民間人もかなりおると思うんですが、そういう協力した民間人があの現場において亡くなった場合にどのような補償の手段があるのか、簡単で結構ですからお伺いします。
野沢達夫
254
○
説明員
(野沢達夫君) 消防の現場におきまして民間の方が消火作業に協力したり、あるいは消防職員から協力の要請がありまして消火業務に従事した場合につきましては、一定の要件がございますが、
消防団
員の
災害
補償に準じた
災害
補償を行うという制度がございます。
伊藤郁男
255
○
伊藤
郁男君 実は、ここに斎藤富士雄さんという、あそこのビルに住居もあり店舗も設けておって、そしてあの際に相当協力をされた方がおりまして、この方がその現場で亡くなっておられるわけです、第二次
爆発
でですね。しかしこの斎藤さんは、ある位置の一定のところ、
避難
場所に、安全なところにおったんですが、奥さんが消防士から頼まれて、ガス管のもとがわからないから来てくれと呼ばれているわけですね。そしてその奥さんの言い伝え、伝言によりまして現場に行きまして、そこで第二次
爆発
がばっと起こって亡くなっておられるわけです。その方からそれぞれの関係機関に
陳情
書が出され、あるいは遺族から嘆願書が出されて、こういう活動をやって消防に御協力した、この献身的な努力によって最終的には亡くなってしまったんですけれ
ども
、何かこれに報いる道はないかという嘆願書、
陳情
書が出ているわけです。この嘆願書、
陳情
書に基づいて
現地
の静岡の消防署の職員が二名遺族のところに、
避難
をしておりました家族にお会いをしていろいろ事情
調査
をしているわけです。 しかし
調査
をした結果、結局そんな事実はなかったと言ってその
陳情
書を送り返しましたよと、電話一本でそういう返事が来たというわけですね。そのような冷たい仕打ちに遺族の方々は非常に怒っておられるわけですね。そして、いま現在さらに
陳情
書を書き直して関係各機関に出そうという準備をしておると、こういうわけです。 しかしいまお話がございましたように、こういう協力をした方に対しては、法律でとにかく協力しなきゃならぬということになっているわけですから、もちろん協力した者に対しては公務員に準じた補償というものが当然あるべきだ、法律にも当然載っているわけですから。それに基づいて消防署員が、こういうことがありますよということを親切に教えてやるのが本当なのにかかわらず、電話一本で、事情聴取はしたけれ
ども
陳情
書をお返ししますと言って電話でお返しする。このような態度はまことにけしからぬと思いますし、そういう
状況
を把握されておるのか、あるいはこのことについてどんなお考えがあるかお話をいただきたい。
野沢達夫
256
○
説明員
(野沢達夫君) この斎藤富士雄さんの件につきましては、静岡のガス
爆発
がありました直後に地元の町内会の方から、ただいま先生が申されましたような事情であるから協力者としての
災害
補償にならないかというような
要望
書が出ております。早速静岡市の消防本部で、この斎藤さんが亡くなられたときの
状況
とか、あるいは消防職員から具体的に協力依頼があったかどうか、そういった点を関係者から証言を聞きまして
調査
しましたけれ
ども
、そういった事実が確認されないというような結果が出ております。それでその結果、八月の末に町内会長さんにそういった経過を説明いたしまして、町内会の方では
陳情
書を取り下げたというようなことは静岡市の
報告
で聞いております。その後また、先生おっしゃいましたように、
被害
者の御遺族の方からも静岡市の方にそういった嘆願書が出ておるようでございますが、それぞれ関係者に説明したという
報告
を受けております。 ただ、実際にそういった関係者に対するお答えが懇切を欠いたという点があれば、その辺については十分今後指導してまいりたいというふうに考えております。
伊藤郁男
257
○
伊藤
郁男君 遺族代表から私のところにも手紙が来ております。いまのお話だと、そういう協力をした事実関係はなかったと消防本部としては判断をされておると、こういうことですが、それは事実ですか。それでいいですか、そういうように理解して。
野沢達夫
258
○
説明員
(野沢達夫君) 消防隊員からの協力というものがあったかどうかということについては、消防隊員を調べて、そういったことがなかったということを静岡市の消防本部から
報告
を聞いております。
伊藤郁男
259
○
伊藤
郁男君 この手紙によりますと、
爆発
当日亡くなった斎藤さんの遺体に取りすがって奥さんが言うのに、私が消防士からの伝言さえ主人に伝えなかったら死なずに済んだんだと、こう言って嘆き悲しんでいる姿をみんな見ているわけですね。だから、この問題については法律に基づいて補償の道がありますよ、しかしそれを実証しなけりゃなりませんから、さらに実証できるような方法で
現地
の消防署を指導すべきではないか、私はそのように思いますが、どうでしょう。
野沢達夫
260
○
説明員
(野沢達夫君) 御遺族に対する事情の御説明等が十分でなかったように伺いましたので、市の方にその旨伝えまして指導したいというふうに考えております。
伊藤郁男
261
○
伊藤
郁男君 私も先ほど言いましたように、遺族が本当に家財も全部なくなっちゃって、その上に働き盛りのおやじも亡くなしちゃった、そして嘆き悲しんでいるところへ、事情聴取に
陳情
書に基づいて来て、それで長時間
調査
をした結果、日曜日の午前十時に電話一本でそんな事実はなかった、
陳情
書をお返ししましたというようなそういうやり方では、
災害
の場合には民間人の協力がなければならないわけですが、むしろ協力するという意欲をなくしていくのではないかというように恐れますから、この問題を私は重視をいたしまして御質問を申し上げたところでございます。 いまそういうことをさらに
現地
に指導をいたしますと、こういう御返事がありましたので、時間が参りましたのでこの辺で終わりたいと思います。
喜屋武眞榮
262
○
喜屋武眞榮
君 私は、
降雪
、雪の経験のない、また火山の
降灰
の経験のない沖縄の出身でありますが、このたび
豪雪
の
調査
と
桜島火山
の
調査
に加えていただいたわけであります。ところで、いままで多くの方々から、また
現地
からも直接政府当局に、関係当局に
陳情
要請がなされておると思いますので、繰り返すことを控えまして、早朝来政府当局の御答弁を承っておりますというと、結局問題は緊急
対策
と
恒久対策
に分類できると、こう思うわけなんです。ところが、その姿勢に対して私は疑問を持たざるを得ません。何となれば、速やかに手を打つことと
調査
を待ってとは相矛盾する。速やかに手を打つということは、いわゆる待ちの姿勢ではなく、攻めの姿勢であるべきはずであります。これは事
人命
に関する、日々の
生活
につながる重大なことでありますから、ぼやぼやするならばもうやってやらぬぞ、援助をやらぬぞ、
補助
をやらぬぞと、これくらいの熱意をもってむしろ
現地
に乗り出していただいてハッパをかけていただくと、こういう姿勢が私はほしいと、こう思うわけなんです。ところが、言葉では速やかにとおっしゃるけれ
ども
、
現地
の
報告
を待ってとか、
調査
を待ってとかですね。いまさっきの問題だって、これは事命にかかわる問題であるならば、飛んでいって現場で
調査
をしてもらうことが当然の道だと私は思うんですが、早く
報告
せよと、こう
現地
に対しておっしゃったことがありますかどうか、その一点。
柴田啓次
263
○
政府委員
(柴田
啓次
君) 私
ども
政府といたしましては、一月九日に本部を設置いたしまして以来、各省総力を挙げてこの緊急
対策
に取り組んでいるのでございます。地方公共
団体
に対しましても、速やかにいろいろな資料等を出してというふうに言っておりまして、決しておくらしているようなことはございません。
調査
を待ってというのは、あるいは激甚法の指定に関連して、激甚法の指定について
被害
状況
の
調査
を待って発動するといったことに関連してのお尋ねかもしれませんが、激甚法の指定というものは
被害
状況
が明確にならない限りできないものでございます。それのいわば前倒しのような
措置
として、たとえばつなぎの融資の問題というようなものはやっておりますし、あるいは公共施設の
除雪
法に関連いたしましても、雪が一応終わらないと正式の政令指定はできないわけでございますが、正式の政令指定ができたらすぐにでも交付金が配れるようにというような趣旨も込めまして、あらかじめいろいろな書類を準備しておくようにというようなことも文部省の方から通知をいたしておりますし、いま喜屋武先生のお話でございますけれ
ども
、私
ども
としてはできるだけ速やかにいろんな手を打っているつもりでございます。
喜屋武眞榮
264
○
喜屋武眞榮
君 私が言葉はきついかもしれませんがそう申し上げる裏には、私は雪に対する、
豪雪
に対するイメージチェンジといいますかがあるんです。雪と言えばスキーとか、スケートとか^雪だるまとか、雪合戦とか、雪祭りとか、そういう形で実は雪というものを幼いころから受けとめておった。今度あの
豪雪
の現場に行きまして、雪は魔物である、恐ろしい魔物である。愛すべき雪の一面もあるかもしれないが、本当のあの
豪雪
の実態というのは魔物である、恐ろしい魔物であると、そういうことを実感として受けとめてまいったから、もう矢も盾もたまらずに実はそう申し上げる次第であります。 そこでお聞きしたいんですが、この
豪雪対策
に
自衛隊
がどのように活動したでしょうか。
柴田啓次
265
○
政府委員
(柴田
啓次
君) この
豪雪
に際しましては、
自衛隊
は関係県知事の要諸に基づきまして、まず一番大量に出ましたのは
福井
県でございますが、そこにおきまして
道路
の
除排雪
並びに国鉄の駅の構内の
除雪
に従事したのでございます。また地方
団体
の方から
自衛隊
の活動に対する期待が非常に強うございましたので、特に一月十三日には
国土庁長官
から防衛庁長官に申し入れをしていただきまして、関係地方公共
団体
の要請があればできるだけ助力をしてほしい、こういう要請も特に
国土庁長官
から防衛庁長官へしていただいたのでございます。それらにつきまして
現地
部隊も対応を十分にしていただきまして、正確な数字ではございませんけれ
ども
、延べ五万人以上の
自衛隊
が出動したということでございます。最高時には
福井
県などは約五千人以上の部隊員が駐留をいたしまして
除排雪
に当たって、地元
住民
から非常に感謝を受けたわけでございます。 なお、大臣がこの
豪雪
視察
に
現地
へ出向きました際には、そこで
除排雪
に従事している
自衛隊
の方々に対しまして特にねぎらいを申し上げまして、今後の御協力もお願いしたというような事情もあるわけでございます。
喜屋武眞榮
266
○
喜屋武眞榮
君 この
自衛隊
の問題は、いわゆる
災害
に対する救援とか、あるいは
人命
救助とか、あるいは国土開発とか、いろんな立場からの任務を持っておるわけなんですね。 それで防衛施設庁に伺いたいんですが、いわゆる戦争のための
自衛隊
がこういった本当に平和で豊かな国土づくりのために一生懸命にがんばってもらおうという、こういう方向への
自衛隊
はいかがでしょうか。
窪田稔
267
○
説明員
(窪田稔君) お答えいたします。 私、施設庁の立場なので若干問題あろうかと思いますが、
自衛隊
は先生御存じのとおり直接にはわが国の平和と安全を守るためにあります。しかし重要な任務の一つとしまして民生というものもその任務の一つとしていると思います。先ほど御質問にありましたような
災害
の場合には国民への協力ということを第一に考えていると存じています。
喜屋武眞榮
268
○
喜屋武眞榮
君 私が申し上げたい真意をお伝えします。きょうくしくも人類の平和を願って日本を訪れておられるローマ法王パウロ第二世、彼はこうおっしゃっております、軍備の増強が世界の平和に役立つなどと信じられるだろうかと。私は共鳴共感をいたしておるわけであります。 次に、特に
豪雪
や、あるいは火山の
降灰
の
災害
というものがいろんな形であらわれてきているわけなんですが、私は特に森林、山と水の問題、こういう立場からお尋ねをしたいと思います。 沖縄の造林
計画
をどのように考えておられるか、林野庁に聞きたいと思います。
宮崎武幸
269
○
説明員
(宮崎
武幸
君) 沖縄に限りませず、先生いまおっしゃいましたように、森林につきましては水源の涵養あるいは国土の保全等非常に公益的な機能を持っておりまして、国民の
生活
にも密接な役割りを有しているところでございます。したがいまして、このような森林の機能の充実を図るために、御案内のごとく
治山
あるいは造林など各般の施策を実施しているところでございます。 沖縄につきましても、御案内のごとく、これらの
事業
につきましては、特に高率の
補助率
あるいは有利な融資条件等をもちまして
治山
あるいは造林等の
事業
を実施しているところでございます。
喜屋武眞榮
270
○
喜屋武眞榮
君 沖縄の森といいますか、山といいますかは基地の中と基地の外に分けられますね。基地の中には森林法は適用されていますかどうですか。
宮崎武幸
271
○
説明員
(宮崎
武幸
君) 基地内は保安林の指定というのは行われておりません。
喜屋武眞榮
272
○
喜屋武眞榮
君 なぜ適用されませんか。
宮崎武幸
273
○
説明員
(宮崎
武幸
君) 御案内のごとく、米軍基地に森林を提供する、その提供の目的を達成するということとそれから保安林の指定ということは、保安林の指定は御案内のごとく施業要件の制限等がございまして、この両者の調整につきましてはいろいろ問題がございます、そういうことで、いわゆる論理上これは両方が共存すると申しますか、そういうことについては問題があるということで、これは制度上は保安林の指定というものは行わず、あくまでも米軍との話し合いということで問題を解決していく、こういう方針をとっております。
喜屋武眞榮
274
○
喜屋武眞榮
君 ぜひせっかく法律があるのだから、それが基地の中であろうが外であろうが、自然破壊につながらない造林、自然を、緑を培っていくということは、これは森林法の目的であるはずでありますね。これはどんなことがあってもこれの適用のない限り沖縄の山河は破壊されますよ。どうですか。
宮崎武幸
275
○
説明員
(宮崎
武幸
君) 沖縄の基地内におきまして面積的にも基地がある、基地内の森林が占めるウエートというのは十分承知しておるわけでございますが、ただいま申しましたように保安林制度の目的と、それから施設区域の基地提供の目的、この間の問題がございます。そういうことで、私
ども
としましても、森林の管理につきまして
要望
するところあらば率直にかつ具体的に米軍の理解を得る、こういう立場から話し合いをしておりまして、関係機関とも協議しまして今後の対応を検討したい、こういうふうに考えます。
喜屋武眞榮
276
○
喜屋武眞榮
君 これはあえて申し上げますが、この法律を基地の内であろうが外であろうが適用することは当然なんですよ。それなくしてあなた方の使命というのは果たしたとは言えませんよ。それで現実はどうですか。あなた方がそういう姿勢でおるから、現実はもう全く悲惨な状態だ。ぼんぼんぼんぼん弾を撃ち込んではげ山にし、山火事にしておる。これが現状でありましょう。それで、沖縄では、この法に基づきまた国の政策に基づいて造林をしておる。それを進める手段として緑の羽根運動というのもありますが、沖縄ではもう緑の羽根運動を廃止する、こういう世論なんですよ。これはナンセンスだと言っておりますよ、緑の羽根運動だなんて。つくろうと思えば、勝形もなくばんばん破壊して焼き尽くしておる。こんな矛盾があっていいと思いますか、あなたはどうですか。
宮崎武幸
277
○
説明員
(宮崎
武幸
君) 非常にむずかしいお尋ねでございます。先ほ
ども
申し上げましたようにいろいろ問題もございます。私
ども
としましても、林野庁という立場から見ますと、もちろん緑の山をつくるということについてはそれが役目の役所でございます。沖縄の山が緑であることは非常に望ましいし、またそうありたいと思っておるわけでございますが、先ほ
ども
申しましたようないろいろな問題もございますので、今後の対応を検討さしていただきたいと思います。
喜屋武眞榮
278
○
喜屋武眞榮
君 いまの点、長官ひとつ御見解をいただきたい。
原健三郎
279
○国務大臣(原健
三郎
君) 御説の方はよく拝聴いたしました。協議していろいろ善処いたしたいと思います。
喜屋武眞榮
280
○
喜屋武眞榮
君 どうも頼りない御答弁でありますが、あえて私が言いますのは、いまどき沖縄では水飢饉で水事情さらに悪化。これが米軍の演習によって恩納岳が、そして金武ダムがこのように底をついておるんですよ、満水の二三%。水源はすべてそれとのかかわりがあるんですよ。これだけではありません。このようにダムの水がもう底をついておる。それでいま節水に入っている、断水にまでいくかもしらぬという。全く雪の国との逆の現象でありますが、結局もとをただせば一緒になりますよ。緑の森林と水との関係、これが沖縄のきょうこのごろの現状であります。全く錯覚を起こしそうな対照的な
状況
でありますがね。 それで、あの恩納岳の山火事、そのふもとがこの金武ダムになっておりますが、この山火事が一月の二十九日から四日間続いた。ところが、その火事を見て町当局も、
県当局
も、国も、アメリカも手をこまねいて自然鎮火を待っておるという状態なんです。これはどういうわけなんですか。おわかりなら答えてください。
窪田稔
281
○
説明員
(窪田稔君) お答えします。 一月というお話ですが、十月二十九日のハンセンの山火事のことかと思いますが、まことに先ほどからの先生のお話しのとおり申しわけないんですが、私
ども
としましては、米軍に対しまして、射撃
訓練
する場合には火災の
発生
の防止に努めるよう、また火災が
発生
した場合には積極的に消火活動を行うよう申し入れたところなんでございますが、たまたまああいう問題が起きた。で、非常にそれを反省しまして、その後米軍に対しまして、従来同様十分に注意を払うとともに、消防体制、消防能力の
強化
について検討するように申し入れました。これに対しまして米軍の方としましては、消火剤、ヘリコプター用バケットを購入する、それから防火隊の設置も検討する、それから基地司令部と
訓練
所のレンジコントロールとの間の通骨の
整備
をする、気象
状況
に対して十分な配慮をいたしまして
災害
の起きる危険の非常に強いような場合は演習に注意する、こういうようなことを約束しています。
喜屋武眞榮
282
○
喜屋武眞榮
君 これまた空から目薬をたらすという、小便という話もありますが、四日間燃えて一千ヘクタール焼き尽くしておりますね。ところが、それに手がつけられない理由はあなたがおっしゃるそのことじゃありませんよ。空から消火剤を落として鎮火ということ、これはナンセンスですね。これはこういうわけなんです。おわかりでないですかね。その山のふもとには不発弾がごろごろしておる。ですから、うかうか消火、消防活動でもしようと思って近づいたら命が危ない、だから近寄れない。そういう情勢の中で山は焼け、緑は消えていく、そうして水源は枯渇していく、枯れていく。これが実態なんですよ。危険きわまりない不発弾がいっぱいごろごろその山のふもとには撃ち込まれておるということなんです。これが真相なんです。そのことを十分確認しておきます。 さっき一月二十九日と申しましたが、これは十月二十九日の誤り、訂正いたします。 そこで、この完全補償については前にも私がお尋ねいたしましたので、いつどのように幾ら補償されたか、そのことをお聞きしたいと思います。
窪田稔
283
○
説明員
(窪田稔君)
被害
状況
につきまして私
ども
が昨年暮れに
現地
立ち入りして
調査
した結果、それから航空写真等も撮りまして
調査
した結果からしますと、被災の総面積が約百二十四ヘクタール、場内がそのうち百二十一ヘクタールで場外が三ヘクタール、その中に草だけのところと、それからリュウキュウマツとか雑木等立木が生えているところがございまして、立木の生えているところが六十二ヘクタールというような結果になっています。現在、一部の立木
被害
の材積等の細部について
解析
中でございます。したがいまして、金額等その他地元と折衝中でございますので控えさしていただきます。
喜屋武眞榮
284
○
喜屋武眞榮
君 これもさっきの話に戻りますが、繰り返すようでありますが、もうあなた待ちということでは、それを処理しないうちまたその後山火事が出たでしょう。これが沖縄なんですよ。一つの処理が終わらぬうちにまた次の事件が勃発する。その後もまた山火事が出ておりますでしょう。だから、そのようななまぬるい、
調査
して
報告
してそしてやろうといったようなことじゃいけない。しかも対米関係というものは、これは日本政府が何としてもリードしてもらわなければ、そういう意欲でつき合ってもらわなければ、向こうでは政府さえ何と直言わなければ手をこまねいて待っておりますよ。そういううるさいものはなるべく来ない方がいいという気持ちです。ですから、ぜひ国民の側に立って、県民の側に立って命と財産と暮らしを守ってもらわなければ、あなた方の仕事というのはこれは空理空論にしかなりませんよ。現実はそのように荒廃に帰しつつありますよ。そのことに対するひとつ決意を言ってください。
窪田稔
285
○
説明員
(窪田稔君) まず第一に、
被害
を受けた補償の問題でございますが、演習場内の問題は、私
ども
契約に基づく補償義務がございますので、これは私
ども
だけで米軍と関係なく
調査
結果に基づいて実損の補償ができますので、これは行いたいと思います。 ただ、先生御存じのとおり、
昭和
三十五年ごろあそこは立木を米軍が買収した事実がございますので、ここら辺の問題十分詰めまして地元と納得できることをしたいと思います。 それから場外の三ヘクタールの問題は、先生御存じのとおり、米軍から四分の三求償を受けなきゃいけないという問題がございますので、米軍との折衝がこのほかにかかわるわけでございます。これは十分私
ども
誠意を尽くして早目にやりたいと思っています。できれば年度末中にでも目鼻をつかせたい、こういうふうに思っています。 それからなお私
ども
、演習する際には、森林というものの重要性を十分存じていますので、着弾地としましてはそれを避けるように常に配慮を米軍に求めています。どうしても森林が荒廃しまして周辺に水不足等を生じた場合に、御存じのとおり、私
ども
防衛施設周辺の環境
整備
法というものを持っていますので、この法律を適用しまして、防災工事、民生安定
事業
というものを積極的にやらしていただきたい、こういうふうに思っています。
喜屋武眞榮
286
○
喜屋武眞榮
君 最後になりますが、まとめて申し上げたいと思います。 私このたびの
調査
ではいろんなことを考えさせられたわけでありますが、降ってくる
災害
、そうして色から来た
災害
——いろんな角度から見まして、
北陸
の
豪雪
は白い雪が降ってあのような魔物になっておる。これは白い色であります。それから
桜島
に行きますと灰色の灰が降って、そうして自然をあのような本当に砂漠のような土地にしておる。そうして色のない無色の豪雨が降って山崩れ、洪水を起こす。さらに無色の吹いてくる風は台風
災害
という恐ろしいまた
災害
となって沖縄を吹きまくっておる。飛ぶ弾は、今度は自然を破壊し山を荒して、これまた大変な
災害
につながっておる。こういうことをいろいろ考えた場合に、この国土をいかにして守るか、そして緑を豊かにしていくかということ、人間の命と暮らし、こういったつながりからも自然を大事にしていく、このことを国策の上からも最重点にしてもらわなけいけない、このようにしみじみ思うこのごろでありますが、そういった観点からひとつ長官の御所見を承りまして終わりたいと思います。
原健三郎
287
○国務大臣(原健
三郎
君) 喜屋武先生の御説まことに同感でございます。今度はよく聞いておりました。(笑声) ぜひ、その自然を守り国土の保全を保つよう
全力
を挙げてやる考えでございます。どうぞ今後ともいろいろ御協力のほどを切にお願い申し上げます。ありがとうございました。
広田幸一
288
○
委員長
(
広田幸一
君) 本日の質疑はこの
程度
にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時十六分散会 —————・—————