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後藤正夫君
参加する
各国によってそれぞれ価値観の違いなどがあるということは当然のことでありますし、またこれを見る
日本人自体についても個々の
人間の価値観の違いというものがありますから、その点は最大公約数といいますか、そういう点を考えながら方法をいろいろ
検討をこの上ともしていただくように
お願いをいたしたいと思います。
それからその国の富裕の状況といいますか、富の状況等によって必要以上に大きな
パビリオンをつくるというような場合も、過去においてはあったように思います。たとえば、沖繩の海洋博の場合にイラン館というのが大変大きな
パビリオンをつくっておりました。そして海洋博でありながら、海洋にはほとんど
関係のないようなものが大部分を占めているような、そういう何か全体としての
調和を欠くようなことがありましたので、そういう点も
参加国とよく話し合って、
調和をとるような
努力をしていただきたいと思います。
それから次に、この
委員会からの
附帯決議の三番目に、
博覧会の出展については、中小企業特に伝統産業等が積極的に
参加し得るよう配慮をしてほしいということを
附帯決議として
要望いたしております。この中小企業の
参加という方法、やはりこれはぜひ
努力をしていただきたいと思います。ただその場合に、中小企業の
参加をしてつくられております
パビリオンの名称をどういう名称にするかという点についても考えていただきたいと思います。
大阪の
万博のときには当初は中小企業館という名前で計画をしていたようでありましたけれ
ども、途中から名前が変更されまして
生活産業館という名前に改められました。この
生活産業館というのは、私の
印象としては非常にりっぱな
パビリオンで、非常にいい
展示がたくさんなされておりましたが、もっともこれに参画した企業というのが
日本においてはいわば中堅的な企業といいますか、そういうのが多かったということもあったと思いますけれ
ども、この名称をどういうふうにするかということをもひとつ考えていただきたいと思います。
前の
大阪の
万博のときには、ちょうど
日本の高度成長の一番ピークのときにあったと思いまして、いろいろ
日本の
万博について
外国の人たちからも批判をされていたような時代でございましたが、たとえば、国際
未来問題のシンポジウムが芝の東京プリンスホテルで行われました際に、東京の会場とニューヨークのNBCのスタジオを、当時まだ動き始めたばかりの通信衛星を使って結びまして、アメリカの大統領直属の民間通信
委員会のニコラス・ジョンソンが、テレビで通信衛星を使って
参加するというようなこともございましたけれ
ども、その際、ニコラス・ジョンソンの主張の中に、
日本の伝統的な価値を失うような動きに挑戦をせよという言葉があったのが非常に
印象的でございます。
ヨーロッパでは伝統への挑戦ということが、伝統にがんじがらめになっていることに挑戦して、それから解放されなければヨーロッパというものは取り残されてしまうという意味で、伝統への挑戦という言葉が使われておりますけれ
ども、私は前から、むしろそれとは逆に
日本のよき伝統に挑戦して、そしてよき伝統を残しながら、さらに新しい伝統を築いていくような
努力をしなければいけないということを考えておりますが、そういう
日本のよき伝統が、今後の
文明の中にどのように生かされていかなければならないか。また、いま生かされているかということを
展示するような
努力をしていただくことが望ましいと、そのことをひとつ
お願いをいたしておきたいと思います。伝統の問題については恐らくいろいろお考えだろうと思います。先ほどのお答えの中にもそういう点が含まれておりましたので、私もその点をぜひひとつ
お願いをいたしたいと思います。
それから次に、
附帯決議の四番目に、
博覧会の開催を契機として、筑波
研究学園都市における
研究活動を広く内外に紹介されるよう適切な措置を講じてほしいということを取り上げております。このことにつきましては、ことしの二月に
科学技術庁の計画局がお出しになりました青い表紙の印刷物、「
国際科学技術博覧会について」の中で、二ページにも「
国際科学技術博覧会の意義」というのがございますが、その中の五番目に「筑波
研究学園都市を
世界的な
科学技術の
中心地として育成できる。」ということが掲げられておりましたし、また去る八日の大臣の
提案理由の御
説明の中でも、「本
博覧会の開催を契機として、筑波
研究学園都市を広く
世界に紹介するとともに、その一層の整備を図り、これを
世界的な
科学技術の
中心地として育成し、もって
わが国の
科学技術の画期的な振興に大きく寄与いたしたい」という意味のことを述べておられました。このことから見ましても、筑波学園都市というものと今度の
科学技術博覧会というものは、
博覧会の運営に当たっては深いつながりを持たせなければならないだろうということを考えるわけでございます。
したがって、
博覧会に対する輸送の問題あるいは宿泊の問題、これまた後に触れたいと思いますけれ
ども、入場の方法等につきましてひとつ
お願いをしておきたいのは、同じ日に二度入場する場合、一度外に出てどこかの
研究機関を見て、また入場をしたいと、入場をするというような人も恐らく相当出てくるのではないか。また
外国から
博覧会に来た人の中にも、
研究機関と
博覧会とを同時に見るためには出たり入ったりする、そういう希望も出てくるのではないかと思います、
大阪の
万博のときには、
国際博覧会協会の方からそういう希望も出ていたように聞いておりますけれ
ども、
日本にはそういう習慣がないと、それは理由になるのかどうかわかりませんが、習慣がないということから、入場は一回限りということにしていたようでございますけれ
ども、今回の
科学技術博覧会では一度外に出て、また入る人のためには入場券に特別の印を押すとか、何らかの方法で再入場が可能になるような方法をとっていただきたいということを
お願いいたしたいと思います。
それからもう
一つ伺っておきたいことは、全期間中に使えるような有料のパスですね、たとえば
モントリオールの
万博のときには当時の
日本のお金で八万円ぐらい。当時二百六十円のレートのときだったと思いますから、いまでは五、六万ぐらいかもしれませんけれ
ども、そういう何回も入場できるようなパスを発行されておりましたけれ
ども、そういう御計画があるかどうか。あるいは夜間入場料について半額にされるような御計画があるかどうか。そういう点について伺いたいと思います。