○坂倉藤吾君 そうしますと、約束をされて自信を持って出された、こういうふうに受けとめますが、としますと、いま
本岡委員が論議をしておりましたたとえば高校の安全
教育の問題、これを一つ取り上げてみましても、いま
文部省おられますけれ
ども、たとえば高校の問題が現実になぜ具体的に問題になるのだろうかというふうに考えていきますと、高校というのは、中学から就職される方がおりますね、高校へ進学しない人もおるわけです。これが一つあります。それから、高校を卒業しますと直ちに就職の方が相当数あるわけです。どういうことかというと、現に高校で免許取得等を一切禁止をしている。禁止をしているがために、就職して直ちに外へ出て、これは二輪車も四つ輪も含めまして、当然仕事自体がそういう車に乗らなければできない仕事がある。たとえば郵政省がそうです、外務員試験とかね。こういう関連の仕事は、
民間あるいは官を含めましてたくさんあるのです。したがってそこでは、むしろたとえば郵政省の場合等は郵政に採用されるまでに免許を取得しておれば非常にこれはいいわけです。ところが、高校を卒業するまで
学校が禁止をしているから、本人は免許を取りたい、親もそういう訓練をさせたい、受け入れる方につきましても、なるべくなら免許を取得をしてから入ってもらいたい、こういうことがありながら現にそれができないという問題も
発生をしておる、これはまさに大変なことなんです。
そうなりますと、高校の今日のあり方としまして、いわゆる私立があり公立があるわけです。で、私立は私立て、うちの方では私立の間は一切免許取得は認めていませんよという校風なら、そのことを承知をして選択をするでしょう。その前にいろいろな基本的な問題はありますが、仮にそういう選択が前提になっているとして、うちの
学校は禁止をしていますよと、これは結構ですよ。ところが公立の場合は、少なくとも
政府、地方自治体が関与して公立高校がある。その公立高校でこれを禁止しているという問題になれば、これは大変なことですね。そうでしょう。
学校の校長の判断だとか、そんなことじゃないはずです。したがって、公立高校でという話になりますと、たとえば免許取得者は、それを自粛をするかどうかというのはそれは自治会で決めたりいろいろするでしょう、しかし前提としては通学に自分の免許を持っておるもので乗り入れてくるというのはこれまたあたりまえの話です。そうすれば、いまの
学校の中で、ではそういう通学用のいわゆる車庫等については一体どういうふうにするのだと次に発展しますね。こうした問題まで掘り下げられてこの
基本計画というのはたとえば各省庁が了知をしているのだろうかどうなのか。私は、そこまで掘り下げた論議になっていないだろうと思う。
さらには、
先ほど建設省と
道路公団の
中央分離帯の問題で論議がありました。
中央分離帯の問題等にいたしましても、では
中央分離帯のあるところでの正面衝突というのは一体どれぐらいになっておるだろうか、ないところでの正面衝突の
事故数というのはどうなっているのか。そのことから見て、
中央分離帯についての評価というのはまるきり変わってくるはずですね。
道路公団あるいは
建設省自体が、
道路建設につきましてこれからの安全の問題を一体どうするのだ、責任を持つというのなら、そこまで判断をしながらそれぞれの立場できちっと理解をしてこれを取り上げなければおかしいのじゃないでしょうか。
私は、この
基本計画の直前に、この
委員会の中で、これがいつできるのですかという質問をしながら、具体的にやってもらいたいという要望も申し上げたわけです。ところが、この
基本計画の中では、具体的なところもなるほどございます、あるけれ
どもほとんどはこれ抽象論です。しかもその裏づけはどうなっているかというと、いまの質問でもわかりますように、
関係の省庁は本当に真剣に取り組んだのだろうか。これは今日の行政の欠陥なんです。たとえば
建設省は、
道路をつくろうという発想の中で
交通安全も考える。主体が
交通安全じゃなくて、
道路建設に主体がある。これはあたりまえの話です、
建設省は。そうでしょう。たとえば運輸省の場合には、いかに必要な人と物を早く目的地に運ぶか、こういうことが主体でありまして、その立場から、それを安全にどういうふうにするかというのは二次的に出てくる。これはいまの仕組みの上からいきましたらあたりまえの話なんです。それをさらに、たとえば
対策室の場合には
交通安全を
中心に置いて、あなたのところはどうなんですかというその繰り返しがきっちり組まれなければ、私はせっかくのこの
基本計画というのはだめになるのじゃないか、こういう感じがするのです。
たとえば二十四ページで、これはことしの特徴なんですが、
基本計画の中で特に力を入れられたというのが、
子供、
老人、それから国際障害者年でありまして
身体障害者の
関係、これは大変私は結構だと思うのです。そこに一つ
中心を置いて書かれてある。それから
自転車の問題がある、それからトンネル
事故の
発生防止、これが一つ、それから
都市交通の緩和の問題、いわゆるバイパス問題ですね。たとえばこのバイパス問題にしても、そこまで取り上げて、じゃ五年町に
建設省としてはどれだけやれるのかという裏づけがありますか。なるほど
予算は
先ほど説明されたようにありますけれ
ども、ではどこに、どこの
都市にどれだけのバイパス
建設計画があるのでしょうか。これはこれから立てられるんでしょう、
予算に従って。本当は、
計画があってその必要な
予算をこれからとっていこうというのなら別ですよ。そういう想定を抜きにして総
予算が決まる、これじゃおかしいんじゃないでしょうか。
さらに、
先ほど言いましたように、この二十四ページに、たとえばお年寄りの方々については
家庭訪問による個別
指導を強化していくのだ、こう言われている。お年寄りの該当の家へ戸別訪問をしてそうして
交通安全の
指導をしていきますよ、こうなっているのです。一体これはだれがやるのですか。
厚生省が責任を持つのでしょうか、あるいは地方自治体がそのことについてきっちりそういう
指導をする人を配置するのでしょうか。それでなくてもいまは第二臨調で、どれだけ人を節約するのか、こういう立場になっておりまして、この
基本計画というのをながめていったときに、まるきりこれは絵にかいたもちじゃないのでしょうか。
そうすると
総理府は、
室長としまして、このことをりっぱに提起をする限り、じゃ今日の
状況というのはゼロなのか、いままではやってきたのか、やってきたとしたら何人の人がどういう形でやっているのか、ここへ書く限りはそれをどういうふうに変えようとするのかということの裏づけがなかったら、こんなことはここまで書けないはずなんですよ。私はこれ、
老人の家へ回りまして個別
指導するだけの態勢というのは、市町村を取り上げてみましても、何かの片手間に一言ぐらい触れてきてくださいよという程度ならできるかしれない。しかし、本当に基本的に
交通安全の知識を普及するだけの人が配置できますか。私はちょっとおかしいのじゃないかという気がするんです。この辺はまあこれでき上がって閣議了解もしていることですからそれ以上申し上げませんけれ
ども、少なくとも五カ年なら五カ年で、
基本計画という限りは
施策の基本方針と違うのですから、この
計画ではたとえば一年次はここまでやりましょう、二年次はここまでやりましょう、三年次はこうです、四年次、五年次というのはこうやります、五年たったらこういうふうになりましょうというような
基本計画になってこなければおかしいのじゃないでしょうか。私はそこに、物事の組み立て方の問題としまして、いまも論議を聞いておりましてきわめて疑問を感じざるを得ない。この辺について、次への展開に向かってぜひひとつこれは長官も
室長も決意を聞いておきたい、こう思います。