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松前達郎君 まあ大体海洋投棄しかないということになるようですね。
そこで、もう一つだけお伺いしておきたいんですが、最近私が入手した対談の記事で、ソビエトの
原子力発電について、これは現状は皆目わからないんですけれども、それについていろいろと話をしている記事があったんですが、これはソ連の外交スタッフである、イズベスチヤの政治評論員というのが日本にこの前来たわけですね。それからノーボスチ通信社政治評論員というのも来ている。この人たちが対談をした。これはだから専門家じゃないことは事実なんですが、これが
原子力発電の三つの問題点がソビエトでもあるんだということを言っているんです。
その三つの問題点というのは何かというと、
原発の効率を高める点で技術的な困難にいま直面している。これは恐らく
事故とかそういうものも含めての話だと思います。あるいは
原発そのものの
安全性も含めてだと思うんですが、その
内容としては、複雑でテクニカルな問題がある、こういうふうに言っているんですね、後でまた
資料お見せしてもいいんですが。それから第二番目が、
環境保護の問題があるんだと。それと、
廃棄物処理と処分の問題はまだ未解決だと、ソビエトにおいても。あれだけ広いところを持っていて、人間が行ったことないようなところがたくさんあるにもかかわらず、そういうことを言っている。三番目というのは、
原子力発電をどう見ているかということで、あくまでも一時的なエネルギー源であると。核融合が将来取ってかわるんだろうということを言っているんですが、これをまとめてみますと、アレクサンドロフというのがおるんですが、これはソビエト科学アカデミーの総裁なんですが、この人は
原子力の専門家なんですが、そういうふうな人たちの指摘を見てみると、
環境問題というのは最もいま重要なんだと。あれほどの国もそういうことを言いたしたということなんです。
原発については、かつての楽観的なイメージは消え去ったと、はっきりこれを言っていて、思ったより複雑な問題を含んでいるんだというふうに結んでおるわけなんです。
これは恐らく私、
環境問題とか技術的な問題で、いろいろいままでの
経験上出てきた問題だと思っているんですが、これは技術屋じゃないものですから、そこから先具体的に何なのかというのは、これから推察する以外はないんですが、恐らく
環境の問題であろう。
原子力発電所が大
事故を起こしたということを伝え聞くこともありますし、いろいろな問題があるわけです。ソビエトというのはベールに包まれていて、
原子力発電わからないんで、私は科技庁にもちょっと事前にお伺いしたんですが、そういう情報もないようですから、この点、こういうふうなことを私がその対談の記事で知り得たということを申し上げておきたいと思うんです。
それで、最後になりますが、核の利用というのは、これはもう完全に平和利用ということに徹するということ。これは何回も総理初め大臣もおっしゃいましたし、まあ日本人として当然そうだと。これは
原子力の
基本法というもので、その
基本的な。ものが決められているということになるんです。
それと同時に、最近また非常に問題になっている非核三原則の問題も出てきている。どうやら核というのがどうも最近の中心になってきたような感じを持つんですけれども、「持たず」というのは、これはわかるんですね。たとえば日本の場合、プルトニウムが生産されますから、当然核兵器をつくり得る原材料は十分あるわけですね、ある程度ある。しかも、技術的にもその開発に関しては、多分できるであろうという確信もある、やらないだけだと、こういうことになるんじゃないかと思うんですが、まあ核を持たずというのは論外といたします。これはもう持たないということを言っているわけですから問題ないんですが、「持ち込ませず」というやつでいま非常に議論があるんですね。
これは
解釈の仕方、いろいろアメリカと日本が相違しているというような感じも持っているわけでありますが、プルトニウムのことに関して言えば、潜在核保有国であるので、われわれとしては核兵器には絶対このプルトニウムを転用しないんだということが
基本であるけれども、しかし、アメリカの核のかさの中にいる以上、核の持ち込みという問題は非常に大きな問題になってくる。こういうふうなことで、きのうあたりから、外務
委員会でも私やったんですが、非常に議論の対象になってきたわけなんですが、特にアメリカ艦船、核を積んでいる艦船の日本への寄港とか領海通過の問題、いま盛んに議論されておりますけれども、これは中川長官にお伺いしたいんですが、いままでの各
委員会での論議、恐らくごらんになっていると思うんですけれども、たとえば持ち込みに関する考え方ですね。日米でどうも食い違いがある、ライシャワーさんの発言との食い違いがあるけれども、私はどうもその辺、トランジットというのは、ただ単に核を積んで入ってきて出ていくんだと。ですから、当然アメリカの核のかさの中に入っていれば、そのぐらいのことはあたりまえじゃないかと、アメリカ側の考え方ですよ、私はそう思っているんですけれども、その点いかがでしょうか。