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説明員(
土屋佳照君) ただいまお示しのございましたように、宝くじは二十九年以来
地方くしという形で毎年その発行額も伸ばしてきております。五十四年度では収益が六百十五億ぐらいになっておるわけで、まあ一県平均して十何億という程度のものではございますけれ
ども、だんだん伸ばしてきております。その過程では、いまいろいろ御
指摘がございましたけれ
ども、やはり皆さんに愛されるくじということで、できるだけ売りさばきもうまくいくし、かつまた売れ残りが出ないような
方法と、それから
地方団体の納付金等がかなり上がるようにというようなことで、いろいろ中で
検討もしてまいっておりますし、またときには一般アンケートというようなこともいたしまして、できるだけその
合理化ということは図ってきておるつもりでございます。今後ともいろんなその発売
方法等については御
指摘の点もございます、いろいろ
検討したいと思っております。
それから、特に仰せになりました発売主体の問題でございますが、この点については当せん金附証票法の六条によりまして、発売団体の意向によって受託銀行を決定することができることとされております。第一勧業銀行以外の銀行に委託することも法的にはもちろん可能でございます。ただ宝くじの歴史的な経緯、勧銀時代に
政府くじをずっとやっておったというようなこと等もございます。それから技術的知識を有しており、体制も整っておるという実態から見まして、事実上第一勧銀が一元的に
事務を受託しておるわけでございます。信用金庫については銀行法上の銀行に該当しないので現行法上は宝くじの
事務を受託することはできませんけれ
ども、宝くじの売りさばきは第一勧銀からの委託によりまして、信用金庫なり、
地方銀行等の金融機関でも行われておるわけでございまして、窓口としても千三百五十ぐらいそういう売りさばきの窓口が金融機関に対しても設けられておるわけでございます。そういったことで、全般的に
合理化を図りながら、私
どもとしてはやっておるつもりでございます。
それから宝くじの収益金の使途の問題でございますが、これはお示しのございましたように、当せん金附証票法の四条の規定によりまして、公共事業の財源に充てるということにされております。現在、道路なり、河川なり公園、公営住宅、学校等々広く一般住民の福祉向上に役立つようなものに使われております。どうしても道路にかなり多くなっておることも事実でございます。もとより宝くじの収益金は国庫支出金あるいは
地方債などの建設投資のための財源と比較をいたしますれば、あくまでもこれは補完的な地位にとどまるものでございます。額としてもそう大きいものではございません。しかし、社会資本の充足度合いもまた十分とは言えない
状況のもとで、御
承知のように今日の厳しい
地方財政の
状況を考慮すれば、なおそれなりに貴重な収入となっておるわけでございます。
御
提案として、僻地対策とか、離島対策とかいったような、そういった特定した目的に使うということも確かに一つの
考えでございますし、現在一つだけでございますが、僻地医療振興自治宝くしというのを発行しておる例もあるわけでございます。ただ、その離島なり、あるいは僻地対策につきましては、
国庫補助金のかさ上げ等の
財政上の
措置も講じられておりまして、実態に応じて手厚い対策がとられておるわけでございます。またその内容は、道路、港湾等の公共事業が主体となっておるという面もあるわけでございます。
そういうこともございますので、当面はこういった離島対策等も含めて、
地方公共団体が地域の実情に応じて、その使途を自主的に選択できる
現行制度が適当であります。十分効果を上げておるものと
考えております。
ただ、おっしゃいますように、いろいろと社会経済情勢というのは変わっていくわけでございますし、いろいろな面ですべてのものについて、工夫をこらしていくべき必要があろうと存じます。いろいろ御
指摘もございましたが、宝くじのあり方については、今後とも十分私
ども実態に促した研究はしてまいりたいと存じます。