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1981-07-22 第94回国会 参議院 災害対策特別委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十六年七月二十二日(水曜日)    午前十時四分開会     —————————————    委員異動  六月五日     辞任         補欠選任      広田 幸一君     松本 英一君  七月二十一日     辞任         補欠選任      下田 京子君     近藤 忠孝君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         村沢  牧君     理 事                 鈴木 省吾君                 鈴木 和美君                 和泉 照雄君     委 員                 井上  孝君                 岡部 三郎君                 古賀雷四郎君                 下条進一郎君                 田代由紀男君                 安田 隆明君                茜ケ久保重光君                 鶴岡  洋君                 近藤 忠孝君                 伊藤 郁男君                 青島 幸男君    国務大臣        国 務 大 臣        (国土庁長官)  原 健三郎君    事務局側        常任委員会専門        員        竹中  譲君    説明員        臨時行政調査会        事務局主任調査        員        吉田 俊一君        警察庁刑事局捜        査第一課長    仁平 圀雄君        行政管理庁行政        管理局管理官   八木 俊道君        科学技術庁研究        調整局生活科学        技術課長     倉持 哲士君        沖繩開発庁振興        局振興第一課長  山田 哲朗君        沖繩開発庁振興        局振興第二課長  塩澤 更生君        国土庁長官官房        審議官      川俣 芳郎君        国土庁長官官房        審議官      桑島  潔君        国土庁地方振興        局長       柴田 啓次君        大蔵省主計局主        計官       公文  宏君        厚生省環境衛生        局水道環境部環        境整備課長    杉戸 大作君        厚生省社会局施        設課長      岡光 序治君        農林水産省大臣        官房審議官    大坪 敏男君        農林水産省経済        局保険業務課長  湯浅 昌治君        農林水産省経済        局統計情報部作        物統計課長    藤井  薫君        農林水産省食品        流通局野菜振興        課長       草場緋紗夫君        林野庁指導部造        林課長      谷口 純平君        林野庁指導部森        林保全課長    古宮 英明君        水産庁研究部漁        場保全課長    川崎 君男君        気象庁予報部長        期予報課長    菊池 幸雄君        気象庁観測部産        業気象課長    尾崎 康一君        建設省都市局都        市防災対策室長  長谷川義明君        建設省河川局治        水課長      玉光 弘明君        建設省河川局防        災課長      谷口 雅宥君        建設省河川局水        源地対策室長   佐藤 幸市君        建設省河川局砂        防部砂防課長   釣谷 義範君        自治省財政局調        整室長      亀田  博君        消防庁消防課長  野沢 達夫君        日本専売公社原        料本部部長    河野覚太郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○災害対策樹立に関する調査  (梅雨前線豪雨被害に関する件)  (降霜降ひょうによる農作物及び葉たばこ被  害に関する件)  (災害対策の限時法についての臨調答申に関す  る件)  (地震対策に関する件)  (桜島ボラ流出問題に関する件)  (豪雪被害対策に関する件)  (静岡駅前ガス爆発事故に関する件)  (沖繩の水資源問題に関する件)     —————————————
  2. 村沢牧

    委員長村沢牧君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨二十一日、下田京子君が委員辞任され、その補欠として近藤忠孝君が選任されました。     —————————————
  3. 村沢牧

    委員長村沢牧君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  六月二十五日からの梅雨前線豪雨による災害状況及び五月末から六月上旬にかけての降霜降ひょう等被害状況とその対策について、政府からそれぞれ説明を聴取いたします。川俣国土庁長官官房審議官
  4. 川俣芳郎

    説明員川俣芳郎君) お手元に六月二十五日からの梅雨前線豪雨による災害状況につきましての資料を差し上げておりますが、今年の梅雨前線豪雨による被害状況について御報告を申し上げます。  まず、今年の梅雨につきましては、沖繩奄美地方を除きまして、平年に比べ二日ないし九日短く、また冷夏でございました昨年に比べますと、ほぼ全国的に七日ないし二十日も短い梅雨でございました。  被害状況につきましては、特に六月二十五日から七月初めの豪雨によりまして、九州北部中国地方、さらには北陸地方中心被害が発生をいたしました。その被害は、全国で死者十五名、負傷者七十三名、家屋の全半壊、流失九十棟、床上浸水三千三百十二棟等と相なっております。この被害は、例年梅雨前線による被害に比べますと、かなり軽少なものとなっておるわけでございます。  なお、市町村におきまして災害対策本部を設置いたしましたものが七十六市町村災害救助法適用市町村が四市町でございます。  以上でございます。
  5. 村沢牧

  6. 大坪敏男

    説明員大坪敏男君) それでは、五月末から六月上旬にかけましての降霜降ひょう等被害状況とその対策につきまして、口頭によりまして御報告申し上げます。  五月末から六月上旬にかけての降霜降ひょうによりまして北関東東山東北等地域におきまして野菜果樹桑等農作物被害が発生いたしまして、農林水産省統計情報部調査によりますと、この総被害見込み額は約百六十億円となっております。  農林水産省といたしましては、被害が甚大であることにかんがみまして、天災融資法発動を行うことにいたしまして、すでに七月十七日付をもちまして関係政令を公布し、天災資金融通を行うことといたしたところでございます。  また、そのほか農業共済金早期支払い既貸付金償還条件緩和指導等措置を講じてきたところでございます。  また、今回の災害に伴う自作農維持資金融通枠確保につきましては、被害程度被害農業者資金需要等を踏まえ、実態に即した適切な措置を講ずべく目下政府部内において検討中でございます。  以上でございます。
  7. 村沢牧

    委員長村沢牧君) 以上で報告の聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  8. 鈴木和美

    鈴木和美君 ただいま梅雨前線被害状況の御報告がございましたが、昨年から異常天候が続いておるものですから、関係者大変関心を持っております。  そこで、まず気象庁お尋ねいたしますが、天気の概況を伺いたいと存じます。  その一つは、この夏は例年及び平年に比較してどのような天気推移になるのか、まずお尋ねをしたいと思います。  二つ目は、本年から来年にかけて、霜とか雪の状況はどのような傾向にあるのかもお尋ねしたいと存じます。  もう一つは、特に気象庁として、今後特別に注意対策を提唱するようなことがあればお尋ねをいたしたいと思います。
  9. 菊池幸雄

    説明員菊池幸雄君) ただいま三点につきまして御質問がありました。一点ずつお答えいたします。  まず最初、ことしの夏は平年に比べましてどのような天気推移になるかという御質問にお答えいたします。  七月中旬に梅雨が明けてから暑い日が続いておりますが、七月下旬中には北日本中心に一時寒気の入りやすい状態があらわれるものと予想しております。八月につきましては、前半は夏らしい暑い晴天の日が多いですが、後半には寒気が南下して北日本では低温大雨のおそれがあります。またその他の地方でも暑さは中断する見込みでございます。  平均気温につきまして平年と比べてみますと、七月のこれまでの平均気温は、中部日本から西日本にかけましてはかなり高くなっておりまして、その他の地方並みかやや高いという状態でございます。八月の平均気温予想は、北日本では平年並みかやや低く、その他の地方では平年並みかやや高いと考えております。  次に、第二点の御質問についてお答えいたします。  本年から来年にかけて霜とか雪の状況はどのような傾向であるかということでございますが、本年から来年にかけての霜や雪の状況といいますと寒候期天候ということになりますが、寒候期予報は十月二十日に発表しております。現時点ではそこまで先の予報は困難でございます。しかし、現在発表しております一番長い予報は七月二十日に発表したものでございますけれども、八月から十月までの三カ月予報がございますので、これに基づきましてことしの霜についての予想お話ししたいと思います。  初霜は、中部日本山添いや東北中部から北の地方では十月中にあるのが平年でございますが、その他の地方でも初霜の早い年には十月に初霜があるという場合が大部分でございます。ところで、ことしの十月はどういう状況かと申しますと、日本寒気が入りやすい状態になりまして、このため全国的に気温は平年並みかやや低いと予想しております。したがいまして、早霜に対する注意が必要であろうと、そう考えております。  それから、第三点でございますけれども、特に気象庁として注意対策を提唱することはあるかというお話でございますが、先ほどお話ししました七月二十日発表の八月から十月までの三カ月予報では、八月後半に北日本中心低温や局地的な大雨のおそれがあり、また、九月、十月は北日本では一時的に気温が上がる時期はありましても低温傾向が続くと、そう予想しております。したがいまして、今後も毎月発表しております一カ月予報、三カ月予報等気象情報注意していただきたいと、そう考えております。
  10. 鈴木和美

    鈴木和美君 どうもありがとうございました。  農水省お尋ねいたしますが、ただいまのような気象状況の展望、推移から見ますと、特に農水省気象庁では天気予報に関して発表する場合に食い違いのないような発表をなさっているとは思うんですが、どういうぐあいにドッキングしながら発表しているのか、連絡体制、それについてお尋ねしたいと思います。
  11. 大坪敏男

    説明員大坪敏男君) 私どもの理解するところでは、農水省気象庁とあわせまして、全国農業気象協議会というのをつくっておりまして、そこで常に情報交換等をやっているということでございまして、これを受けまして私どもといたしましては、地方農政局を通しまして、県さらには市町村等を通じて適切な技術面等についての指導を行っているということでございまして、さらにその間におきましては、国の地域農業試験場、さらには県の段階では県の農事試験場等も参画し、さらに改良普及員もこれに協力をするという体制で行っていると考えております。
  12. 鈴木和美

    鈴木和美君 気象庁お尋ねしますが、いま農水省天気予報の伝達の方式が説明があったんですが、気象庁農水省とは、気象状況についてどういう連絡会議とか、どういう連絡系統を持って発表されるんですか。つまり、農水省発表気象庁発表とは食い違いというようなことはないんでしょうね。それちょっとお尋ねしたいんですがね。
  13. 尾崎康一

    説明員尾崎康一君) ただいまの先生の御質問にお答えいたします。  気象庁地域気象観測システム等によりまして、これは千三百六カ所ございますけれども、こういったシステムから得られました気象現況を把握いたしまして、これの主要地点につきましては、気象データ農林水産省に常に連絡をしております。また各種気象情報、たとえば少雨情報あるいは低温情報につきましても、農林水産省に常時連絡をしております。  また、先ほど農林水産省の方から御説明がありましたように、全国地域地方各種農業気象協議会におきまして、天候の経過、天候の見通し、農作物生育状況等につきまして、農林水産省、各県農林部局情報交換及び解析検討を行いましてお互いに統一した見解食い違いのない発表をするように連携を密にしているところでございます。
  14. 鈴木和美

    鈴木和美君 異常気象は歴史的にも二年、三年続くといわれておるものですから、農林関係者が大変心配しているので、予報通達連絡、そういうものについてどうぞ万全の体制をとっていただきたいと存じます。  それでは次に霜の農作物被害について状況お尋ねしたいと思います。  被害状況について、被害総額金額がどの程度であったのか、これは霜の関係だけです。地域的にはどういう区分になっているのか。また、特別被害の多かった県はどこで、どの程度金額であったのかもお尋ねしたいと思います。同時に、できれば被害作物別にある程度明確にしていただきたいと存じます。野菜とか、果実とか、桑、工芸農作物バレイショたばこなどについてそれぞれおわかりであればお尋ねしたいと思います。
  15. 藤井薫

    説明員藤井薫君) 五月末から六月上旬にかけまして降霜、それから降ひょうも同時に起こっておりまして、これ区別して仕分けすることは困難でございますので、両方あわせたものでお答えさしていただきたいと思います。  北関東、それから東山東北地域におきまして野菜果樹、桑などに被害を見たわけでございますが、先ほど審議官からお答えいたしましたように、総被害額といたしましては百六十億円でございます。それから、地域別には関東被害が最も大きゅうございまして、被害額は九十六億円でございます。総被害額の約六〇%に当たるかと思います。次に大きいのが東北でございまして、被害額は約六十億円でございまして、三七%に当たっております。このほか、北陸中国、四国と北海道、近畿の一部にも被害が発生しておるわけでございます。  それから県別被害額でございますが、群馬県が六十億円で最も大きゅうございまして、次いで福島県でございまして三十八億円。それから長野、青森といったようなところが十七億円でございます。  それから作物別でございますが、最も被害が大きい作物といたしましては野菜でございまして、被害額といたしまして六十二億円、総額の三九%に当たるわけでございます。続きましてその次が果樹でございますが、被害額が四十八億円ということで、総額の三〇%を占めております。そのほか桑でございますが、これが二十九億円、工芸農作物は、これはたばこでございますが、九億円、それからバレイショが五億円といった状況でございます。
  16. 鈴木和美

    鈴木和美君 関東の九十六億円、六〇%、東北六十億円、三七%というお答えですね。これは五月の末ですか、六月ですか、私の資料によると、東北は四十五億円で三二%という数字を持っているんですが、それは間違いですか。
  17. 藤井薫

    説明員藤井薫君) いま先生の御指摘ございました金額につきましては、被害見込み額、いわゆる収穫が見込めないということで、損害を受けたということで発表しておる被害額でございますが、そのほかに果実品質が低下いたしまして商品価値が下がる——商品にはなるわけでございますが、規格が下がるというようなことで品質低下が起こるというもの、それから樹体が損傷を受けまして樹体に大きな被害があったというものを含めた数字でございます。
  18. 鈴木和美

    鈴木和美君 いまの数字との関連でお尋ねしますが、農作物被害額ですね、それを新聞などに発表する場合、とかく地方発表中央の所管の省の発表と、数字がどうも食い違う場合がありますね。この被害額というものは、どういう基準一般的に調査をされて、それで発表されるんですか。その基準みたいなものを教えていただけませんか。
  19. 藤井薫

    説明員藤井薫君) 地方被害額発表される場合と国が発表いたします場合の、特に被害額差異についてでございますが、一般には三点ぐらい差異が生ずる原因があるかと思います。  一つには調査時点が違うということでございます。都道府県等被害の進行に応じまして被害状況発表されるわけでございますが、国の場合は、被害が終息いたしました時点被害額を把握いたしまして発表しておるというような違いがございます。  それから、第二点目といたしましては、調査方法に違いがあるわけでございまして、国の場合は一定の基準を持ちまして全国統一的な基準調査をいたしますが、都道府県の場合は、県の事務所だとか、それから市町村、農協の報告によりましてそれをまとめて発表されるという違いがあるかと思います。  それから、第三点目といたしましては、被害額算定使います単価の違いでございますが、国の場合は、米麦等政府価格を決定するものにつきましてはその価格をとりますし、その他の作物につきましては、生産所得統計に用います単価を使うということでございますが、県がお使いになる場合は一般には時価をお使いになるというような違いがございまして、いま御指摘のございましたような差が出てまいるかと思います。
  20. 鈴木和美

    鈴木和美君 農水省発表する場合には、地方出先機関から報告を受けて、それから発表されるわけでしょう。だから、そういう意味では中央地方も統一した基準をお使いになっているんじゃないんですか、違うんですか。
  21. 藤井薫

    説明員藤井薫君) 国の場合は統計情報組織、いわゆる都道府県にございます統計情報事務所、それからその出先にございます出張所、まあ出張所調査をいたしまして、それを集計し、それを全国的にまとめて発表さしていただくということでございまして、基準全国統一でやっております。
  22. 鈴木和美

    鈴木和美君 それは米麦みたいな行政価格というか、そういうものに限ってですか。たとえば野菜みたいなものはどういうことになりますか。
  23. 藤井薫

    説明員藤井薫君) すべての作物についてでございます。
  24. 鈴木和美

    鈴木和美君 そうですか。  後ほどまた指摘しますが、霜やひょうの被害が相当起きて、先ほど気象庁の話では、天気が持ち直して、作物もある程度の持ち直した地域もあると思うんですね。しかし、当時、大変な被害をこうむった農民にしてみれば、何とか、助成や補助や、災害の補償というようなことについていろんな要請があったと思うんです。先ほど天災融資法の発令の問題や、それから共済金早期支払い検討が行われているというお話ですが、この対策についてどのようなことを細かにやったのか、もう一度お尋ねしたいと思います。
  25. 大坪敏男

    説明員大坪敏男君) 今回の降霜等によります農作物被害につきましては、事前、事後の技術面指導を行ったわけでございますが、その他対策といたしましては、先ほど報告申し上げましたように、まず第一点といたしましては、天災融資法発動を行うということで、すでに今月十七日付をもちまして政令を公布したということがまず第一でございます。さらに、農業共済金早期支払い指導につきましてもすでに六月十五日付をもちまして局長通達を発しております。さらに、各種金融機関が貸し付けた貸付金の問題でございますが、これにつきましても、償還期限延長等条件緩和につきまして、関係金融機関等に対しまして協力方を依頼したということでございまして、これにつきましては六月二十三日付の経済局長通達をもって行ったところでございます。  なお、残ります問題といたしましては、自作農維持資金の問題でございますが、これにつきましては融資枠の確保の問題、さらに貸付限度特例措置の問題があるわけでございますが、これらにつきましては、被害程度被害農業者資金需要等を踏まえながら実態に即した措置を講ずることといたしまして目下政府部内で慎重に検討中という状況でございまして、大体以上の四項目が今次の降霜等被害に対しまして関係方面から出されました要望事項の主要なものでございまして、逐一その要望につきまして対策を講じつつあるという状況でございます。
  26. 鈴木和美

    鈴木和美君 大変恐縮ですが、先ほど被害額の方で工芸農作物は十億とおっしゃいましたね。この十億の内訳はどういうことになっていますか。
  27. 藤井薫

    説明員藤井薫君) 工芸農作物は九億と申し上げたわけでございますが、これはすべてたばこでございます。
  28. 鈴木和美

    鈴木和美君 それでは専売公社お尋ね申し上げますが、いま農水省たばこ被害は九億であるという把握ですね。先般、福島民報新聞を見ましたら、福島民報たばこ被害は十六億と報道しておりますね。専売公社は四億と報道していますね。どういう食い違いがここにあるんでしょう。
  29. 河野覚太郎

    説明員河野覚太郎君) お答えいたします。  たばこ回復力が非常に強い作物でございます。霜にやられるという場合は葉っぱがほとんどやられるわけでございますが、生育途中、今回の五月三十一日の降霜時におきましては、まだたばこは非常に小さい状態でございました。で、いわゆるしん芽がございまして、そのしん芽さえ残っておればたばこは相当に回復するということでございます。で、しん芽がやられましてもわき芽を立てていくというようなことである程度回復は期待できるものでございます。そういう過去のデータ、そういったものをもとといたしまして被害直後に被害金額を推定することは非常にむずかしゅうございます。ということで、被害たばこ回復状況を見ながら被害金額を推定をしたということで四億八千万円という数字を推定したわけでございます。
  30. 鈴木和美

    鈴木和美君 先ほど農水省の九億というのは何月何日現在ですか。
  31. 藤井薫

    説明員藤井薫君) 被害が大体終息したと思われます六月の十五日時点調査をいたしまして整理をしたものでございますが、九億の中には、福島県だけではなくて、そのほかの県のものも含まれておりますが、福島県が非常に大きいということでございます。
  32. 鈴木和美

    鈴木和美君 専売公社の四億八千万円というのと、県が十六億二千六百八十八万円とはじいたのは、どうしてこんなに違うんですか。
  33. 河野覚太郎

    説明員河野覚太郎君) 県の方は市町村報告もとにされたやに聞き及んでおります。別途調査をされたわけでございますが、専売公社の場合は全筆につきまして、被害を受けました全圃地につきまして調査をしたわけでございます。また、県の方にいろいろお聞きいたしますと、収量の点について若干私ども見込み違いと申しましょうか、見込みが違うような点があったようでございます。で、一つ被害につきまして、被害金額に差があるということはやはり好ましいことと思っておりませんので、今回のことに照らしまして、公社は県とよく密接な連携をとりながら被害金額算定に当たりたいと、かように考えております。
  34. 鈴木和美

    鈴木和美君 専売公社がどういう調査をされたのかわかりませんけれども福島民報の六月三日の論説にこういうことが書いてあるんですが、専売公社はどういう見解をお持ちなのか改めて聞きたいと思うんです。  つまり、福島民報論説では、専売公社の四億八千万という数字発表したのはまことに的確であると、こう述べてますね。そして県が十六億もつまり出したのはおかしい。それは農民がもっと自立精神を蓄えなきゃならぬのであって、行政にすべてを農民が頼るというやり方はおかしいと、こういうふうに論説で書いてあるんです。しかし、私はその論説に余り賛成じゃありません、後ほど述べますが。しかし、専売公社数字と県との間に十一億もの差があるということはどう考えても考えられないのですね。何でそんなに違うのかということは、専売公社が仮に四億八千万が正しいというのであれば、福島民報のこの社説、論説に対してどういう態度をとったのか、そこを聞かしてください。
  35. 河野覚太郎

    説明員河野覚太郎君) 被害金額の違いにつきましては、先ほど申し上げましたように、県としましては被害直後の状況から判断されたということでございまして、専売公社は、回復状況推移を見ながら六月十五日時点の結果を発表したわけでございまして、全圃地につきまして調査をしたということでございます。その見方等について、新聞社はそれなりの発表をしたわけでございますが、これにつきましてその後のお天気、これによりまして現在、六月中は大体低温でございましたが、最近回復してきておりまして、被害金額というものは四億八千万、あるいは県におきまして十六億と、こういう数字を出しておりますが、その金額はやや小さいものになりつつあるんではないかという把握をしておりまして、新聞社に対しましてこの被害金額につきまして公社として特段の申し入れはしておりません。
  36. 鈴木和美

    鈴木和美君 もっと私は関心を持たなきゃならぬのは、今度は七月の一日の福島民報論説で、こういうこと書いてありますね。専売公社が四億八千万に発表したと、県は十六億である。なぜ専売公社が低いそういう算定金額発表したかといえば、裏に問題が隠されておると。一つは、葉たばこが余り過ぎているから、自然廃作にするために、被害状況を低くして、補償は低くすれば、たばこというのは自然にやめてくだろう、そういうことを意識的に専売公社はねらった、これが一つですね。二つ目は、いま国産葉が非常に高いから、アメリカから輸入葉を拡大するために、そういう意味でその国産葉に対する補償制度を低くしてると、こういうことが七月の一日の福島民報論説に書かれていますね。これが仮に妥当であるということであれば、たばこ耕作者その他関係者が大変この信憑性について問題にすると思うんですよ。専売公社いま何にも新聞社にアプローチしてないというお話ですけれども、この論説、社説について、間違っていると思うんですか、当然だと思うんですか、これは、論説が。そこを聞かしてください。
  37. 河野覚太郎

    説明員河野覚太郎君) 先ほど新聞社に申し入れをしていないと申し上げましたのは、被害金額の違いについてでございました。ただいま先生指摘の民報の論説につきましては私も承知しております。これにつきまして私は多分に誤解に基づく論説ではないかというふうに見ております。といいますのは、生産調整、これは先生御案内のように、一年分の在庫過剰を抱えておるということで、五十三年から生産調整を耕作者の方に御協力いただいておるところでございますが、明年作につきましてもその生産調整を続けざるを得ないという状況にあるわけでございます。一方、今回の公社の四億八千万、県の十六億、この違いについての新聞論説は当を得ていないというふうに思っております。といいますのは、災害補償制度、これは法に基づきまして、一定のルールに従って出すわけでございます。被害の推定金額というものを災害補償の総枠として考えるわけではございません。収納が終わりまして、その方の収得金が幾らであったかというものが出ました場合に、平年に比べまして二割以上の被害を受けたという場合に、前もっての申請に基づきまして災害補償金を交付するわけでございます。被害金額の推定の総枠の範囲内で補償金を交付するということではございません。これは新聞社の誤りでございます。  で、生産調整を意図的にそういうことでやっておるんではないかということでございますが、今回の霜害に対しまして出先の郡山地方局におきましては三十一日、日曜日でございましたが全職員出まして、その被害対策調査に当たったところでございまして、私としては郡山局の措置については満足すべきものというふうに考えておるところでございます。  で、一方、被害対策につきましては、全耕作者に対しまして、全圃地につきましてきめ細かな指導を行っておるということで、耕作者は今回の霜害に対しましてやはり精神的、経済的な打撃を受けておるということは事実でございますので、その見舞いなり激励なり、そして耕作への立ち直りと、こういったことを心にとめまして指導に当たっておるところでございまして、新聞社に対しましては、今回の論説に対しまして公社として意思表示をしております。公社の考え方というものを新聞社に申し入れしたわけでございますが、きょう現在まだ記事にはなっていないようでございます。しかし、七月十四日、郡山地方局におきまして新聞記者会見を行いまして、公社の考え方、先般の民報の論説が当を得ていないということについてるる説明をしたところでございます。
  38. 鈴木和美

    鈴木和美君 農水省お尋ねしますが、先ほど全国で九億という数字であると、福島県は専売公社と同じように四億と、そういう答弁ですが、県が十六億というように発表した十六億ですね。それは農水省は把握しているんですか、把握していないんですか。仮に把握しているとすれば、皆さんが発表する数字と県が十六億と発表した数字とは何でこんなふうに違うのかということ、何の疑問も持たなかったんですか。
  39. 藤井薫

    説明員藤井薫君) 県が御発表になった数字につきましては承知しておりますが、県の御発表になった内容につきまして分析をいたしますと、県の場合はその後の低温によります被害が入っておりますこと、それからまた、価格が松川葉というようなことで非常に高い単価が使われておりますが、国の場合は全国平均的な単価を使っております点で相違が出ておるということでございます。
  40. 鈴木和美

    鈴木和美君 農水省発表見解と、専売公社見解とは食い違っていますね。農水省の方は単価が松川葉だから高いと、低温が含まれているから十六億であったというように把握しているわけですね。専売公社は十六億そのものがけしからぬと、おかしいと。われわれ調べたところでは四億八千万であると、そういう見解でしょう。どうしてそういうふうに違うんですか。
  41. 河野覚太郎

    説明員河野覚太郎君) 公社におきましては、先ほどから申し上げましたように、被害直後の被害金額の推定は非常にむずかしいということを、理由を申し上げたところでございますが、六月十五日現在で取りまとめましたのは、被害回復状況、これが見きわめのつく時点であるという判断をしたわけでございます。回復状況。そういうことで全筆につきまして調査を行ったということでございまして、その時点で一〇%未満ぐらいの収量減になりそうなのは今後の推移を見れば恐らく正常に回復するであろうと。また、一〇%から三〇%未満のものは二割程度被害であろうかと、収量がでございます。そういったような一応の基準を立てまして、被害を受けました全圃地について調査をしたということでございます。で、その畑でこれが平年どれぐらいとれておるかということは公社は承知しておるわけでございますので、そういった点との比較において収量を見ていったと。また、キロ当たり価格につきましても、その圃地についての、その耕作者についての金額もとにして計算をしていったという積み上げでございます。  で、これは伝え聞くところでございますが、県におきましては、いろいろ市町村被害金額被害割合、こういったものが出ておりますが、その中で、これは全損、全然収穫がなかったとした場合に、たとえば三十アールの畑であれば、いろいろ被害を受けておるので、この中がたとえば二十アール程度の収穫しかできないかと、こういったような被害割合に応じた基準を定めてやられたように聞いております。またその際、今回の霜害につきましては、先生御承知の第二在来種、第五在来種、両方で被害を受けておりまして、これの平年の収量は大きな開きがございます。それを県の方で聞いてみますと、私どもが考えておりますよりやや高目の数字を使っていらっしゃるということでございまして、被害調査時点の問題と、いま申し上げましたそういう基準のとり方に差があったのではないかというふうに見ております。
  42. 鈴木和美

    鈴木和美君 どうぞ、その被害額算定とか、基準とか、発表とか、そういうものについては食い違いのないような発表をしていただきたいんですよ。そうでないと、関係者もとより、知らない人は大変な誤解を生ずると思うんですよ。ですから、政府機関発表する場合には、やはり連絡を十分密にして、食い違いのないような発表をしていただきたいと思います。  それからもう一つは、専売公社に、福島民報との関係においては、報道の自由、いろんな見方、考え方あっていいと思うんです。けれども、この種問題について何か意図的に、自然廃作に追い込むためであるとか、外葉を多く輸入するために意図的にこういう四億八千万の数字をはじいたというような論説が堂々と発表されるということは私はよくないと思うんですよ。幾ら報道の自由があるにせよ、余りにもちょっとこれは偏見だと思うんです。しかるべき措置を民報との間にとっていただきたいと思うんですよ。いずれその報告を聞かしていただきたいと思うんです。よろしゅうございますか。
  43. 河野覚太郎

    説明員河野覚太郎君) 福島民報論説が出まして、直ちに翌日新聞社に対しまして公社の考え方を申し入れしたところでございます。  先ほど落としましたので補足さしていただきますが、今回の霜害について、生産調整をその耕作者に対してさらに強化するという考え方は持っていないことを改めて申し上げたいと思っております。ただし、先ほど申しましたように、一年分の在庫過剰を抱えておるという状況でございますので、五十七年作以降、全国的に生産調整を続けざるを得ないという状況にあることも申し上げておきたいと思っております。  また、新聞社に対しまして再度こちらから、公社といたしましてアクションをとりたいと思っておりますが、今回の民報の論説に対しまして耕作者に動揺があるのではないかということもありまして、福島県の連合会の組織を通じまして、末端耕作者に、その新聞社の考え方は当たっていない、公社はこういうふうに考えておるということを説明したところでございます。先生の御指摘は十分心にとめて行動したいと思っております。
  44. 鈴木和美

    鈴木和美君 それからもう一つの問題は、この社説から見て非常に気にかかることは、ここのところ冷夏、雪害、そして霜、トリプルのパンチを受けて農民は大変だと思うんですよ。ましてや現在の農業の状態が自給率が三〇%台であるというようなことから見れば、農業、農政の問題は単にひやかしで論ずるわけにいかないと思うんですね。したがって、農民の立場ということを考えれば、やはり農作物や、ましてやたばこのような問題については、やはり補償制度や災害補償のそういう方法というものをしっかりとってやらにゃいかぬと思うんですよ。ただ自立しろ自立しろと言ってみたって、それはもうなかなか天気を相手にして作物をつくる商売なんですから、そんなに物を売ったり買ったりするのとは違うと思うんですね。そういう意味で、農民のやっぱり保護政策というものはしっかりとってもらいたいと思うんです。  そこで、現在のたばこ指導対策についてはっきりしておいてもらいたいんですが、災害申請の指導というものは適切に行われているかどうか。ぜひ適切に行ってもらいたいと思うんです。いかがですか。
  45. 河野覚太郎

    説明員河野覚太郎君) 災害補償制度は全額国庫負担ということでございますが、今回の異常な霜害に対しまして、福島県は、郡山地方局が管轄しておりますが、郡山地方局といたしましては、福島県のたばこ耕作連合会と協議いたしまして、連合会で機関紙を出しておりますが、災害対策特集号というものを臨時に発刊いたしまして、約一万五千の全耕作者に災害補償制度のあらましと、また災害補償の交付の一応の例示、こういったものを記載いたしまして、末端耕作者まで周知徹底を図っております。またあわせまして、ただいま技術指導につきましてお話がございましたが、被害を受けた圃地につきまして技術的にどういう対策をとればいいのか、こういったことも具体的に書きまして耕作者に配付しております。  また、今回の霜害につきまして、やはり被害を最小限にとどめるということが、耕作者はもちろんでございますが、公社にとっても好ましいことでございますので、公社としましては指導に万全を期しておるつもりでございます。
  46. 鈴木和美

    鈴木和美君 最後ですが、そういう意味では現地の方から、植えつけ検査前に転作届を出すと補償金がもらえないというようなことがあるので、転作届は植えつけ検査前に出さないようにしてくれというような申し入れがあるんですが、私はたばこの場合には災害にかかった場合には全部補償されるというように承知しているんですが、この問題は誤りですか、現地の主張というのは。
  47. 河野覚太郎

    説明員河野覚太郎君) 植えつけ検査前にそういうことがあった場合に補償金が出ないということはございません。たばこ災害補償制度は収穫前、収穫後と、こういうことで法定災害が限定列挙されておるわけでございますが、今回の霜害みたいに、畑に移植をしましたならばその翌日霜害に遭ったということでございましても補償金は交付することになっております。  いま先生指摘の、そういう指示がなされたということは初耳でございますので、郡山地方局に対しましてそういう点について十分確かめてみたいと思っておりますが、もしそういうことであれば是正をいたしたいというふうに考えております。  植えつけ検査は法に基づく検査でございますが、いつの時点で植えつけ検査をやるかということは、公社の仕事の都合とか、またたばこ生育状況等を見まして行うわけでございまして、何月何日からというふうに例年決まっているわけではございません。植えつけ検査前に災害が発生をしたと、法定災害であるという場合には、そのときに実地調査に参りまして植えつけ検査を行いまして圃地の面積を確定をして、そして二割を超える被害ということが終了時点ではっきりいたしましたならば補償金を払うということでございますので、もしそのようなことが耕作者にあったとすれば注意いたしたいと思っております。
  48. 鈴木和美

    鈴木和美君 どうぞ、まだ長野の災害の問題などもわが党としては解決してない問題があるものですから、十分災害の問題については専売公社が適切な指導をしっかりやっていただくことをお願い申し上げまして専売公社への質問を終わります。  さて、その次の問題ですが、梅雨前線豪雨による災害についてお尋ねをしたいと思います。  特に、石川県とか福岡県などなどで起きた梅雨前線豪雨による災害で、災害救助法適用市町村被害状況についてこの機会にお知らせいただきたいと思います。
  49. 岡光序治

    説明員岡光序治君) まず、七月の三日に石川県の加賀市で救助法を発動しておりますが、その被害状況は、床上の浸水が千十一世帯、床下が九百六十三世帯でございました。  それから七月の七日、福岡県の北九州市で救助法を発動しておりますが、死者三名、負傷者七名、全壊家屋九世帯、半壊が二十一、それから床上が六百三十七、床下が二千六百十一、一部破損が六十三、こういう状況になっております。それから同じく中間市におきまして死者一名、床上浸水二百六十、床下浸水四百九十六。  それから、七月の十三日でございますが、岡山県の湯原町で救助法を発動しておりまして、死者二名、負傷者二名、それから全壊二十三、半壊六十三、床上浸水百十三、床下浸水百九十一という状況になっております。  それぞれ災害救助法の適用条項で考えてみまして、それぞれの市町村基準をはるかにオーバーしておりますので、ただいま申し上げましたような三日、七日、十三日の日付でもって救助法の適用をされております。
  50. 鈴木和美

    鈴木和美君 特に石川県の加賀市の問題についてお尋ねしたいんですが、大変な浸水の状況が出まして、現地住民の間ではダムと河川について若干の不信を抱いているわけですね。  そこで、確かに一時間当たり三十七ミリ、総雨量二百二十四ミリと大変な集中豪雨であったことは間違いないんですが、その場合に、ダムと、河川のうちのダムについてまずお尋ねしますが、我谷ダムの洪水調節の実施状況というのは当日どういう状況にあったのか、建設省からお聞かせいただきたいと思います。
  51. 佐藤幸市

    説明員(佐藤幸市君) いまお尋ねの我谷ダムの洪水調節の実施状況でございますが、まず我谷ダムの洪水の模様でごございますけれども、洪水が始まりましたのが七月二日の二十三時でございます。それから終わりましたのが三日の十一時でございまして、約十二時間にわたって洪水が継続いたしております。流入量がピークに達しましたのは三日の午前三時でございまして、そのときの最大流入量は約四百五十立法メーター毎秒でございます。  それで、この洪水に対しましてこのダムが行いました洪水調節でございますが、洪水がピークを迎えました三日の午前三時には、流入量約四百五十立方メーター毎秒に対しまして約二百八十立方メーター毎秒の調節をいたしまして、約百七十立方メーター毎秒の放流をいたしたということでございます。
  52. 鈴木和美

    鈴木和美君 私は余り専門家でないからよくわからないんです、何立方と言われても。  それで、現地の住民が言うていることは、非常に降雨量が多かったために、ダムの調節にあわてて放水したもんだから、だあっと水が来たんじゃないか、そういうふうに言うているんですが、それは間違いですか。
  53. 佐藤幸市

    説明員(佐藤幸市君) お答えいたします。  このダムで、いま洪水調節でございますが、ピークの最大流入量は毎秒四百五十立方メーターでございました。それで、これに対しまして二百八十立方メーター毎秒の調節をしまして、百七十立方メーター毎秒の放流をいたしております。ですから四百五十立方メーターを約四〇%に調節して低減させたということになっております。  ピーク流入量以後の流入量が次第に減少していく間につきましても洪水調節を継続いたしまして、ダムが最高水位に達しましたときには洪水は約百五十立方メーター毎秒まで減少しておりまして、十分な洪水調節を行うことができたというふうに考えております。
  54. 鈴木和美

    鈴木和美君 つまり、ダムの方の調節は完全に行われていたということをいまおっしゃっているわけですか。
  55. 佐藤幸市

    説明員(佐藤幸市君) そのように考えております。
  56. 鈴木和美

    鈴木和美君 それならば、あの加賀市の洪水というか浸水状況というのは何に原因があったんですか。これは川の方ですか。川の方についてもお尋ねしますが、大聖寺川の改修計画とその進行状況というのはどういうふうになっていますか。
  57. 玉光弘明

    説明員玉光弘明君) ただいま大聖寺川の河川改修の進捗状況はどうかということでございますのでそれにつきましてお答えいたします。  大聖寺川の改修につきましては、昭和三十九年の七月に大きい出水がございまして、これを計画対象としまして、この規模が毎秒五百立方メーターという水を流すという規模でございました、それが加賀市内においてでございますが。四十一年から中小河川の改修として採択して着々とやっておるわけでございます。その事業の内容は、大聖寺川と旧大聖寺川の合流点がございますが、これから上流に向かいまして北陸本線との間、これが二・二キロメーターございます。この辺を拡幅していくという事業でございます。それから、あわせまして左支川に三谷川というのがございます。これは加賀市内を流れまして市内から出たところで大聖寺川に合流しているわけでございますが、これを市内に、市街地に入る前にショートカットしまして大聖寺川に入れるという事業でございます。この計画のもとに四十一年からやってまいっているわけでございます。  改修の手順としましては、先ほど申しました旧大聖寺川と大聖寺川の合流点から上流に向かいまして用地買収を行い、それから橋梁のかけかえ、それから掘削、護岸というようなことでやっておりまして、現在まだ進行中でございますが、毎年着々と進めているわけでございます。ただ、先ほど申しました支川三谷川につきましては、これはショートカットに当たりますので、大変地元では用地買収に困難をしておりましてなかなかできない状態でございます。今回の出水は主としてその左支川の三谷川でございますが、その河川があふれまして、左岸の堤防が切れまして市内に入ったという状態でございます。したがいまして、この改修につきましては昭和四十一年から毎年着々と改修を伸ばしてきておるという事情でございます。
  58. 鈴木和美

    鈴木和美君 いまのお話を承りますと、三谷川のショートカットの事業がおくれているためにあれだけの水の量が増すと堤防が切れちゃってそれで浸水に及んだと、そういうふうに因果関係を見ていいんですか。
  59. 玉光弘明

    説明員玉光弘明君) ただいま申しましたように、三谷川が加賀市内を流れております。これを改修するには、市内の川幅を広げるのは大変でございますので市内に入る前に大聖寺川本川にショートカットして入れようという計画でございますが、そのためにはその下流側の本川側の拡幅が必要でございます、下の受け入れがないとできませんので。したがいまして、事業の手順としましては下流から進めるわけでございます。そういうことで、その一連の区域につきまして用地買収等のいろいろな事情もございまして、しかしながら、着実には進んでまいっていると考えております。
  60. 鈴木和美

    鈴木和美君 もう一つ私の意見を言う前にお尋ねしたいんですが、九谷のダムの建設計画というのはどんな状況になっておるんですか。
  61. 佐藤幸市

    説明員(佐藤幸市君) 九谷ダムの進捗状況でございますが、九谷ダムは大聖寺川の洪水調節、それから、加賀市、山中町の水道用水の供給を目的としまして、現在石川県におきまして実施されております補助多目的ダムでございます。昭和四十五年に実施計画調査を開始いたしまして四十八年から建設事業に着手した後、水没関係者の御理解と御協力を求めて現在話し合いを進め補償の調査を行っておる状況でございます。このダムは既設の我谷ダム、三十九年完成でございますが、と相まちまして大聖寺川の治水にとって重要なダムでありますので、石川県におかれましても早急に補償交渉をまとめたいというふうに聞いております。建設省としましてもこの所期の進捗が図られますように県を今後指導していきたいというふうに考えております。
  62. 鈴木和美

    鈴木和美君 本件の問題については現地の意見などからしますと、いまお話を承った限りにおいては、現地の意見も若干誤解があるような面もあります、確かに。たとえば、今回の浸水に及んだのは我谷ダムのつまり放水の時期、それから量ですね、それが多少あわててぱっと出したものだから大変な洪水に見舞われたというような現地の理解のようですが、いまのお話では若干違う面があるように思います。それは私も現地の方にそう伝えます。けれども、現地が心配していることは、我谷ダムができたものだから下の方の大聖寺川、三谷川などの改修工事をしなくとも何とかもう安心だというような安堵感があったためにその河川工事がおくれている。そこのところに大きな原因があるというように現地は言うておるんですわ。しかし、いまお話を聞いてみるとそれも着々やられているお話のようですね。けれども、現地の状況から見ると、皆さんがやられているとは言うけれども、その進行状況が非常におくれているということが大変心配のようです。そこで、ぜひ次のような対策を急いでもらいたいと思うんです。  つまり、大聖寺川の中小河川改修事業の残りを早急に取り組むための執行体制の強化と建設促進事務所の設置をしてくれと、こういう要望があるんですよ。この点についてもお答えをいただきたいと思うんです。それからもう一つは、大聖寺川に直結する、先ほどおっしゃった三谷川ですね、三谷川の第二期の工事を早期に着工してくれ。同時にその用地買収が大変困難であるということも承知していますから、これは住民とのコミュニケーションを県当局を通じて積極的に進めていただきたいと思うんです。それから三番目は、九谷のダムの早期建設をぜひ急いでもらいたい。こういう要望対策の意見を持っていますがどうでございましょうか。
  63. 玉光弘明

    説明員玉光弘明君) このたび大聖寺川、大変な災害を受けたわけでございまして、これを契機にしまして改修を抜本的に進めるということは当然でございまして、その執行体制でございますが、これも実施機関が石川県でございますので、よく相談しましてスムーズに今後の対策ができるような体制をつくるように指導したいと思っております。  また、いま申しました三谷川が今度のはんらんの主とした原因でございます。これにつきましての改修は一連の改修をやらなければならないことは先ほど申しましたとおりでございまして、下流の受け入れ態勢をつくることと一貫してやるわけでございまして、本川筋の従来着々とやってまいりました改修の促進とあわせまして三谷川のつけかえと、それから三谷川自体の改修計画というようなこともあわせまして、今後の改修計画をつくり上げて促進したいと思っているわけでございます。  二点だけお答えします。
  64. 佐藤幸市

    説明員(佐藤幸市君) ダムをつくりますときには、非常に水没関係者のやはり生活再建問題等含めました御理解と御協力を得ることが非常に大切だと思っております。それにつきましてなお一層話し合いを進めまして、九谷ダムが早期に建設できますように努力したいと考えております。
  65. 鈴木和美

    鈴木和美君 それではその次の問題に移りますが、五十六年度で期限の切れる災害関係の法律の取り扱いについて見解を承りたいと存じます。  まず一つは、豪雪地帯対策特別措置関係ですが、第十四条の特別豪雪地帯における基幹道路整備の特例及び十五条の特別豪雪地帯における公立の小学校及び中学校の施設等に対する国の負担割合の特例、この二つの豪雪地帯対策特別措置法の問題について、政府見解はどのようになっているのかお尋ねします。
  66. 柴田啓次

    説明員(柴田啓次君) ただいま御指摘のとおり、豪雪地帯対策特別措置法の第十四条、第十五条というのは、昭和四十六年の改正の際に議員提案によって入りまして、四十七年から五十六年度までという十カ年の間ということで進められているわけでございます。これらの規定は、一つは特別豪雪地帯におきまして市町村道の整備をする場合、非常に市町村に財政力が乏しいような場合あるいは事業執行能力がないような場合もございますので、これを道府県が代行をして整備をする。その道府県が代行をして整備をしたものにつきまして、いわゆる後進地域のかさ上げ法によりまして特別の助成があるというものでございます。これは孤立集落の解消等のために非常に役立っている規定でございます。  いま一つ指摘の条文は、公立小中学校におきまして、これは豪雪地帯におきましては普通の地域では考えられないようなところにでも分校を置かなければならない、生徒の通学の都合上分校を置かなければならない。その分校の整備につきまして特例の高い補助率を持っている規定でございます。これらにつきましては、豪雪対策に非常に大きな役割りを果たしてきたという状況でございます。また、関係方面からも非常に強い要望が出ておりまして、この存続の要望が出ておるわけでございます。  問題は臨時行政調査会の第一次答申におきまして、補助負担率の地域特例の廃止あるいはかさ上げ率の引き下げという問題が指摘をされておるのでございます。政府といたしましては、これらにつきましてこの答申を踏まえながら、行財政改革の推進というのも一方の政治課題でございます。一方この豪雪対策を進めるというのに非常に力になっている法律の規定を維持しなければならない。この調和を図っていくというのを今後十分に検討してまいりたいというふうに考えております。特にこの法律は議員提案によって制定された経緯もかんがみまして、皆様の御論議も十分に拝聴するようにいたしたい、さように考えております。
  67. 鈴木和美

    鈴木和美君 話は話としてわかるんですが、要するに延長の手続というか、延長をしなければならないとか、したいとかというそういう態度であるというように承ってよろしゅうございますか。
  68. 柴田啓次

    説明員(柴田啓次君) 豪雪地帯対策として、関係市町村からの強い要望がございますので、私どもとしては、できることならば、これは延長したいというふうに考えております。
  69. 鈴木和美

    鈴木和美君 長官にお願い申し上げたいんですが、長官の手元にも、全国特別豪雪地帯市町村協議会がまとめた昭和五十七年度国家予算編成に関する特別豪雪地帯対策関係要望書が恐らく行っていると思いますが、ごらんになったでしょうか。
  70. 原健三郎

    ○国務大臣(原健三郎君) この要望書はここにもございまして、拝見いたしております。
  71. 鈴木和美

    鈴木和美君 委員長にお願い申し上げますが、時間がありませんから、中身これ全部読み上げることを省略して、後ほど議事録のところにつけていただきたいと思うんです。
  72. 村沢牧

    委員長村沢牧君) はい。
  73. 鈴木和美

    鈴木和美君 そこで長官にぜひお願い申し上げたいんですが、いま局長からお話がありましたように、第二次臨調の問題との絡みで大変ないま議論を呼んでいる事項がたくさんあると思うんです、各省庁にまたがって。しかし、災害の問題をいつも議論するときには何といっても人命尊重というか、人命保護というか、そこに視点を置いてすべての災害の問題を議論してきたと思うんです。そういう意味では、どうぞこの要望書に沿うように全力を尽くして長官の御尽力をいただきたいと思いますが、決意のほどを聞かしていただけませんか。
  74. 原健三郎

    ○国務大臣(原健三郎君) 最前、局長からお話がありましたように、これは議員提出法案でもございますし、皆さん方の御要望もよく拝聴いたしましたし、ついてはその御期待に沿うように尽力いたしたいと思っております。
  75. 鈴木和美

    鈴木和美君 ぜひお願い申し上げます。  同時に、雪寒道路事業補助負担率の地域特例対象の除外に関する決議、これもあります。もう一つは、豪雪地帯における財政特例措置の存続に関する決議、以上を含めてどうぞ御尽力をいただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
  76. 原健三郎

    ○国務大臣(原健三郎君) 御要望の点はよくわかりました。尽力いたしたいと思っております。
  77. 鈴木和美

    鈴木和美君 それでは、その次に期間の切れる法律の取り扱いですが、後ほど同僚和泉理事からもお話があると思いますので、私は簡単に、特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法は今後延長なさるおつもりですかどうか、そこだけお尋ねしておきたいと思います。
  78. 柴田啓次

    説明員(柴田啓次君) 特殊土壌の法律、これ、大変長い題名でございますが、この法律もいままで数次にわたりまして延長をお願いいたしまして、この法律に基づきまして事業計画を立てまして、特殊土壌対策をやっているわけでございます。これにつきましても、特殊土壌対策として非常に大きな役割りを果たしておりますし、また特殊土壌の土地改良その他の条件整備というのが済んでいない状況でございます。これにつきましても臨調の答申との関連もあるわけでございます。したがいまして、それと、その行財政改革の推進という政治課題と、この特殊土壌対策を必要とする実態との調和というのをいろいろ図っていかなければならないというふうに思うわけでございます。また、これも豪雪の法律と同じように、議員提案により制定、延長されてきた経緯があるわけでございます。それらの事情を十分に勘案いたしまして、対応に誤りなきを期してまいりたいというふうに思っております。
  79. 鈴木和美

    鈴木和美君 後ほどまた和泉先生からのお話の後にまた私の意見があれば述べたいと思います。  林野庁にお尋ねしますが、松くい虫防除特別措置法も、前回この委員会で議論させていただきましたが、この取り扱いはいまどういうふうに進行しているのかお尋ねしたいと思うんです。
  80. 古宮英明

    説明員(古宮英明君) お答えを申し上げます。  まず被害量の話でございますが、五十五年度の被害は、五十四年度に比べまして約一四%程度減少いたしております。しかし、民有林、国有林合わせまして被害材積で約二百十万立方という形で、大変まだ激甚な状態にございます。したがいまして、私どもといたしましては、地域的にもこの被害状況というのは非常に異なってきておりますので、そういう状況も踏まえまして、地域の実情あるいは防除対策の仕方、そういうものをいろいろと合理的に組み合わせるという形でこの処理をしたいというふうに思っております。したがいまして、被害状況が非常に激甚であるということ、地域の実情も違ってきておりまして、対策のとり方というのも違ってきておる、こういうことを頭に入れた上で、今年度末で期限切れになります特別措置法につきまして、その取り扱いを十分検討するというようなことで、鋭意検討していくという最中でございます。
  81. 鈴木和美

    鈴木和美君 もう一つ状況についてお尋ねしたいんですが、今回の豪雪被害で問題になった森林ですが、皆さんのおかげで特別の法の措置をとりましたけれども、その後どういうような進行状況になっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
  82. 谷口純平

    説明員谷口純平君) お答え申し上げます。  激甚な被害を受けました森林の公益的な機能の回復を図るというような観点から、四月十日に議員立法によります激甚災害法の一部を改正する法律が公布されたのでございますが、それに基づきまして森林災害復旧事業という制度が創設をされました。これを受けまして、去る五月二十三日にはこの事業の対象となる地域として十八府県、三百三十六の市町村につきまして農林水産大臣の告示を行ったところでございます。また、五十六年度の森林災害復旧事業に必要な経費につきましては当初予算に計上しておりませんので、去る七月の十七日、予備費四十九億六千八百万円の使用につきまして閣議決定が行われたところでございます。  現段階までのこの森林災害復旧事業の進捗状況につきましては、倒伏木の引き起こしについてはほぼ終了したと見られておりますけれども、折損木等の整理及び跡地造林などにつきましては、五十六年度以降三カ年及び四カ年でこれを実施するということにしておりまして、地域の実施主体がそれぞれの実情に応じて計画的に取り組んでおるというふうに承知しております。  以上でございます。
  83. 鈴木和美

    鈴木和美君 ぜひ、この四十何億かの、約五十億程度の金がついたんですから、積極的にその対策を急いでいただきたいと思うんです。  それから、マツクイムシの方は、わが党の松枯れ対策専門委員会とお話が続けられていることも承知していますが、いずれにしてもこのままの状態でおったんでは、松の保全ということからの問題もありますが、私は前回、松林というのはむしろ防災と、そういう立場からも真剣に考えてほしいということを述べて長官からも賛同を得たと思っているんです。そこで、松林のいま状態があんな状態にあるのは何とかせにゃいかぬわけですから、当然特別の法律というものの延長というものはせなきゃならぬと思うんです。しかし、問題なのは、いままでできておった法律の体系の空中散布だけを主体にしたやり方というのはどうも私は納得いかない。つまり、もう基本的には伐倒するきりないんじゃないか、伐倒焼却と、そういう基本的な立場に立ってこれから松林を保全するというような立場に立った、つまり延長の措置というものをぜひ考えていただきたいと思うんですが、そういうような方向で検討されているというように伺ってよろしゅうございますか。
  84. 古宮英明

    説明員(古宮英明君) 森林の病害虫の防除に関します法律は、実は森林病害虫等防除法という、いわば特別法に対します本法がございます。その本法の不足部分を補うという意味で特別措置法をお願いをした。したがいまして、昭和五十二年にお願いをしております特別措置法は、足らざるを補うという意味で空中散布の法律を規定をしていただいたわけでございますが、今回検討を進めている中では、先生のおっしゃる趣旨を踏まえまして、幅広く総合的な防除ができるような、そういう立場で検討を進めているということを御報告申し上げたいと思います。
  85. 鈴木和美

    鈴木和美君 持ち時間の関係でマツクイムシはこの程度で終わりますが、ぜひ今後ともいろんな連携をとって保全に万全を期していただきたいと、そう思います。  それでは、残った時間についてお尋ねしますが、地震対策について、これは予防という観点からお尋ねをしたいと思っています。  まず、地震観測体制の整備について、特に東京を中心とする観測強化地域としての観測体制がどのように整備されているか、お尋ねしたいと思います。
  86. 倉持哲士

    説明員(倉持哲士君) わが国の地震予知につきましては、先生御案内のように、測地学審議会が建議いたしました地震予知計画の趣旨に沿いまして、関係機関及び大学が、それぞれの能力と特色を生かしまして、また内閣に設置されております地震予知推進本部を中心といたしまして、緊密な連絡協力もとに一体的に進めているところでございます。  首都圏を含みます南関東地域は、先生指摘のように観測強化地域に指定されておるわけでございますが、首都圏の地震予知につきましては、国立防災科学技術センターにおきます深井戸によります観測あるいは地殻活動観測、こういうものを行っておりますし、そのほか運輸省の気象庁、通産省の地質調査所あるいは大学等におきまして、地震ですとか地殻ひずみ、地下水、それらにつきまして、百点余りの観測施設を整備して観測を進めているところでございます。さらに、このほかに国土地理院におきましては、首都圏での土地の上下及び水平変動を監視するための精密測量等を実施しているところでございます。  今後は、引き続きまして、関係機関及び大学の協力もとに観測研究の一層の推進を進めてまいりたいと思っております。  以上でございます。
  87. 鈴木和美

    鈴木和美君 とかく東京の地震対策は、東京都議選が先般行われまして、各党の立候補者が首都圏のこの地震対策について大変公約的なお話をされるんですが、実際の進行状況というのは私は非常におくれていると思うんですね。それで、一つの問題点として、東海地震みたいな大規模地震対策特別措置法というのにこの首都圏というのは入らないんですか、入れることはできないんですか、これは。
  88. 川俣芳郎

    説明員川俣芳郎君) ただいまお話のございました大規模地震対策特別措置法におきまして、現在地震防災対策強化地域に指定をされておるのは静岡県を中心とする六県でございます。これは、措置法が考えておりますのは、大規模な地震が発生するおそれがきわめて大きいということと、地震の直前予知が可能であるということを前提にいたしましてこの対策強化地域が指定されております。そういう地域については、地震防災対策を強化する必要があると考えられておるところでございます。  ところで、東京の場合でございますけれども、大きな被害をもたらします海洋型の地震につきましては、現在のところ長期的な予知の面からその発生がいわゆる東海地震ほど切迫をしていないという事情があります。さらには、ただいま科学技術庁からお話がございましたように、東京を中心といたします南関東地区についても、いろんな予知の体制の強化がなされておりますけれども、いわゆる直下型地震の予知についてはまだ研究の緒についたばかりでございまして、現在の技術水準で事前予知を東海地震のような海洋型地震についてやるということはまだ困難であるということではないかと思っております。したがいまして、地震予知の可能性、それから大規模地震発生がかなり切迫しておると考えられておる地域について指定をいたす強化地域には、現段階では東京地区を指定するわけにはまいらないというふうに考えておるところでございます。ただ御指摘のように、南関東地域におきましても地震の対策を強化してまいるということは必要なことでございまして、実は国土庁におきましても五十六年度から南関東地域におきますところの地震の被害想定、それに基づきます応急対策活動のシステム化に関する調査を始めたところでございまして、大都市におきます地震対策に資すことにいたしたいと考えているところでございます。
  89. 鈴木和美

    鈴木和美君 観測強化地域に指定されるのとされないのとではどんなふうに具体的に違うんですか。
  90. 川俣芳郎

    説明員川俣芳郎君) 強化地域に指定をされますと、その強化地域におきます地震に関する観測及び測量の実施を強化をいたすということがなされなければなりませんし、また当該地域に係りましては、中央防災会議で地震防災基本計画、その地域における防災の基本計画を立てることになっておりますし、さらには関係の行政機関等において地震防災強化対策、これらはいずれも警戒宣言が発せられました場合におきます対策というものを立てるということに相なっておるわけでございます。  また、御承知のような地震財特法がございまして、この強化地域内の地方団体におきまして立てました計画に基づきまして一定の事業をやった場合に財政上の特例があるというようなことに相なっておるわけでございます。
  91. 鈴木和美

    鈴木和美君 その次に、江東区の水の問題、市街地再開発事業と住宅地域改良事業などについて今日どんなふうになっているのか、また、公園と避難地の関係というようなものがどういうような進行状況になっているのか、細かくなくても結構ですから輪郭だけまとめてお答えいただけませんか。
  92. 長谷川義明

    説明員長谷川義明君) 御説明申し上げます。  ただいまお尋ねの江東地区での防災対策ということでございますが、江東地区の防災対策につきまして特に重要だと考えておりますのは、同時多発型の大震火災の発生に伴いまして、住民の生命、財産の損失を防除するということが一番重要であるというふうに考えてございます。そのために防災拠点でありますとか、避難地、避難路の整備というものを進めておりますが、江東地区の防災拠点につきましては、避難地として機能する公園というものを中心にいたしまして、その周辺の建築物の不燃化、高層化を図るという事業が必要かと考えております。これらは六拠点を考えてございますが、これらにつきましては各住民の各地点からおおむね三十分以内に拠点に徒歩で到着できるような配置を考えて整備を進めておるところでございます。  これは、東京都は昭和四十四年に江東防災拠点構想というものを発表したわけでございますが、それ以来市街地再開発事業、公園事業、街路事業その他の各種公共事業等を総合的に活用いたしまして防災拠点の整備を図っているところでございます。  特に、防災六拠点のうち白髪東地区のお話がございましたが、ここにつきましてはすでに市街地再開発事業及び住宅地区改良事業等によりまして整備が進められておりまして、すでに一部事業の完了を見ております。第一地区、第二地区につきましては完了いたしておりますが、現在、昭和五十八年度の事業完了を目途に事業の推進を図っております。  公園事業につきましては、東白髪公園、木場公園、大島小松川公園等すでに事業に着手しておりまして、昭和六十年を目途に事業を完了するべく事業の推進を図っております。  また、この江東防災拠点の整備を広く推進するために新規事業手法の整備を幾つか図ってございますが、昭和五十四年度には木場地区を特定住宅市街地総合整備促進事業という事業の対象として採択いたしましたし、さらに昭和五十五年度から権利者が自主的に建築物を不燃化する場合に一定の助成を行う都市防災不燃化促進助成という制度を創設いたしまして、両国地区、木場地区を助成の対象として補助採択をいたしております。  なお、今後これらの新規施策も踏まえまして各種の事業手法を総合的に活用して防災拠点の早期完成を期したいと考えております。
  93. 鈴木和美

    鈴木和美君 いまのお話は、江東区の拠点というのは六つ、木場、白髪、両国、それから四つ木、中央、亀戸の大島、この六つであると理解していいですね。
  94. 長谷川義明

    説明員長谷川義明君) 六地区につきましては、白鬚地区、ちょっと名称が違っておりますが、亀戸大島小松川というのは一つで、三つの地区名を使っておりますが一帯で一つの地区ということでございます。その他木場地区、両国地区、中央地区、四つ木地区というのがございます。
  95. 鈴木和美

    鈴木和美君 時間の関係で個別に入るとばらばらになるものですから、いずれまたやらせていただきますが、最後に、東京地震というものに対するいわゆる防災の基本的な対策——人命尊重というのは当然一番目に挙がるわけですね。その基本構想というのはどういう順序で対策がとられるわけですか。食糧、水、医療、そんなものも含めてどういう基本構想として対策が進められているのか、それをお聞きしたいと思うんです。
  96. 川俣芳郎

    説明員川俣芳郎君) 先ほども申し上げましたが、実は五十六年度から南関東地域におきまして関東大震災規模の地震が発生いたしました場合にどのような被害が生ずるかということを実は調査を始めておるわけでございます。その結果に基づきましてどのような応急対策を講じてまいるかということが問題になるわけでございますが、その点につきましては電気、ガス、水道等のライフラインがどうなるか、あるいは交通機関にどのような影響が出てくるのか、いろんな場面に分けまして実は分科会を設けましてどのような対策を講じたらいいのかということを現在研究をいたしておるということでございます。  なお、実は九月の一日に防災の日がございますけれども関東四都県、二市で、ただいま申し上げましたような想定に基づく訓練も行われるわけでございますが、いずれにいたしましても地方団体とも協力をしながらこの問題について真剣に取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
  97. 鈴木和美

    鈴木和美君 最後ですが、長官にお願いしたいんですが、海洋型の地震の予知というものが強化地域を指定する大きな要素になっていますね。しかし、東京は確かに海洋型ではないかもしらぬけれども、直下型の地震の危険度、可能性というのも非常に高いんですね。そういう意味からすると、私はやはり東海地震の対策と同じような、つまり強化地域に指定をして、もう少し抜本的な対策をとらないと大変なことになると思うんです。そういう意味で、長官から、強化地域に指定するみたいな努力をしてほしいと思うんですが、いかがでございましょう。
  98. 原健三郎

    ○国務大臣(原健三郎君) そういう東京都知事からも要望はございますが、いままで関係の学者、専門家等の意見を聞きますと、まず東海地区には海洋型の大地震は来るおそれが非常にある、近き将来ね。だが、東京都にはまだそういう直下型地震に対する対策等はまだ研究も十分できてないし、まず心配はないであろうと、こういうことを非常にそういう専門家が言うておる段階でありますので、この際は最前から審議官が答えておるように、東京都の被害想定を専門的にやって、その被害がどのくらいあるかというようなことからまず入っていきたい、こういう現段階の考え方でございます。
  99. 鈴木和美

    鈴木和美君 詳しく入ると、また時間がありません。これで終わります。
  100. 村沢牧

    委員長村沢牧君) 以上をもちまして午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時四十二分休憩、      —————・—————    午後一時七分開会
  101. 村沢牧

    委員長村沢牧君) ただいまから災害対策特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、災害対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  102. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 私は、災害防除を目的の一つとしております特土法の延長に関連をして質問をいたしてまいりたいと思います。  御承知のとおり、わが国の国土の一五%は特殊土壌に覆われて、豪雨による崩壊、流出等の災害を受けやすく、農業生産力も低いわけでございますが、そのために昭和二十七年、特出法が制定をされ、同法第三条に定める特土地帯対策事業に基づき、治山、砂防、河川改修、農地防災等の災害防除事業や、農地改良事業が計画的に実施され、特出地帯の保全と、農業生産力の向上に多大の成果をおさめて今日に至っているのでありますが、国土庁としては、同法に定める各事業について、今日までの実績、成果をどのように評価しているのか、まずお伺いしたいのであります。
  103. 柴田啓次

    説明員(柴田啓次君) ただいまお話のございましたように特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法、略して特土法と称しておりますが、これでいままで第一次計画から第六次計画まで事業を実施してまいったのでございます。事業の内容も、これもおただしの中にございましたように、治山、河川改修、砂防あるいは防災、灌漑排水、多岐にわたっているわけでございます。  第一次計画から第六次計画までの実績及び実績見込み、と申しますのは、第六次計画まだ終わっておりませんので、その見込みを入れましての事業費というのは二兆一千九百七十億円となっております。これによりまして特殊土壌地帯の保全と、農業生産力の向上にかなりの成果を上げたものと考えております。
  104. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 特土法は、すでに昭和二十七年の創設時以来第六次五カ年計画が終わろうとしているのでございますが、来年の五十七年の三月三十一日が時限でございますが、この特土法の使命はすでに終了したと考えられるのか終了していないと考えるのか、どちらなのか。終了していないと考えるのであれば、特土法に基づく事業において、今後残されている事業にどのような事業があって、その事業費はどれぐらいかかるとお思いになるのか、推定でもいいですから、概算でも結構でございますから説明を願いたいと思います。
  105. 柴田啓次

    説明員(柴田啓次君) 特殊土壌地帯——シラス、ボラ、コラ、アカホやあるいは特殊火山噴出物あるいは花崗岩の風化上等いろいろの土壌がございますので、こういう土壌を改良して、全くそういった特殊土壌をなくするということは、これはなかなか不可能なことでございまして、災害の態様あるいは農業振興の方向によっていろいろ考え方はあろうかと思いますけれども、特殊土壌対策という仕事は終わってないと、さように考えております。  これからの残事業量でございますが、いままで五年ごとに計画を立てまして事業計画を立てていたわけでございます。したがいまして、将来の事業量というのも、ずっと永久将来の分までという計算はなかなか困難でございますが、関係地方団体からの事業の見込み等をとりますというと、今後五カ年にやはり一兆数千億台の事業が必要だと、こういうふうに考えているところでございます。
  106. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 次は、第二臨調の第一次答申が七月十日に発表されたのでありますが、この答申で、公共事業における補助負担率の地域特例は、終期到来時には廃止を含め抜本的に見直し、財政再建期間中現行のかさ上げ率を引き下げると、このことを提言しているのでございますが、その趣旨について臨調事務局から説明を願いたいと思います。
  107. 吉田俊一

    説明員(吉田俊一君) 御説明いたします。  公共事業における補助負担率については、地域政策の必要から各種特例措置が行われております。これらのうち時限立法であるものについては、立法の趣旨から言いまして終期到来時には存廃を論ずるのがたてまえでありまして、これまでもそうしてまいってきているわけでございますが、結果から見るといずれも延長されてきており、言ってみれば半ば既得権化しているという実態、そういった感は免れないのでございます。  そこで、近時の厳しい財政事情にかんがみ、時限立法本来の趣旨を再確認する意味におきまして、終期到来時には厳しく見直すというのが臨調答申の前段でございます。で、あわせまして厳しい財政事情のもとにかんがみまして、財政再建期間中については引き下げを図ると、これが第一次答申の地域特例見直しの内容でございます。
  108. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 いま答弁のとおり、時限立法に限って終末時には廃止をするというふうに御答弁のようでございますが、時限立法でない法についてはどのような措置をされるのか。
  109. 吉田俊一

    説明員(吉田俊一君) 確かに時限立法につきましては当然終期到来がございますが、それ以外のものにつきましては、たとえば北海道特例につきましては個別の事業法の中で、終期はございませんが、それぞれの補助目的の達成度合い等に応じまして、これまでも何回かにわたって合理化がとられてきております。そういったことで、終期がない特例につきましても、それぞれの目的の達成度合い等に応じまして合理化が進められていくべきものと、かように思っております。
  110. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 また参考までにお尋ねをいたしますが、時限立法におきましても、終末期が到来をしていない法については現時点においては継続をすると思いますが、ただ、かさ上げ率の引き下げは対象になると、このような理解をしていいのか、また終末到来の法は特土法以外他にどのような法律があるのかお聞かせ願いたいと思います。
  111. 吉田俊一

    説明員(吉田俊一君) 御説明いたします。  臨調におきまして、個々の特例法それぞれについて、時間の関係でございまして詳細な審議はいたしておりませんが、われわれ事務局で調べた限り、五十七年三月三十一日に終期到来するものにつきましては、沖繩それから琵琶湖とがございます。これ近く終期到来するという意味でございましょうか。そういう意味でございますれば、五十七年三月三十一日でありますと沖繩と琵琶湖が該当いたします。
  112. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 前半の問いに対する答弁をやってください、前半の方。
  113. 吉田俊一

    説明員(吉田俊一君) つまり時限立法でないものについてはどういう合理化措置がとられるかということでございますか。
  114. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 そうじゃないんだよ。時限立法でまだ終期到来をしていない法、それは継続をするんだろうと……。
  115. 吉田俊一

    説明員(吉田俊一君) いずれ終期到来時には抜本的な廃止を含めた見直しを行いますが、それに至る間におきましては、それぞれの補助目的の達成度合い等に応じて合理化を進めていくということに相なると思います。
  116. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 もう少し問いをよく聞いておってもらいたいんですが、まだ終期到来がしていない法は継続をするんでしょうと。しかし、かさ上げをしたやつの引き下げはするんですかと聞いておるんですよ。
  117. 吉田俊一

    説明員(吉田俊一君) 財政再建期間中におきましてはかさ上げ率の引き下げを図るといたしております。
  118. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 現行法では、特殊土壌地帯のメリットとしては、一つは後進地域の開発国庫負担特例法施行令第一条第二項により、特出事業計画に基づく事業については後進地域開発国庫負担特例法の適用を受けておりまして、昭和五十一年に該当する県は十四県のうちに八県該当しておるわけでございます。  第二点目は、地方交付税法によって農地防災のシラス対策事業にかかる経費に充てるために起こした地方債の当該年度における元利償還金が基準財政需要額に算入されることになるという、こういう二点のメリットがあるわけでございます。  そこで、地域特例措置が廃止された場合、特出地帯においてはこの二つのメリットとも、ともになくなるわけでございます。これによって国家予算がどれぐらい節減になるのか。また、ちなみにお聞きしますが、地域特例対象事業数は全体でどれくらいあるのか、特土法関係ではどうなのか、詳細にお答え願いたいと思います。
  119. 村沢牧

    委員長村沢牧君) 国土庁で答弁するんですか、臨調ですか、どっちですか。
  120. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 臨調。それから補足のところは国土。
  121. 吉田俊一

    説明員(吉田俊一君) まずお尋ねの第一点目でございます。地域特例の廃止により、またはかさ上げ率の引き下げによりどのぐらいの予算が節減できるかということでございますが、これにつきましては、先ほど説明いたしました考え方のもとで、財政当局と所管省との間で引き下げの割合が決められていくということでございますが、現段階では、地域特例トータルしてかさ上げ額の節減額が幾らになるか推計するのは困難な段階にあると思います。  それから第二点目の地域特例の対象事業数はどれぐらいと考えておるか、また特殊土壌関係の対象事業数はどうかということでございますが、これ事業数のとり方によると思いますけれども、治山、河川改修、砂防、道路防災、農地防災、灌漑排水等、例の基本計画に定める事業、それから後進地域の法律に書いてあります事業、その事業数と理解してよろしいのではないかと思っております。
  122. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 はっきりせぬがね。
  123. 村沢牧

    委員長村沢牧君) 理解していいじゃなくて、どういうふうになっているのかやっぱり答弁してください。
  124. 吉田俊一

    説明員(吉田俊一君) 要するに、対象事業数というのは公共事業の事業数であると思いますが、これにつきましては特殊土壌地帯対策事業計画に基づいて挙げられている事業数、かように理解しております。
  125. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 それは特土関係とか、あるいは全体どれくらいというのは計算がなかなか困難かもしれませんが、これは国土庁の方もおわかりだったら答弁願いますが、少なくとも臨調の方がそういう基礎的なことがわからぬでおって答申を出すこと自体がおこがましいと思うんですよ、私は。国家予算がどれくらい節減ができるかという答弁もできないとはね。答弁しなさい。
  126. 吉田俊一

    説明員(吉田俊一君) 臨調におきましては、主な地域特例ということで、総額かさ上げ額が五十五年度予算で約五千二百億、全体でございます。それから個々の特例の中でそれが幾らあるかというカウントの仕方につきましては、特土の場合ですと後進負担特例法によりまして積算するわけですが、そのうち純粋の後進の分、それから特土の分、その仕分けが計算上なかなか困難であると伺っております。したがって、特土に関するかさ上げ分が幾らになるかということは臨調としては把握してございません。
  127. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 地域特例が廃止をされると地方公共団体は大変なデメリットがあるわけですよ、メリットがあるやつがなくなるわけですから。それが幾らぐらいという試算もしないでおって、ただ答申でおっしゃるということは、本当に答申の権威を私は傷つけると思いますがね。  じゃ、国土の方で、特土法のみでは幾ら、あるいは後進地域開発特例法の関係で幾ら、全体関係で幾らというのはわかっておると思いますが、お答え願います。
  128. 柴田啓次

    説明員(柴田啓次君) 先生よく御存じのとおり、特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法というのは、事業計画を定めてそれを実施するということを書いているだけでございまして、これに対します財政上の実質的なメリットは、いわゆる後進地域かさ上げ法によるわけでございます。後進地域かさ上げ法によりまして、これも先生が御指摘になりましたように、特殊土壌の事業計画に載っている事業は、一般的な後進地域かさ上げの対象でない公共事業であっても、いわゆるその法律に言うところの開発指定事業としてかさ上げの対象になるということでございます。特殊土壌地帯対策事業計画に載っている事業のうち、仮にその特殊土壌法がなくても土地改良その他のように後進地域のかさ上げに乗っていくものもございます。それから、特土法があることによりまして初めて開発指定公共事業になるというのがあるわけでございます。特土法のみによりますところの、特土法があることによりまして初めて開発指定事業になり、負担割合の引き上げの対象となるものによって財政負担が軽減されている額が大体五十億円でございます。それと、特出計画がなくても負担割合の引き上げの対象となるものといたしまして、たとえば治山の一部とか河川改修の一部とか、そういうものがございまして、これは試算がかなり困難ではございますが、大体その倍の百億円ぐらいというふうに考えております。一年間につき百億円ぐらいというふうに考えております。したがいまして、特土法の事業計画によりまして、後進地域かさ上げ法により財政負担の軽減されているものが、両方合わせて百五十億、こういう勘定に相なるわけでございます。  そのほかにもう一つ、これも先生のおただしにございましたシラス対策事業に充てるため起こした地方債の元利償還金の基準財政需要額への算入が約三億ほどございます。そういうような状況でございます。
  129. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 では国土庁にお尋ねをいたしますが、特土法及び後進地域開発特例措置法に基づく特殊土壌地帯における地域特例措置が仮に廃止された場合、特出地帯にどういう影響が出てくるのか。  また、自治省にお尋ねをいたしますが、後進地域開発特例措置法に基づく地域特例措置が、言われるようにかさ上げ率を引き下げた場合、これが実行された場合にはどういう影響が出てくるのか、お答え願いたいと思います。
  130. 柴田啓次

    説明員(柴田啓次君) まず、私の方からお答えをさせていただきますが、特殊土壌地帯の指定を受けている地域を有する県は大体において財政カの弱い県でございます。で、これらの財政力の弱い県におきまして、特別のかさ上げの措置を受けまして特土計画というものを実施しているわけでございます。もしそれがなくなるということになりますというと、財政力の点から特殊土壌地帯対策の計画的また強力な実施というのは非常に困難になるんではないかというふうに考えております。
  131. 亀田博

    説明員(亀田博君) 後進地域のかさ上げによりまして、地方団体が受けております金額は約二千億前後であるわけでございますけれども、このかさ上げ率の引き下げが行われた場合の影響の問題ですが、どの程度の引き下げが行われるかによってあるいは影響というのは違うであろうとまず考えておりますけれども一般論で申し上げますと、その引き下げに相当する歳入というのが地方財政全体としては減少するわけでございまして、地方財政全体の問題として非常な影響があるというふうにまず考えられるわけでございます。  それから、これは都道府県に対する措置でございますので、個別の都道府県に対する影響が次に出てまいるわけでございますけれども、この制度が都道府県の財政力に応じてかさ上げ率が異なるという仕組みになっておりますので、財政力の貧弱な都道府県ほど実は影響を多く受けるということになろうかと思いまして、それぞれの団体でも、地方公共団体、都道府県によってではございますが、多額の減収というものが考えられますし、したがいましてその財政運営には支障を及ぼすおそれがあるというふうに考えております。  なお、財政力に応じてかさ上げ率が異なるわけですけれども、さらにその事業費に応ずるわけでございますので、事業の実施と直接結びついた財政措置ということになっておりますために、これを大幅に引き下げる場合には、事業のこれが予定をしておりますといいますか対象となっております後進地域の開発に関する公共事業の実施に少なからず影響を及ぼすものというふうに私どもは考えておる次第でございます。
  132. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 大蔵省来ておられますか。——大蔵省にお尋ねをいたしますが、まず第一に、臨調答申全般についてその実現にどのような方針で臨むのか、御見解を伺いたいわけであります。  次に、公共事業における補助負担率の地域特例については、時限立法の終期到来時には廃止を含め見直し、その他の法についてはかさ上げ率引き下げ措置でもって増税なき財政再建を図ろうというのが臨調の方針のようでありますが、後進地域特例団体連絡協議会の要望にもあるように、特に特土地帯及び後進地域適用団体は、社会資本整備水準及び道県民所得水準が全国平均よりもかなり低く、また地域経済に占める公共投資のウエートが大きく、地域特例が廃止もしくは引き下げられるとすれば、公共事業の執行が停滞をし、地域経済に重大な支障が生ずることは目に見えているわけでございます。したがって、廃止もしくは引き下げ措置には私どもは断固反対であります。大蔵省はこの地域特例の問題にはどのような方針で臨むのか、見解を伺いたい。
  133. 公文宏

    説明員(公文宏君) お尋ねの、大蔵省は一体臨調の答申をどういうふうに考えているかということでございますけれども、これにつきましては御承知のように七月十七日の閣議におきまして、政府は臨調の答申を最大限に尊重し、速やかに所要の施策を実施に移すものとするという閣議決定をいたしております。私ども財政当局の立場といたしましても、この財政事情の非常に厳しい折から、できるだけ臨調の答申を最大限に尊重するという考え方で各省庁とこれからいろいろ御相談をしていきたいというふうに思っているわけでございます。  具体的にどういうふうな形になるかということにつきましては、今後各省庁と御相談をしなけれやいけない問題である、いまの時点では基本的には閣議決定もございますし、臨調の答申を最大限に尊重するという考え方でいきたいというふうに思っておるわけでございます。で、当然そういうことでございますので、後進地域の特例を初めとする各種地域特例の問題につきましても、いまのような趣旨で考えていきたいということでございます。
  134. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 その閣議の、最大限に尊重するということは確かにありましたが、その直後に米価の問題でも〇・五%のかさ上げということが行われたということからすれば、国民全般も、少し融通性があるんだなというような考えを持たざるを得ないと思いますけれども、そういうような幅の広い点もある面ではあるんだなという理解をしていいと思いますか。
  135. 公文宏

    説明員(公文宏君) 財政当局といたしましては、閣議決定の線に従って臨調の答申をあくまでも最大限に尊重するという考え方でいきたいということでございます。
  136. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 次は国土庁と自治省にお尋ねをいたしますが、すでに特土対策促進協議会において第七次五カ年計画及びその他の追加事業計画についても予算措置など策定をしているようであります。もし臨調答申に基づいて特土法及び後進地域開発国庫補助特別措置法等における地域特例措置がそれぞれ廃止もしくはかさ上げ率が引き下げられた場合は、財政カ指数の低い各県はますます後進化し、地域格差を拡大をし、国土の均衡ある発展は望むべくもありません。しかも、廃止及びかさ上げ率引き下げを行うことは、単に地方に財政負担を転嫁するだけで、国、地方を通ずる真の財政再建にはならず、制度にそれぞれ設置の目的、精神が私はあると思いますが、臨調はその把握が私は非常に不十分できわめて不適切な措置としか考えられないわけであります。国土庁及び自治省は、それぞれ特土法の廃止及び後進地域特例法に基づくかさ上げ率引き下げ防止にどう対処していくのか、その決意をお聞かせ願いたいと思います。
  137. 原健三郎

    ○国務大臣(原健三郎君) お答え申し上げます。  御承知のように、この特土法というのは、大変、最前からいろいろお話がありましたように重要な法律であることは言うまでもないし、これはやはり推進していかねばならないと考えております。  それで、今回の臨時行政調査会の第一次答申において補助負担率の地域特例の廃止とかあるいはかさ上げ率の引き下げ等について触れておりますが、国土庁としてはこの答申を踏まえ、行財政改革の推進といういわゆる政治課題と、現行の施策なり制度を必要とする実態との調整をいかに図っていくか、具体的事案に即して十分な検討をこれからいたして万遺漏なきを期したいと思っております。特に、同法は御承知のごとく議員提出法律案でございますので、議員各位の意見を十分お聞きいたしまして、そしていろいろ拝聴の上善処いたしたいと、こう考えておるところでございます。
  138. 亀田博

    説明員(亀田博君) 後進地域に対するかさ上げ率の見直しの問題でございますけれども、この制度が設けられました目的ですとか、あるいは事業を円滑に推進するという観点、あるいは関係地方公共団体への財政運営、地域経済への影響等を十分考慮いたしますと、この制度の基本的な仕組みは維持されることが適当であると考えておりますので、財政当局等に対しまして慎重に対処するよう求めてまいりたいと考えております。
  139. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 行管庁来ておられますか。  七月十七日、閣議において、第一次臨調答申を最大限尊重し、速やかに所要の施策を実施に移すことを申し合わせ、引き続いてこの旨を閣議で決定しているわけでありますが、答申内容は抽象的な面もあり、具体的な各省庁間での詰めが当然必要かと思われますが、臨調答申の実現までどのような方針、スケジュールで今後取り組んでいくのか、お聞かせ願いたいと思います。
  140. 八木俊道

    説明員(八木俊道君) 委員指摘のとおり、七月十七日に閣議決定をいたしまして、臨調の第一次答申の処理に関する政府の基本的な立場を決めたわけでございますが、その内容は、先ほど大蔵省から御答弁申し上げましたとおり、財政再建、行政の合理化、効率化が強く要請される現在の情勢にかんがみまして、政府としては答申を最大限に尊重し、速やかに所要の施策を実施に移す、こういうことでございます。答申をちょうだいしたのは七月十日でございまして、十七日に政府としてはこの答申を各省に配付をいたしまして、かつ処理に関する基本的な立場を決めたわけでございますが、何分答申の内容相当膨大にわたっております。そこで同日の閣議におきまして、内閣官房長官から別途の御発言がありまして、予算関連事項については大蔵省、行政の合理化、効率化に関する一般的事項については行政管理庁と、それから各主管の省庁が、これが十分協議をする、こういうことになっておりまして、法律事項、予算事項、その他の仕分けをいたしまして八月中には答申処理に関する政府の一応の成案を取りまとめる、こういう努力目標を置いているわけでございます。内容、多分に膨大でございますので、具体的な詰めにつきましては、若干の時間をちょうだいしたいというふうに考えております。
  141. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 この特土法の最後に、国土庁長官の決意は聞きましたけれども、この特土法が特に九州全般にわたる大事な法である関係上、再度決意をお聞かせ願いたいということで質問をいたしてまいりたいと思います。  特殊土壌地帯は、特に鹿児島県、宮崎県、熊本県、大分県、大半がシラスに覆われております。その低生産性は全国的に見ても顕著なわけでございます。このために鹿児島県では一例をとりますと、昭和四十四年十月、過去四年間にわたってシラス土壌についての総合的な調査を行った結果を発表しておるわけでございます。その調査研究に余念がないわけでございますが、その結果は、結論として言っていることは、鹿児島県笠之原台地や、宮崎県平長谷台地の、明治、大正、昭和年代における耕地化と崩壊の関係性に言及をして、土地利用の合理策の第一歩として計画的排水網の整備を強く訴えております。しかも、災害防除事業を施したところは、昭和二十九年における数回にわたる台風にもかかわらず被災ゼロという結果であったことを取り上げ、その防災工事の効果の大なることを叫び、さらに緊急に防災工事を施すべきであることを訴えておるわけでございます。まだ地下水の水脈方向、浸透量等の地下水のメカニズムが不明で、シラス台地の農地はいつ崩壊するかもわからないのが実情でございます。低生産に加え、さらに農民の生産意欲をそぐような不安感を取り除くためにも、このたびの特土法の延長については、是が非でも存続を願いたいと思うわけでございますが、再度国土庁長官の強い決意を、御見解を御披瀝願いたいと思います。
  142. 原健三郎

    ○国務大臣(原健三郎君) 御説のほどはよく拝聴いたしました。最前もお話がありましたように、この問題はこれからいよいよ八月、閣議においては中ごろまでの間に、財政問題については大蔵省と国土庁と相談に入ります。もうすでに入ろうとしておるんですが、そういう事態を踏まえまして十分言うべきところは言い、主張すべきところは主張いたしたいと思っております。わけても最前も申し上げましたように、この法律は議員提案によって制定されたものである経緯にかんがみまして、皆様方の委員各位の御意見は十分尊重して、財政当局とも話し合いをして善処いたしたいと、こう考えております。
  143. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 じゃ、次は桜島の災害の問題に関連をして質問をいたします。  桜島の黒神川のボラの——ボラといいますと魚のボラと間違う人がおりますので、軽石でございます。この流出について質問をいたします。  この問題については、私はこれまで事あるごとに質問をしてまいりましたが、現地での対応が不可能ということで、やはり国側の取り組みが何としても必要でありますので、具体的な方策がとられるまで私は見守っていきたいと、このように思って質問をいたします。  まず、四月二十二日の当委員会で、対策を考えるために建設省、農水省からそれぞれ係の方を現地へ派遣をして最初に十分状況を把握していただきたいと要望したわけでございますが、農水省の当時の矢崎審議官も係官の派遣を約束をされております。農水省の派遣の結果をお伺いしたいと思います。  また、建設省でも派遣をされたと聞いておりますが、その結果はどうであったか、それぞれどのような所見を持たれたか、お伺いしたいわけであります。
  144. 川崎君男

    説明員(川崎君男君) お答えいたします。  水産庁といたしましては、去る六月一日から二日にかけまして担当官を派遣しまして現地視察を行いますとともに、地元関係者等からボラ流出に伴う養殖業等への影響について事情聴取を行ったところでございます。  その結果、養殖生けす内にボラが滞留した場合、投餌の際これらのボラを除去しなければいけないということとか、また、ボラが集積している水域では小型漁船のスクリューが破損する、あるいは冷却水取水口の閉塞等の問題が起こるというようなことで、沿岸漁業等が困っておるという問題が生じていることが判明いたしました。水産庁としましては、このようにボラが養殖業と沿岸漁業に影響を与えているということでございますので、ボラが海中へ流出、浮遊するのを防止する対策、とりわけ発生源付近において有効な流出防止対策が講じられる必要がある、こういうように感じておる次第でございます。
  145. 釣谷義範

    説明員釣谷義範君) お答えいたします。  現地を調査いたしました結果、ボラの発生源は通称地獄河原と呼ばれておりますその上流へ流入しております第二黒神川という流域に集中しているということが判明しております。また、従来第一黒神川からの土石の流出の方が主体でございましたが、昭和五十一年ごろより最近にかけまして第二黒神川の荒廃が進みまして、そこはボラ層でございまして、そのボラ層の浸食が顕著になっておるというふうに見てまいりました。  建設省といたしましては、従来から土石及びボラの流出を防止するための砂防工事を実施しているわけでございますが、ボラは御存じのように水に浮くような軽石でございまして、砂防ダムで全量をとめることは非常に不可能で、第二黒神川流域のボラ層の浸食の拡大と相まちまして、最近下流に流下しまして、海へ流出する量が増大しているというのが実情でございます。  なお、砂防施設を設けなかった場合には、ボラが人家、公共施設へ流入すると同時に、海への流出も早まり、さらに大量のボラが流出したというふうに考えております。  以上でございます。
  146. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 やはりボラによる被害というのは、依然として流出してその被害が続いておるわけでございますが、特に最近では湾奥の福山地区の小型建て網十統がこのボラの流出で大変な被害を受けておるということが言われておりますが、六月二十六日の地元新聞にはこのような記事が載っております。「雨のたびに大量軽石養殖魚が窒息死桜島から湾奥へ漂流食い止め策もなし」という表題でありますが、地元の方々の不安というのは、対策がないということで増大をしているわけでございます。で、鹿児島の県議会でもこの問題が取り上げられて、県当局もどうしようもない、お手上げの状況というのが答弁であるようでございます。どうしても国の対応を待つ以外ないと県当局も考えているようであります。  そこで、建設省、農水省のこれに対する対策はどのように考えておるのか、お手上げでこのまま済ますわけにはいかないと思いますが。
  147. 釣谷義範

    説明員釣谷義範君) 従来も砂防工事によりまして、ボラ流出を土石流対策の一環として軽減してきたところでございますが、最近のボラ流出の増大に対処するために、まず、先ほど申しました第二黒神川の上流のボラ層の発生源ですね、この発生源に対する対策並びに黒神河原といいますか、地獄河原と申しておりますが、そこのところでボラの貯留施設の設置等について調査検討しまして、それに対処したい、そういうふうに現状では考えております。
  148. 川崎君男

    説明員(川崎君男君) 水産庁といたしましては、本件問題に対処するには、基本的にはやはりボラの海上流出を防止するための有効な発生源対策が必要である、こういうふうに先ほども申しましたように考えておるわけでございますが、水産庁といたしましても、地元養殖業等の振興を図る観点から当面の対策としまして、流出ボラの除去あるいはボラの海面拡散を防止するための措置等について県とも相談しながら検討を行っているところでございます。
  149. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 私はこの問題の解決策は、解決策というよりは一番ネックになっておるところは、水産庁と、農水省と、建設省の守備範囲の問題が解決をしないと解決できないんじゃないかと、建設省の方で発生源の山はだをあなた方がどういうようなことで押さえるのか知りませんけれども、これはもう無尽蔵に崩壊をしてくると思うんですよ。あなた方が吹きつけをやるとか、そういうことをやられても、地震が起こります、微動しますから次から次へと崩壊をしていくわけでございますから、これはやってももうむだ遣いじゃないかと思います。いまの工法からしますと導流堤をつくっておいて海に流すというのが工法のようでございますから、これを海に流さないということになると、大きな擁壁をつくるということをまず先にやってもらわぬとならぬ、たまったやつをどこに捨てるかということになると、捨てる場所がないはずであります。そこらあたりをよく現地で検討をされることが一番私は大事じゃないかと。だから海岸線のところまでがぼくの方の守備範囲であって、海に流れたやつはこれは農水、水産庁の方だというような、そういうことでは解決が私はつかないのではないかと、こういうふうに思うんですよ。だからいまの工法のまま、やはり流れていくやつは大型のフェンスを海面のあるところに張っておいて、そこで受けとめて、そこでたまったやつを船であるところに、指定をしたところに持っていって捨てるという、そういうようなことをしておかないとしようがないんじゃないか、現在でも後楽園が十ぐらい入るようなところに設置してありますけれども、もういっぱいになっておるでしょう、土石流が。そういうようなことを考えると、あなた方がいま答弁されたことはもう本当に机上の空論、現地に何のために見に行ったのかと言わざるを得ないと思うんですが、もう少し真剣になって合い議をして解決をしようと、そうでなけりゃ国民が困っておるんだと。災害防除のためにはそういうことをやるべきだと私は思うんだが、どうなんですか。
  150. 釣谷義範

    説明員釣谷義範君) われわれの方では、上流から海へ流出するボラを少なくするべく、現実に黒神川におきましても砂防ダムをつくりまして、下流への流出を極力抑えることをやっているわけでございますが、海へ出ましたものにつきまして、われわれとしましては残念ながら、砂防法に基づいて砂防指定地として指定した土地に、治水上、砂防の見地からやるのが砂防工事でございますので、海面へ流出してしまった浮遊するボラに対しまして、海上で必要となる施策につきましては、砂防法上の砂防工事ではちょっと対処しがたいというふうに考えておるわけでございます。
  151. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 だから、海上に出ないようにするためには擁壁をつくるか、ちょっと海岸線からはみ出すけれども、そこにフェンスを張るかどっちかしなきゃならないと。あなた方は海の方はおれたちの守備範囲じゃないとおっしゃるんでしょう。全然出ないようにするわけにはいかないんでしょう。
  152. 釣谷義範

    説明員釣谷義範君) 先生ただいまおっしゃいますように、全然ボラが海へ流出しないようには、ちょっとそういうことは不可能かと思っております。しかしながら、先ほど申しました諸施策等によりまして、内陸部で極力ボラの流出を軽減すべく今後も努力したいとかように考えておりまして、海へ出てしまったボラに対しては砂防工事ではちょっと対処することは困難であるということでございます。
  153. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 じゃ、海へ出たやつは、それは水産庁が清掃するでしょう。出るまではどういうような工法でやるんですか。いまの工法をちょっと変えにゃいかぬでしょう。いまのままでやったらどんどん出てきますよ。山はだをあなたたちがそういうことをやったって、やっぱり地震がありますから崩壊するでしょう。またやっぱり出てきますよ。で、ためる擁壁をつくりますか、陸地のところに擁壁をつくりますか。
  154. 釣谷義範

    説明員釣谷義範君) 擁壁とおっしゃるようなものを、結局われわれの方では砂防ダムをつくって、それで下流への流出を抑制し、またいま考えておりますことは、通称地獄河原と言っておりますそこで何とかボラを、迷路のようないろんな施策を講じまして、そこでキャッチしていきたいと。それとともに、発生源について、発生源を抑制するような工法を検討していきたい、そういう考えでございます。
  155. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 そうしますと、あの海岸線の方にいまは擁壁はありませんわな、ありませんよ、擁壁は。それをつくりますね、まず。つくらないとまた出てくるでしょうが、擁壁をつくらないと。発生源を抑えるのと流末の方をちゃんとやらないと、やはり海岸の方に流れていくんですよ。それをやりますか。
  156. 釣谷義範

    説明員釣谷義範君) 海岸とおっしゃる一番河口の部分での対応はいまのところ考えておりませんが、それより上流部で対処したいと、そういうふうに考えております。
  157. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 国土庁長官お尋ねをしますが、どうも長官が災害防除の立場からこれは乗り出してもらわぬと、聞いておられておかしいでしょう。桜島のここを、発生源だけを抑えて、末端の方はそのままほったらかしておって、やっぱり流れてきますよ。守備範囲と言うんですよ。流れ出て海に漂っておるやつは水産庁、おかのところは私たちの方。それだったら海岸線のところに擁壁をつくってくれと言うと、そういうようなことは言わないでしょう。もうここらあたりで建設省と農水の方の意見調整をして、その災害防除をしていただきたいと私は思うんですが、長官、いかがですか。
  158. 原健三郎

    ○国務大臣(原健三郎君) 最前からいろいろお話を承りまして、実際どうも県当局も地元も、また建設省も農水省も、どうも守備範囲等々でうまくいかないんでお手上げになっておると、こういうお話でございました。さらにまた守備範囲等のことによって難航しておる。私どもも地元からの報告を受けておりますが、なかなかこれ、非常に難問題であるということはよく認識しておるところであります。いま先生がおっしゃったように、ぜひ各省庁、国土庁が中に入って連絡しまして、速やかにその対策を突き詰めて、どこにネックがあるか、大変最前からのお話も参考にいたしまして、そしてまた地元の方の意見も聞いて、この対策を一本にまとめて、さてこれでやるというところへ、至急相談いたしたいと思っておりますから、しばらく時間をかしていただきたいと思います。
  159. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 はい、よろしく。
  160. 近藤忠孝

    近藤忠孝君 最初に、六月二十五日からの梅雨前線豪雨による災害についてお伺いします。  全国各地に被害が出ておるわけですが、私自身は、私が実際に調査に行って見聞してきたところ、あるいはじかにかなり強い要請が来ておるところ、これを若干具体的に取り上げてみたいと思います。  最初に新潟県の福島潟で冠水による農業被害が発生しておりますが、その概況について簡単に御説明いただきたいと思います。
  161. 草場緋紗夫

    説明員草場緋紗夫君) お答えいたします。  先生御案内のとおり、六月二十二日、二十三日の梅雨前線豪雨によりまして、福島干拓地内に流入いたしまして、少なくとも一昼夜以上にわたり冠水もございまして、水稲、大麦、野菜等に被害が見られております。  私の担当の野菜に関して申し上げますと、スイートコーンだとか、ニンニク、芋類、ナス等につきまして、新潟県からの報告によりますと、被害面積約十五ヘクタール、被害金額は約二千五百万円と試算されておるところでございます。
  162. 近藤忠孝

    近藤忠孝君 いまの答弁のとおり、野菜中心なんですが、元来この地域野菜被害が出るべきところじゃないんですね。元来水稲のために潟を水田にするということだったんですが、国の全体の政策で米はつくらないということで、仕方なく畑作になって、しかも大分野菜が多い。野菜がほぼ全滅になっていると、こういう状況です。これに対して、地元の市町村長さん、大分一生懸命この補償何とかならないかと言って県などと交渉しているようですが、なかなかうまくいかないんですね。しかし、何とかしなきゃいかぬということは事実だろうと思うんです。それについての国の見解はどうでしょうか。
  163. 草場緋紗夫

    説明員草場緋紗夫君) 現地での対策といたしましては、特に野菜関係中心にして申し上げるわけでございますが、農業改良普及所を中心といたしまして、次期の、次の季節の作物といたしましてのキャベツとか、大根、レタス等の秋野菜につきまして、品目の選択なりあるいは導入を指導しているところでございます。また、県単独事業といたしまして、被災農家に対します畑作災害資金の円滑な融資なり、あるいは補助事業によります土壌改良の推進に努めているところでございます。
  164. 近藤忠孝

    近藤忠孝君 それはそれで結構ですが、問題は具体的に発生した被害に対する補償が——これ農業共済入ってないんでしょう、大体ないわけだね、農業共済が。野菜は対象になっていないということもあって、現実には補償されてないです。この野菜の共済問題はまた後で聞きますけれども、こういう状況について国としてほっといていいんだろうかという問題があると思うんですね。具体的に、本来は水稲用の場所なんです。だからこの程度の雨で水が出ても稲ならば被害がもっと少なくて済んだんでしょうが、それが国の方針によって米はできない、仕方なしに畑作ですね、で、野菜がつくられている、そして全滅と。となると、これはほっといていいんだろうかという、こういう問題があるんですよ。何とかならぬものですか。
  165. 大坪敏男

    説明員大坪敏男君) この地区の、福島潟地区でございますけれども先生指摘のとおり事業途上におきまして米の減反、開田抑制という政策に対応いたしまして、当初の開田から畑作計画に転換したという経緯があるわけでございます。その過程におきまして、当然今後は湛水に比較的強いサトイモ等そういった作目を基幹とする営農計画をつくろうという計画をつくりまして、県当局等からの営農指導を行ってきているわけでございます。また最近時点では、たとえば畑作農業経営の改善を図るために展示圃を設けるとか、さらには干拓地の営農対策協議会をつくる等々によりまして関係者一体となって生産技術の向上、生産組織の整備を行っているという実態があるわけでございます。ただ、残念ながら今回の梅雨前線豪雨によります被害につきましては、いろんな諸事情は十分理解しているつもりでございますけれども野菜共済が実施されてない等々の事情もございまして、いまのところ国としては特段の対策は講じがたいと、そういう現状にあるわけでございます。
  166. 近藤忠孝

    近藤忠孝君 ですから、今後の問題として、いま言ったような措置は必要ですが、ただ農民にしますと、国の方針に従ってやったと。いま言われた幾つかの施策というのはいわば次善の策としてやっておるわけでしょう。本来ならば水稲なら一番問題なくできるところですが、いわば次善の策としてやっておるところですね。それに対して国としていたし方ないと、こう言っているのは無責任のような感じがするんですね。  そこで大臣、直接のこれは所管の問題ではありませんけれども、国の政策で、本来米に一番適する場所が米でなくて、それでこの程度の水でこんな被害が出て、しかも補償制度が何にもないというのは、これは何とか閣議の段階でひとつ考えてもらうべき問題だと思うんですが、その点は何かお考えないですか。
  167. 原健三郎

    ○国務大臣(原健三郎君) いま御趣旨の点はよくわかりますが、突然の御質問でございまして、直ちにどうするというわけにもいきませんが、よく研究してみます。善処します。
  168. 近藤忠孝

    近藤忠孝君 突然の質問で申しわけなかったけれども、ひとつ頭の中にひっかけて置いていただきたいと、こう思うんです。  そこで、野菜の共済制度がないことが今回の農民の苦悩を大きくしているんですが、共済の対象として検討が進んでおると思うんですが、その段階と見通しについて御説明いただきたいと思います。
  169. 湯浅昌治

    説明員(湯浅昌治君) お答えいたします。  露地野菜につきましては、昭和五十二年度から調査研究を始めておりまして、現在キャベツ、白菜、レタス、スイカ、タマネギ、それから加工用トマト、六品目を対象に調査検討をしておるところでございます。このうちキャベツ、白菜、レタスにつきましては一番早く五十二年度から調査に入っております。本年度から試験調査をやるという段階になっております。試験調査と申しますのは、一定の共済の仕組みを前提といたしましてペーパーテストをやるということでございますが、そういう段階に来ております。しかしながら、御承知のとおり野菜につきましては出荷時期によりまして非常に価格差がございますとか、あるいは災害によりまして非常に大きい減収が生じるというふうな場合には、価格が高騰してかえって農家の収入がふえるというふうな事態もございます。この共済制度の中でそういう問題をどういうふうにこなしていけるかというふうな基本的な問題もございます。したがいまして、今後試験調査の結果を見ながら共済制度に乗るものかどうかということを含めて検討してまいりたいというふうに考えております。
  170. 近藤忠孝

    近藤忠孝君 被害を受けたらばかえって高騰してよけいいいんだというこの考え大変強いようですね。そういう面もあると思うんですけれども、ここみたいに全滅しちゃいますと、いまの理屈は通らぬわけで、ですから今回のこの被害一つの参考にして、やはり共済の対象としてその可能性を十分に追求してほしいということを要望いたしてこの問題は終わります。  そこで、この福島潟の今回の水害問題は、結局は河川の問題だと思うんですね。  建設省にお伺いしますが、ここに関連する新発田川等の改修の促進について、現状と、問題点があれば御答弁いただきたいと思います。
  171. 玉光弘明

    説明員玉光弘明君) ただいま福島潟の治水についてどうなっているかという御質問でございます。福島潟につきましては、これは新井郷川に関連する改修でございまして、福島潟の放水路というものをもって対処すべく昭和四十四年から着手しているわけでございます。また、これに並行しまして新発田川というのもこの地区にございまして、この放水路も一緒にやっております。これを合わせまして新井郷川の中小河川改修としてやっているわけでございます。福島潟の放水路につきましては、これが延長が六・二キロあるわけでございます。計画流四百九十トンということでやっておりまして、現在までの進捗率は用地買収で五  一%進んでおります。用地買収のほかに、国道が交差しますので橋梁のつけかえというような事業を現在までやっております。また関連しますが、新発田川についてもやっておりまして、これは三・四キロメーターの放水路でございます。これも後から始めた経緯もございまして現在用地買収かなり難航しておりますが、現在のところ一二%進んでいるということでございます。  事業の進捗状況は以上のとおりでございます。
  172. 近藤忠孝

    近藤忠孝君 今回のような水害があったことで、基本的にはこの河川改修が済めば解決するんでしょう、水害問題は。その点どうですか。
  173. 玉光弘明

    説明員玉光弘明君) その水害がどれだけ解決するかということでございますが、私ども河川改修計画を立てる場合には、その河川に適した改修の規模がございます。それでやっております。通常中小河川等の計画では、大まかに申しまして三十年に一回ぐらいの洪水というようなものを対象にしております。したがいまして、この改修が完成しましても計画以上のものが来れば災害が起こるわけでございます。
  174. 近藤忠孝

    近藤忠孝君 今回程度のことは十分対処できるということで地元では大変期待をしておりますので、大いに促進をしてほしいということを要望いたして次に進みます。  これは先ほど鈴木委員からも指摘がありました加賀市の水害状況ですが、これは河川のはんらんで、しかも市役所の周辺がもうほとんど全部水浸しになって、しかも県道上から約一・五メートルもの深さになったということで、いわば加賀市の一番密集地帯にこういう被害があったということで大変な状況でありました。現地へ行って見ましたけれども、幸いすぐ水が引いたので被害がそれほど大きくなかったけれども、しかし対応策をしないと大変だという、こういう事態であります。  そこで、一つは後の、事後処理の問題として屎尿くみ取りの問題ですね。これが実際いまのところは個人負担になろうとしているわけです。これについて、これをどう見るべきか、これは厚生省ですか。
  175. 杉戸大作

    説明員(杉戸大作君) お答えいたします。  加賀市の場合は、この七月の三日と六日の日に県の方から加賀市に対しまして、これは災害の、くみ取り、収集、ごみも含めまして補助の対象になりますので、そういう指導をいたしております。しかしながら、加賀市の方の判断で、これは公社が屎尿をくみ取るのでございますが、優先的にその地域に対しましてくみ取るように指示をいたしまして、国庫補助の方の対象としては扱っておりませんでした。
  176. 近藤忠孝

    近藤忠孝君 制度的には、これは廃棄物の処理及び清掃に関する法律二十二条の二で対象になるんですね。ところが国庫補助の対象にならない。しかも個人が大体一世帯二千円の負担になろうと、こういう状況ですね。自分のものの廃棄物ならこれは仕方がないけれども、水害によってやらなきゃいかぬ、それについて新たな負担、しかも市街地の中心の人々がこういう状況というのはどうも腑に落ちない。となりますと、これはやっぱり市の対処なんでしょう。市の対処がうまく国の制度に乗るようにやればこれはちゃんと国庫補助の対象になり、市民の負担もなくなる、こう理解してよろしいんでしょうか。
  177. 杉戸大作

    説明員(杉戸大作君) 御指摘のとおりでございます。
  178. 近藤忠孝

    近藤忠孝君 そうしますと、今回の場合に、これからの問題として個人負担をやめて、それを国庫補助の対象とする、こういう道はこれはないんですか。
  179. 杉戸大作

    説明員(杉戸大作君) 市の方からの申請がございましたら検討いたしますが、たださかのぼってというのはちょっとむずかしいかもしれません。
  180. 近藤忠孝

    近藤忠孝君 今回私が痛感したのは、ほかの問題もそうなんですけれども、案外国の制度を末端の市町村段階では正しく理解しないで、そして市民に負担をかけている、こういう場合が多いと思うので、特に災害救助法のいわば救助対象となる救助の方法などについて、私はもっともっと、制度の趣旨や中身をうまく活用できるように周知徹底を図るべきだと思いますが、今回のこの事例を参考にしてその点やってほしいと思いますがどうですか。
  181. 杉戸大作

    説明員(杉戸大作君) そのように周知徹底を図ってまいりたいと思います。
  182. 近藤忠孝

    近藤忠孝君 それから、河川改修については先ほど触れましたが、基本的には大聖寺川の改修の問題だと思うんです。用地買収など大いに促進をしてほしいと思いますし、もう一つは上流の我谷ダム、それから九谷ダム、それの問題が基本的に事を解決すると思うんですが、ただ現状でやっぱり深刻なのは、地形的に古い城下町で大変水がたまりやすい状況になっているんですね。その町のど真ん中に川が曲がりくねって流れている。ですから、その方の対応策も必要だと思うんです。基本的に大聖寺川などの改修を促進するということは、先ほど質問があったようですから、私もそれは大いに促進してほしいということを申し述べて、さらに一歩進んで内水排除の問題として、ポンプアップその他の方法、それから熊坂川など、中を流れている川の改修の問題、その辺についてこれを激特として促進すると、こういう点はどうですか。
  183. 玉光弘明

    説明員玉光弘明君) 大聖寺川関係の改修でございますが、これの基本的な考え方としましては、現在大聖寺川の支川であります三谷川が加賀市内の真ん中に入っているわけでございまして、御指摘のとおりでございまして、これを市街地から切り離すべく、その上流で本川に放水路をつけて抜くという考えを持っております。  熊坂川につきましても、この処理につきまして市街地に入る前で放水路で抜くかどうかという案もございまして検討中でございます。  いずれにしましても、比較的大きな河川が加賀市内を流れるということを避けるようにしまして、その後小区域のごく市街地だけの内水問題が残るということになるわけでございまして、この内水問題につきましても同時に検討しつつございます。したがいまして、いまちょっとお話が出ました激特事業などにおきまして、その可能性について検討しているわけでございまして、現地調査は終わっておりますが、いま内部でいろいろ相談しているところでございます。
  184. 近藤忠孝

    近藤忠孝君 具体的に当てはめる問題として困難な問題があるとは思うんですけれども、そこを大いに弾力的に運用してひとつ積極的に進めてほしい、こう思います。  それから、お隣の福井市内でがけ崩れがあったり、それから河川のはんらんで大変広範囲、二千五百戸が浸水になったと、こういう状況です。  そこで、竹田川などの、これも改修問題と、それから山崩れ問題——きょうは来ていませんね。それらの対応策、それについてちょっとお答えいただきたいと思います。
  185. 谷口雅宥

    説明員谷口雅宥君) お話の福井県の竹田川のはんらんによりまして、県北の金津町を中心にいたしまして相当の被害が発生しております。建設省所管に係ります公共土木施設の被害額は、竹田川につきまして約七億円程度というふうに報告を受けております。それで、これらの被害の中で早急に復旧を必要とするものにつきましては、応急工事を逐次実施してございまして、なお現地の準備ができ次第に本格的な災害査定を実施して、早期の復旧に努力をいたしたいというふうに考えております。  なお、金津町の市街地がいろいろと水害をこうむったわけでございますが、竹田川とあわせて支川の宮谷川等につきましても、こういった復旧工事を行います段階でいろいろと調査して、この復旧に努力していきたいと思っております。
  186. 近藤忠孝

    近藤忠孝君 ここでも加賀市同様、積極的対応を要望いたします。  時間の関係で次に雪の問題に入りますが、雪の問題というのは、降っているときに一生懸命やって暑くなると忘れてしまうわけで、ひとつ思い起こすという意味で、しかも長官は雪が大変たくさん降って雪に閉じ込められた状況自身を災害と考えると、こういう積極的な答弁をしていただきまして、現地は大変喜んでおるわけですので、そういう点でいま夏のこの暑いときにもう一度雪の問題について考えてみたいと思います。  最初に、災害救助法がいち早く発動されるということが、これは何といっても現地に行きますと大切なことですね。そこの基準の問題です。法律の要件に合致するかどうかですが、これは各県知事の判断に任されているという状況ですが、たとえば新潟の場合ですと累年平均最大積雪の量が二メートル以上の市町村で、その一・三倍を超えた場合に適用するとか、それなりに基準を設けて早期発動を図っておるようですね。この問題について、雪国に住む人々としてはそういうことは大変結構だと、ただ、その基準をもっと実情に合ったようにしてほしいと。たとえば積雪量の違いによって倍率を変えたらどうかと。二メートル以下で一・三倍、二メートル以上二・五メートルで一・二倍とか、三メートル以上のところでは例年と同じ雪が降ったらばすぐ直ちに発動すると、そういうことを求める声が大変強いんです。これは基本的には知事の判断で、知事がそういうことでやれば国としてはそういうことを認めていくと、こう考えていいんでしょうか。
  187. 岡光序治

    説明員岡光序治君) 救助法における豪雪の際の適用の問題でございますが、御案内のとおり救助法の施行令の一条でもちまして、いろいろと適用基準を規定しておるわけでございます。その一号から三号までにつきましては、市町村なり都道府県の人口対比で被害を受けた住家の数を比較しまして、それを基準にして判断しているわけでございます。雪の場合には、その雪の重さとか何かでうちがつぶれてしまったということになれば、その数がどういう基準、その決められた基準被害を受けた住家の数が達したのかどうかというのがまず判断の一つでございますが、雪の場合はそういうことまで待っておるというわけにはまいりません。それで、そういう事態に至る前に、四号という規定がございまして、これは非常に弾力的な規定が設けてございます。「多数の者が生命又は身体に危害を受け、又は受けるおそれが生じたこと。」というのが法律の条文でございますが、これを雪の場合にどういうふうに適用するかということで、一応の判断基準としましては、一つは、平年に比しまして非常に短い期間に異常な降雪なり積雪があって、住家の倒壊またはその危険性が増大したこと、それから二つには、平年孤立化したことのないような部落で、交通途絶等によりまして孤立化をしている、あるいは三番目に、なだれの発生なりその発生が予想される場合で、人命及び住家に被害が発生する、あるいは発生するおそれがあると、こんなふうなことを一応の基準にしております。で、個々のケースにつきましては、都道府県知事がその状況状況を判断して、厚生大臣に協議をして具体的な発動をすると、こういう仕組みになっております。  で、いまおっしゃいましたような、それぞれの県においてそれじゃどういうふうな具体的な判断基準を持っておるかということでございますが、新潟県の場合には、特に県の条例がまずございまして、まあ言ってみれば救助法を発動する以前の段階はまずこの条例で救おうじゃないかと、条例はどういう場合に発動するのか、その条例でカバーするよりもなおひどい状況にあるというときには救助法を適用しようと、こんなふうな仕組みにお考えのようであります。私どもも、そういう過去のいろんな経験則なり周りのやはり状況とのバランスの問題があろうかと思いますので、そういうふうな考え方というのは妥当だろうと思っておりまして、そういう個々のケースあるいは県の置かれた状況に応じながら、ただいま申しましたような判断基準をベースに具体的な適用、御相談に応ずると、こういう仕組みにしております。
  188. 近藤忠孝

    近藤忠孝君 そうしますと、県条例の適用の一つ基準として、先ほど申し上げたような基準を、県独自の基準をさらに実情に合わせてもっと細かくやっていくということは国としては大いにこれは進めるべきことと、そう考えてよろしいんでしょうか。
  189. 岡光序治

    説明員岡光序治君) それはその県の御判断がまず優先いたしますが、事態に適応、即応してやるということになりますと、先生おっしゃる意味は十分成り立つと思います。
  190. 近藤忠孝

    近藤忠孝君 あと時間がわずかなので、この後は救助法の適用期間、これ十日間ですが、これは実情に合わせてどんどん延ばしてほしいということ、これは要望にしておきます。  それから救助対象世帯、生活困窮世帯ですが、単にこれは生活保護を受けているだけじゃなくて、もう少し広い範囲で実際は認められておるようですが、特に雪国の場合には出かせぎに行っています。自力で除排雪できないという場合に、いや、帰ってくりやできるんじゃないかと、こういう意見もありますが、そんなこと実際やっておれないわけです。だから、そういうような状況でも、出かせぎに行っておっても、客観的に雪にある中で自力で除排雪できないという場合には救助の対象にするとか、そういうぐあいに考えていいんでしょうか。
  191. 岡光序治

    説明員岡光序治君) まず、適用期間の問題ですが、お話がありましたように十日というのを基準にしておりますが、実情に応じまして、その基準によりがたいという特別の状況がある場合には延ばすような仕組みになっております。  それから、対象世帯でございますが、障害物の除去をする場合の対象世帯としましては、みずからの力なり、みずからの資力をもってしては障害物を除去できないと、こういうものを対象にしております。具体的な判断といたしましては、市町村民税の均等割の世帯以下の世帯を対象にしようじゃないかと、こんなふうな考えで、地域の実情に応じながら、その辺少し幅を持たせておりますが、対応しております。
  192. 近藤忠孝

    近藤忠孝君 最後に、なだれ地の集団移転、あの悲惨な被害があった守門村では実際の移転の計画が進んでおるようです。ただ問題は、国の補助の額の限度があり、それから住宅公庫からの貸し付けにもこれは限度があって、やっぱり個人の負担が大変大きいので、実際には農協あたりからの大変高い金利を借りなきゃいかぬという状況が大変強いようです。  そこで、あと質問時間一分ですから、これは答弁は要りません。こういう実情に合わせて、ひとつもう少しめんどうを見れるぎりぎりまでさらにめんどうを見てほしいと、そして安心して集団移転できるように、その点の促進をこれは要望をいたしまして、質問を終わります。
  193. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 警察庁おられますか。——最初に、昨年の八月十六日、静岡瓦斯の爆発事故がありましたんですが、それからすでにもう一年を経ようとしているわけです。私も二月二十三日の当委員会におきましてその原因究明の問題について御質問を申し上げたところでございます。それからすでにもう五カ月を経ているわけですが、私が質問を申し上げた時点では、この問題は大変複雑であって、鑑定をいま委嘱している項目も数十項目にも上っておって、なかなかその時点においてはいつ鑑定結果が出るかもはっきりわからない、こういう御答弁もいただいておるわけでありますが、あれからすでに一年を経過しようとしているこの段階においてどの程度の原因究明が進んでおるのか、中間的な状況でいいですから一応中間報告をお願い申したいと思います。
  194. 仁平圀雄

    説明員(仁平圀雄君) ただいま御質問の静岡駅前ガス爆発事故の捜査でございますが、昨年八月十六日に発生以来、静岡県警におきましては検証、鑑定、関係者に対する事情聴取等各般にわたる所要の捜査を推進してきたところでございまして、現在までの捜査状況について申し上げますと、まず関係者に対する事情聴取の関係でございますが、現場関係者四百二十三名、消防関係者二百七名、被害者二百二十五名、ガス関係者等二百三十六名、合計千九十一名からの事情聴取を行っておりまして、これは現段階において可能な事情聴取は一応終了しているということであります。しかし、各方面に嘱託いたしております鑑定結果を待ってさらに関係者に対する取り調べを行う方針であります。  次に、鑑定の関係では、科学警察研究所に対して第一次爆発と第二次爆発の発生場所等の現場鑑定及び着火源についての鑑定を嘱託しておりまして、いまだ正式な鑑定結果は出ておりませんけれども、おおむね鑑定は終了しておる状況であります。  また、社団法人建設機械研究所長三谷博士に対しましては、湧水槽で発生したガスの種類等の鑑定を、また静岡薬科大学福地教授に対しましては、湧水槽に可燃性ガスが発生した原因、ガスの滞留、拡散状況等についての鑑定をそれぞれ嘱託いたしておるわけでございますが、これらはいずれも本年十月ごろに鑑定が終了すると伺っておるところでございます。  さらに、以上のほかガス管の状況とか、第二次爆発の経路等につきましても鑑定が必要でございまして、この鑑定は科学警察研究所に嘱託いたしておりますが、この鑑定はただいま申し上げました三谷博士と福地教授の鑑定結果を資料として行われるものでございますので、これら一連の鑑定結果が出そろいますのはことし十一月ごろになる見通しでございます。  以上のような状況で、現在捜査は鑑定の結果待ちということでございますので、鑑定を嘱託しております先生方の協力を願って鑑定の促進を図り、できるだけ早く事故原因を究明し、刑事責任の有無を明らかにする所存でございます。
  195. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 そうすると、事情聴取千何名済み、それから鑑定結果も十一月ごろ出るということになると、実際に事故原因がはっきりするというのはいつごろになるんですか、そうなると。
  196. 仁平圀雄

    説明員(仁平圀雄君) ただいま申し上げましたように、鑑定が大体出そろいますのが十一月ごろでございますので、それからまた結果を踏まえまして関係者に対する取り調べ等最後の捜査の詰めを行わなきゃならないわけでございまして、これにどのくらいの期間を要するかは現段階でははっきり申し上げかねるわけでございますが、いずれにいたしましてもできるだけ早く結論を出したいと思って捜査を進めておるところでございます。
  197. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 補償の問題も絡んでおりますので慎重にやらなけりゃならぬことはわかっておりますが、早期に原因が究明できますよう一層の努力をお願いをしたいと思います。警察は結構でございます。  次に、静岡瓦斯の爆発に関連をいたしまして、この事故で亡くなられた民間人の災害補償問題につきまして、これも二月の災害対策特別委員会におきまして、現地消防の対応が遺族に対してかなり冷たいということを事例を挙げまして私質問をいたしたわけでありますが、その際に、消防庁本庁としても現地に十分そのことについて、本委員会の質疑ども伝えて対応についてどのようになっているか十分に指導をしていきたいと、こういう御答弁もなされているわけですが、その後どのように本庁としてこの問題について対応されたのか、それについて御説明をいただきます。
  198. 野沢達夫

    説明員(野沢達夫君) ただいま先生から御指摘ありましたように、二月二十三日に、このケースにかかわります消防庁の遺族に対する説明等が非常に親切を欠いているということでございまして、早速その経過を踏まえまして、この公務災害の認定権者であります静岡市の消防本部に対しまして、御遺族に対する事情説明を、制度の説明なり、あるいは審査結果の説明等を十分行うよう指導いたしました。  その後、経過といたしましては、三月になりましてまた町内会長から第二回目の陳情書が出ておったようでございます。これについて再度静岡市消防本部が関係者あるいは当日出動した消防隊員等に、このケースは消防協力の要請があったかどうかということが分かれ目になるんですが、この辺の事情聴取を行い、慎重に審査をいたしまして、やはりこういった協力要請行為がなかったという結論が出ましたので、慎重に審査しました結果、五月の中旬に再度御遺族の自宅に赴きまして、消防の方から御遺族の奥さんほか三名の方々に結論として認定が困難であるというような御説明を申し上げておるというふうに消防本部から聞いております。
  199. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 この問題はまだ遺族の方も納得はしておりません。そういうことで、いまさらに認定について努力をしておるところでございますけれども、これはこれで終わります。  次に時間がありませんので進みますけれども先ほど和泉委員からも桜島の問題につきまして質問がございました。私も今度また予算委員会の調査で桜島にもちょっと寄ってまいりましたが、あの土石流の被害というものは、それを防止する対策というのは大変だなということでそれを感じてきたわけですが、そこでお伺いしたいことが一つあるわけであります。  野尻川の国の直営の砂防工事の問題ですが、私も現場を見てきましたが、あそこの河口で実際に流れてきた土砂や石を取り除く作業やっておられるわけで、その土砂と石が山のごとく積まれているわけですね。それをどこへ一体持っていくのか、捨て場所が大変むずかしい、捨て場所がなかなか確保できないということが現場の所長からもお聞きをしたわけですが、所長の話によれば大体捨て場も確保できそうだと、こういうことも言っておったわけですが、しかし年に何回もちょっと雨が降ればまた流れてくるわけですが、無尽蔵にまさに土石流が出てくるわけなんで、問題はその捨て場をどうするかということが最大の課題ではないかと私は思って見てきたわけですが、この点についてどういうように捨て場が確保できつつあるのか、わかりましたらその点について御説明をいただきたいと思います。
  200. 釣谷義範

    説明員釣谷義範君) お答えいたします。  野尻川におきまして生産される土砂は年間約五十万立米程度になっております。これに対しまして、砂防工事で極力抑止するよう努力しているところでございますが、残念ながら現状で河道埋塞しておる土砂は年間平均しますと約二十万立米程度になっております。このために河川がはんらんいたしますので、河道掘削によりまして、先ほど先生おっしゃったように対処しておるところでございます。それを現在のところ土砂の捨て場所としまして野尻川の右岸に捨てておるわけでございます。将来、捨て場所の問題が御指摘ございましたが、これにつきましては、鹿児島県を初め地元の市や町の御協力もとに他の公共性のある事業と整合性を図りまして、有効利用できるように現在鋭意検討中でございまして、その一つの案としましては、いまの溶岩原のところを公園造成用として利用するような計画、そういう点につきまして地元の市町といろいろ協議をしておるところでございます。  以上でございます。
  201. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 そこの右岸に捨てている状況を見てきたんですよね。本当に山のごとくたまっているわけですよね。あれはいまのお話のように有効利用を図りたいといいましても、どういう方法で一体それを図れるのか、ちょっと決め手がないんじゃないかと、こういうように思うんですけれどもね。もう少し総合的にあれを再生活用するというんですか、そういう研究というんですかね、そういうものをなさるおつもりはあるのか。あるいは研究されておるとするならばどんなような方法であれを再生活用したいと考えておるのか、その点、もしありましたらお伺いします。
  202. 釣谷義範

    説明員釣谷義範君) いま先生おっしゃいますように、できればそれを有効に材料として活用できればいいわけでございますが、現在までの調査の結果では、護岸の割り石等にしては使っておりますが、軽量骨材等に利用したりしている状況ではございませんで、今後何とかそういう利用方法があるものかどうかも含めて検討していきたいと思っております。
  203. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 和泉さんも指摘されましたように、まさにこの場合無尽蔵に出てくるわけですからね。桜島そのものがまさに本当に荒廃していく状況になりますので、十分にいまお話しのように研究、検討を続けていただきたいと、こういう要望をしておきます。  次に、沖繩の水資源開発の問題についてお伺いをしたいと思います。沖繩は御承知のように河川が非常に少なくて、雨が降ればすぐもうそのまま海に流れていってしまうという状況であります。ことしの夏も、私二、三日前に行ってまいりましたんですが、一日置きの二十四時間断水がいま続いているわけですね、給水制限が。復帰後四十七年から今日まで九年間、給水制限のなかった年はないと、こういう状況であります。沖繩の復興、経済の発展のためにもこの水資源開発というものはきわめて重要な位置を持っていると思います。特に沖繩は第二次産業、製造業などの誘致ですね、これに真剣に取り組んでいきたいというように考えておるわけですけれども、しかし、水がないために新しい工場も進出をしてこない、こういう現状のようであります。それと同時に、沖繩は観光資源がありますから観光で立地していこうと、こういうことでさらに力を入れているようですけれども、水がなければなかなか人もやってこないというような現状ではないかと、こういうように思います。  さらに、沖繩ではIC産業も積極的に導入をしたいというように考えているようですけれども、御承知のようにIC産業は水をたくさん使わなきゃならぬし、きれいな空気はあるんですが、きれいな水を必要とすると、こういうことを考えますと、沖繩の経済復興のために、何としても特に本島の水資源開発というものが重要な位置を持つと、こう思うんですが、建設省のこれに対する対策の現状へそれから将来見通し、おわかりになりましたらお伺いをしたいと思います。
  204. 山田哲朗

    説明員(山田哲朗君) 先生ただいま御指摘のとおり、沖繩本島の水資源開発の問題、非常に重要な課題でございます。私どもといたしましては、これに対処いたしまして特定多目的ダム等の整備を促進しなければいけないということで、かねてから沖繩本島北部で、通称五ダムと称しておりますが、五つのダムの開発を進めております。このうち二つはすでに完成しておりますが、なお残りの二つが来年度には完成の予定でございます。なお、すでに完成しております一つにつきましても、現在かさ上げ工事を実施中でございまして、これも来年度には完成の予定でございます。  その他、これに続くダム等につきましても、新規着工あるいは調査等をやっておりまして、私どもとしましては、その他の施策も含めまして沖繩本島の水の安定供給の確保ということに向かいましてさらに努力を重ねていきたいと考えておるところでございます。
  205. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 それらの対策が続けられるとしまして、沖繩に給水制限がなくなるような日が来るのは大体いつころと考えられますか、見通しをお伺いしたいです。
  206. 山田哲朗

    説明員(山田哲朗君) 先ほど申し上げましたように、来年度になりますと新しいダムの完成もございますが、これによって直ちに給水制限が全く予想されないようになるかということをなかなかここで申し上げるのはむずかしいわけでございますが、私どもといたしましては、とにかく一日も早く給水制限というようなことをしなくてもいいように努力してまいりたい、かように考えております。
  207. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 あれ宮古ですか、地下ダムができているんですけれども、あれはもっぱら農業用の地下ダムとしてかなり有効的な活用がされておるようですが、沖繩本島ではあのような地下ダムというものが建設できる可能性というものはあるんでしょうか。
  208. 塩澤更生

    説明員(塩澤更生君) 沖繩本島の南部地区におきまして、宮古島と同じように農業用水の確保のための地下ダムの……
  209. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 農業だけじゃなくて。
  210. 塩澤更生

    説明員(塩澤更生君) はい、建設が可能であるかどうかというようなことを数年来調査してきておるわけでございます。その結果ある程度の見通しが得られましたので、来年度からはさらに一段階進んだ調査をいたしまして、その現実的な可能性だとか経済的な妥当性、そういったものについても調査をしたいということで目下検討中でございます。
  211. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 沖繩のあの南部の那覇あたりの大きな旅館などは全部自家用で地下水を吸い上げて給水制限に一切関係なく営業をしているようですから、私は可能性があると考えておるわけですが、いまのお話のように、積極的にその開発について検討をしていただきたい、御要望を申し上げておきます。  それから、最後になりますが、先ほどお話が和泉委員の方からありましたが、私は一点だけお伺いして質問を終わりたいと思うんですが、例の特土法の問題でございまして、これが実際来年期限が来るわけですが、期限が切れたらこれは大変なことになることはもうお話のとおりであります。そしてさらに例のかさ上げ法が適用にならないとすれば、あるいは引き下げになるとすれば、かなり地方自治体に及ぼす影響が大きいと思うんですが、そういうことで特殊土壌地域にかかわる十三県からこれ陳情が出ておるわけですが、この五カ年延長という要望について国土庁としてはどのようにお考えになっておられますか、見解をお伺いをいたしまして質問を終わります。
  212. 桑島潔

    説明員(桑島潔君) お答えいたします。  特土法につきましては、先ほど地方振興局長から御説明申し上げましたように、十分私どもその実績を評価しておりますし、また今後の進め方につきましては大臣から再度にわたりまして申し上げたとおりでございます。ただ、今後関係省庁等の間での十分な検討、協議を行いまして、その中で具体的にどういう形でこの問題を処理するか十分検討してまいりたいと思います。
  213. 村沢牧

    委員長村沢牧君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後二時四十七分散会      —————・—————