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小山一平君
大臣、誤解しちゃ困ります。私は全面的に
流域下水道を否定しているわけじゃありません。地方自治体がみずからの力で
公共下水道をやろうと考え、それがやることのできる諸
条件を備えていたならば、それは自治体に任せればいいじゃないか、できるところまで、そんなこと言わないで
流域下水道へ仲間になれなんて何も親切ごかしに言うことまで
建設省ば暇なわけでもないと思います。ですから私の言うのは、自治体がみずからの力でできる
条件を持ったものはこれを優先してそれに任せて、それが困難なようないろいろな
条件を持った
地域においてはそれを補完的に大きな規模で、大きな力で
処理をするという、こういう原則を尊重すべきだということを申し上げているわけです。そして、これからは私は、
流域下水道というものはうんと多様性に富んだものでなきゃならぬと思います。何でも日本じゅうの、これにも書いてあるように、農山漁村の中心集落な
どもみんな
流域下水道などというこういう大きな網にかぶすんでなくて、そういう
地域はそういう
地域でもって小型のそれに見合った
処理方法というものを開発をしていくべきだ、その方が
地域のためにもいいし、
事業もやりやすいし、
経済性にも富むのではないかということを申し上げておきたいと思うんです。
いま、私のようなところでもどこでも屎尿
処理場を持ってます。だから採尿
処理場と
公共下水道と二つ持ってます。採尿
処理場の汚泥は、これを圧縮し、ときにはこれを乾燥をすれば、近隣の農村、特に高原野菜などの貴重な肥料としてこれがみんなとりにきて持っていく、ただでございますからね。ところが
公共下水道になりますと、いろいろな
規制をしていると、できるとおっしゃるけれ
ども、必ずこの中にはさまざまな重金属がある。したがってこれは肥料にはならない。そこで、さあこの汚泥をどこへどう
処理するかというのが頭の痛い問題になるわけです。フェニックス法案などというのも、こういうような問題の解決の一助にしようということであろうかと思いますが、そういうことですから、ひとつ今後のわが国の
下水道計画を広く徹底的に推進をするということにおいては、まず、みずからのものはみずからで
処理をするという自治固有の原点というものを尊重すべきである、それが今後の
事業をうまく推進する大前提になるであろう、こういうことを申し上げておきます。このことはこの程度にして、また機会があったら別の場で談論をさしていただきたいと思います。
そこで、いまの私のような持論を進めていくには、
下水道財政の
改善ということが必要になってまいります。自治体にとって
下水道財政というのは大変重荷になっているんです。大変これは厳しい
状況にございます。そういうことでございますから、
建設省の第三次
下水道財政研究
委員会においては第三次の提言では、使用料によって賄うべき経費の範囲は、
一般排水については、当該汚水にかかわる維持管理費とすることが適当であるという提言をしています。ところがこういうやり方でいくと地方財政がもたない。そこで五十四年第四次
計画に当たっては、この研究
委員会は、
一般排水についても汚水にかかわる維持管理費のほか資本費についてもその対象とすることが妥当である、五年の間に百八十度の大転換をいたしました。自治省も地方財政を担当する省として、地方財政がこのままいったら
下水道でもってパンクするおそれがあるというんで、赤字にならないように使用料から資本費まで取れという指導に乗り出したわけです。こういうことが、東京都で今度八〇%の大幅値上げをいたしましたし、料金アップラッシュの現象を呈する
要因となってきたわけであります。
そこで私は、この使用料というものは引き上げにも限度があります。どの辺までが妥当かという
検討もこれから
皆さんにしていただきたいと思いますが、経営形態が多様ですからアンバランスになるのはやむを得ないにしても、余り極度な負担を求めるというわけにはいかない限度がある。そうしたときに、地方財政が
下水道財政によって大変な危機に陥るということがあってはならない。そのためには私は、
下水道財政を健全化するための必要な助成措置というものをお願いをしなければならないと思うんです。
まず、
下水道には補助対象率というのがある。この引き上げを
皆さんが求めたけれ
どもとうとうこれは認められませんでした。だから、
建設省も恐らくこうしたいま申し上げたような事態に対応して、そして
下水道財政を
改善をしようという考えからこういう引き上げの
要求をされたものと思います。ところがこれがうまくいかなかった。ぜひこれは今後引き続き引き上げの実現を図ってほしいというふうに思いますし、それからその他の補助率についても現状の
改善が私は必要だと思います。いまの
下水道財政を圧迫する最大の原因はこの補助対象率にあるんです。ですからこのことをひとつ
皆さんよく
検討されて、そして
下水道財政
改善のための引き上げ措置を講ずるために格段の御
努力をお願いをしたいと思います。どうぞ
お答えください。