○多田省吾君 最後に
参議院の
選挙制度また地方区の
定数是正の問題をまとめてお伺いします、
私は、
衆議院の
選挙制度も、小
選挙区制は、日本の
国民の
要望によって七党、八党という多党化現象を生じているわけでございますから、その中で小
選挙区制をやるということは
現状にそぐわない、このように思います。また
参議院制度は、自民党は
選挙制度調査会におきまして昨日いわゆる
参議院拘束
名簿式比例代表制・一票制というものを御確認になったようでございますが、私どもは一票制も二票制も、拘束
名簿式比例代表制は反対でございまして、やはり
参議院の
政党化を助長し、
参議院の本来の機能に逆行するとか、有権者の意思にかかわらず
政党が拘束
名簿をつくるのは非民主的であるとか、ドント式の議席配分は第一党にのみ極端に有利となるとか、全国区の特徴であった無所属候補の
当選が困難となる、あるいは拘束
名簿の順位づけは至難であって、現職が優先されて新人の進出が困難になるとか、また
政党によってはかえって金がかかる
選挙制度である、あるいは
参議院に拘束
名簿式比例代表制を導入して
衆議院に小
選挙区制導入の道を開くおそれもあるというような
理由で私たちは反対しております。特に一票制というのは非常に問題でございまして、憲法四十三条の「
選挙された
議員」という条項にも疑義がございますし、憲法十四条の「
国民は法の下に平等」という点から見てもやはり問題がある。憲法十五条の「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、
国民固有の権利である。」、「公務員の
選挙については、成年者による普通
選挙を保障する。」と、このような憲法の各条から見ても非常に疑義があると思いますし、私はやっぱりこういうものはやるべきじゃないと、このように思うわけです、
また、
選挙事務も非常にこれはややこしくなりますね。お考えになっているとは思いますけれども、たとえばもう全国区に出られないのだからというので、特例のいわゆる三人
名簿ですね。あれで東京あたりに、たとえば二十名、三十名と立つようなことがありますと、たとえば二十名立ちますと、いわゆる上に
現行法の
名簿を書くわけでしょう。下に
政党の名前を書くわけでしょう。また書かなくてもいいわけでしょう。そうなりますと、やはり両方に書く種類というものは、二十名立ちますと、順列、組み合わせで計算しますと大体四百四十種類ぐらいの
投票になるわけですね。これを一々仕分けなくてはいけない。三十名立ちますと九百六十種類ぐらいの
投票が出てくるわけです。上がやはり個人
候補者、下が
政党ですから、その組み合わせがいろいろあります。三名の特例を認めておりますから、みんなそれにかかわっている
候補者とすれば、計算すればそうなるわけです。そうして一枚の紙の中でも、上が無効だから下も
政党名ははっきり書いてあるけれども無効になったとか、下が無効でも上は生きだとか、両方とも無効であったとか、もう四種類ずつそれにまた種類が出てくるわけですから、九百何十種類にまた四種類かぶせれば四千何十種類なんて、こういう姿になる。それで今度は上が書いてなくて下だけ書いたら無効だというのですよ。そういうややこしいものを有権者の皆様に納得させるだけでもこれは何年もかかってしまう。そしてまた、下の方だけ棄権したいと思っても棄権できないとか、いろいろこれは問題があります。ですからこういうものはやはり私は出すべきではない、このように思いますね。
それからもう
一つは、地方区の
定数是正です。聞くところによりますと、先ほども
片山委員の御
質問に後藤田先生が答えられた中に、逆転現象だけを解消すればいいのだというような御
答弁だった。ある新聞に出たのを自民党の方がこの前
説明に来られたので聞いてみたら、大体そういう案を検討中だということでございますが、どうも北海道と兵庫と福岡を二名ずつ減らして、それで神奈川と岐阜と宮城県を二人ずつふやす。そうすれば逆転現象だけは解消できるというふうなことらしいのですが、兵庫県なんというのは御存じのとおり平均人口以上に人口の多いところですよ。そういうところの
議員をなぜ減らさなければならないのか。やっぱり昭和二十一年に地方区の
定数を考えられたときも、いわゆる配当基数方式というものによりまして、まあ各県に二名ずつ最低割り振るということはありましたけれども、大体人口比例ですよ。その人口比例なんというのは
一つの要素であって、大した大きな要素じゃないというような御
答弁に終始されているようですが、これは私は異論があります。やはりやるのだったならば、野党案のように十八名増案とか、あるいはプラス・マイナス・ゼロでやろうとするならば二院クラブが出したような二百万までは二名ずつで、それ以上はやっぱり人口比例によるとか、そういうはっきりした方式で人口比方式で行うべきであって、便宜的に逆転現象だけ変えればいいのだと。また今度は愛知県よりも埼玉県の人口が多くなったら愛知県を二名減らそうなんというそんな乱暴な非合理的なやり方を私はなすべきじゃない、このように思いますが、どうでございますか。