○
宮之原貞光君 私は、この問題で時間をかけて多く議論しようと思っていませんが、意見だけをきちっと申し上げておきたいと思うんですよ。
地方区を
選挙区と呼び、全国区を比例代表区と、こう呼ぶんですね。こういうおたくの案は、二つの構造の異なる
選挙を一つの
選挙で、一票で片づけようとするところにどだい私は無理があると思うんですよ。あなたは、憲法上は絶対疑義は残らないとおっしゃいますけれ
ども、これはどう見ても憲法上の疑義がつきまとうんですよ。これはいまマスコミのいろんな論調見たって、やっぱり指摘しておるじゃありませんか。特に四十三条の問題、憲法の。もう一つは、法のもとに平等だという十四条問題ですね。ただ、後藤田さんの
衆議院におけるところの
答弁を拝見してみますと、いわゆる憲法第四十二条にかかわるところの問題については、それは憲法制定時に間接
選挙もあり得ると言っておるんだからこれは違反でないと、こういうふうに言っておりますが、それはやっぱり疑義が残るんですよ。特に法のもとに平等という十四条から見ますと、どう
説明されてもこれは理解できないんですよ。たとえば、いろいろマスコミに宣伝をされておりますところの各
政党と地方区あるいは全国区、比例代表区との組み合わせを見てみますと、いわゆる
選挙区というんですか、地方区ですね、これで
政党、個人名のものは比例代表にはだれも書かないでもあるいは異党名、異なった党の
名前を書いてもよろしいと、これは有効だと、こう言っている。あるいは
選挙区で無所属、個人のものもよろしい。けれ
ども、全国区のところには書かなくてもこれは有効だと、こう言っておる。しかし逆に今度は
選挙区で無所属、個人名を書いて比例代表のところに
政党名を書けば、これは
皆さんが無効だと言うんでしょう。あるいは
選挙区のところ、いわゆるいまの地方区のところで棄権をしておいて、全国区のところ、比例代表区のところにだれかを書けば、これは無効だと、こう言うんですよ。あるいはまた、この仕組みでいきますと、全国区を棄権することできなくなっちゃうんですよ。地方区に書かなきゃならぬ、全国区はそのまま何も書かなければ地方区のものとみなされるわけなんだから。こういうような仕組みで一体法のもとに平等と言えるのかどうか、
有権者は棄権するところの権利もあるわけなんですから。けれ
ども、全国区棄権するとこの権利はないというようなかっこうになるとすれば、一体憲法十四条どうなるか。こういう疑問は、おたくの案を
新聞やいろんなもので読ましてもらっても、依然として残るんですよ。ましてや、今度は
選挙の具体的な
投票、いろんなことで非常な煩瑣が出てくる。それだけに何を無理して一票制というものを何が何でも党の方針として決められるのか、そこをぼくらとしてはどうも理解できないんですよ。むしろたとえば、毎日とか日経
あたりが指摘をしておりますように、いわゆる素直な気持ちの全国区、地方区にそれぞれ
投票権を行使するところの二票制の問題で、これらの問題をやろうと言うんなら、それなりに素直に理解できるんですよ。それだから、私
ども社会党としても、この全国区問題には非常に問題点があると思いながら、
皆さん方のこの一票制というものについてどう
説明しようとも、憲法上の疑義が残るということが否定できないんです。むしろ、より改善をするという
方向の、言われておるところの二票制という問題を前提と踏まえるならば、幾らでも前向きに、それぞれ
政党間寄って議論するところの用意は私
どもありますよ。しかし、これでもってやれと言ったって、これは無理なんですよ。
しかも、後藤田さんは、これは社会党に有利だって、とんでもないですよ。なるほど地方区のこと、いわゆる
選挙区のことを
考えないで比例代表だけやれば、算術計算で言えばいわゆる社会党がいままでの実績から見ると、地方区で一千三百万票もとっておるから、全国区の場合上がるんだという、けれ
ども、そういう仕組みにならぬですよ。いわゆるこのような、さっき言ったようないろんな制限をつけると、どの党も地方区を出さなきやならなくなっちゃうんです。そうすると与党の方がこれは絶対有利になるんですよ、だれが
考えても。言うならば、これはていのいい
衆議院におけるところの小
選挙区制と同じなんです、と言われておるゆえんはここにあるんですよ。それをあなたの党に有利なんですねと、こう言われたって、だれだってそれを納得する人はおらぬですよ。そこに党利党略だと言われておるところのゆえんがある。一体それを
承知の上でどうして出されるんだろうか、どうもその真意がわからない。あるいは勘ぐってみれば、ははあ、なるほど、いま指摘されておるところの地方区の定数是正という問題と絡んで、これを込みにして出して一緒につぶして、われわれは出すつもりだったんだけれ
ども、もうつぶれたんだというようなかっこうだけ自民党さんとろうとしておるんじゃないだろうかということさえ勘ぐりたくなるんですよ。だから、その点を私は意見だけ申し上げておきますけれ
ども、もう一回やっぱり議論しておいてもらいたいと思うんです。
それで、私の割り当ての時間も少なくなっておりまして、大臣出ておられるんで、最後にもう一つ聞きたいことがある。これは大臣に聞かなきゃならぬ問題。これは政治資金規正法の問題です、
改正問題。この附則八条は少なくともやはり五年後に見直す、しかもその
方向は明確に「政治資金の個人による拠出を一層強化するための方途」という条項が入っておる。これはあなたの前任者の石破大臣ともいろいろ議論をしました、ここで、いろいろ経過はありましたけれ
ども、最終的にはやはりこれを尊重しながら出すんだという話をされたんです。大臣に聞きたいのは、
所管庁としてもう五年来ている。一体この問題についてどの程度作業は進んでおるのか、どういう
方向でやられておられるのか、そこのところを大臣からお聞きしたいんです。