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吉田正雄君 だから
説明は温度が上昇して突沸が起きたと、だから温度が上がったということはだれも否定してないんだよ。温度が上がったから、そういう現象が出てきたっていうんでしょう。それを何で見るかといったら、皆さんのマニュアルでは液面の高さを見るんだというあれになっておるというんですよ。だからそのマニュアル自身が、そんなこと
一つだけでは問題だろうということで、皆さん方は書きかえられたわけですよ。しかし、液面が異常に高くなったということは、異常現象がそこに起きているということなんでしょう。だから、異常というものはそれによって察知できるわけですよ。
大臣、ぼくは
局長に科学的なことをいま聞いているわけじゃないですよ。これだけ
事故が起きて、
地元でも立入検査をやっておるのに、監督官庁である、
責任者である安全
局長が
事故の
経過についてもよく知っていない、全然問題を把握してない、これが問題だと言うんですよ。問題なんですよ、本当に問題だ。だからいま何人でチェック体制をとっておりますかというんです。オペレーター、
運転員一人の責任に帰すような新聞報道、新聞報道というよりも、そういう
説明を
動燃事業団がやったから、新聞はただそのとおり書いただけなんですよ。新聞に責任があるんじゃない。逆に言えば世論を惑わすような
説明をやったということなんだ。これが逆に
地元市町村や県の怒りを買っているわけでしょう、非常にずさんであるということで。これは
地元出身の議員もおいでになると思うんで、その辺の事情はよくおわかりだと思うんですけど、とにかく正確に報道しない、
報告をしない、非常にずさんだと、管理が。いまの
質疑を聞いておってもおわかりだと思うんです。これだけ重大
事故、それも今回初めてじゃない。何回も言っているように、小さな
事故からいったら何十回も
事故を起こしている問題
工場なんだ。だから、これほどの
事故が起きたらその
経過、
原因というものを
科学技術庁としては詳細にキャッチをしてなきゃいかぬ。ところが、とんちんかんな
回答ばかりしておるじゃないですか。だから、この
事故に対する認識が非常に低いというか、軽視をしているということのあらわれなんですね。このことが
事故を起こす私は最大の
原因だと言うんですよ。よく皆さん方言うじゃないですか、人災だとかね、TMI
事故、あれは人為的な災害だみたいな言い方する。まさにこれそうだ、私に、して言わしむれば。
そこで、もうこれ以上この問題聞いても、まだたくさんあるんですよ、四点聞こうと思ったんだが、いま二点目でもってこれ以上やったって無
意味だ。無
意味だという
意味は、
大臣わかったと思うんです。いいですか。私は、とにかく
局長には頼んでおきます。きょうはこれ以上、この問題について
答弁要りませんから、次回によくわかるように
調査をしておいてもらって、場合によっては文書でその
報告を求めます。
いま言ったプルトニウム誤送についての
事故の
原因と今後の
対策、これを明確にしてもらうということ、それから
分析所で停電がありましたね。大したことがないというふうに思われたら、これ大変な話なんです。この問題についても、もっと
内容について明らかにしておいてもらいたいと思いますし、それから酸回収精留塔の加熱部の穴あきと、それから蒸気捕集器、蒸気トラップの穴あきについても問題なわけです。穴の大きさがどれくらいだったのか、穴の数は
幾つか、場所はどこか。それから酸の濃度が、
動燃事業団の当初の
説明と後の
説明じゃ違ってきたわけだね。最終的には酸の濃度は二規定、二Nくらいです、という言い方をしてきた。二規定くらいということになると、三カ所程度の穴あきで済むわけない。今後も至るところに穴あきが出てくるだろうということになるんで、とにかく納得し得るような
動燃事業団の
説明ではない。
科技庁に求めたらもっとわからない
説明になりますから、聞かない、これ以上。
そういうことで、きちんとそれ調べておいてもらいたいということと、そこで
大臣、ところが
科技庁としては四月中に
運転再開を認める方針だといって、新聞で報道されているんですよ。いまお聞きのように、
原因も何にもわかっていない。私が
指摘してるように、また
事故起きますよと言っているんですよ。間違いなく起きるんです、このままいったら。にもかかわらず、四月中に
運転再開を許可する方針だと、機器の
部分的な改修とマニュアル、文章だけちょっと書きかえて、
運転手順書をちょっと書きかえて、それでもって
運転再開を認めましょうと、そういう方針だといって新聞で報道されてる。大変な話です。だからぼくは、やっぱり責任ある
大臣としては、いままでの重大な
経過にかんがみて、再開を焦るということがあってはいかんと思うんですよ。そういうことで、
大臣としての責任をぼくはここで発揮をしてもらいたいと思うんです。
以上のことを
大臣に言っておきますから、
大臣の見解を聞きたいと思うんです。科学的なことじゃありません。
それで、いまの若干のやりとりでもおわかりのように、また、私たちが今日までの
動燃事業団当局、あるいは現地
調査からも明らかになったことは、
動燃側の
事故に対する
説明には一貫性がない。それは基本的には真相を隠そうとする態度、あるいはまた
事故軽視の安易な態度。さっき言ったように、新聞報道でも、非常にそれを軽視、あるいは
運転員に責任があるというふうな、そういう報道をする、新聞発表をするということは、これは私はよくないと思うんですよ。
それから二番目として、日常的な管理がきわめてずさんであって、
運転も安易な心構えで行われておるということが、今度の
事故を通じてわかったわけです。
それから三番目として、このような基本的な態度が根本から改められない限り、マニュアルを幾ら書きかえ、あるいは機器を整備しても
事故は絶えない、これは断言できますよ。
それから第四点として、三年間の
試運転の
経験が生かされていない、
試運転のあり方
そのものに問題があった。つまり、
解決されるべき諸課題や
問題点をうやむやにしたまま本格
運転に入ったと言われても仕方がないいままでの
動燃事業団や
科技庁の私は態度だったと思うんですね。
第五点として、このような結果になったのは、
動燃側のみに責任があるのではない。先ほど来繰り返し申し上げましたように、
科学技術庁、
安全委員会の従来の安全審査のあり方、審査基準、
事故に対する検査や
調査、
動燃に対する監督がきわめて不十分だったということが、今回の
事故を通じてのわれわれの
調査で明らかになったと思うんです。
私は先ほ
ども言ったように、つまり両者がもたれ合っておる。国家プロジェクトであるということから、自覚や認識が逆に裏目に出て、非常に甘えの私はここに構造がつくり上げられてきたんじゃないかと。少しぐらい
事故が起きたって、みんな国で何とかしてくれるだろう。経済的な問題、
予算の問題でも国がめんどう見てくれると、こういうふうな甘えの構造というものがあったんではないかというふうに思われるわけです。そういうことで、今後再びかかるような
事故、しかもプルトニウムが環境にでも飛散をするというふうなことになったら大変な問題ですから、そういう点で
大臣の今後に対する
考え方といったらいいんですか、所見というものを、まずこの問題についてお伺いしたいと思うんです。