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上田耕一郎君 これはコストはゼロなんです、ただだったんです。これはいま
住民が
信濃川河川敷問題で訴訟しているんですね、
信濃川河川敷返還訴訟を。この返還訴訟の第二十二回公判で、ことしの一月二十六日、新潟地裁の長岡支部の法廷で、当時の
日本電建の代表取締役入内島金一氏がこの鳥屋野潟問題についてこう述べているんです。あの
土地はゼロ価格なんです、頼まれたから引き取った、これは法廷での証言です。鳥屋野潟は価格はゼロだと彼は述べているんです。
日本電建がこれは自分で買ったんですからね。それでただだと言った。
なぜただになるかというと、私はこれは
質問でずっと明らかにしたんですが、私も当時現地に行って調べたんですが、ちょっと先ほど言いました房総観光KKというのの社長が鈴木一弘という人で、この人が蓮潟と鳥屋野潟と、
二つの潟を三億円から四億円かけて買ったんですよ、約五、六年かけて全部農民から沼の底の
土地を買い集めたんです。ところがこの人はその過程で問題が起きて裁判になっちゃって、告訴されて税金が払えなくなった。それで税金が払えなくなって
田中角榮のところへ何とかしてくれと頼み込んだんです。
昭和三十六年
日本電建が二億円でこの
二つの蓮潟と鳥屋野潟を買っちゃったんです。泣きの涙でだから半値で、弱みにつけ込んで半値で買っちゃったんですね。ところがこの蓮潟、小さい方の潟ですが、これを
日本電建はすぐ新潟市と新潟県に二億一千三百万円で売ったんです。つまり買い値は約一億八千万円なんだが、そのうちの
二つの潟を買って一方の小さい方でも二億一千三百万円で売れちゃったので、ちょっとそれでももうけた。残りの鳥屋野潟はもうおつりがきちゃった。ただになったんです。そういう
経過がある。これはもう全部事実は明らかになった。だから入内島金一氏は、あの価格はゼロ価格だということを法廷でも平然と証言するという事態が生まれているんですね。
この問題は国会でも問題になりました。松本善明議員が予算委員会で、当時
田中角榮さんが首相だった。このときに、
田中金脈問題を追及して鳥屋野潟の問題にも触れたんです。そうしたら
田中首相は、必要があれば
政府に何でも寄付しますと、その松本善明議員が聞いたときに三遍言ったんです。鳥屋野潟は寄付すると、三遍、
一つの
質問で、私はあれを寄付していいんだということを三遍言ったんです。その次に、私は参議院の決算委員会で、大体寄付すると当時の首相が言っているのだから、当時大平さんが大蔵大臣だった。大蔵大臣は国有財産を管理するので、寄付してもらったらどうだと、そうしたら大平大蔵大臣は、やっぱり
田中さんと仲がいいので、
田中さん自身の意思だということを言ってがんばるわけです。ちっとももらいたくないんですね。だから私は決算委員会で、この場所で
田中首相に大平さん電話かけてくれと、ちょっと審議ストップしてもいい、五分休憩にして電話をかけてくれと言ってがんばった記憶があるんです。とうとう電話はかけませんでしたけれ
ども、とにかく国会で当時の首相が、予算委員会で問題になって、寄付してもいいということを三遍述べて議事録にもちゃんと残っているのがこの鳥屋野潟の問題なんです。それでしかもほとんどただで手に入っているというものなんですね。
その点について私は、ひとつ
建設大臣にお聞きしたいんだが、私が参議院決算委員会でこの問題を
質問して、当時
建設大臣は小沢さんだったんですね。小沢辰男
建設大臣は私の
質問に対してこう答えている。これは
田中首相の
答弁について私が言ったときですね。「四十七年の予算委員会における
答弁」が、「
先生の御
指摘のような食言であるかどうか、」
——私は食言だと言ったのですが、「これを私
どもは必要があればいつでも寄付をするという印象を与えておられます。ただ、その場合の
必要性というのが現在のところ、私
どもからしますと、公園
計画の具体的な何といいますか、
計画の
内容いかんによって出てくるようにも思いますので、県の公園
計画の具体案をよく聞きまして、その上で、私は十分検討していきたいと考えております。」、これが
昭和四十九年十一月十五日の参議院決算委員会での小沢
建設大臣の
答弁。だから衆議院の予算委員会で
田中首相が、必要があればいつでも
政府に寄付すると言った、それを決算委員会で私が取り上げたら当時の
建設大臣が必要があればなんだから、その必要というのは県の公園
計画の
内容いかんによって出てくる、その
土地が必要かどうかは。それでその具体案をよく聞きまして、その上で私は十分検討していくと、これが
建設大臣の
答弁なんです。
さて、新潟県はこの鳥屋野潟整備
計画推進協議会でずっとこれをいろんな問題があるので長い間検討していて、いよいよ最終結論が出て公園にしようということになったわけでしょう。さあそれで
田中ファミリーにその後ぐるぐる
土地が回って動いちゃったのだが、こういう公園
計画を市はやろうとしているわけです。その中で最も膨大な
土地を持っているのがこの浦浜開発なんです。これが湖底の地図ですが、地権者はいっぱいありますけれ
ども、そこに三十億円近い金が、暴利がころがり込もうという
経過になりかけている。私は大臣に、これまでの
経過から言っても当然この公園
計画が具体化したときなので県としては必要だと、必要があれば寄付するということだったので、ひとつ
田中角榮氏に、どうもますますお元気になられたようで、
田中復権問題ということもいよいよ言われてき始めているときで、このまま放置していくと大問題だと思うんです。小沢
建設大臣が私に約束されたように、必要が出てきたのでこの
土地を寄付させるということも含めてぜひ
処置すべきだと思いますが、大臣の考えをお聞きしたいと思います。