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1981-05-14 第94回国会 参議院 運輸委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十六年五月十四日(木曜日)    午後二時五分開会     —————————————    委員異動  五月七日     辞任         補欠選任      神谷信之助君     小笠原貞子君  五月八日     辞任         補欠選任      安恒 良一君     小柳  勇君      小笠原貞子君     神谷信之助君  五月九日     辞任         補欠選任      野呂田芳成君     江藤  智君      神谷信之助君     小笠原貞子君  五月十二日     辞任         補欠選任      江島  淳君     塚田十一郎君  五月十三日     辞任         補欠選任      塚田十一郎君     江島  淳君      広田 幸一君     坂倉 藤吾君  五月十四日     辞任        補欠選任      小笠原貞子君     神谷信之助君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         黒柳  明君     理 事                 伊江 朝雄君                 山崎 竜男君                目黒今朝次郎君                 桑名 義治君     委 員                 江島  淳君                 梶原  清君                 高平 公友君                 内藤  健君                 安田 隆明君                 山本 富雄君                 小柳  勇君                 坂倉 藤吾君                 竹田 四郎君                 神谷信之助君                 柳澤 錬造君                 田  英夫君    国務大臣        厚 生 大 臣  園田  直君        運 輸 大 臣  塩川正十郎君    政府委員        厚生省環境衛生        局長       榊  孝悌君        厚生省環境衛生        局水道環境部長  山村 勝美君        運輸大臣官房審        議官       小野 維之君        運輸省港湾局長  吉村 眞事君    事務局側        常任委員会専門        員        村上  登君    説明員        警察庁交通局交        通規制課長    広谷 干城君        科学技術庁原子        力安全局原子力        安全課長     松原 伸一君        環境庁企画調整        局環境影響審査        課長       森下 忠幸君        建設省計画局地        域計画官     藤井 崇弘君        建設省都市局下        水道部下水道企        画課長      幸前 成隆君        建設省道路局道        路交通管理課長  三木 克彦君     —————————————   本日の会議に付した案件広域臨海環境整備センター法案内閣提出、衆  議院送付) ○連合審査会に関する件     —————————————
  2. 黒柳明

    委員長黒柳明君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る八日、安恒良一君が委員辞任され、その補欠として小柳勇君が選任されました、  また、翌九日、野呂田芳成君委員辞任され、その補欠として江藤智君が選任されました。  また、昨十三日、広田幸一君が委員辞任され、その補欠として坂倉藤吾君が選任されました。     —————————————
  3. 黒柳明

    委員長黒柳明君) 広域臨海環境整備センター法案を議題といたします。  前回に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  4. 桑名義治

    桑名義治君 前回質疑に続行いたしまして本日は質疑を続けていきたいと思いますが、今回のこのフェニックス法案でございますが、この実現のために、運輸省は五十一年から五十五年、この間に四億六千八百万円、それから厚生省は五十三年から五十五年、四億円の調査費を使って現在までいろいろと調査を行ってきたというふうに聞いているわけでございますが、その概要については、過日来からその資料をいただいたわけでございますが、その点につきまして私、少しお聞きをしておきたいと思いますが、その調査の結果、特に環境への影響が注目されるわけでございますが、この点についてはどのような結果が出ているのか、また、膨大な規模埋め立て湾内潮流変化あるいは魚類の生態にも大きな影響を及ぼしかねない、こういうふうに予想されるわけでございますが、その点の調査結果というものはどういうふうになっているか、御説明を願いたいと思います。
  5. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 環境に関連いたします調査といたしましては、水質あるいは潮流等調査をいたしております。で、水質潮流に関して行いました調査は主としまして潮流シミュレーションによる調査でございます。計算機によりましてどういうふうな影響埋め立てをつくることによって起こるか、潮流に対して影響があるかということを計算をしたわけでございまして、湾全体の流況に及ぼす影響検討をいたしております。それから、水質におきましても、やはり同様埋め立てをつくりましたことによって湾内水質にどういう影響が全体的に起こるかといいますことをシミュレーションによりまして計算をいたしたわけでございます。このいずれの調査におきましても全体に及ぼします影響はそれほど大きくないというような結果を得ておるわけでございます。  さらにまた、この調査水質及び海流の調査と申しますのは、魚介類の生息に非常に影響がございますので、こういった魚介類に対する影響を知るという意味からも実施をいたしましたわけでございますが、魚介類に対しましては、魚礁の分布でございますとか漁業の現在の実態でございますとか、そういったことを、過去のデータを整理分析するというようなことを調査をいたしました。しかし、直接的に魚介類にどういう影響があるかという、本当の直接の魚介類に対する影響調査というのはまだ実施をいたしておりません。
  6. 桑名義治

    桑名義治君 厚生省、ありますか。
  7. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 厚生箱といたしましては、廃棄物投入された地点からの集められた排水浸出水水質について、各種事例について調査をいたしまして、その排出水水質に対する処理方法はいかにあるべきかという点について実験的な検討を含めて調査をいたしました。
  8. 桑名義治

    桑名義治君 その調査をやった事項について私聞いているわけではなくて、調査結果を聞いているわけですから、その点をはっきりしてもらわなければ困りますよ。どういうことを調査したぐらいちゃんとわかっていますよ、書類もらっているんだから。その結果を聞いているんですからはっきり答えてください。
  9. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) この調査は予備的な検討ということでございまして、どういう状態の廃棄物を捨てればどういう水質が出るかという情報収集をまずやりまして、それに対応をする処理施設のあり方というものを整理したものでございます。したがいまして、今後実際にどういう排水処理施設をつくるかということにつきましては、東京湾、大阪湾初めすべて総量規制がかかっておりますので、総量規制の中で考えていくべきものであろうというように考えております。
  10. 桑名義治

    桑名義治君 運輸省は。
  11. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 先ほどちょっと申し上げましたように、現在行っております調査はいわゆるシミュレーション調査と申しまして、コンピューターに水域の各部分のデータを入れて、計算でどういう影響があるかということを確かめるという手法でございます。したがいまして、さらに詳しくは、模型によります調査でありますとか、いろいろな調査方法がございますから、今後はそういうものも行う必要があろうかと思いますが、現在のシミュレーション調査によります結果では、先ほどちょっと申し上げましたように、影響はそれほど大きくない、軽微であるという結果を得ております。
  12. 桑名義治

    桑名義治君 軽微である、軽微でないという基準をどこで引いたのか、あるいはまた、両省からいま御説明がありましたけれども、その説明の中には、魚介類影響については調査をしてないような御答弁でございます。そうすると、ここは非常に重大な問題が抜けているというふうに考えざるを得ないわけでございますが、この点はどういうふうにお考えになっていらっしゃるんですか。
  13. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 申し上げます。  潮流変化を全体にとって計算をいたしまして、大きなところで、影響の生じるところで数%程度、全体的にはそれ以下の影響しかないということで軽微というふうに判断をいたしたわけでございます。現在魚介類との直接の影響考えておりませんが、水質及び水流に対する影響がその程度であれば魚介類に対する影響もそれほど大きくないだろうというふうに判断をいたしたわけでございます。
  14. 桑名義治

    桑名義治君 いずれにしましても、どういう埋め立てをするのか、どこに埋め立てをするのか、その個所がはっきりまだ設定されてないわけですね。一応予定としてA、B、C、Dというふうに分けながらそれぞれやっているわけでもございますし、また廃棄物は、どういう廃棄物が出てくるのか、それから、その配分が大体どういうふうになるのか、そこら辺がまだ明快にならないうちに、実際には水質がどういうふうな水質変化するかということは、これは結論を出すには非常にむずかしい問題だろうと思うんです。しかしながら、やはり事前調査ですから、そこをはっきりしておかなければならないと思いますし、そしてまた、その結果というものを農水省とお互いに合い議をしながら、そこで魚介類に対する結果というものを、予想というものを出していくのが順当な方法だろうと思うんですが、この結果について農水省一と合い議をしたんですか。
  15. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) この結果につきまして農水省と御協議は申し上げておりませんが、今後、さらに詳しい調査をする場合の調査の仕方などについても、農水省の御意見を伺ったり、お知恵を借りたりする必要もあろうかと思いますし、もちろん、当然その結果につきましては協議を申し上げなければいけないと思っております。現在の調査は、先生も御指摘のように、事前調査で、計算によっておおよその傾向をつかむという程度でございますので、協議はいたしておりません。
  16. 桑名義治

    桑名義治君 おおよその結果をつかむといっても、この法律が出たらすぐ走り始めるわけでしょう。したがって、その事前調査なんですから、走り始める前にすべての問題を合い議して結論を出しておかないと、これは住民あるいはまた漁民にとっては納得できない問題であろうと私は思うんです。いずれにしましてもこの問題は、いまここでやっこらやっこら言いましても、現実には農水省との合い議が全然なされてないわけですから、結論をいろいろと論議するにも論議する資料がない、こういう意味で次に移っていきたいと思いますが、この問題は重要な問題として、早急に農水省との打ち合わせをするなり、あるいは打ち合わせの上で結論を出すなり、そういった対応措置、いわゆる万全の措置をとっていかなければならないことをここで警告しておきたいと思います。  次の問題でございますが、それぞれの埋め立て造成事業について、センター公有水面埋立法の許可を申請することになるわけでございますが、このような大規模海面埋め立てについては、公有水面埋立法四十七条の二項による環境庁長官意見の聴取が必要となる、こういうふうに私は考えるわけでございますが、このように理解してよろしゅうございますか。
  17. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) この事業による埋め立ては、恐らく五十ヘクタールを超える規模になろうかと思いますので、環境庁長官の御意見を求める必要があると考えております。
  18. 桑名義治

    桑名義治君 先日来いろいろと議論をされておりますが、きょうも申し上げましたが、五十一年から五十五年、あるいは五十二年から五十五年まで、運輸省厚生省事前調査を、環境調査をやっているわけですが、そのことについて環境庁に合い議がございましたか。
  19. 森下忠幸

    説明員森下忠幸君) その内容そのものにつきましては合い議はございません。
  20. 桑名義治

    桑名義治君 ではいつ合い議するんですか。
  21. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 先ほどの農林水産省の場合と同様のようなことで、事前事前調査の結果については協議をいたしておりませんが、法案作成段階では十分環境庁とも御相談を申し上げましたし、今後のセンター事業実施いたします段階では、基本計画の策定のときの協議環境庁に申し上げるということを初めといたしまして、十分に環境庁と御協議を申し上げる必要があろうかと思っております。
  22. 桑名義治

    桑名義治君 環境庁にしましても、皆さん方がつくった膨大な資料、こんなにあるでしょう、私たちの方に出てきているだけでも。これを事前に、日前になって環境庁にさあどうぞということになっても、環境庁としては実際問題困りますよ。環境庁としては、この埋め立て申請を許可するためには大体どのくらいの日数が必要なんですか。
  23. 森下忠幸

    説明員森下忠幸君) 埋め立て規模とか位置とか、そういうものは決まっておりませんので一概に申し上げるわけにはまいりませんが、過去に私ども扱いました案件でございますと、たとえば、福井県の臨海部埋め立てのケースでございますと、昨年の十一月に運輸省の方から御相談を受けまして本年の四月に御返事を差し上げたということでございまして、二百ヘクタールそこそこのものでもそれぐらいの日数を要しております。
  24. 桑名義治

    桑名義治君 いま御答弁ございました、二百ヘクタールでもそのぐらいであるというんですね。千二百ヘクタールから八百ヘクタール、こんな膨大な、しかも広域にわたるそういう埋め立てを今回やるわけでしょう。そうなってくれば、これは一年以上かかるのは当然なことなんですよ。それだけは予想しているわけですね、現実に。
  25. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 先ほど事前調査段階では御協議を申し上げてないと申し上げましたが、当然、埋め立て免許申請がございましたときには御協議を申し上げる必要があると思っておりまして、埋め立て免許申請のときに実施をする環境影響調査と申しますのは、先ほど先生指摘になっております調査などよりははるかに詳しい具体的な調査をしなければならないと考えております。  先ほど来の御指摘調査は、場所を仮定をいたしまして、大きさも仮定をいたしまして、仮定をすればどういう影響が起こるかということでやっておるわけですが、実際の埋め立ての場合は、具体的に形も完全に確定したものに対しましてどういうふうなもろもろの影響が起こるかということをやるわけでございますから、内容につきましても量につきましても、はるかに精密な調査が必要かと存じておりまして、そういった調査をもとにかなりの時間をかけて環境庁でも審査をしていただけることと考えております。
  26. 桑名義治

    桑名義治君 そういう答弁になりますと、その調査にかかる日数というものがまた相当数必要になるわけですね。それからさらに環境庁にそれを提出し、環境庁がそれを審査すると、こうなってくれば、この法律がたとえ成立したとしても、可決されたとしても、これが二年先、三年先に及ぶと、こういうふうに理解してもよろしゅうございますか。時間的にはそうなりますよ。
  27. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 私ども調査の期間が約二年ぐらいはかかるだろうと考えております。
  28. 桑名義治

    桑名義治君 いずれにしましても、こういった問題をこういういろいろな批判のあるような問題、最終廃棄物処理場をつくることについても、単独でつくることについてももうすでに問題がいろいろ提起をされておるわけですから、したがって、事前にそういった事柄も環境庁と合い議の上でそして進めていくことの方が私はベターではなかろうか、こういうふうに思うわけです。おたくの方でぱんと調査をやってこの調査結果ということよりも、事前調査をもうすでにこういうふうに八億もかけてやっておるわけですから、したがってそういった前提に立って、もう一遍精密な調査をするということの前提に立って資料をどんどん送り込んで調査をしてもらうということの方が私はベター方法ではなかろうか、こういうふうに思うわけでございますが、大臣、どうですかこの問題は、どう思われますか。大臣大分頭をひねっておられるようですがね。
  29. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) おっしゃることも私はよくわかりますが、何にいたしましてもこれから環境庁初め各省庁との協議を十分詰めていくようにいたします。
  30. 桑名義治

    桑名義治君 この問題は非常に多額の国費を投入をしますし、さらに最近は新聞紙上でもいろいろとこの問題に対しての批判なり関心が非常に高まっておるわけでございます。そういった意味でこの環境保全という重大な問題を抱えている環境庁としては思い打って、また積極的に運輸省あるいは厚生省に注文をつけるべきだと、こういうふうに思うわけでございますが、その点はどういうふうにお考えになっておられますか。
  31. 森下忠幸

    説明員森下忠幸君) この法案に関しまして、環境庁といたしましては二つの面を大変重視しておるわけでございまして、この広域処理場整備及び環境保全に十分留意して行われるかどうかということが一つでございます。それからもう一つは、貴重な海面を消失するわけでございますから、できるだけ廃棄物を減らして持っていっていただきたい、こういうことでございます。こういうことについて法案についていろいろ検討いたしました。  その中で、環境保全あるいは適正な処理というようなことを法律の目的の中にもはっきり書いてございますし、それから基本計画センターがつくります段階で、その基本計画が適合すべき基準といたしまして、廃棄物の受け入れの基準が、関係地方公共団体実施する減量化などの施策に寄与するものであるというふうなこともございますし、それから周辺地域港湾及びその周辺海洋環境保全に十分配慮されたものでなければならないというふうなことが定められておりまして、手続の中で、先ほどからありますけれども基本計画をつくります段階でこれを主務大臣が認可されるわけでございますが、そのときに、関係行政機関の長として環境庁長官協議を受けることになっております。でございますから、その段階でいままでの御調査、それからセンターが独自でなさいます調査に基づいて、きちんとしたアセスメントに基づいたものを私どもが慎重に審査さしていただくと、こんなふうに考えております。
  32. 桑名義治

    桑名義治君 いずれにしましても、確かに現代社会において一番行政上の重要な問題の一つとして最終的な廃棄物処理場の確保ということは、これはもうどうしてもやっていかなければならない重大な問題なんです。ところが、余りにもこれを安易に考え過ぎますと、逆にこれは住民皆さん方に大変な今度御迷惑をかける。いわゆる被害をこうむらせるというような結果になるわけでございまして、それと同時に、現今におきましては資源のリサイクルということ、そのことによって廃棄物減量をしていくという、そういう方向性が、余り安易にこういうふうに行われてまいりますと、その意識が非常に薄れていくのではないか。あるいはまたその行政の力というものが非常に落ちていくのではないか。こういうふうな心配もあるわけでございますが、その点はもう本当にそれこそ各省にこの問題もまたがっておるわけでございます。そういったことも十二分に留意をしていかなければいけない。このことを言い添えておきたいと思います。  もう時間があと十分しかございませんので次に移りたいと思いますが、この廃棄物投入につきましては料金を徴収することになっているわけでございますが、この料金設定については算定基準というものをどこに置かれるのか伺っておきたいと思います。
  33. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 御指摘広域処理場利用料金あるいは委託料金というものは、基本的には廃棄物処理の責任を有する者が廃棄物処分に要した費用及び処分量に応じて負担するというようなことに原則的にはなるわけでございます。利用料金決定は具体的には施設建設費及び運転管理に奏する費用土地評価額を考慮して決定することになろうかと存じます。
  34. 桑名義治

    桑名義治君 これは後で聞こうと思ったけれども時間がないので関連して聞きますが、この料金決定する上において、建設費やあるいは最終的な土地処分量、そういうものを含めてということでございますが、これはたびたび前から議論になっているわけですけれども、この土地処分について、どのくらいの費用でこれが払い下げが、売却することができるか、こういう質問をしますと、わかりませんと言うんですね。どういう土地ができるのか、どういうふうに利用するのか、あるいはそのときそのときのいわゆる土地評価額の変更ですね。それと同時に、どこに設定されるかわかりませんから、いわゆる土地売却料金については設定がむずかしい。したがって、どのくらいの剰余金が出るかもわかりませんと、こういうふうな答弁が返ってきているわけです。  そうするといまの答弁では、もう大体どのくらいで最終的には土地処分するのかこれはわかるわけですか、現実に。どうなんですか、その点は。
  35. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 土地評価額地域不動産価格委員会のようなものをつくって、そこで客観的に出ることは可能であろうかと存じますが、売却が、後の粗造成の後にいろいろなインフラ整備をいたしましてかなり先になるというような事情もございまして、当然に地価の変動が考えられるわけでありまして、したがいまして、当初の利用料金設定の際には十分な安全を見る必要があるというふうに考えております。十分な安全を見まして、将来売却された段階で清算をいたしまして、処分場施設整備を負担をした寄与度といいますか、寄与度に応じて市町村、都道府県に分配をするというようなことで安全を見てはどうかというようなことを現在のところ考えております。
  36. 桑名義治

    桑名義治君 そんなことを聞いているんじゃない、ぼくは。最終埋め立てが終わった、この土地処分する、この土地値段が確定できますかということを聞いているわけですよ。その確定ができなければ料金の積算ができないわけです、あなたの答弁によれば。ところが、剰余金がどのくらい出る見込みですかと私が聞いたら、それはまだわかりませんと、こう言ったわけです。いまの答弁ではもうすでに値段予定しているじゃないですか。じゃ、前の答弁と今回の答弁と違うということになるわけです。これは運輸省、どういうように考えているんですか。
  37. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 土地売却するときの価格がどれくらいになるかという点は、現在の時点では確かに決定はできない問題かと存じます。原則的にどういうふうにして決めるかと申しますと、これは造成に要しました費用を償うということを原則にして、それで近傍類地価格を参考にして決めるというようなことになろうかと思いますが、現在事業予定しております大阪の湾の周辺地域では、近傍類地価格等かなり高いわけでございますので、十分にその工事の費用を回収できる価格で売れるだろうという想定はいたしております。
  38. 桑名義治

    桑名義治君 そうしますと、この埋め立てについては計画的ないわゆる計画造成をやるんですか。ここは住宅地にしたい、ここは公園にしたい、ここは港のいわゆるバースにしたい、ここは倉庫を建てたい、そういうふうに計画造成を行う予定なんですか、どうなんですか、それは。
  39. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 当初恐らく基本計画を定める段階ではそこまで詳しくない、もう少し大まかな土地の利用に関する計画をもって基本計画がつくられると思います。しかし、その後実施のそれぞれの段階でまず港湾計画との整合を図るという段階がございますが、港湾計画におきましては、先生ただいま御指摘になりましたような、かなり細かい利用計画を決めております。したがいまして、その港湾計画を基本計画に重ねますと、造成しております埋立地がどの部分は埠頭用地になり、どの部分は倉庫等の用地になり、あるいはどの部分は陸地になりというようなそういった計画が決まって、それを実施していくという形になろうかと思います。
  40. 桑名義治

    桑名義治君 要するに、計画造成をするということですね。そういうふうに理解していいですね。
  41. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) そのとおりでございます。
  42. 桑名義治

    桑名義治君 そうしますと、実際にごみを捨てることが中心になるか、造成することが中心になるか、両面だと言っても、どっちかに比重がかからなければおかしいわけ。どっちかに比重をかけるとするならば、今回の法案はごみを中心に考えていかなければならない、こういうふうに私は思うわけですがね。計画造成ということになれば、これ、ごみを中心にしたことではなくて、土地造成が中心になるというふうに理解をしますよ、皆さん。それでいいんですか。
  43. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) そういう計画、土地の利用計画とごみの処理の計画とを重ね合わせて両立し得るような基本計画にするというのがこのセンター考え方でございます。したがいまして、出てくるごみの種類等もございましょうし、その出てくる時期的な問題もございましょうし、そういうものを、先ほども申し上げました港湾計画での土地の利用計画とマッチするように計画を定め、実施計画をつくっていく、それに基づいて実施をすると、こういうのがこのセンターのやり方かと考えます。
  44. 桑名義治

    桑名義治君 どんなに説明を聞きましても、実態面と理屈の面と全く私は違うニュアンスを受けるんです。そういうふうに聞こえざるを得ない。恐らくほとんどの方々がそういうふうなニュアンスで受けとめるんではなかろうかと思う。あなたが言っていることは、確かに理屈の上では理想論かもしれません。だけれども、あくまでも主体というものは、これはごみの捨て場がないから、何とか最終処理場としてここを使いたいというのが本来的な目的なんです。そこに視点がないといけないと思う。だから、たとえば十年で埋め立てようと思っても、これを十五年、二十年というふうに長引かしていかなければ意味がないんです。この法案意味がなくなるわけです。だから、造成ということを中心に、基点に、して物事を考えれば、この事業を推進していくならば、十年でぴしゃっと終わるか、あるいは十年以前に終わってしまうおそれだって十二分に出てくる。私はそうではないと思う。これはでき得るならば、減量減量の政策を推し進めて、そして十年の計画が二十年になり三十年になることの方がむしろ好ましいと、こういうふうに思う。その点を指摘をしておきたいと思います。  もうほとんど時間がなくなりましたので、次に、もう簡単に申し上げますけれども、いわゆるごみを広域的に集めてくる、そうすると、そのためには道路が大変な混乱が起こる。この混乱について、道路事情について、警察と運輸との間に、あるいは建設との間に、道路の問題について話し合いがついていますか、どうですか。また、もし新しい道路をつくっていかなければならないとするならば、その負担はどこがするのか。これは地方自治体に持たせることは非常に酷だと私は思うんですが、この問題についての御答弁を願っておきたいと思います。
  45. 三木克彦

    説明員(三木克彦君) 道路管理者といたしましては、特に現在のところ具体的に道路を指定するというようなことは考えていないわけでございますが、センター基本計画なり実施計画で国の受け入れ対象地域、または広域処理場の位置、こういったものを決めます場合に、関係の道路管理者に協議をしていただくということによりまして必要な調整を図るという考え方でございます。
  46. 広谷干城

    説明員(広谷干城君) 現在の段階でまだ警察庁具体的な協議を受けておるというようなことはございませんけれども廃棄物の道路搬送につきまして、具体的に経路であるとか、あるいは時間帯、搬送の方法、搬送車の台数等につきましては、具体的な計画が決定される段階で各都道府県公安委員会の方に協議がされるものと考えておりまして、その時点におきまして道路管理者、あるいはその他の関係機関と十分連絡をとりまして所要の交通対策を実施していきたい、かように考えております。
  47. 桑名義治

    桑名義治君 新しく道路をつくる場合はどうなんですか。
  48. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 非常に長い区間にわたる道路を新しくつくるというようなことになりますと、これはやはり道路の側で対応していただくしかないかと思いますけれども、非常に狭い範囲で、たとえば積み出し基地のごく近い部分で特殊なその短絡路といいますか、そういうものをつくる必要が出てきたような場合には、センター事業として行う場合もあるいはあろうかと思います。
  49. 神谷信之助

    神谷信之助君 時間がありませんから端的にお尋ねをします。  まず最初にお聞きするのは、広域処分量に関する問題です。大阪湾圏域における廃棄物最終処分量の見通しの資料をいただいておりますが、この広域処分量一億四千万立米でありますが、そのうち市町村が扱う一般廃棄物及び産業廃棄物、これはどれぐらいになりますか、まずお聞きします。
  50. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 首都圏につきましては、一般廃棄物五千百万トン、産業廃棄物五千万トン。近畿圏につきましては、一般廃棄物千五百万トン、産業廃棄物三千五百万トンでございます。
  51. 神谷信之助

    神谷信之助君 いや、そうじゃないんですよ。産業廃棄物全部、これが自治体が、市町村が扱う部分じゃないですよ。私が言っているのは、そのうち市町村が扱っているのはどれぐらいになりますかと言っている。もっと端的に言うと、市町村の扱う上下水道の汚泥です。それはこの産業廃棄物の中に入っているわけですか。それ幾らですか。
  52. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 近畿圏は千八百万トンであります。
  53. 神谷信之助

    神谷信之助君 そうすると、千五百万と合わせて三千三百万立米です。約二割余りにしかすぎないわけですね。  そこでこの一億四千万立米の中身でありますが、この資料によりますと、最終処分受け入れ量は一億四千万立米、そして処分場の面積は八百ヘクタール、こういうことになっておりますが、厚生省の五十五年三月に発表されました「五十四年度広域最終処分場計画調査 近畿圏広域最終処分場基本計画調査報告書」、これによりますと、その三百二十五ページ、最終処分量は六千七百万立米、処分場の面積は三百六十ヘクタールというように出ております。非常に大きな違いがあるんですが、この違いはどこから出てるんですか。
  54. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 厚生省がその段階調査をいたしましたのは、最も緊急を要する一般廃棄物と産業廃棄物を中心に調査をいたしまして、残土につきましては通常の埋め立ての場合に行っておりますいわゆる覆土分として一般廃棄物と産業廃棄物の三分の一量を加算したものとして、先ほど指摘の六千七百万トンを算定いたしまして、ある地点を、地点によって水深が変わってまいりますが、平均的な意味で三百六十ヘクタールというものを出したものでございます。
  55. 神谷信之助

    神谷信之助君 そうすると問題は、この差はいわゆる陸上残土やしゅんせつ土砂、これが加わったことによるという、そういうことになりますか。
  56. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) そのとおりでございます。
  57. 神谷信之助

    神谷信之助君 そこで運輸省にお伺いしますが、この陸上残土七千百万立米、この算出根拠はどういうことなんですか。
  58. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 陸上残土の算出のやり方でございますが、将来の建築床面積あるいは土木工事の完工額等が推定ができますので、これを予測をいたしまして、それぞれの原単位というのがございます、建築床面積一単位に対してどのくらい残土が出るという過去の実例から求めた原単位がございますが、それを乗じまして処分量を求めております。そしてその全体の処分量のうち公共事業にかかわるものがどれぐらいの割合になるかということを、これは公共事業の割合の予測から出しまして、それを全体の量に掛けますと公共事業から出てくる残土の総量が出てまいります。で、その残土の総量に対しまして、内陸のほかの処分場処分できる可能の量、それからすでに大阪湾では幾つかの廃棄物埋め立て護岸がございまして、そこで海面埋め立て処分ができますので、そこへ処理をできる分を差し引きます。そして最後にどうしても残って、この今回の処理場処理をしなければほかに処理する場所がないものを計算をいたしますと、七千百万立米ということになったわけでございます。
  59. 神谷信之助

    神谷信之助君 ところが、これは五十三年の三月に発表されました運輸省の第三港湾建設局の大阪湾広域廃棄物海面埋立処分場計画調査報告書があるんですが、これの一の十三、表の一の七の一ですか、これを見ますと、これは若干年次のずれはありますが、五十八年度から六十七年度にかけての十年間で計画海面埋め立て処分量、陸上発生残土等が五千五百万立米になっていますね。七千百万立米というのと物すごく差があるわけです。同じ運輸省の行った調査ですが、これも非常に食い違いが出ていますが、どういうことでしょうか。
  60. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 五十二年に実施をいたしました調査は、その処理の期間を五十八年から六十七年までの十年間に置いております。それで今回の調査に比べまして時期が三年ほどずれておるわけでございますが、非常に大きな違いのもとは、その三年間に、先ほど申し上げました、現在すでに海面埋め立て処分場を持っております、廃棄物埋め立て護岸によります海面埋め立て処分場、そこへ入れられるものは入れて、その入らないものを今回のところへ入れると申しましたが、三年間に入れられる余地が非常に減ったわけでございます。つまり三年間の間にすでに既存のものは埋まってしまっておると、その分が一番大きく響いております。そのほかに公共率、つまり残土を出す事業のうちの公共の比率が若干上がってきておりまして、最近の趨勢を勘案しましてその上がった公共率を掛けて算定をいたしております。この分もふえた原因の一つでございます。
  61. 神谷信之助

    神谷信之助君 だから、その考え方、発想の中には、ごみの発生量そのものを減らすとか、あるいは資源として再利用するとか、そういうものは全然考慮にないわけですね。ずっとふえるであろうと、もう入れ物はいっぱいになって入れるところがなくて、結局よけいこっちに吸収せにゃいかぬと、そういう発想が一つでしょう。それから公共事業の伸びも一応年間六%ぐらいですかの伸びは見ておられるようですけれどもね、だけど、それが全部そういう形に入るのか。私どもから見ると、大体三割ぐらい上積みをしている感じになっておるというように思わざるを得ないわけです。  そこでもう一つ今度は厚生省に聞きますが、陸上残土あるいはしゅんせつ土砂、この計画によりますと全体の六四%、非常に大きな部分を占めておりますが、この問題について厚生省自身は調査をなさっていますか。
  62. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 先ほど説明しましたように、厚生省といたしましては一般廃棄物と産業廃棄物を中心といたしまして調査をいたしまして、両省の考え方を構想を統一する段階で、考え方としては残土についても、しゅんせつ土砂についても考える必要があるということでございましたが、調査は特にいたしませんで、運輸省の方で調査をいただいたわけですが、構想を調整する段階で、これも一つ廃棄物でございまして、現実に不法投棄等の問題が発生しておりますので、構想に入れようということで調整を図ったものでございます。
  63. 神谷信之助

    神谷信之助君 厚生省のされた調査報告書の八ページですね、これによりますと、これは六十五年の断面ですが、百五十九万六千立米ですね、そういう資料が出ています。単純に十倍するわけにいきませんが、仮に十倍しましても千五百九十六万、こういうことになります。これは覆土砂だけだと、先ほど説明ですとそうなって、陸上残土やしゅんせつ土砂全部を見たわけではないと、先ほどそういうお話でしたですね。しかし、それは陸上残土及びしゅんせつ土砂なんかの大体三分の一ぐらいをめどに置いて見られているんでしょう。そうすると、これの三倍というと四千五、六百万、まあ五千万立米ぐらいのものです。建設省の言う七千百万立米にもとうてい及ばないですね、先ほど説明をそのままで計算をしますと。この点にも一つ問題があるかと思います。  次に、建設省の方で残土処理対策協議会をつくられて、この陸上残土の問題、将来の発生量、その処理、こういった問題で検討されておるというように聞いていますが、それについて報告してもらいたい。
  64. 藤井崇弘

    説明員(藤井崇弘君) 建設省におきましては、この建設残土という問題を大きくとらえておりまして、特に大都市地域におきます建設事業に伴って発生する残土、これを建設残土と呼んでおりますが、この処理は、これまで主として内陸の処分地とそれから臨海部の埋立地において行ってきました。ところが、近年、非常に処分地の適地が減少する傾向にありますので、何とか適正な処理をやらにゃいかぬと考えております。  このような状況にかんがみまして、建設省の中に建設残土対策委員会を設置しまして、大きく三つのテーマに取り組んでおります。その一つが建設残土の処理計画、二番目が建設残土の情報、これは発生する方あるいは受け入れる方、あるいはそのタイミング、土質、いろいろな情報の交換システムを今後整備していく必要があろう。それから三番目に、建設残土の有効利用にかかわりますいろいろな調査、これ土質の改良等含めます調査研究、こういったことを中心に今後総合的な残土処理対策を進めたいと考えております。
  65. 神谷信之助

    神谷信之助君 そうすると、まだ建設省の方ではそういう委員会をつくった段階で、これの将来の発生の状況なりあるいは処理の問題なり、いまおっしゃったいろんな点についての研究というのはこれからということですね。  そこで建設省にお伺いしますが、いまの、運輸省大阪湾圏で七千百万立米の陸上残土を算定、推定されているんですけれども、これについては建設省の方には御相談ありましたか。
  66. 藤井崇弘

    説明員(藤井崇弘君) 発生残土の原単位その他につきましては、下打ち合わせをいたしまして、運輸省の推計値はおおむね妥当な線だろうと考えております。
  67. 神谷信之助

    神谷信之助君 相談を受けたわけですか、私聞いているのは。
  68. 藤井崇弘

    説明員(藤井崇弘君) 協議を受けております。
  69. 神谷信之助

    神谷信之助君 それは、いまのお話ですと七千百万立米というのは相当なものだということですが、私ども建設省から聞いたのでは相談を受けていないと、七千百万立米の根拠はわかりませんと、こういう建設省の方の説明ですよ。そうするといまの答弁は違うんですか。
  70. 藤井崇弘

    説明員(藤井崇弘君) 正規の協議というのではなくて、内容について話を伺っておるということでございます。
  71. 神谷信之助

    神谷信之助君 内容について話を伺っているということで、それでその上でそれは相当であるという評価ができたわけですか。先ほどのなにでは、まだ委員会をこれからつくって研究をするという段階でしょう。それとも、もう大阪湾圏でどれだけの陸上残土が発生を予想するというような具体的な調査をしたデータを持っておられる、それに基づいてそういう評価をされているのかどうか、どうなんですか。
  72. 藤井崇弘

    説明員(藤井崇弘君) それは残土の発生の原単位をおおむね東京湾地域で推計しておりまして、それに基づいて将来を予測しますと、おおむねその七千万立米程度の量も見込み得ると。ただし、これは今後の大阪湾周辺の経済活動あるいは公共土木の推移等の推計そのものが大きく幅がございますので、その辺でかなりの予測幅が出るんじゃないかと考えます。
  73. 神谷信之助

    神谷信之助君 大体あいまいなんですよ。だから、役所同士ですからお互いに傷をかばい合っている感じにしか受け取れないですね、いまの答弁の仕方では。  それで、大体厚生省の方の調査では、大阪湾圏で五千万立米ぐらいだろうと、したがって処分場の面積も三百六十ヘクタールですか。片一方では陸上残土が七千百万立米出ると、合計すると一億四千万立米になる、だから今度は八百ヘクタールということになってくるわけですね。だから、処分場の大きさがどうなるかということでは、それぞれの一般廃棄物や産業廃棄物その他も含めてですが、非常に大きいのはこの陸上残土、それからしゅんせつ土砂、これをどう見積もるかによって物すごく大きくなる。八百ヘクタールと三百六十ヘクタールとのそういう大きな違いになってくるんですよ。だから、その根拠が一体どこに求められるのかと。  運輸省の方は公共事業の量やあるいはまた経済七カ年計画その他の数値で計算をしながら、そしてそれがもうすでに既存の処分場でどれだけ処理できるか、その残を計算をする。片一方は片一方で、厚生省もまあ恐らくそれ以外のやり方ないでしょうから、そういういろんな資料使いながらやるんだろうが、そしてそれの三分の一として覆土砂だけの分でいま言った三百六十ヘクタールという案をつくった。これが五十五年発表の報告ですね。それで、建設省はそれについて一番専門の所管庁ですから、そういう点でもっと科学的ないろんなデータをお持ちかと思ったら、これはこれからやるということですね。  そういう状況で陸上残土七千百万立米と計算をし、そのほかの一般廃棄物、産廃、それらを含めて一億四千万立米と推定をして八百ヘクタールの大処分場を建設をするという計画、その一番もとの根拠が、大臣、これ非常に不明確なんです。それぞれ各省皆ばらばらなんですね。だから、この問題についてはひとつ専門家の建設省を中心にして運輸省厚生省も一緒に協力をして、総合的に調査をしたらどうだと。だから、縦割り行政運輸省厚生省で約八億からの税金を使って調査をしながらも、しかも正確なデータが出てこない。推定で、しかも処分場自身の面積でも三百六十と八百ですからね、二倍以上の開きがあるわけですよ。そういう構想の違いも出てくる、量終的には厚生省運輸省案に同調して一緒に提案をされているわけですけれども。だから、そうなっていく必然性や科学的根拠というものは何ら私は感じられないわけです。この点について、ひとつ運輸大臣、どうお考えでしょうか。
  74. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) この建設残土の予測でございますが、これはまあ私のところといたしましては、過去のデータを中心にいたしまして、それで委託機関等においての調査を交え、最終的に決定したものと聞いております。建設省の方でも専門的にどれを調査しておられると思うんでございますが、この調査地域はほぼ同じ地域を対象にしておると思うんですけれども、どこまでの将来における工事量を見込むかということ等がやっぱり厚生省と私たちの方の見方の相違を来した根本的なところではないかと思うたりいたします。要するに、この残土を今回のこのセンターにどの程度持ち込むかということが、それがいわばこれの事業目的と非常に密接に関係してくる、効果と関係してくるということでございますんで、私たちも十分な精査を今後心がけてまいりたいと思っております。
  75. 神谷信之助

    神谷信之助君 次、厚生大臣ね、いま運輸大臣がいみじくも言いましたが、いわゆるこの目的の問題ですね。厚生省の当初のあのフェニックス計画は、このごみをどうやって処理をするか。その処分場を、それぞれの自治体が非常に困ってきておるし、何とか考えたいと。それは個々の自治体に、自治体の仕事だからおまえら勝手にやれといっても、もう困難な段階だ。したがって、国がやっぱりそれについて責任を持たなきゃならぬだろうということでフェニックス計画を立てられた。ですから、そういう厚生省の方のは一般廃棄物と、それで市町村が扱う産業廃棄物、いわゆる上下水道の汚泥、こういったものを主にして、それを埋めていくのに必要な覆土だけを計算すると、したがって処分場も三百六十ヘクタールのものでよかったわけです。そこに今度は運輸省が割り込んできて、そして港湾整備事業等を含めてやろうとする。そこでどっと流れ込んできたのが陸上残土とそしてしゅんせつ土砂。これが圧倒的に八割を占めるんですよ、八割弱。市町村が困っているから、何とかして処分場をつくってやろうという厚生省の当初の考えは、運輸省が参加をすることによってもう二割になって、八割近くのものが結局土建会社やその他のそういう建築残土あるいは港湾のしゅんせつ土砂、これを入れる。そうすると、当初厚生省自身が考えていたフェニックス計画と大きく変質をしてきているということがここではっきりしてくる。この点はどうお考えですか。
  76. 園田直

    国務大臣(園田直君) いまの問題は御指摘のとおりでありまして、当初首都圏、近畿圏の自治体から廃棄物処理に困って出てきた意見でありますが、さてこれが法案になろうとすると、今度は直接関係のある首都圏、近畿圏の自治体からいろいろ不安が出てきて、これが大阪府知事の意見であり、かつまた数日前の東京サミットの意見である、こう思います。それはいまおっしゃいましたような残土から廃棄物の量の問題から、今度は交通、保全、いろんな問題が出てくると思いますので、この上とも運輸省厚生省は建設省、特に自治省その他とも緊密に相談をして、間違いがないようにしなきゃならぬと考えております。
  77. 神谷信之助

    神谷信之助君 だから当初のフェニックス計画とは大分変質をしてきていると、そのことはやっぱり当該の関係自治体でも非常に不安を持っている、いろんな要求もだから出てきているという点は大臣もお認めになりました。問題はこれだけじゃないんです。これからも幾つかそういう点での問題を明らかにしていきたいと思います。  建設省にお聞きしますが、下水汚泥の広域処理事業調査、これを行っておられますが、この状況についてまず報告してもらいたい。
  78. 幸前成隆

    説明員(幸前成隆君) 建設省におきましては、首都圏等におきます下水汚泥の広域的な安定的処分を図るために必要な調査を行っておるところでございます。これは首都圏等の大都市圏におきましては土地利用が高密度化しておりまして、各地方公共団体とも下水汚泥の処分地の確保が困難になってきておる現状でございます。これらの地域におきましては、今後下水道整備が進展してまいりますし、それから下水処理の高度化等もございまして、下水汚泥の発生量がだんだんふえてくるであろうと考えられるところでございまして、個個の地方公共団体で独自の処分地の確保というのが困難になってくる。したがいまして、下水汚泥の安定的な処理処分を図りますために、広域的な処理処分を推進するために必要な調査を五十四年度から行っておるところでございます。
  79. 神谷信之助

    神谷信之助君 五十四年度からこれを行っておられて、そして首都圏、それから近畿圏についても五十五年度から調査が始められて、実態把握のいま調査段階だと聞いているんですね。それで、この点でもまだ汚泥処理、それからまた下水汚泥の処理の技術的な問題も、排水段階その他の問題なんかもまださらに研究をやっておられるように聞いておりますが、結論的にはこの汚泥処理についての体系的な処理方式といいますか、こういったものについてはまだ確立されていないというように聞いておりますが、いかがですか。
  80. 幸前成隆

    説明員(幸前成隆君) 先生おっしゃいますように、私ども五十四年度、五十五年度と、下水汚泥の発生状況、処分状況について調査を行ってございまして、五十六年度は汚泥の輸送あるいは広域的な汚泥処理を行いますための技術的な検討を行う予定にしておるところでございます。
  81. 神谷信之助

    神谷信之助君 このように処理をすべき物体それ自身の状況も、大臣、各省まだばらばらで調査をされておるわけですね。ただいま行政改革問題が問題になっておりますけれども、こういったことについての調査が総合的にやられるのが、もっと少ない費用で効率的に効果的な調査が行われるんであろうというように思うんです。この点は指摘だけにとどめておきますが、さらに、いま大阪湾圏域だけ言いましたけれども、首都圏についても同じような状況であります。  運輸省の五十六年一月の「港湾における広域廃棄物埋立処分場整備構想」ですか、これでいきますと、東京湾圏域の広域処分量は二億五千万立米です。ところが、先ほど言いました厚生省調査によりますと、これは一億三千七百二十四万立米ということになります。これの髪もいま言いましたように、陸上残土や港湾のしゅんせつ土砂を含めないで必要な覆土量だけの範囲でやっているからこうなる。この差が東京湾、首都圏の場合でも同じように出ているということをここでは指摘を促しておきたいと思います。  次の問題に移りますが、次は資金計画、資金の問題についてお伺いしたいと思います。  五十六年度分の資金計画、これはどうなっているか、まずお伺いしたい。
  82. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 五十六年度予算額は国費一億二千万円でございます。    〔委員長退席、理事桑名義治君着席〕
  83. 神谷信之助

    神谷信之助君 五十六年度の資金計画というのは、出資が幾らで、国の補助が幾らで、そして借入金は幾らを見込んでいるかということですよ、私の聞いているのは。
  84. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 出資金につきましては、これ、まだセンターがございませんので金額は決まっておりませんが、現在の時点で設立に当たって必要な出資額は一億円程度かと考えております。これは国の方からは出資をいたしませんので、設立者が出資をいたすことになろうかと思います。それから、先ほど国費を申し上げましたが、補助率が二五%でございますので、あと七五%が地方公共団体の負担額になります。
  85. 神谷信之助

    神谷信之助君 厚生省に聞きますが、五十五年八月に出されました厚生省の「大都市圏における廃棄物最終処分場について」という資料の十三ページによりますと、五十六年度の資金計画は政府出資金が一億円、地方公共団体出資金は一億円、国庫補助金が二億四千万、借入金が五億六千万、合計十億円という計画を出されておりますが、間違いありませんか。
  86. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 予算要求段階ではそのようになっております。
  87. 神谷信之助

    神谷信之助君 ところが、それが予算折衝の結果、この政府出資の一億円がなくなる、それから国庫補助金の二億四千万が半分の一億二千万になるという結果になったようですが、それはなぜですか。
  88. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 一つには政府出資金がゼロということでございますが、これは地方の組織としてセンターがつくられるということで政府出資がなくなったわけでございまして、ただ、この一億二千万、十億の要求に対して一億二千万の内訳につきましては、一億はやはり当初の準備的な意味も含めて一億でございまして、実質の調査は二千万という内容でございます。
  89. 神谷信之助

    神谷信之助君 私は近畿圏の、いわゆる大阪湾圏ですか、この地域の関係の各自治体の幾つかにわたって調査をしたわけです、いままでの経過を。そこでお聞きをすると、去年の十一月段階、いわゆる大蔵省と予算折衝の段階、このときは、厚生省環境衛生局及び運輸省港湾局合同での処分場整備構想、これを出しておられます。  それによります土、東京湾圏域もそれから大阪湾圏域も、どちらも政府出資金一億円を要求する、そして、関係地方公共団体の主体的な参画と国の助成監督が必要であるということから、国費の出資を両省が協力して大蔵省に要求をされていたというように思うわけですが、それは間違いありませんか。
  90. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 予算要求ではそのようにいたしました。
  91. 神谷信之助

    神谷信之助君 さらに、大蔵との予算折衝の説明資料の中に、国の責任のあり方について次のように主張されたというように伺っていますが、いかがでしょうか。  一つは、この事業は国にとって重要な圏域において実施されるものであり、かつ、広範囲、多数に上る関係地方公共団体の利害を調整し指導する必要があること、高度な技術力と事業執行力を必要とすること、事業が大規模なものであるため多額の資金調達力を必要とすること等から、事業主体を確立し、国の特別な指導、助成、監督が不可欠だ。したがって、自治体任せではなしに、国がやっぱりそれなりの責任を持って指導、助成、監督をすることを欠くことはできないことなんだというように主張をされたというように伺いましたが、いかがですか。
  92. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 昨年の認可法人の予算要求のときにはそのような趣旨の御説明を申し上げました。    〔理事桑名義治君退席、委員長着席〕
  93. 神谷信之助

    神谷信之助君 その次に、国が出資をする理由について、第一に、五十五年度までは地方公共団体の強い要望を受け公団の設立を要求してきた、しかし、行政改革の推進との関係で基本的に問題であるとの指摘があり、今年度は地方公共団体を説得し、特殊法人ではなく認可法人形態で要求することとした、第二に、本事業は国にとって重要な圏域で実施される事業であり、また、都府県域を越えた広域的な施策であるため、国は調整など圏域全体としてのバランスのとれた事業実施に責任を有している、三、国の出資により認可法人の信用力を増し、資金調達力、技術集積力が高まるとともに、国庫補助金、財投資金等国の資金のより確実な運用を図ることができる、こういうことを挙げて国が出資をする必要があるということを大蔵省に説明をしたというように伺っていますが、いかがですか。
  94. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) おおむね御指摘のような趣旨で認可法人の設立を要求いたしたわけでございます。
  95. 神谷信之助

    神谷信之助君 ところが大蔵省の方で、国の出資は困るということで、初度詭弁費的に補助をするという程度しかないという状況になった最終段階、十二月の二十六日の段階で、大阪湾圏域の促進協議会との間で話し合った了解事項として、協議会側の条件として、一つは、国の積極的な財政的資金的援助を法文化すること、現制度以上のものを明文化すること、二に、跡地利用を含め地方の危険負担をなくすこと、三が、法案の第一次素案の段階協議会と協議すること、こういう以上三点の条件といいますか、要望といいますか、そういうのが自治体の側から出されていたこと、これはいかがですか。
  96. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 御指摘のような御要望を伺っております。
  97. 神谷信之助

    神谷信之助君 この三点の条件というのは、結果はどういうことになったわけですか。
  98. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 財政問題につきましては、現在の制度を下回らない事業の補助を考えてこの制度をつくっておるわけでございまして、補助の率にいたしましても補助金の地方負担分の取り扱いにいたしましても、現行の制度と同様の扱いをすることになっております。
  99. 神谷信之助

    神谷信之助君 現行の制度以下になったらどういうふうにするんですか、あなた。現行制度そのままというのはあたりまえのことじゃないですか、現行制度より悪くなりませんでしたということで、国の積極的な財政的資金的援助を法文化すること、いわゆる現制度以上のものを明文化することというこの要望はもう完全に裏切られているわけです。運輸大臣、厚生大臣という有力な二人の大臣がおって、大蔵省にも押し切られて、しかも、自治体側の方は、せめて国の責任を明らかにする意味からも出資をちゃんとしてくれ、地方団体の方も一億円出資する、国も一億円出しましょうと、こうしてくれと。それで努力をされた。しかし、それはとうとうゼロになった、国の出資は、もう大蔵省はうんと言わぬという最終段階の最後の自治体側の要望として、せめて現行制度よりも少しはプラスをしてくれ、それを法文化してくれ、こういうのが最低ぎりぎりの要望だったわけです。これは見事に裏切られているんです。これで一体、自治体の側にどれだけのメリットがふえるか、この法律ができて、センターができて。イカレポンチなんですよ。この点について両大臣の見解を聞きたいと思います。
  100. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) そこがまさに国の財政急迫のところでございまして、これはやむを得ない処置だったと私は思っております。  それから、市町村のメリットとおっしゃいますけれども、それじゃ、この事業を進めていかざるを得ない事情が、市町村側の最終的な廃棄物処分ということについてはやむを得ない措置だと思うんです。でございますから、私たちは、いろいろと問題点があることは承知いたしております。それが一日も長く、そして、できるだけいわば一般廃棄物処理していく方針で、つまり、産業廃棄物だとか、あるいは建設残土というようなもの、そういうふうなものをできるだけ均量化して、できるだけ長くこれをもたす方法で徹底していくということをやらざるを得ない。  それから、財政上の不安がいろいろと問題として残っておりますけれども、私たちは、この最終埋立地のインフラのあり方、あるいは、これの港湾との関係であるいは地方自治体の利用のあり方、そういうようなものをひっくるめまして、特にインフラにつきましては国もそれなりの補助事業としての公共事業的な事業としてやるのでございますから、私は、この最終埋立地の処分につきましてもそんなに大きいそごを来すものではないと思っておりますし、また、そういうぐあいにならぬように国といたしましても十分な措置はいたしていかなきゃならぬと思っております。
  101. 園田直

    国務大臣(園田直君) 運輸大臣と同じように考えておりますが、この点については今後ともよく注意をして、関係省庁と相談をしながらやってまいります。
  102. 神谷信之助

    神谷信之助君 これは財政的メリット、この点ではこの法律が成立をしても何もないわけですね。それでこの種の特別立法といいますか、特定された立法については、たとえば公害地域の財政の特別措置法にしても、あるいは首都圏あるいは近畿圏、中部圏もそうでありますが、あるいは工特区内や新産都市の財政特別措置法でもそうですね、一定の補助がプラスされるわけですね。そういうのが必ずついて、そして国としてこれを助成をするといいますか、奨励をするというか、援助すると、こういうのが従来のこの種の立法の中には必ずあったわけです。ところが、いま審議をしているこの法案だけは何にもない。何にもないわけです、その点でのメリットは。この点が一つ現実に私は関係する自治体の、まあ全部ではありませんけれども、二府四県あるいは各市ずっと参って聞いてまいりました。そういう点が一つ重要な問題だということを申し上げておきたいと思うんです。  その次の問題に移っていきます。  そこで、次はこの法案に対するいま言いました近畿圏の各自治体の対応についてお聞きしたいと思うんです。確かにこういう広域処分場の開発といいますか、これに対する期待というのは非常に大きいんですけれども、ずっとそれぞれの自治体を回ってみますと、まずそれぞれ事情がやっぱり違います。当分間に合うところと、もうせっぱ詰まって目に見えて処分場に困っているところというのもあります。  もう一つは、最終処分場との距離ですね、この問題でコストが非常に高くなるんじゃないかということで、一般的期待はありながらも、現実的な問題になると非常に違いが出てきています。厚生省最終処分量の見通しについての計画では、広域処分必要量から自分のところで処理できるものを引いたりして、そして最終処分の必要量というものを計算をされているわけですけれども、実際にこれはセンターができて事業ができ、いよいよ埋め立てをするというときにどれだけ委託をしてくれるかどうかと、この点の見通しは一体どうなのか、この辺の調査厚生省でおやりになったことがありますか。
  103. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 五十二年時点での内陸の土地利用あるいは排出量、要処分量等から推計した資料はございます。
  104. 神谷信之助

    神谷信之助君 それはどのぐらいになりますか、委託量、総量ですね、自治体からのですよ。
  105. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 近畿圏全体で千五百万トンという数字を先ほど申し上げました。そのとおりでございます。
  106. 神谷信之助

    神谷信之助君 千五百万立米というやつですね、先ほど言った。
  107. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 千五百万立米です。
  108. 神谷信之助

    神谷信之助君 そうですね。これは計算したものじゃないですか。大阪湾につくったらあなたのところは委託をしますかと、その量は幾らですかということでアンケートとったものですか。
  109. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) これの推計のほかに地方の各都市の意向調査をいたしまして、おおむねこれに近い数字だと思っております。
  110. 神谷信之助

    神谷信之助君 たとえば、私は京都でひとつ調べてきましたが、京都府の一般廃棄物最終処分必要量の約六割占めるのが京都市なんですね。それで、これは山科地域の山間部に東部山間埋立処分場、これを約三百億かけていま建設に着手したとこですね。これで六十年から十五年間使う計画で、したがって大阪湾まで持っていくつもりはいまのところないと、こういうお話です。それから同じく大阪に近い長岡京、向日市、大山崎町、この一部事務組合である乙訓環境衛生組合、ここもいま埋立地を建設をしておって、当分大阪湾まで持って行く必要はない、こういう状況なんですね。さらに京都府下全体の問題としては産業廃棄物処理をどうするかという、これは地元府下の瑞穂町という山間地に京都産業サービス株式会社というのをつくって、産業廃棄物処分場をつくる計画が起こっています。地元では大分反対がありますが。こういうように独自に京都では進めていて、大阪湾域でそれができてもつき合いで出資はせないかぬと思うけれども、委託をするところまではいまのところ考えていない、そういう必要もないだろうと、こう言っている。  それから奈良県、滋賀県、和歌山県、これらにもそれぞれ聞いてみました。そうすると、運搬コストが相当高くかかってコストが割り高になると。したがって、それができてもそこまで委託し、お願いするということにはいまのところ恐らくならぬだろう、こういうようにおっしゃっている。そして先般、御承知のように大阪の知事さんは反対だという意思表示をされている。こういう状況が報道されていますね。  そうしますと、実際に一億四千万立米入れるところのそういう最終処分場をつくっても、一般自治体が実際とれだけ利用するのかという点について、私は非常に疑問を持つんですが、この点についてはどうお考えですか。
  111. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 先ほど運輸省の方から、今後基本計画のための調査に二年ぐらいをかけるということでございまして、当然にその間並行して各市町村の排出量、処分量、さらに広域に依存する量というものを今後推定してまいります。それで、さらに具体的には実施計画の段階におきまして、市町村と具体的な委託契約をいたしますので、その段階で確定をするという手続になってまいります。したがいまして、今後の二年間の調査でまだ個々の市町村について確定するところまでいきませんが、大体そういう前提調査をしまして、正式の契約は実施計画段階ということ、その段階で決まりますので、もし先ほどの御指摘のような京都が十五年先まで大丈夫だということであれば、あるいはほとんど契約しなくても済むということもあり得る。ように考えております。
  112. 神谷信之助

    神谷信之助君 それは必要でないのに契約する必要はないのは明らかなんで、契約を強制する権限はないですからね。あたりまえのことなんです。問題は、そうやって実際に必要とする自治体がなぜ委託できないのかという問題です。そうなると、それは特に委託料といいますか、料金の問題にかかわると同時に、運搬コストの問題なんですね。これについては、遠いところは高くつくのはあたりまえ、あるいは中継基地を必要とするんです。こういったものについての処置というのはどういうようにお考えなんですか。
  113. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 基本的に処分場の確保というのはそれぞれの自区内処理というものを原則的にやはり考えていくべきものと考えておりまして、その努力をした結果どうにもならないということで他の地区へ持ち込むわけでございますので、多少の、かなりのものになるかもしれませんが、輸送コストによる実質的な処分費の増高はやむを得ないというふうに考えております。
  114. 神谷信之助

    神谷信之助君 そうすると、運搬コストは全部それぞれ自治体持ちということですか。財源措置は何も考えないということですか。
  115. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 今後検討したいと思いますが、いまのところ考えておりません。
  116. 神谷信之助

    神谷信之助君 これは中継基地についてはどういうようにお考えでしょうか。これ、厚生省の方に聞きますと、自治体が負担をするもの、それから、場合によったらセンターが負担をする分など、ちょっといろんなケース考えられるというように書いてましたね。この点についてはどういうようにお考えですか。
  117. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) まだ具体的に中継基地を設けるのか、設けないのか、その辺について詰め切っておりませんので、具体的な財源手当て等についてはいまのところ考えておりません。もしセンターがつくるということであればまた検討するし、センターがつくるにしても、市町村が事務組合つくるにしましても、一つは輸送費用、輸送、収集、運搬に伴う補完施設ということになりますので、現在の補助制度では少しむずかしいというふうに考えております。融資等の措置は可能であろうというふうに思っております。
  118. 神谷信之助

    神谷信之助君 現在の補助制度ではむずかしい、必要であればそういう補助制度を考えるということですか。
  119. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) よく研究してみたいと思っております。
  120. 神谷信之助

    神谷信之助君 大臣、これがもう一つ問題です。自治体の方は最終処分場がなかなか手に入らなくて困る、しかし大阪湾まで持っていくというようになると今度はコストだって大変だ、これじゃ何していることかわからぬ、だから少々地元で反対があるとしても、まあ山に捨てざるを得ぬというんで山間部またあちこち埋め出してきているんですね。それで、そっちはそっちでやりなさい、それぞれの行政区内で最終処分するのが原則だから、それはそっちでやりなさい、しかし、片一方大阪湾には八百ヘクタールの大処分場をおつくりになる。しかしそれには出資はしなさいよ、こうなるわけだ。それで、つき合いだから出資もせにゃいかぬだろう。二府四県、県庁所在地ぐらいはつき合わにゃならぬという話も出ているわけですね。これはやむを得ぬだろうと。しかし、商うつくのにわざわざごみを捨てるのに税金のむだ遣いをするわけにいかぬ、うちでできるだけはしんぼうしよう、こうなる。  そうすると、実際の最終処分場に持ち込まれるものは一体何だ。全部予定しているとおり自治体が持ってきたとして、最終処分量の約二割なんだ、自治体が持ってくるものは。あとは産業廃棄物、陸上残土とかしゅんせつ土砂といっても、結局はそれでしょう。それ自身出したところの者が処分すべきものです。じゃ、そこのところは大企業その他ですから、自治体の方ももうそんなところまでは見てられぬ、大阪湾行ってほかしてくれ、こう言われると、少々金がかかってもそこのものは持っていくでしょう。あるいは土建の土砂、陸上残土、これも持っていくでしょう。だから一番地域住民の生活にとって必要なごみ処理という問題、これは日分のところではなかなかできぬ、それを解決するためにつくるんだと言ってそれなりの措置をしたんだけれども、実際にできてきたものはそうなってくる。それぞれの内治体は出資はする、それのための金を取られるだけだ。それを使うのは、その近辺の幾つかの自治体とあとは産廃を捨てる大企業、あるいは港湾整備をやるそういうところでそのしゅんせつ土砂を引き取ってもらえる、こうなるんですよ、先ほども言いましたけれども。  だから、それぞれの自治体がいま最終処分場を確保するのは非常に困難だ。したがって、この法案をつくって、そういう困難を解決するんだと言いながら、実際結果としてはその困難は解決されない、こういう結果にならざるを得ない。そういう遠距離の方についてはちゃんと運搬コストについて一定の財源措置もしましょう、あるいは必要な範囲内で、あるいは一定の基準の中で中継基地あるいはストックヤードなんかについても施設については一定の助成をしよう、あるいはセンター自身の事業にするとかやればコストはうんと変わってきますから、それならばそっちへ持っていこうということも起こるでしょう。実際に自治体に利用できないようなものをつくって、結果としてそういう大企業その他に便益を与えるということになってくると、これは国民の税金を一体だれのために使っているのかというそういう批判を受けるということになる。この点についてひとつどうお考えがお伺いしたいと思います。
  121. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 一つ、私は前提問題として申し上げたいと思いますのは、それはセンターに能力をつけ、また資金もつけたら中継基地もつくれましょうし、あるいはまた各市町村回って収集ということもできましょうが、しかしそこが実は一番いま問題になっておるところでございまして、こういういわば複合行政の新しい自治体活動というものを厳に慎まなきゃならぬのでございます。でございますから、われわれはそんなに事業を拡張し、そして自治体がやっております固有の事務あるいは機関委任事務として受けておるものを、それをこのセンターの業務によって侵そう、そんなことは全然考えておりません。ここはひとつはっきりしていただきたい。でございますから、入れ物つくるだけなんだというこの趣旨だけは徹底したい、そうしないと、自治体の中にもいろいろ意見がございまして、そういう不安が起こってきたら何のためにわれわれ一生懸命やっているのかわからなくなってしまう、そこだけはひとつはっきりとしておきたい、これは前提で申し上げておきます。  それから、いまお尋ねの当面の問題をいま時点にとってみて、私は恐らく昭和六十二年ごろまでとってみたら、おっしゃることが私は当たっておると思うんです。しかしながら、これが公害指定地域がやはり拡大してまいります、流域下水道の拡長とかということで。そういたしますと、それをもって計算をしてまいりますと、私ちょっといま補助裏の問題もあったんで聞いてみましたら、国の負担というものが相当な額で違ってまいります。特に山間部等におきます地方自治体においては、それは確かに最終処分地は自分の地域内において確保できるかもわかりませんが、しかしながら、これとても将来におけるいわば環境破壊という問題にもつながってまいりましょうし、そういたしますと、結局は広域的な処分場ということに依存せざるを得なくなってくると思うんです。  しかも、そういう最終処分場を単独事業としてやりました場合に、かえって超過負担が大きくなってしまいまして、それよりも現在の広域処分として受けるいわば助成並びに交付税の裏打ちを受けた方がかえって得なんではないか。まあざっとした計算で私は自信ございませんが、まだぽっと見ただけのことでございます、精査はしておりませんけれども、公害指定地域等におきましては地方交付税のリンク等いろいろ考えてまいりましたが、大体七〇%近くのものが国庫負担ということになってくる計算になります。それ以外の指定地域においても四十数%、約五〇%近くの国庫負担ということになってくる。  そういうぐあいにして計算してまいりますと、将来において、いよいよむずかしい高価な最終処分地を地方自治体自体で確保するということになってくる段階が、この昭和六十二、三年が境なんであります。でございますから、いまから準備して処分場をつくりたいというのがわれわれの法案提出の趣旨でございますから、それが有効に働いてまいりますときには、先生御心配のようなことが、やっぱりここで広域処分場ができておって、これが非常に活用されているという時代に入ってくると思っておりますので、そこら、先の方を見ていただいてひとつ御理解を賜りたいと思うんです。
  122. 神谷信之助

    神谷信之助君 いま大臣おっしゃった前提の問題は私は大事だと思うんですよ。だから、これは後でまた言います。いわゆるこのセンターの運営、監督についてどのような形で自治権が侵害されないようにするのかという点は、この法案自身ではまさにそういう意味ではきわめて不十分といいますか、自治権の侵害にわたる可能性、危険がある、われわれそう見ているんです。これは後でもうちょっと問題の提起をします。  それから後半の問題は、おっしゃいましたけれども、それはこの法律ができたらそれだけよけい補助がふえるとか、裏負担がふえるという問題じゃない。現行のとおりなんですよ。何ぼ一生懸命裏負担がよけいあってどうのこうのと言ったって、それはこの法律なくてもできるんですよ。私が言うのは、もう一つ最終処分場の取得がきわめて困難である、この問題は考えなきゃならぬという点では一致している。処分場は要りませんとは言いません。山ならいいけれども海ならけしからぬと、そんなことでないんです。山でもそうなんで、それから出てくるいろいろな排水が下流をどのように汚染をするかということで、京都のいま瑞穂町で問題が起こっているのはその問題です。その危険は多分にあるんです。  しかし、同時にそういった面についての心配、危険というものを完全になくして、それこそ住民が納得いく公開の監視体制もでき、ちゃんとそれが保証されるならば確保しなきゃならぬ。確保するということには私は間違いない。ところが、そのために確保するはずの計画されているこの処分場は、実は自治体がその処分場がなくて困っている、そういう場所を探しているのにそういう期待にこたえ得るものになっていない。のどから手が出るほどその場所欲しいんだけれども、そこまで持っていったらものすごい金がかかってそれはもうわれわれにっちもさっちもいかぬじゃないかということで、期待はしながらも実際には使えないということ。おっしゃるように六十二、三年ごろになってますます困って、もう地方財政の、自分のところの負担能力を超えて、そこまで頼んでほかしてもらわなきゃならぬということになる危険さえあるんです。  だから私は、そういう運搬について、運搬コストについて特別の財政措置をするなり、あるいは中継基地なりあるいはストックセンターについて一定の助成をすると。事業そのものは自治体がやるんですよ。それに対して国が国としての責任を明確にしていくということを明らかにしてやっぱり助成措置というものを考えるべきだということを言っている。だから、いま厚生省の方はそれはまだ検討しておらぬ、これから研究しますということだから、私はむちゃくちゃじゃないかと言っているんですよ。
  123. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) それは、まだこのセンターができてそして運搬をしているという状態にないんです。もし、センターができまして運搬をするという状態が起こってまいったといたしますならば、その運搬費は当然市町村がいわば廃棄物処理事業として計算されていくであろうと。そうした場合、いま、まだ自治省等においても検討はされないであろうと思っておりますけれども、しかしながら最終的には廃棄物処分費ということになってまいりますと、これは基準財政需要額の中に当然組み入れられるべきものだと私は思います。その点における財政措置というものは当然講じられるべきものであって、それだって余り差額が大きくなるとは私は思えませんし、ましてや単独の陸地内におきましてそういう処分地を小さいものをたくさんつくりましても、結局これの環境維持というもの、これが私先ほど言っておる超過負担になってくるという、このことをコストを合わしてまいりますと、集めて大きく処理した方が得なんではないかと。  一方において確かに運搬費というものをわれわれも気にはしておるんですけれども、これは将来自治省なりあるいは財政当局と相談し、これはやっぱり一般清掃処理費としてそれの需要に見ていくべきだという考えを持っておるものであります。
  124. 神谷信之助

    神谷信之助君 それはあきまへんで。それはあなた何ぼ基準財政需要額がふくらめばふくらむほど交付税がふえてくるんやと。そうやない、交付税の総枠決まってますのやがな。いまやった三税の、三二%で枠は決まってますのやがな。枠が決まっていれば、どこかの自治体が基準財政需要額ぐっとふえたと、そうしたらほかのところは減らされるだけの話。だから言っているのは、どうしても足らぬ分については交付税措置をせないかぬでしょうが、そういう特別のものについては特別の国が補助金なり助成の措置をしなければ、これは自治体の中のお互いのタコの定食いをやるわけですよ。大臣のおっしゃる理屈はね。それでは自治体は満足しない。そんなものあなた、自分たちでお互いの足を食い合うんだから。国が別の財源を出さない限りは、何ぼ基準財政需要額が、それだけ運搬事業としてコストがふえてみたって、枠は決まっていますからね。それを四〇%なり五〇%に交付税の枠を、税率上げるとかなんとかおっしゃるならまた別です。だから、そういうことが一つ問題になる。  いずれにしても、しかし、実際にそういうものが起これば、そういう事態になれば当然何らかの補助制度を考えざるを得ないだろうという趣旨も同時にお述べになっていますから、たとえばこれ六十年か六十二、三年ごろのことになりますから、それまで大臣ずっと続いてはるということの保証はないんです。だからこの点は、しかし行政の一貫性といいますか、そういう点ではひとつ、そういう事態のときには、いよいよ運搬をして、そして処理場に委託をするという時点では、当然そういう補助制度も検討されるということはひとつはっきり政府の意思として確認をしておきたいんですが、いいですか。
  125. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 他の市町村、これの広域指定地域に入らない市町村が全国にたくさんございますし、そういうところとの間に不公平の起こらぬようにし、なおかつ合理的な対象をとりまして経費が節減し得られるような努力はしてまいらなきゃならぬと思っております。
  126. 神谷信之助

    神谷信之助君 いろんな条件づけられましたけれども、それで、その次は場所の問題ですが、きのう首都圏サミットが開かれたようで、きょう報道されておりますが、この首都圏サミットでも、フェニックス計画について、いわゆるこの法案の計画内容について議論がされたようでありますが、その内容を御承知でしたらどちらからか報告してもらいたいと思います。
  127. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 第五回の六都県市首脳会議の最後の座長コメントとして発表された内容しか承知いたしませんが、首都圏の交通問題等のほか、廃棄物処理問題が議論されたようでございます。結論的に見ますと、廃棄物処理につきましてはおのおのの自治体処理を原則として六都県市でよく共同研究しようと、処分場の限界の認識に立つが具体的にもう少し見きわめたいということが第一点でございます。それから第二点は、この法案については衆議院の附帯決議に見られるように種々問題があるので、徹底的な審議を尽くすことを望むという意見でございます。また、将来実施に当たっては責任ある関係自治体の意向を十分尊重するとともに、財政負担についても配意することを強く望むという、大体三つの骨子で発表されております。
  128. 神谷信之助

    神谷信之助君 最近の報道で、首都圏や大阪湾圏、これの最終処分場の位置をめぐっていろいろ報道されておりまして、その影響もあってきのうの首都圏サミットではこの問題大分議論になったように報道されております。そこで、厚生省の五十四年度の首都圏の報告書、これの十二ページから十三ページにかけて、最終処分場の候補海域についていろいろ評価項目に応じて検討をされたのがあります。A、B、C、D、E、Fと六つの候補海域、これにそれぞれの評価項目に従って○△X、これがつけられていて、そしてその結論としてB、C及びD、この海域が有利であるというように書かれておりますが、このB、C、D、これは具体的にはどこの地域を言うんですか。
  129. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 具体的に申し上げる前に、この海域に関する評価の趣旨でございますが、海域のどこがいいか等につきましては、むしろ運輸省サイドで分担調査するという役割りになっておりまして、厚生省といたしましては、どこに来るにかかわらず、その内陸の搬入問題等全体のシステムがどういうぐあいになるんだろうという一つの全体システムをながめる上で、ある地点を考えないとできないものですから、一応六つのところを予定いたしまして、その候補海域ごとにどういうルートをつくってどうすれば全体システムとしてどれくらい金がかかるとかいうような検討をいたしたわけでございます。候補海域につきましてはごく概括的な、ほとんど調査らしい調査もしませんで、既存のデータを集積する程度で、一応問題が少ないとか若干問題があるとかいうことを考察したものでございます。事項といたしましては、環境への影響とか経済性とかその他船舶の航行等の制約条件、この程度から○×△を入れて一応の評価をしてみたというものでございます。  それによりますと、一つは浦安沖と、Cが羽田沖と、それから袖ケ浦河というところが○が入っている。比較的問題が少ないということでございます。ただし、この中にはいわゆる社会調査といいますか、地元留住民とか漁民とかとの関係、その他ごく近辺の搬入地点あるいは基地周辺の問題、その辺については全く詰めておりませんので、そのように御理解をいただきたいと存じます。
  130. 神谷信之助

    神谷信之助君 じゃあ運輸省調査ではどういうことになっていますか。
  131. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 運輸省におきましても地点を一応選びまして、選んだ地点は浦安沖、それから千葉の幕張の沖、それから市原の沖合い、それから木更津の沖合いというような地点をとりあえず選びまして、これを候補水域といたしましてこの構想の実現の可能性があるかどうかという各種調査実施いたしたわけでございます。そして構想自体、つまり物理的な調査が主体でございますけれども、東京湾域でこういったことを構想しても実現の可能性があるという結論を得ておるわけでございます。  それで、これらの水域の取り上け方は、調査前提として選定をしたということでありまして、この辺につくるというような意味ではなくて、調査の対象としてこのものを選んだと。そしてその対象として選んだ水域に対しまして、埋め立てに利用し得る水域の広さ、その区域の中でどの程度までは埋め立てても大丈夫かといったような意味でございます。そういった検討、それからその場所に埋め立てをつくった場合の海上輸送の検討、それから環境への影響、これは水質でございますとか、流れがその位置にある規模の埋立地をつくったらどういうふうに変わるかということを計算検討したということでございますが、そういうこととか、概算費用検討といったようなことを実施をいたしたわけでございます。それの総括的な結論といいますか、結果としましては、先ほど申し上げましたようにこれだけの水域のいずれも、それぞれ一長一短、問題もないわけではございませんが、こういった広域処理場というものの可能性はあるという結論に達したわけでございます。  したがいまして、広域処理場の位置、規模等についてはもちろんセンターが独自に調査を今後実施をされて、かつ関係の港湾管理者とか地方公共団体と十分に協議をなさって基本計画を策定されることになろうかと思いまして、そのときの一番基本のといいますか、最初のめどをつける資料にこういった私どもがやりました調査も使っていただきたいというふうに考えております。
  132. 神谷信之助

    神谷信之助君 それで、その運輸省のいまおっしゃった四カ所、四候補地、この中で、いろいろ資料を見てみますと、大体比較的有利といいますか適しているというか、その点では浦安とか幕張のように私も理解したんですが、その点はいかがですか。
  133. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) どこがすぐれておるということを総合的に評価をするということはいたしておりません。個々の点について一長一短ということで、それぞれのその一長一短がわかっておれば決めるときの参考になるだろうという趣旨で調査をいたしたわけでございます。
  134. 神谷信之助

    神谷信之助君 しかしいずれにしても、今度センター調査をする、その場合、全然これはあかぬ、ほかのところだということになったのでは、これは大金を使って調査した結果が何の役に立たぬわけですから、これが一定の基準になるんだろうというように思うんです。  大阪湾の方で厚生省調査された中で、C及びC’ですね、それぞれいまもおっしゃったように一長一短あるだろうけれども、比較的有利ではないか、たとえば面積の問題、あるいは護岸造成費の価格の問題、運搬問題、こういった点から、大体比較的それが有利ではないかというように報告書にありますが、それで間違いありませんか。時間がありませんからひとつ簡単に言ってください、イエス、ノーでいいですから。
  135. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 大阪湾の湾奥部が有利であるというような結果になっております。
  136. 神谷信之助

    神谷信之助君 それは、いまのC、C’というのはどこになりますか。
  137. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 西宮沖でございます。
  138. 神谷信之助

    神谷信之助君 あと、先ほどちょっと大臣にも言っておきましたが、センターの管理委員会、定款の問題その他、議論をしたいと思っておったんですが、もう時間になりましたのでこれは後の機会にまた譲りたいと思うんです。  それで、いままで申し上げましたように、再々繰り返しておりますけれども厚生省の方で初め計画をされたときは、そういうそれぞれの自治体の最終処分場の確保がきわめて困難だと、したがって国として責任もあるんだから、国の方へひとつそういう確保についての計画なり何なりを強く要求される、したがって当初は国が全面的にひとつそういう点ではセンターそのものについて責任を持って公団形式でというそういう方向で進んだけれども、これはなかなか大蔵省がうんと言わぬと。まあ行革の問題もあって、結局国と地方団体が同額出資をするという方向でこの処分場事業を進めようという当初の計画だった。したがって、そのときには、産廃あるいは陸上残土ですね、あるいは港湾のしゅんせつ土、こういったものの処分地としては考えていないと。したがってその計画が三百六十ヘクタールであり、規模も現在のようなでかいものではなかった。しかし、捨てる場所が海である、港湾であるということで運輸省との関係ができ、そして運輸省港湾整備計画との関係も相まってこれが倍以上の大きい規模にふくれ上がった。  同時に、今日の国の財政事情ということが口実になって国の出資はやめにするし、国の補助額も五十六年度計画では結局初めの予定から言うと半額になる、こうなってくる。しかも、そこに収容される実際の廃棄物の中身は一体何だというと、当初の自治体が困っている廃棄物をそこで処分するんではなしに、逆にその八割近くまでが、実際には恐らく八割を超えるでしょう、それは大企業やその他の産廃であり、あるいは土建事業がどんどん進むそれの残土であり、あるいは港湾のしゅんせつ土である、こうなってくるんですね。だから当初の計画から言うたらもうぐるっと百八十度近く転換をしてしまった。しかし必要なことは必要なんで、おっしゃるように将来、いま十分何とか賄えるとしても、どういうことでどうにもこうにもならぬということになるかもわからぬという、自治体もそういう心配がある、だからとりあえず出資金はつき合いで出しましょう、委託の方は見通しかありませんと、こうなってきているんですね。  それで、これらずっと、いまわずかな一定の部分だけ限られた時間内で指摘をしてまいりましたけれども、それらの基礎になっている数値も科学的根拠という点で言うときわめて低い。八億円も調査費をかけながら、今度またセンターができて、もう一遍改めて、それ自身、もちろんむだにはしないだろうと思いますけれども、それを土台にして調査をしなきゃならぬ、こういった状況なんです。そういうことであれば、もっと事前に関係自治体との間の協議もし、そしてさらに必要な調査も全部やって、先ほど環境調査の問題もありましたけれども、こういった問題も含めてもっとやって、そしてできればもうすぐできるようなところまで見通しをちゃんと持って、そしてセンターを設立するならわかります。展望がもう一つはっきりしない、国会でいろいろ議論をされてもわからぬ状態のままで法案の成立を認めるということは、これは国政に責任を持つ者としてはできない相談だというように思うんです。  したがって、これは私は、両大臣に率直に御検討をお願いしたいと思いますが、もうすでに衆議院段階の議事録を見ましても、それから参議院の当委員会の審議の状況を見ましても、またきょう私の質問に対する答弁の状況を見ましても、もう一度御検討いただいてから再提出する、そういうように私は、政府自身が、政治にあるいは行政に責任を持つという立場にお立ちになるならそうすべきだと思うんです。その点についての最終的な御見解を両大臣からお聞きをしておきたいと思います。
  139. 園田直

    国務大臣(園田直君) 衆議院並びに参議院の御審議、問題点等は十分、これは関係自治体でも心配をしておることでございますから、留意をし、かつまた、今後実際に調査協議あるいは運営する場合には、御指摘の点がないように十分注意しながらやりたいと考えておりますので、何分よろしくお願いをいたします。
  140. 神谷信之助

    神谷信之助君 ちょっと最後に一言。  もう時間がありませんから運輸大臣失礼をしますが、もう違うことをおっしゃらぬだろうと思いますから。法案がこれのままでいきますと法律になる。そうすると秋にはセンターができる。法律ができセンターという組織ができ、一定の機構ができますと、結局調査をしたけれどもできませんでしたといって解散をするわけにいかぬわけですよ。無理があろうと、いやでもおうでもつくらなきゃならぬ。だから、法律ができるということは、センターをつくって、そして実際にその事業が進むということだと。その事業が本当に役に立つのか、本当にここに推定されるようなことになるのかどうか、その見通しがさっぱりわからぬのにゴーサインを出すのはいかぬということなんです。この点はひとつ十分、重ねて念のために申し上げておきますので、御検討をいただきたいと思う。  終わります。
  141. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 最初に本論に入る前にお聞きをしておきたいのは、いままでの質疑をずうっと聞いておりまして、どうもわからないところが多過ぎる。こう何か、やっぱり準備不足で出されてきたんじゃないのかなという気がするんですけれども、昭和五十一年度の運輸省の予算で港調費が一千三百万がついて、それからずうっと毎年予算がついてきた。厚生省の方が五十三年度に五千万円の調査費がついてずうっと来て、この両方でもって五十一年度から五十五年度まで八億六千八百万円の予算を使ってきたわけなんです。ここでもっていろいろ調査されたことの資料は私も受け取ってはいるんです。とてもじゃないですけれども、あれだけの膨大な資料を目を通すなんてこれはもう困難なことなんですから、実際この間に、五年間に八億六千八百万ものお金を使って調査をしたポイントというところはどういうところなんだろうか、どういうふうな結論を持って、今度はこういうふうな提案になってきたのかという、その辺の点をまず聞かしてくれませんか。
  142. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 運輸省がいたしました調査規模に関する調査、これは廃棄物処分の実態、あるいは広域処分の需要の調査をしたわけでございます。それから位置に関する調査をいたしておりますが、位置に関する調査としましては、自然条件、それから環境影響かなり大まかな状態ではございますが、評価をいたしております。それから、船舶の航行に対する影響の評価、こういったものを位置に関する調査として実施をいたしております。この辺がかなり中心になっておるわけでございますが、その結果、大阪湾あるいは東京湾という海域にこういった広域処理場をつくることは可能であるということをこの調査からわれわれとしてはつかんだつもりでございます。  それから、構造に関する調査をいたしておりますが、これは事業費をどれぐらい見込む必要があるかということのために、おおよその構造を把握しておく必要があるということで調査をいたしておりまして、これによりましていままで御説明を申し上げましたような事業規模を推計をいたしたのでございます。  そのほか、事業方式に関する調査広域港湾計画に関する調査というような周辺調査をいたしまして、これらを総合して広域処理場というものをこういったセンターというような形で実施をすることが可能であり、かつ適当な方法であろうというふうに結論を得たわけでございます。
  143. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 もっとわかりやすく言うと、八億六千八百万というお金はあらまし人件費で使っちゃったんですということになるんじゃないの。それから場所の問題についてもそうなんですが、たまたまいま神谷委員から聞かれたら、どこのここのと言うから、あれはもう前にもどなたか聞いておったんだけれども、お答えをしていなかったはずだ。だから、少なくとも軍事機密も何もあるんじゃないんであって、それで私たちがこういうことを考えました、これやるについてはこういうところがいいと思いました、それで、過去五年間かけてこういうふうなお金も使ってやってきたんで、こういうプランを持ったんですが、よろしくこれで御了承を賜りたいと言えばいいんだけれども、なかなか聞いたって言わないで、そのうちちょびちょび出してくるから、いままでみんなに怒られて。何でもうちょっと自信持って答弁しないの。それから、わかっていることははっきりわかっているって答弁したらいいと思うんだけれども、どうですか。八億六千八百万、もう一回開くけれども、あらまし使ったのは人件費ですと、そういうことにならないの。
  144. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 調査の中で人件費がどれぐらいかということは、ちょっと私ここではわかりませんが、人件費ももちろんある程度かかっておりましょうけれども、主な部分は、やはり恐らく学識経験者等に委員会でいろいろと御議論をいただいたときのそういった費用とか、それから相当大きな部分が、先ほど来申し上げておりますシミュレーションをやっておりますから、そのときの計算機の使用料といいますか、計算機を動かす費用かなり大きな部分を占めておると思われます。
  145. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 それで、運輸大臣がいまいないから、局長ね、私はこの法案一つのポイントは、埋め立て土地をつくるのがねらいなのか、それともごみの処理をするのがねらいなのかというどっちつかずなこと言っているからわけがわからなくなっちゃうんだよ。それで、これの趣旨によると、「交通の発達及び国土の適正な利用と均衡ある発展を図るため、港湾管理者により土地造成が行われてきたが、その際埋め立て用材としてしゅんせつ土砂、土地残土等の廃棄物が利用されてきた。  さらに大都市圏においては、最終処分を必要とする廃棄物の量が増大するにつれて、廃棄物処理問題が深刻化してきたため、」四十八年ですか、廃棄物埋め立て護岸のあれをつくったわけでしょう。で、今回これをやろうというのは、そのどっちのことを考えているのかということをきちんと目的を明確におっしゃっておらない、いま私が読んでいるのはそちらが出されたのを読んでいるんだけれども。  で、このごみの問題というのは、私に言わせるならば、人間の文化生活の向上と正比例で出てくるもんでしょう。昔の、明治からもっと昔のときだったら何もそんなもの心配することはない。三度三度自分の体から出てくる排せつ物だってみんな始末して、何もそんなことを地方自治体が心配する必要はないわけだ。これだけだんだんだんだん人口が集中して、小都市、中都市、そうしてこれだけの東京なり一千万の大都市になってしまう。だから、排せつ物の始末も自分自身でできないから何とかしなくちゃいけない。ごみも何とかしなくちゃいけない。本来は自分が始末をするもの、それができないから結局地方自治体がそういうふうなものをめんどう見るようになってきた。それがだんだんだんだん地方自治体でもめんどう見切れなくなるから、ひとつ広域にこういう問題でやらなくちゃいけないじゃないかということだと思うんです。学校にしてもあるいは水道にしても、広域でもって幾つかの市町村が一緒になって水道の設備をつくってやるというのもそういう点ではないかと。その辺のところが、じっと聞いておっても、この提案のなにを見てもそうなんだけれども土地をつくって金もうけでもやろうと考えているのか、ごみの処理のそこになにするのかというふうなことがはっきりしない。  そこで、四十八年ですか、港湾法の一部改正に基づき廃棄物埋め立て護岸の整備をやって、ずっと東京と大阪間、全国で十の港でもって港湾管理者を設けてやってきたんだけれど、この制度が広域的に使えないんですか、どうなんですか。
  146. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 廃棄物埋め立て護岸の制度自身は広域には使うことはできると思います。つまり港湾管理者が廃棄物埋め立て護岸をつくって、そこに受け入れるごみの相手方をそれぞれその内陸の地方公共団体と協議をして契約を結んで受け入れるというふうに約束をすれば、これは可能だと思うんです。ただ、自動的にそういうふうになるかというと、これはもちろんなりませんで、行政ですから、それぞれの行政の区域の中で処理するのが原則でございましょうから、個別にそういった協議と契約がなされれば広域的に使うことも可能であると思います。    〔委員長退席、理事桑名義治君着席〕 ただ、現実にはそういう使われ方はなかなかむずかしくて、それぞれの港湾を構成しておる地方公共団体が、自分のところで出たごみを自分の港湾でつくった廃棄物埋め立て護岸の中へ捨てるというような運用をしているのが現実の姿でございまして、いま申し上げましたような可能性に基づいてほかの公共団体のものを受け入れるといたしますれば、広域的な運用も理論的には可能でございますが、非常に利害が調整がむずかしくて実現には煩瑣なことが起こるんではないかというふうに思っております。
  147. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 だから、その最後のところにいくとおかしくなっちゃう。もう一回よく聞いておいてください。  この問題は、本来ならば、一軒一軒自分の家庭で、自分のところから出るごみは、体内から出る排せつ分を含めてみんな自分が始末するべきもの。それができないから地方自治体が何らかの機関をつくって、そしてごみならごみを毎日のようにああやって集めてごみ焼却炉をつくったりなんかして始末をしていく。ところが、ますますこういう形になってくると、もう地方自治体も、自分たちで始末ができないからもう少し広域なところでもってまとめてこういう問題の始末をつけるようにしてくれと、そうでなきゃ、とてもじゃないけどコストが高くついて困るというところで生まれてきたわけでしょう。だから、地方自治体がみんな、もう私たちの手に負えません、国でもって何とかめんどう見てやってくださいという声が出てきて、こういう問題に取り組むことになったわけだ。  だったら、いままで少なくとも四十八年なら四十八年にそういう何ですか、廃棄物埋め立て護岸と、そういうものをつくって、それでやりなさいといってやらしてきて、現実にいまやっているわけでしょう。それが東京なり大阪なり主要な港のところでやってきた、そういうふうなものが時代も変わってきたことだし、もうおまえたちだけでなんなんだからせめて一緒になってその回りのものも含めてやったらどうかといって、その調整が国としてつかないはずがないわけなんだ。それがもしつかないとするならば、こういうセンターをつくるということについて、そんなものができ上がるはずないですよ。その辺はどういうふうにお考えになりますか。
  148. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) まず、捨てたい希望を持った公共団体が非常に多数ございます。で、港湾の方は数が少ないわけですけれども先生指摘のように、現在の港湾管理者がやっております埋め立て護岸の中へ多数の地方公共団体から捨てさせてほしいと、あるいはそれに対して捨てさせてもよろしいということをそれぞれ個別に契約を結ぶということは、先ほども申し上げましたように、理論的には不可能ではありませんけれども現実のそういった行政の運営から見ると、私は大変煩瑣なことになってむずかしいだろうと思っております。かつ、そういうやり方をいたしますと、その当該の埋立地が終わり、いっぱいになってしまいますと、今度はまた隣の港湾管理者のところに行って、今度はあなたのところの埋め立て護岸の中へ捨てさせてくれということをまた相談をし、契約を改めて結び直さなければいけない。そういったことをやらなければいけないということで、長期の安定的なそういう広域処理というのは、いまの方法を活用したのではむずかしいだろうと思います。  そういったことをこのセンターをつくって、このセンターという場で、それぞれの利害関係者から代表者が出てきて意見をそこで闘わし、まとめて運営をするという形にすれば、いま申し上げたような煩瑣な問題あるいは現実行政運営上のむずかしい問題がある程度解決できるだろうというふうに考えておるわけでございます。
  149. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 私の質問の仕方が悪いのかなあ。会社だってね、局長のようなこと言ったら会社の企業合併なんか成り立たないわな、それこそ資産も何もみんな違うんだから。ところが、そういうものもちゃんとなにしてだね、それで合併しておる会社なんて幾つもあるわけでしょう。だから、今回のこの場合だって、私は、このセンターをつくることによってのメリットをお聞きしようと思ってるんだけれども、その前の段階でいま一生懸命聞いてるんだけど、あなたは理論的にはと言うけど、そうじゃないんですよ。あなたの頭の中が理論的に物を考えているだけなんですよ。いまのにも、あるいはそれは狭い範囲のどこかがやっていたとしましょうか、そのところにいままでのような状態ではやり切れなくなったんで、ここのところひとつ港湾管理者も、そういう関係者はもう少し何委員会がつくるんでしょう。その辺の点を国が行政指導をして改組をして、それでもう少し広範囲なものにして、そしてこれからこういう運営をしていくということ、やってやれないことないじゃないですか。何かこことこことここで、もうこれ以上やっちゃいかぬというとか、何かそういうことの時限立法でこの廃棄物埋め立て護岸のときのあの法律はつくったんですか。そんなことはないでしょう。
  150. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) そういうことをしてはいかぬということはどこにも決めておりませんので、先ほど来申し上げておりますように、そういうことをやることは理論的には可能でございます。
  151. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 じゃ、その可能な点と、それをしないでもって広域臨海環境整備センター法をつくって、そういうセンターをつくりたいというんだから、そのセンターをつくることの方がよろしいというメリットは何ですか。
  152. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 先ほど先生、会社の合併というようなことを例にお引きいただきましたわけですが、いわばいろんな会社が一緒になって協議会でもつくってやればやってできないことはないけれども、いっそ合併して一つの会社を新しくつくった方がやりやすいというようなことがあろうかと思いますが、このセンターをつくりますと、そういったごみを捨てたい側のいろんな要請、それから片っ方港湾の方は、港湾をいわゆる単なるごみ捨て場にしないで、利用のことも考えながら埋立地をつくるという目的、それがこのセンターという組織の中で一元的に実現できると、こういうことがメリットであろうかと思います。
  153. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 恐らく私は大臣もおわかりにならぬと思うわ、その答弁は。  じゃ、角度変えて、コスト計算したことあるんですか。これだと二千五百億、大阪の方ね。一応そちらから出された資料で私言うんだけれども、いわゆる十年間で二千五百億のお金を使って一億四千万立方メーターのごみを受け入れてやるわけだけれども、このためにかかる総経費というのは幾らになるんですか。
  154. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 二千五百億円と先生指摘になりましたのはこの施設建設費でございます。そして、これを運営をいたしまして、管理運営をいたします費用として二千億円がかかると考えておりますので、この合計が総経費ということになろうかと思います。
  155. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 いや、これは細かい質問通告していませんから御無理な点があるんで、無理は言いませんが、私が先ほどのああいう答弁を聞いておったってわからないから、問題、こういうことを頭の中で考えていただきたい。  二千五百億というのは、いま大阪湾なら大阪湾のそれをつくるためにかかる経費よね。しかし、先ほどからお話が出ているように、そこにそれぞれの地方自治体が運んでくるのは、みんな自前で運んでこいでしょう。それについての費用はいまの段階は見ませんと。そして、港からごみ捨て場へ運ぶ経費についてもトン当たり幾らか、これも後でなにしますけれども、お金を取るわけですよ。そうすると、そこに幾らですか、約二百四十万坪だけの土地ができ上がるのにかかる総経費というものは五千億になるのか、六千億になるのか、七千億になるのか、膨大なお金がそこへかかるわけですよ。そうでしょう。  私が言いたいのは、仮に五千億としますか。それだったら、その五千億のお金をもっと気のきいた使い方をして、それで大阪のあのところで何世帯あるんですか、仮に広域で一千万としたってせいぜい三百万世帯。三百万世帯でもって五千億のお金を使うということは、一世帯当たり十七万のお金使うことよ。だったらば、これは産業廃棄物なんかもあるからそれは全部そんなことはできないけれども、いま外国なんかでどんどん進んでいるように、家庭用のディスポーザーというんですか、いままでのようなことをやるのやめて、それぞれの家庭にそれを、それだけのお金をごみの施設のためにかけるのならば、それを家庭へただくれたってまだ金は余るじゃないですか。そんなもの十七万円もするわけないんだから。そうして、そういうようなお勝手から出るごみは全部ディスポーザーに入れて、そうして下水道へ流してしまえばそれでもうおしまい。それから、燃えるものはそれぞれのところで全部なにすればいいわけですね。  ただ、私が心配するのは発泡スチロールというんですか、あの燃えないものだとか、それからビニールだとか、ああいうふうなものだとかね。それで、むしろ産業廃棄物のようなものを勝手なところへ捨てられたらそれこそ大変なことになるわけですよ。だから、そういうものこそきちんとある程度の手数料を取って引き取って、そうして間違いなくそこへ納めていくというような方向で。だから、こういうものも必要にはなるけれども、そちらが出しているような、こんなぐあいで、しかも陸上残土が全体の五〇%。確かにそれはビルを建てるので、地下をやるから土は出る。何でそんなものまでめんどう見なくちゃならないんですか。そんなものこそ、企業なのか個人なのか知りませんけれども、そこへビルを建てようという者が、そんなところの普通の土なんですから、どこへでも好きなところへ持っていきなさいと。  それで、現実大阪湾の、これ見たってそうでしょう。私は計算したんだ。一般廃棄物が全体の一一%弱、それからこれはどうにもならない産業廃棄物、これも変なところへ捨てられたら困るから、これが二五%。あとはそういうふうな土。ですから、その辺もうちょっと、私はこういうものは必要だということは認めるんですけれども、文化生活が進めば進むほどこういうものは出てくるんだから、それが旧態依然として、昔からこういうやり方をしてきたからこういう形でといって、なるほどあの東京湾の夢の島も私見ていて知っているけれども、あの夢の島のようなごみの始末なんていうものはもう時代おくれですね。あんなことはもうまかりならぬといってやらないといかぬことなんですよ。  だから、そういう点に立って、さっきも言ったとおり、この二千五百億というのは皆さん方が出した数字。私が言うなら、少なくたって五千億じゃきかないだろう。そうすると、そんな五千億もの膨大なお金を、もちろん十年間だけれども、だったらもうちょっと気のきいたいろいろなことを考えて、ごみの始末というものについて知恵を働かしたら全然違った発想が出るじゃないですか。そういうことをどうしてお考えにならないんでしょうか、皆さん方の方が私よりかよっぽど頭のいい人がそろっているんだから。
  156. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) いろいろ御質問ございましたけれども、まずいろんな処理の仕方、工夫、私どもはそういうことはもちろん当然やらなければいけないというふうに考えております。それで、生ごみにつきましても、これは従来御説明申し上げておりますように、そのままの形で捨てるなんということはもちろん考えておりませんし、焼却等の処理をした後で捨てることにいたしております。  それから、先ほど来大変建設残土に対して御批判が集中しておるようでありますけれども、私は建設残土といえどもどこへでも捨ててもいいものではないと思います。やはり、捨てられる場所というのがあって、そこへ捨てない限りはやはりいろんな公害も生じましょうし、問題が生じると思います。先ほど来御説明申し上げておりますように、確かに過去のデータ等をもとにした推算でございますから、完全に精緻なものではございませんが、捨てられる場所を想定をして、廃棄可能の場所にできるだけ捨てたあげく残ったものをここへ捨てるんだというふうに御説明を申し上げましたし、それから民間の大企業がビルを建設するときの残土なんか何で捨てさせるんだという御指摘もございましたけれども、これも先ほど申し上げましたように、そういった民間の大企業のビルの残土等は捨てさせないことにしております。全部地方公共団体が公共事業で発生をさせた残土、これを可能な限り陸上等の差し支えのない場所に捨てて、そのどうしても捨てる場所のないものをここへ受け入れる、こういう思想でございます。したがいまして、こういったものはどこへでも捨てればいいというものでは私はないと思いますし、もちろんその工事は確かに建設業者が請け負っておりますが、これは地方公共団体が実施しておる公共事業の結果出てきた残土でございますことをひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございます。
  157. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 港湾局長、残土の問題を別に大きく私クローズアップして言ってるんじゃないんだけれど、そんなことはそれぞれの地方自治団体に好きにやらしておいたらいいことでしょう。だから、さっき冒頭に言ったように、運輸大臣がいないところで私は言ったんだけれども、この提案の趣旨の問題が、埋め立てをつくって、そうして少し土地を売って金もうけをやろうというのか、ごみの始末がだんだんだんだん困ってくるから、ごみの始末をすることを考えなくちゃいけないとやっているのか。二またかけて、そしてどちらにもとれるような都合のいい物の言い方をしているからそういう形で誤解を受けるし、なかなかみんなに理解されないんだと。土のそんなものなんてなにしたかったら好きにどこへでもやらせればいいことだし、地方自治体がそれでもって、あの神戸のポートアイランドと同じようなもので、ひとつじゃあ埋め立てつくって、それを今度そこに住宅の団地でもつくっていったら、そんなものそこの地方自治体がやればいいことでしょう。何も国がなにする必要はないわけです。この広域の、ある程度範囲の広いところをもう個々の地方自治体じゃ始末がし切れないから、めんどう見てあげなくちゃいけないなあといってこういうふうになってくるということは、その特殊なごみの問題じゃないんです。もう小さな市町村ではどうにもならない、じゃあそういうものはまとめてひとつめんどう見ることの方がむだなコストもかからぬ。産業廃棄物やそういうものについても、どっかまとめてそこでもって始末をしないと、それこそとんでもないことになるといってそこに集中をしてやるところにこういうふうなセンターをつくる意義があるんでしょう。そこのところをいままでの局長答弁聞いたって、どっちがあれなんだかはっきりしないんだ。もう一回、どちらを主にしてやりたいと考えているんですか、はっきりお答えいただきたい。
  158. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) どうも同じことを御答弁申し上げることになって申しわけございませんが、その両方の目的が一致した場合にのみこの方式は生かされるというふうに考えております。片っ方だけで、たとえば港湾の区域内にそういう埋め立てをする余地がないような場合、これはもう当然どんなにごみの処理の必要性があってもこの構想は発動されないと思います。したがいまして、両方の目的が合致したときに初めてこのセンターの仕組みが生きてくるというふうに考えております。
  159. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 だから、ますます局長、おかしくなっちゃう。両方が合致したじゃない。私に言わせていただくならば、そういういわゆる一般のごみ、産業廃棄物、特殊なそういうごみについて扱いますと。それはもう合致するもしないもない、やらなかったら毎日出てくるごみじゃないですか。その辺のところを、埋め立てもでき上がって好都合になりまして、そうしてごみの始末もついてうまいようななんと言って、それが合致をしたときにやるんですなんて、そんなこと考えたら合致するはずないじゃないですか。だれがそんな汚いごみを、ああ結構です、私たちのところへ持ってきて埋めてもらって結構ですなんていう地方自治体がありますかね。そんな知事や市長がいたら大ばか者ですよ、それは。そんなものだれだってみんな、自分たちのところへ持ってきて、周りへごみを埋められて、そんなことをやられたらかなわぬといってだね、反対するのがあたりまえじゃないですか。しかし、みんながそんなことを言っとったって、現実に毎日のように出てくるそういうふうなものについてどうしても始末をしなきゃならぬと、合致するもしないもない、ここんとこう言ってるんです。  そうかといって、それをいまアルプスの山の中へ持って行ってだね、だれもここんところは人がいないからといってやるわけにいかないから、もうそれは海でやるしかないんですということじゃないですか。それで、海へ行ってやるといったら、まさか九州の鹿児島の先っちょのあんなところへ行ってやるなんといったら、それこそ輸送コストがかかってどうにもならないでしょう。結局人口が集中をしとって、それで余り遠くなくて、こういうふうな東京湾とか大阪湾とかいうところへ日をつけられるということになるわけでしょう。ですから、その辺をきちんとしてだ、そうしてこういうふうなことをやらなくてはならないその地元の人たちにはどうやって納得させるかというのはね、わしが納得しないんだもの、そんなことを局長が言って地元の人が納得するわけがないじゃないか。第一、これは私が計算したんじゃないけれども大阪湾十年間で一億四千万立方メートル、これだけのあれ運ぶといったら、一年三百六十五日フル回転して十トン車で一日七千台往復するんだというんです。そんなことできますか。  それで港、これも私じゃない、前にずうっと問いとったんだけれども、積み出しの港があるといったって、それも皆さん方答弁してない。少なくてもこれだけの計画を立てるのならば、どことどこにそういう港をつくって、大体この辺にといって、この辺にというのはきょうこちらからさっき答弁あったばっかりだ。一カ所だということになると、土曜、日曜もなし、一年三百六十五日フル回転で一日十トン車で七千台。だったら、そんな十トン車に一日に七千台もあなた往復させられたら、そこの地元の人なんかたまったものじゃなくて、そんなものは交通公害でもって寝てられませんわな。そういうことをお考えになったことあるんですか。
  160. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) これは先生の御質問の趣旨、おっしゃったことは私もよくわかるんですけれども、ごみが先か港湾が先かという論争、これは私は、先ほど局長が言っておりますように、やっぱり目的が合致したときなんです。これは主務大臣が二人になっております。つまり、厚生省運輸省が結婚して一つになったんです。どっちが先かということはないんです、これ。二人で一つなんです。そこをやっぱり考えていただきたい。おとっつあんの方は厚生省なんです。私どもは嫁さんの方でございます。これで満足に一つになるんです。だから、どっちが先だというんじゃないんです。ですから、その論争でこれを考えていただいたらなかなか私は割り切れない。けれども、おっしゃるように、何で二人が結婚せざるを得なくなってきたのかというなら、都市のごみ事情がそうさせたんだと。これは私はよくわかるんです。  そこで、先ほどおっしゃってますように、それじゃおれところの町はそんなもの必要ないと、こういうところもありましょう。たとえば先ほどおっしゃったように、各家庭にディスポーザーをつけてと、こうおっしゃる。大阪市は確かに一〇〇%公共下水ができておるんです。しかし、大阪市を除く周辺都市はまだ二十何%しか公共下水できておりません。それをやろうといたしましたら全部下水ができた上の話になってまいりますし、また、ましてやいまディスポーザーがどんどん使われるので、下水の処理場のヘドロがもう圧倒的にふえてきておるんです。これが結局ヘドロになってきておるんです。そこで今度大阪市なんかでもそのヘドロを焼いてどっかへ捨てるところをつくらないかぬ。それが今度のところへ入れるわけです。センターへ入れるわけなんです。そういうふうなものがあるわけです。したがって、大阪市もこの最終処理場が必要になってくる。  何でこんなので法律つくってと、こうおっしゃる。これは、いわば組織法なんです。こういう組織をつくってやりなさい、その組織に権限を与えますということなんです。もし、いま御質問でいみじくを言っておられる、まさにそこを言っておられるのですが、おれのところの門口ばかり通っていきよるのは、こんなことかなわぬと。こういうことだから、もしこれ法律で権限を与えておかないと、いつ何どき、おまえ回っていけ、外を回っていけと、こう言われた場合困る。だからして、広域的に処理しなさいよということで権限を与えておるわけです。  それからもう一つ、埋立地を外側でするんですから、道路でどんどん運んでくるという一カ所じゃなく、船で数カ所からそこへ集中して行けることができると、こういうことの計画になっております。ですから一カ所で、おれの家の前を七千台毎日通りよると、確かにこれはもうたまったものじゃない。これはわかる。だから積み出しを方々につくりまして、そこから持ってくると、こういうかっこうにせざるを得ない、こういうことです。  それと、一番最初におっしゃっていました、たとえば一つの市がごみの処理埋め立てやっておって、そこへ隣近所皆連れもって誘ってやって、入れさせてやったらいいじゃないかと。これも一つ考え方なんです。いままではそういうふうにして、たとえば屎尿処理なんかでも私らの選挙区でやっていたんです。ところが、それではどうしてもお互いの関連市の中で御都合で働いてしまう。そこで自治省が心配いたしまして、広域行政ということで一部事務組合をどんどんつくらしていったんです。そして同じような権限を持たないと、それを裏づけしてやらないと、ほうれる権利を持っておらないものですから、満足にほうれないということになってくる。今度のセンターをつくりまして、指定地域を厚生大臣が決めました。その指定地域の者は、そこへほうる一応の権利を確保してくるということになってまいります。それによって広域的に処理をしていこうという、こういう考え方に立っておりますので、いろいろ御心配な点がございますけれども、われわれがこの法律考えました趣旨というものをひとつ御理解もしていただきたいと思う次第です。
  161. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 大臣の言われている点については私も理解しますけれども、しかし港湾局長、私が少なくともさっきから言っていることにあなたが首をかしげるようなところに私から言わせたらこの法案の問題があると思うんです。私はむしろ必要だと思うからこそいろんなこと言っているんだよ。それにまともに答弁ができないようであったら、こんなものやめとけという人たちが納得できるはずないじゃない、あなた。  さっき言ったように、ごみの発生のそういうことから見て、もう一回そこのところはよくなにする。本来ならば、過去五年間この問題を調査活動やっていたわけだ。それであなた、言われれば、潮の流れがどうだとか、場所がどうだと。そうじゃないんだ、本当言って。そんなことも必要だけれども、もしもそれだったら大阪なり東京なり広域地域の、そこのところの地方自治体の長の人たちに集まってもらって、そういうことを必要と言うのか言わないのかが第一の、最初の関門じゃないですか。さっきの神谷先生のあれから言うならば、京都やなんか、あんなもの遠くて輸送コストがかかってかなわぬから、おれたちは御遠慮したい。みんなそんなことで、いや、そんなものコストがかかってかなわぬから御遠慮いたしたいと言ったら、なにもこんなこと一生懸命になって苦労してつくるはずはないんです。  だから、本来ならば、五年間もかかって調査をいろいろやってくるときに、もう個々の一つの地方自治体ではどうにもならぬ、じゃ、ひとつ皆さん集まれと、それで、この広域地域の地方自治体の長の皆さん方はどうなんだと。そういう点で、いやもう私たち手に負えません、何とかして国が広域のそういうふうなものをやって、センターでもつくってやっていただきたい、どうだこうだとなにするんですよ。それで、こういう提案をするときには、何々市も何々市もどこも、全部そういうものをやってくださいという、こういうふうなもののあれがありましたんで、言うならば、私たちは考えて、それで考えあぐねた結果の案がこれなんですと言ってこの提案をするときには持ってくるのがあれじゃないんですか。そうしたならば、ここだってそんなに長いこと、それほど地方自治体みんなが要求していろんならば、私たちがああでもないこうでもない。後は、じゃ、金幾らかかるんだと、この程度の金ならば国から出してやったってどうっていうことないから、じゃ、やったらいいじゃないかという結論になるでしょう。肝心な、地方自治体が向分たちで手に負えないから何とかしてくれませんかという、そういう声かどこかから上がってきたということも一つもない。過去五年間、八億六千八百万お金は使いました、それについてのですね、そういうことがある。  それで、いま大臣も、私が何千台ですか、車のことを言ったら、いや、あっちからもこっちからもと、そんなこと常識で考えればわかりますよ、大臣ね。しかし、いままで私が黙って聞いている中で、そのことをただの一度もあなたたちは答弁してないんだよ、港を幾つつくるということも、場所をどこにするということも。だから、そういう大体みんなが知りたがっているようなことについては、もう提案するときにはちゃんとそろえて、そして地方自治体からもこういう要求があったんで考えましたと。そして問題はごみの始末ですよ。それは運輸大臣もいま両方がと言うけど、私はいまでもそう思いますよ。結果としてそこにできるから、そのできた埋め立ては後どうするかということはこれはあります、どういう使い方をするかということは。しかし一番の目的は、このセンターというのはそのごみをどうやって始末するかというところにあってやらなかったらおかしなことなんです。ですから、その辺のところが何かいろいろああだこうだとっちめられるから、うまいこと言葉で答弁なにしようと思って、いや、こういういい面もあるんです、ああいういい面もあるなんて余り言いなさんなよ。そういうことを言うからよけいわからなくなっちゃうんですね。  ですから、もう一度振り出しに戻って、このセンターをつくることによってのメリットは何ですかということについて簡潔に答えてください。
  162. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 広域的な廃棄物最終処理場が得られるということであろうと思います。
  163. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 わからぬわ、そんなことは。まじめに答えろ。
  164. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 先ほど先生の御指摘がありました、各公共団体から、内陸のごみを捨てる必要がある公共団体から、ぜひそういう広域処理場が欲しいという御意見は前々から伺っておりますし、現在すでに促進協議会というようなものもできておりまして、私どももそういう場で常々そういう必要性の要望を受けております。  それで、これを申し上げるとまたおしかりを受けるかもしれませんが、港湾管理者といたしましても、従来からやっております廃棄物埋め立て護岸の延長上でこういった事業をぜひやる必要があるという要望が出ておりまして、こういった港湾管理者及び地方公共団体の要望を受けて、これを満たすという意味でこのセンター考えたわけでございますので、メリットはこういった要望を満たし得るということが大きいのだと思います。
  165. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 いまの局長答弁したことだったら、現在やっている廃棄物埋め立て護岸の入れる升は、それはもうあと数年来ればいっぱいになるわね。だけど、また新しくそんなことをやろうと思えばできることであって、それだとわざわざ、冒頭に言ったように、センターをつくらなければならないという理由にはならないでしょう。  それからもう一つ、それもつけ加えてもしあれだったら言っていただいて、さっきも言っている産業廃棄物、私がむしろ非常に心配しているのは燃えないものですよ。いろいろビニールとか発泡スチロールとか、そういうものこそ、そして、いまの海の底にいっぱい捨てられているものなんかも始末しなければならないことはわかるわけですよ。ところが、どなたの質問のときか私忘れましたけれども、産業廃棄物の問題についてどなたか質問したときに、何かあすこでチェックをして、それでえり分けて、ある物は受け入れるけれども、なにの物は受け入れないという答弁をしたことを私は覚えている。それはさっきも言うとおり、そんなビルを掘ったあんな土砂なんというものこそ、そんなものどこへ持っていったって別に危険も何もないわけです。あの産業廃棄物のああいうものこそ危険のないような形にしてどうするかということを、こんなことこそやってやらなきゃならないことであって、それを何だかんだと言って、どなたかが聞いておったときに、あなただと思うわ、いやそれは全部受け入れません、危険なものは全部なにのところでもってチェックをしてそういうものははじき出しますというようなことを言ったけれども、もう一回その二つの点お答えいただきたい。
  166. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 残土の中あるいはしゅんせつ土砂の中に入っておりますようなプラスチック、これは全体の土砂の量に比べますと非常に少ないということで、現在の廃棄物埋め立て護岸の中に捨てますときはそのままで投棄をしておるわけでございますが、しゅんせつ土砂等の中のものは今後ともこれをえり分けるというわけにはまいらないので、そういう形になろうかと思います。  それから、産業廃棄物のうちの有害物質は受け入れないことにいたしておりますというふうに御答弁申し上げて、これはチェックをいたしますと申し上げたのは、その場所でえり分けるというような意味ではございませんで、基本計画を立てますときに、どこの廃棄物をどういうふうにして受け入れるということはそれぞれ委託あるいは契約を結ぶわけでございますから、そのときにそういうものは入らないようにチェックをする、こういうやり方でやることになろうかと思います。
  167. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 それで、そういうものをいろいろのところへ不法投棄したらどういうことになるの。昭和五十四年度不法投棄が三千八百件あったというんです。東京でもありましたわな、あれは六価クロム、それでみんなばらばらと捨てちゃっていて、そこへ東京都が住宅を建てちゃって、それからわかって大変なことになっている。ああいうものこそ、だからもう六価クロムのようなものは容易なことじゃないから、それはセメント詰めにするとか何とかやらないと、あのまま持っていって埋め立てに捨てられません。だから、そういう有害なものについてはきちんとさせなくちゃいけないけれど、そういうものこそ、一定のそういうものをつくって、そこのところにそういう厳格な一つのことをやらにゃいけないことがあって、だから、そういうものはいけません、それで、普通のビルなんかの土砂のそれは受け入れますと言っているんですね。だから、根本的にそこのところに、このセンターをつくってごみの始末をしようと言っている考え方の発想の違いがあるんです。  それから、もういろいろいっぱいあってなんですけれども、あと港湾管理者から、あれは何委員会と言うんですか、つくられるのは。役員の給料どのくらい払うんですか、今度できるこの何とか委員会の。
  168. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 管理委員会のお話かと思いますが、これはまだどれぐらいの給料というようなことを全然詰めておりませんが、知事さんあるいは市長さん等の方々になっていただくわけでございますから、それほど高い給料にはならないんじゃないかと思います。
  169. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 大体職員なんかどのぐらいの人員を擁してこのセンターをやっていくようなことをお考えになっているんですか。それで、そのための人件費というようなものについてはどのぐらいお考えになっているんですか。
  170. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) センターの組織、規模等は業務量によって定まるわけでございますが、先ほど答弁申し上げましたように、当初一、二年の間は業務の主体は調査になろうかと思います。でございますから、職員の数も調査実施するのに必要な限度でよいのではないかと思いますので、二十人か三十人ぐらいの人数で十分ではないかと考えております。  それから、給与等についても、これまた何とも詰めてはおりませんけれども、一般的な地方公共団体の給与の程度になろうかと思います。
  171. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 二十人か三十人というのはそれは出発のときでしょう。
  172. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) はい。
  173. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 だから、そういう答弁しているから一それはスタートしていろいろ準備していく、それで二、三年すると軌道に乗ってセンターが動き出す、そうしたらそれが五十人なり百人になるわけでしょう。それで正常にセンターが動くようになったときの人員が幾らになる、そしてそのためにはどれだけの人件費を要して、それでそういうものの計算が出てくるから、今度は持ってくるごみについてトン当たり五千円だとか幾らだとかいうああいう数字が出てくるわけでしょう。何でそういうことをきちんとやって、言われたからじゃなくて、そういうものを全部投げ出して、そうしてこういう計画、プランを立てたんですということをおっしゃらないんですか。  地方自治体のことなんか、さっき私が言ってもあなたはお答えにならないけれども、あんなことは言われる前の、本来ならさっきから言うとおり、このセンターをつくるという第一の出発点がそこにあって私たちとしては考えてきましたと言って、それで、これだけの地方自治体から要求が出されました、自治省からも言われました、厚生省からも言われました、それで、じゃ港湾の方は運輸省ですからここでもってやって、こういうようなものになってこのセンターの案ができたんですという、そういうことを言わなくちゃならぬ、本来ならば。聞かれてお答えになるような内容のものではないんですよ。聞かれてもあなたはそういう点についてのお答えが出てこないという、そういうところにこういう問題のこじれる要因があるんだけれども、その点はどうですか。
  174. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 最盛期にどの程度規模になるかということでございますが、これは大変ラフな推測になりますけれども、おおよそ二千五百億といったような事業規模処理しますときの人間の通常の建設事業の場合の数というようなことで推定をいたしますと、百名を上回る程度かと思います。
  175. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 地方自治体の問題についてはお答えにならないのはどういうわけ。それから、環境アセスメントはできたのかどうなのか。それで、いろいろ関係者、私が一番心配するのはその地元の皆さんとの関係、ですからそういうふうな地元の人たちや漁業者や、そういう人たちとの話というものは大体解決がついて、それでこういう問題については地元の人たちも受け入れるというような、そういうふうな状態になってこういう法案をお出しになっているのかどうか、その辺はどうですか。
  176. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 環境の問題につきましては、先ほど調査のところで申し上げましたが、現在の段階ではそれほど精密にチェックをしてはおりませんけれども、いろんな環境関係の調査をいたしておりまして、その結果でそれほど大きな影響ではないというふうに考えたわけでございます。  それから、地方公共団体、私どもは直接には港湾管理者と接触をいたすわけでございますが、港湾管理者は、現在のところ五港程度港湾管理者からはぜひこういうものに対する推進をしてくれというような意向が出ておりまして、促進協議会等におきまして港湾管理者初め地方公共団体との意見の調整は十分に図っておるつもりでございます。そして、先ほど来御指摘がありますように、つき合いで出資はするが入れる気はないというようなことは実は私も存じませんでして、賛成をしていただいておると思っておりました。
  177. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 まだ時間もなんだけれども、同じことを言っておったってしようがないんで、それからいまの質問もそうですけれども、私は港湾局長に質問したんじゃないんです、政府に聞いたんだから。港湾管理者と云々じゃなくて、厚生省の方そちらにいるんだから、それについて関係のあることなら何であんたら答えないの。そういうふうなことだからいろいろ問題を起こすわけなんだ。ですから、これから申し上げることは政府として後に文書で私に下さい。もういま幾らここでやりとりしたって同じことだ。  一つは、地方自治体でもって、ぜひこういう広域でもってこういうセンターをつくってやっていただきたいという申し入れをしてきている地方自治体はどことどこかということ。  それから二つ目には、いろいろそういう関係の地元の皆さん方との協議について、どの程度お話し合いがなされて、そしてこれはもう直接政府がやらなくて恐らく地方の地元の知事さんがおやりになるか地方自治体がおやりになることなんだからそれでいいですから。そしてそういうことについて地元でもって話し合いをして、その結果こういう合意点に達しておりますという、そういう内容でよろしいですから。  それから三つ目には、先ほどもなにしましたんですけれども、いまここでお聞きしても無理だから、二千五百億と言っているのは、言うならばこれの、何というんですか、施設整備費としてはじき出して、そのうちの何割になるんですか、地方自治体が受け持つ、それから国からもある程度多少は出してやるという形。私が聞いているのはそうではなくて、それぞれの地方自治体から運んでくるわけでしょう。そういうもののコスト、いわゆる最後に、大阪で言うなら二百四十万坪からのなにができ上がるわけだけれども、それの総コストというものは幾らかかったことになるのか。総経費ですよ、一切合財含めてね。その数字を計算をしてお出しをいただきたい。  以上三点、後ほどで結構ですから、文書でもって私の方の方までいただきたいということを申し上げて、終わります。
  178. 桑名義治

    ○理事(桑名義治君) 答弁要りませんか。
  179. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 はい。また同じことになっちゃうんで、後できちんと文書に書いて届けてください。
  180. 田英夫

    ○田英夫君 私が衆参両院を通じて会派別で言えば最後に質問に立つわけでありますが、ずっと各委員の御質問を伺っていても、私どもの会派はといいますか、衆議院でも反対をしたわけでありますけれども、改めて私はこの法案というものが余りにも問題点が多いと。これはまあごみの問題もあり、また港湾に関係するといいましょうか、そういう問題も含めまして余りにも問題が多過ぎる。衆議院で賛成をされた会派の皆さんの御質問を承っていても非常に多くの問題点を指摘されておられるわけで、私は率直に結論を先に申し上げて恐縮ですけれども、こういう場合にはやはり行政府は、せっかくの御努力ではありますけれども、この際改めて検討をし直して、これは国民のためでありますから、国民生活という立場からですから、出し直しをしていただくと。いたずらに、国会に出した以上はどうしても通してしまうんだというようなことで過ちを犯すことをこの際お避けになった方がいいんではないかということをまず申し上げたい気持ちです。  そこで、余りにも問題が多いので、私も与えられた時間の中でこの全部を取り上げることは不可能でありますけれども、最初にまず、先ほど運輸大臣も結婚の話にたとえられて、厚生省が主人役だということを言われた。つまりごみの問題がまずこの法案ができる根底にあったということは、私どももそのとおりだと思いますし、実は私ども先ほどそういう結論を急ぐなということを申し上げたわけではありますけれども、ごみをどうしたらいいかという点については、国民という立場から、市民生活という立場から大問題であるということを強く感じているわけで、だからこそ本当にいい、正しいごみの処理のやり方、廃棄物処理のやり方をこの際慎重な検討の上で打ち立てるべきだと思うわけです。  私どもは実は、ごろ合わせのようでしかられるかもしれませんが、五月三日に、昨年からごみの日という、五月三日だからごみの日ということで、ちょうど憲法記念日にぶっかるものですからいささかどうも適当でない気もいたしますけれども一つの市民運動を展開をして、それに参加をしているわけですが、その運動を通じて感じますことは、非常にいま市民の皆さんの間でごみの問題についての関心が高まるというか、何とかしてもらわなくちゃいかぬ、こういう空気が高まっています。したがって、ごみの日の運動というものがやがてもっと大きく広がるだろうとことしも感じましたが、ここに「コミュニティー」という木が出ておりますけれども、こういう言葉まで、まあ、ごみとコミュニティーに引っかけて「コミュニティー」という言葉ができて、内容は要するに、いかにしてごみ処理というものを今後考えていくべきかということで、各地方自治体の中でのいままでのいろいろな実験的なやり方を紹介している木であります。  こういうことから考えても、ごみの問題というのが非常に重要な、いま行政の中の大きな課題になってきていることは言うまでもない。その所管官庁が厚生省である。こういうことで、まずごみの問題からひとつ伺ってみたいのであります。  いろいろありますけれども一つまずこの法案に関連をして伺いたいことは、今回のこの計画の中でいわゆる廃棄物、特に一般廃棄物の分量ですね、分量をどういうふうに計算しておられるのか。つまり、全く処理しないで、減量をしないで従来の広域の関係都道府県、市町村、そうしたところで発生する一般廃棄物というものを積算しておられるのか、それとも減量というものをある程度計算の中へ入れておられるのか、この点はいかがですか。
  181. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 一般廃棄物減量化率というような言葉を使っておりますが、減量化内容といたしましては、焼却等による減量、あるいは破砕、圧縮等による減量、減容と申しますか、あるいは有効利用による減量、そういうことを一切含めたものでございますが、一般廃棄物につきまして、五十二年度現在で五六%ぐらいが減っておりまして、実際埋め立てられるものが四四%という状況にございましたのを、ここでは六十年と七十年の中間年であります六十五年につきまして六五%、九%アップということで想定をいたしております。それは首都圏でございまして、近畿圏につきましては五八%を七〇%に上げるというふうに想定いたしております。
  182. 田英夫

    ○田英夫君 これちょっと大臣に。三部あると思います。(資料を手渡す)  私どものスタッフで試算をしてみたんですけれども、左側の図面は一般廃棄物つまり一般のごみですね、これは可燃物と燃えない物とに分けますと、大体八〇%が燃える物、二〇%は燃えないごみというのが常識であるという判断で、まずそういう色分けをいたしました。  そして、燃えないごみのうちからいわゆるリサイクルへ回せる物、これはいま私どもが取り組んでいる運動の主役でありますけれども、これが二〇%ある不燃のごみのうちの半分、つまり全体の一〇%はリサイクルへ回せるというふうにして横にどけます。それから、燃えないごみのうちの残りの一〇%、半分はそのまま今回の構想の中に入ってくる。そういう意味であります。そして燃える方のごみは、八〇%あるわけでありますけれども、これは従来の自治体などの実績を取り上げてみますと、大体八%になってしまう。こういうことで、合計は一〇〇%の物が最終的には埋め立て用に使い得るごみは一八%になるという計算をしたんでありますけれども、いま厚生省のお答えに比べますと非常に数字が違うわけです。  つまり私ども計算で言えば、今度の埋め立て用に使い得るという、むしろ私は言葉の上で埋め立ての方を目的にしておられるように感ずるからそういう言い方をするのでありますけれども、実は一八%にしかすぎない、こういう計算が出てきておりますが、これについてはいかがですか。
  183. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) リサイクルの問題自体まだなかなか数字的につかみにくい状況にございまして、とりわけボランタリー活動等で行われている部分につきましては実数の把握が非常にむずかしいということで、むしろ業界筋の情報から古資材をどういうふうに使ったかとかというような比率から逆算してわれわれは見ておりますが、不燃ごみの二〇%のうち一〇%を一つの目標とされておるということにつきましては、かなり高い比率のような印象を受けますが、その方法をどういうふうに生産圏に流していくか等の流れをしっかりすれば、この程度のことはいける可能性があるんではないかという印象を受けます。それで最終的に一八%で、近畿圏の場合私どもは三〇%ということでございますから、この不燃ごみのリサイクル、これが大きな差であるような印象を受けます。
  184. 田英夫

    ○田英夫君 まさにそういうことで、私どもはリサイクル運動、つまりごみの日の運動というのは実はリサイクル運動を拡大しようということですから、私どもはそういう問題について、われわれの方の数値が高くなるのは当然なんですね。ですから、これから将来、市民の皆さんの運動が高まって、リサイクルということが市民の中でもあるいは自治体の中でもどんどん拡大されていくと見たいわけです。またそう見ていいと思います。また、そうしなければごみの問題というものは正しい方向へ進まない。再資源化ということですね。こういうことは特に、たとえばアルミニウムのかん、ビールなどに使われているアルミニウムかんの場合ですと、ボーキサイトからアルミニウムをつくる際には、つまりアルミニウムというものは非常に電力を必要とする。ところが、これを回収してアルミかんから再びアルミニウムを再生してつくる場合、アルミニウムを再生する場合には二十七分の一の電力で済むという計算が出ております。  これから、われわれ日本の場合、電力というのはすなわち石油でありますから、現状では。そういう意味で、電力の節約になるということは大変な省資源、省エネルギーということに直接つながると。しかも、そこにアルミニウムという貴重な資源を再びわれわれ使うことができるという、これは一つの例で申し上げたので、両大臣にひとつ頭の中に入れていただきたいという意味で申し上げたのでありますが、これは全く一つの例ですけれども。そうしたごみの問題の中からそういう人間にとって将来非常に重要な政治が生まれてくると、これをひとつぜひこの法案をおつくりになる以上は当然頭の中に入れ、計算の中に入れておつくりになるべきだ。ところがいまの数字の差にあるように、今回の政府案の中にはそういうことが計算されてない。もうここにすでにごみ行政というものについての立ちおくれがあらわれているといっても仕方がないという気がします。  そこで、二番目の右側の表をごらんいただきたいのでありますが、上の傾斜のラインは厚生省がお考えになっているごみの量ですね。厚生省のお考えになっているのは、今後首都圏にしても近畿圏にしても人口がますますふえるであろう、当然ごみの量というものはふえるであろう、そういう想定の上に立っておられるわけでありますが、私どもの試算は、先ほど申し上げたようなリサイクルというものが進むに従って、実は人口もそうふえると考えないんでありますけれども、ごみの量はたとえ人口がふえてもそれに正比例してふえない、むしろリサイクルが進むことによってその傾斜はうんと寝てくるというのが上のラインの二つの違いであります。そして、下の図は処分減量ということを加えてやっていくと、最終的には私ども考え方では非常にごみの量は減って、この下に四角く囲ってあるところが今度の計画による埋め立て用に使えるごみの総量とすれば、最後にはごみはなくなっちゃうと、埋め立て用に使えるごみはなくなっちまうということを、数字は申し上げませんけれどもあらわした図であります。  そこまで極端な場合、これは一つの極端な考え方かもしれませんけれども考え方を徹底していけばそこまでやれる、こういうふうに考えているんでありますが、これについて感想を聞かしてください。
  185. 園田直

    国務大臣(園田直君) ごみという、廃棄物というものに対する考え方を変えなきゃならぬ、大きく変えなきゃならぬ時代だと私もそう思います。廃棄物というものは、要らないものを捨てるということではなくて、あくまでとことんまでわれわれの生活の中でむだのものはないんだと、最後までこれを使用すると、そして最後に残った一部のものを処理をして、ちょうど流れてきた川が海に注ぎ、水蒸気となって天に上がる、これが雨になっておりてくる、またいろいろ使われて海に行くという、こういう循環するようなことでやらなきゃならぬ。そのためにはやはり捨てるということよりも、これをどう利用するかということが一番大事だと思います。  そこで、いま厚生省が言いましたとおり、間違いなしにいまこれくらいふえているから何年たてばこうふえるという、これは推計からきていることは事実です。先ほどごみの処理の問題、有害物とか毒物とかいう話も出てきましたが、このごみはもう一カ所に積むとどうにもこうにも始末がつきません。やはり排出源、ごみを出す個人の家あるいは産業廃棄物であれば工場、ここで始末をつけなきゃならぬ。そして、ここでまず第一に使えるものはぎりぎりまで使う、そしてやむを得ないものを処理をしながら出す、出してから捨てる場所まで持っていく間に何かそこに中間処理場を設けて、これを焼いたりあるいは活用するものは活用する。あるいはアルミかんなどはこれを再生利用するとかいうことが一番大事であって、一番最後に何にもどうにもならないもの、これも将来は科学が進歩すればまた何かなるかもわかりませんけれども、いまの技術でどうにもならないものを埋め立てる、こういう考え方に変わらなければ、とうていごみの処理は次から次に無尽蔵に出てきて処理ができない。  こういうことで、まず排出源からの抑制、活用、中間処理場におけるいろいろな処理、これが大事だということは御意見のとおりであると私も考えております。本法案にはこの中間処理の問題は書いてございませんけれども厚生省としては、不完全ではありますが、こういう再生処理等については助成金を出してやっているところでございます。
  186. 田英夫

    ○田英夫君 いま大臣がお答えになったことをやはりこの法案に盛り込んでおくべきだということになれば、盛り込んでないんですから、不完全なんですね。ですから、冒頭申し上げたようなことになるんですが、しかし政府の中では、厚生省にしてもあるいは通産省にしても、そういう観点を実は以前からお持ちになっているんですね。だからこそなおさら、にもかかわらず今回の法案の中にそういう感覚が色濃く盛り込まれていないということに非常に不満を感ずるわけです。たとえば通産省は、実は今度のこの法案のもとになったと思われるんですけれども、大分前です、昭和五十二年に産業構造審議会の答申を受けて再資源化促進法案というものを立案して、政府部内で調整をされたことがあるわけですね。しかし、なぜかこれは最終的には国会に提出をされなかった。もちろん厚生省もこのときに御検討相談を受けられたと思うんですけれども、産業構造審議会の答申というのはここにありますけれども、この中にはその名も再資源化促進法という名のとおり、リサイクル的な考え方を持ち込んでいるわけです。  それで、さらにこれは一つ伺いたいのは、五十三年に、厚生省廃棄物の有効利用に関する調査報告書というものをまとめておられますね。その中に廃棄物有効利用検討委員会というものが置かれている、昭和五十三年に。これは現在どうなっておりますか、この委員会
  187. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 廃棄物の有効利用に関しまして、五十二年ごろから継続的に毎年一つ一つ問題を調査をいたしておるところでございます。それで、五十三年に検討委員会ができたという御指摘でございましたが、その前にもその前身であります廃棄物有効利用委員会なるものもございました。若干名前が変わったのが五十二年でございます。その後、毎年項目を変えまして調査研究をいたしておりまして、現在も検討委員会は継続をいたしております。さらに、五十六年も新たなテーマについて調査をすることといたしております。
  188. 田英夫

    ○田英夫君 せっかくそういう委員会があって、中身はまさに私が申し上げたような方向をいわゆるごみ行政の中で取り入れていこうということを、厚生省の中で委員会までつくってやっておられるんですから、その考え方というものを、どうしてごみ処理ということを発想にしたこの法案の中に色濃く盛り込んでこないのか、私どもの立場からすればまことに不思議で仕方がないんですね。  で、これは園田厚生大臣になられてから、五十五年ですから、昨年の十一月ですけれども、「大都市圏域における廃棄物広域処理に関する基本方策について」という資料をいただきました。そういう中にはいわゆるリサイクル的な考え方というものがあると思うんですよ。ですから、どうもそこのところが解せないといいますか、せっかくそういう機構までお持ちになり、考え方は厚生省や政府の中におありになるにもかかわらず、今回の法案にはそれが盛り込まれてこない。これどういうわけですか。
  189. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 必ずしも織り込まれていないというわけではございませんで、二十条の基本計画の認可基準と申しますか、その中で減量化等の施策の推進に資するよう受け入れ基準を決めるとかというような形で間接的に表示をされておるところでございます。  御指摘の過去五十二年から何年も調査をしてきながら、どうしてそういうものが具体的にあらわれなかったかということでございますが、これは当然基本計画段階におきましてそういう要素をチェックしていくということに相なるわけでございますが、過去調査していろいろ実態調査を積み重ねてまいりまして、もうすでに先生指摘の「コミュニティー」といった本もかなり事例紹介等もございます。いろんな事例が蓄積されてまいりまして、そしてまた、五十二年ごろから、豊橋市におきまして、都市廃棄物と農村廃棄物を結合いたしまして、それを肥料化し、エネルギー化して農村に供給するという、いわゆる一つの省リサイクルシステムも完成を昨年いたしまして、現在評価中でございますが、そういう事例がようやく積み重なってきたかというようにわれわれ評価をいたしておりまして、そういう評価結果を一つのマニュアルなり指針なりに取りまとめまして、具体的に市町村あるいは都道府県がつくる処理計画におきまして織り込むように指導していきたい。その処理計画に基づいてセンターのつくる広域処分に依存する量等についてもチェックしたいというふうに考えておるところでございます。
  190. 田英夫

    ○田英夫君 いまおっしゃったようなことであるならば、本当に今度の、いわば大計画ですからね、これまた埋め立てるということ自体についても私どもは基本的に、たとえば危険物、毒物の流出というようなことが防げるならば、基本的に反対であるわけではないんですから、なおさらのこと、今回の法案にそういう要素をもっと盛り込んでほしかったと。だから、そこまでわかっておられるなら、つくり直す段階では数値の計算も全部変わってくるわけですから、これ、根本からつくり直すべきだということにどうしてもなるんですね。  一つ例を挙げてお聞きしたいのは、たとえばごみから発電をするということがすでに、あれは最初大阪の西淀でおやりになって、東京でもすでに始まっている。その発電量というのは最近かなりの量になってきて、東京の場合などは東電に売っているわけですね。初めは、ごみから電気をつくる、つくってみたってどうにもならぬだろうと、関係者でさえそう思われたものがいまや収入になる、採算が合うかどうか知りませんけれども。そういうところまで来ているんですから、単にリサイクルといってもいろんな問題が再利用という意味であるわけで、たとえば工業技術院の方では「資源再利用技術システムの研究開発」というのを、大変りっぱなパンフレットをつくって、これはお役所がおつくりになったパンフレットとしては実に秀逸だと思うような、デザインがですよ、「スターダスト’8〇」などというのができていて、庶民が見ても、ごみがこういうふうになるんだなあというのがよくわかるし、政府の中にそういうお役所、別々のお役所でありますけれども、そういうことについては相当考え方が実は進んでいると。にもかかわらずなんですね。厚生大臣どうですか、こういうことをもう少し、せっかくの今度の法案ですから、これを機会に政府の中に温存されているそういう考え方をここに結集をするということを考え直していただけないでしょうか。
  191. 園田直

    国務大臣(園田直君) 先ほど言われましたごみを焼却して電気をつくっております個所は四十八カ所、大体十五万キロワットまで近くなっております。それからまた通産省の工業技術院ではこの活用についていろいろ研究をしておられる、これはきわめて大事でありますから。こういう各所で研究しておられる、あるいは着目しておられる問題点を横につないで一本にして、そして一つの大きな方向をつくることは間違いなしに一番大事なことだと考えますので、そのように今後努力をいたします。
  192. 田英夫

    ○田英夫君 それから、ごみ処理の場合に言うまでもなくいろいろ問題がある一つは有毒物、人体に害を与えるものがまじったまま再利用に回されてしまう。今回の場合でも埋め立て用にPCBなどがまじり込んで、それが海水の中に排出するというようなことになれば大変なわけでありますが、そういうことに関連をして、たとえば滋賀県で洗剤についての条例をつくられた。これは画期的なことでありますが、同時に業界からは非常な反発が出た。しかし、人類にとって大切なことは、やはり環境庁にお任せするまでもなくやらにゃいかぬのだと。政府もこれはひとつそういう姿勢に転換をしていただきたいと思うんですけれども、与党の環境問題の責任者が、環境庁はやがて消滅した方がいいなどということを公然と発言する与党ですから、私は非常に心配をするんですね。  そこで伺いたいのは、たとえば塩素系のプラスチックだとか、カドミウムが入ったプラスチックだとか、そういうものがいわゆる過剰包装というかっこうでかなり使われているんじゃないかと。そういうものを禁止する法律をむしろあわせつくっていかないと、今度のようなことも実らないんじゃないか、危険が残るんじゃないかと思いますが、そういうお考えはありませんか。
  193. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 過剰包装につきましては、ごみ量がふえるという観点から、当然抑制していく必要があると考えておりまして、従来も所管省庁に対して働きかけたりしてきたところでありますが、参考までに、百貨店、チェーンストア協会等四十五の業種で包装基準を決めて、自主的な過剰包装規制が行われておる状況と承知をいたしておりまして、直ちに法的規制をする状況にあるのかどうか、ちょっと検討を要すると考えております。
  194. 田英夫

    ○田英夫君 このリサイクル問題というのは、実は私どもは今度の法案の問題点の根源の問題ですから、これを一つ繰り返して申し上げますけれども法案決定の中で生かしていただかないと、どうしても賛成するわけにいかないんですね。ここが一つの問題点なんです。時間がありませんから、これ以上この問題を申し上げることをやめておきますが、この点は一つ冒頭申し上げたように、ある意味ではみんな賛成できる問題なんですね。ごみをどうしたらいいかということ、これは反対する方は政党も含めてないと思うんですね。だからせっかくのことなんですから、それならば、問題点があるままでこの法案法律にしてしまって悔いを残すよりも、この際もう一年練り直して、僭越ながら私ども考え方も取り入れていただいて出し直していただいた方がいいんじゃないかと、会期も迫っていることですから。そういうところで無理をしない方がいいというのが私の率直な感想であります。  ちょっとその廃棄物の問題に関連をして、気になる情報がありましたので、科学技術庁の方がおいでかと思いますのでちょっと伺いたいと思いますが、これは全く情報なんですけれども、私はミクロネシアに行ったことがあったりするもんですから、現地の方から、現地の新聞に載ったといって知らしてくれた情報でありますが、ことしの四月上旬に、日本政府がマーシャル政府に対して、ビキニ島に日本の核廃棄物の貯蔵所をつくりたいということで打診をしてきているということが現地の新聞に載っていると、現地の政府当局者がこれを認めているという報道ですが、この点はどういうことになっていますか。
  195. 松原伸一

    説明員(松原伸一君) 放射性廃棄物処理処分対策につきましては、原子力委員会の策定いたしました基本方針にのっとりまして海洋処分と、それから陸上処分につきましていろいろ努力を講じておるところでございます。  それから陸上処分の場として島を利用することも当然考えられるわけでございますが、本件につきましては、わが国の政府からマーシャル群島に対しまして御指摘のような提案をしたことはございません。
  196. 田英夫

    ○田英夫君 これはビキニといえばアメリカが核実験をやった悪名高い島であって、多くの住民が被害を受けているというその島に、また日本の核廃棄物を持ち込んで捨てるというようなことになれば、これはもう大変な、現地の人はもちろん世界の世論の攻撃を受けることは言うまでもないんで、私もよもやそういうことはお考えになっていないなと思います。信じますが、しかし核廃棄物というものをどうするかということも、これ産業廃棄物の一種には違いありませんけれども、今後重要な問題にならざるを得ない。原子力発電についての考え方の一つの要素にもなるわけで、ドラムかんに入れて回りをコンクリートと一緒に囲って海中に投棄するというのが大体いまの考え方のようですけれども、それにしても、ミクロネシアの中に投棄しようという考え方があって、私も現地に行きましたけれども、現地の人は非常に日本に対して過去のことを忘れて親近感を持っているにもかかわらず、こういうことで信頼を失うようなことがあってはならないと思いますが、いまのところの計画ではこのビキニということがないとすれば、どういう廃棄の仕方を現実には考えておりますか。
  197. 松原伸一

    説明員(松原伸一君) 先ほど先生から御指摘のありましたように、低レベルの廃棄物につきましては海洋投棄というようなことで、先般来関係方面の理解を得るべきは御説明しているところでございます。そのほかにつきましては原子力委員会で策定いたしました基本方針にのっとりましていろいろなことを検討しているという段階でございます。
  198. 田英夫

    ○田英夫君 今回のこの法案のもう一つの問題点は、やはり先ほどから土砂の問題、埋め立てが目的ではないかというような問題でいろいろ御質問ありましたから重ねて申しませんけれども一つ、たとえば首都圏の場合に、この計画によると、首都圏といっても東京を中心にして神奈川、千葉、埼玉、群馬、栃木、茨城と、これを言うんだろうと思いますけれども、仮に一般廃棄物の量に眠って結構ですけれども、一般廃棄物の量でいくと、この都道府県に対してはおよそどういうふうな分量を考えておられるんですか。答えにくかったら、東京が何%、全体の何%が東京の分だというふうにお考えですか。
  199. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 私どもの推定で五八%が東京でございます。ちなみに神奈川が二四%、千葉が二二%、その他非常に。一%、〇・五%、〇・六%、〇・四%でございます。
  200. 田英夫

    ○田英夫君 そこなんですが、東京は日本の人口の一割がいるわけですから多いのはあたりまえなんですけれども、それにしても茨城、栃木、群馬というようなところは〇・何%という、私どもがいただいたあれでも一般廃棄物で栃木一・二%ですか、産業廃棄物はこれはほとんどゼロですね。パーセンテージにするとゼロになっちゃうというような計算になっているようですね。  そうすると、首都圏のこの計画、東京湾の方の計画に関する限り、ほとんどこれは東京のための計画と言えるんじゃないかという気がしますし、それも特に二十三区のための計画じゃないか。東京の場合は三多摩の方の市は、たとえば武蔵野などはかなりリサイクルも熱心にやっているところでありますけれども、二十三区が自己処理が非常におくれているということで、どうも鈴木都知事にうまいこと言われて東京都のためにつくるんじゃないかということを言う人さえいるんですけれども、そういうことはありませんか。この実態は数字からすると五十何%。東京は人口が多いんだからあたりまえだと言えばそれまでですけれども、この点はいかがですか。
  201. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 従来の首都圏廃棄物処理対策協議会等に三多摩の二、三の助役さんあたりにも参加していただきましていろいろ実情を聞いておりますが、むしろ東村山市その他三多摩の各市はすべて困っておりまして、非常に熱心であるというふうに承知をいたしておりまして、現に困っておるところでございます。
  202. 田英夫

    ○田英夫君 いや、東京のためだからいけないということは言いませんけれども、東京は人口が多いし大変なことはよくわかるんで、ただ実際問題として、栃木とか群馬とかいうあたりの一般廃棄物というものはここへ持ってくるということで、本当の意味のごみ処理という、法律を生かしたごみ処理ということになるんでしょうか。これは初めから当てにしない方がいいんじゃないですか。現地の市町村、特に産業廃棄物なんか金を取られてまでこんなところへ持ってくることはあり得ないからゼロになっているのかしれませんけれども、若干数字が載っているわけですね。そうすると、何か広域だと言って首都圏だと言って、実は東京と神奈川と千葉だと、そうはっきりしちゃった方が住民の皆さんに変な期待感を持たせない方がいいんじゃないかという気もするんですけれども、これは違いますか。
  203. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 実態的には恐らくそういうことかと存じますが、これを地方の都道府県の要望を受けまして検討を始めた段階で、各県からぜひともその協議会に参加したいということで、勉強を含めていろいろ参加の御要望があった経緯もございまして、一応調査の対象として含めてきた経緯がございます。最後まで、どこまで広域処理に参加するかどうかにつきましては、今後よく相談をしていきたいというふうに考えております。
  204. 田英夫

    ○田英夫君 それも一つの問題点なんですね。人口が少ないとは言いながら首都圏の中ですから、これからむしろドーナツ現象になっていけばふえるということもあり、ごみもふえてくるでしょう。それをこの問題で処理できるかどうか、後で申し上げようかと思っていたんですけれども、この計画のアイデアで、特に運輸省的アイデアでいくと、東京湾は埋まってしまうじゃないかということをおっしゃる方もある。したがって、さっき言いましたごみの減量ということ、私ども計算が少し極端にしても、最終的にはゼロになるじゃないかということになれば、あとは埋め立ての問題だったら、それは別の考え方としてやらなくちゃいけなくなるわけですから根底がなくなるわけですよ。そういうことからすると、こんなもの、大変な論争をして巨費を投じてつくるのは一体何だということにもなりかねない。  そこでお金のことをちょっと聞きますけれども、これも私ども試算をしてみましたら、どうも大分政府の方のお考えと違うように思うんですが、仮に東京湾の千二百ヘクタールとして、つまり埋め立て用の護岸をつくるそういう工事費ですね、それが中心になるのでしょうが、総工費は千二百ヘクタールとしてどのくらい見込んでおられますか。
  205. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 護岸を含めました施設建設費でございますが、東京湾としましては四千五百億円程度というふうに伺っております。
  206. 田英夫

    ○田英夫君 それが、これはたとえば水深がどのくらいかとか地域を特定してくださらないから計算の根拠が非常にむずかしいわけですけれども、私どものスタッフで仮に水深を十五メートルとして二重の矢板でつくると計算をして、いまおっしゃった四千五百億円という数字に対する数字が六千三百億円という試算が出てきました。これは恐らく計算の水深とか護岸のやり方とかいうところに問題があるのかもしれませんけれども、少し政府の計算は安過ぎはしないかというのが私どもの方のスタッフの意見でありますけれども、これはどうですか。
  207. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) この試算をいたしました時期から若干現在の時点までの工事費の上昇等はあろうかと思いますけれども、この私どもの試算は大体水深十四、五メートルぐらいですから幾らか浅いかもしれませんが大体同じでございまして、これぐらいのものですと、もちろんこの地盤条件等で非常に違うわけでございますが、標準的な条件を設定して試算をしたときにはメートル当たり約千五百万円ぐらいということで計算をいたしております。
  208. 田英夫

    ○田英夫君 それと、いわゆる積み出し基地ですね、トラックで持っていった、そこで船に積みかえる。そこは地理的にこれも地域が特定されておりませんから、地価など非常に違いが出てきてしまうと思いますから計算しにくいんでありますけれども、しかし、今回の計画の性質上、同じ東京湾と言っても千葉の館山の向こうの方につくったんではそれはとてもごみを持っていくことができないということは常識でしょうから、どうしても東京湾の中でも東京の近辺になるということからすれば、その積み出し基地をつくる場所の地価というものはかなり高いと考えなければいけない。その計算も含めますと、実は私どもの方の試算ではほぼ一兆円になるんです。  だから、先ほど私は巨費を投じてと申し上げたんですけれども、一兆円の巨費を投じてつくってみたら、ごみは余り、余りと言うか、出てこない。ここに本来この発想のもとになったはずのごみというものは、リサイクル、減量化を進めていくとほとんど出てこないと。それよりもごみを使った発電だとか、リサイクルだとかいうことによって資源回収ということが非常に重要になってくるという世の中が、あと十年、二十年先には私は必ず来ると考えるわけです。そうしますと、この一兆円というのはむだになるんですね。この計算はどうですか、一兆円というのは。
  209. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 内容を拝見しないで申し上げるのもどうかと思いますが、一兆円までは私どもはかからないんではないかというふうに考えます。積み出し基地につきましても三、四百億ぐらいの金額を見込んでおるわけでございますが、すべて先ほどの護岸費がそのうち三千億円ぐらい。そして、積み出し基地あるいは揚陸の着桟施設等を含めまして四千五百億というふうに考えておりまして、先ほども申し上げましたように、これを算定しましてから若干の工費の上昇等はあるかと思いますけれども、一兆円まではかからないのではないかというふうに思います。  それから、まあ確かに今後リサイクル等の方法も多様になりましょうし、そして、努力も積み重ねられてまいりますれば、私どもが想定いたしましたよりもごみの量がふえることはこれはもうないだろう。恐らくかなり減る可能性は見込んでいいのではないかと思いますし、それから、先ほど来非常に問題になっておりました土砂につきましても、建設省でおっしゃっておりましたような廃止のその処理協議会が発足をして、その間の調整が十分にとれますればこれも減る方向は間違いないと思っております。したがって、われわれが十年と考えております規模で、十年以上の期間ごみ処理に使えるということはわれわれも当然予想していいんじゃないかと思っておりますけれども先生指摘のように、全然要らなくなってしまうというようなことはまずないのではないかというふうに思っております。
  210. 田英夫

    ○田英夫君 もう一つ問題の、これも皆さん指摘しておられたことなんですけれども、ごみのチェックをするということですね。これはさっきも御答弁ありましたけれども、当然これは最初の段階で自治体でごみを収集される、あるいは家庭でごみを出す、そういう段階で一般廃棄物の場合チェックしなくちゃいかぬと、こういうことはわかりますけれども、この機構としてのチェックというのは一体どういうやり方をするのですか、このセンターという機構としては。
  211. 山村勝美

    政府委員山村勝美君) 有害物の混入等のチェックと理解をいたしまして、考えておりますことは、センターといたしましては事業省と直接契約をすることに、よってその責任を明快にする。で、業者は直接車で運ばないで業者委託をする場合にも、その許可業者を特定をしてきちっと登録をさせる。トラックにも特定の番号を付すというようなことで、責任あるいはそのある事業所から出る物の性状もはっきりいたしますので、その性状をはっきりさせるというところから始めたいと考えるわけでございます。したがいまして、許可業者が無秩序に持ってくるというようなことは排除したい。有害産業廃棄物を出すような事業所とは契約をしないとかいうようなことも一つの知恵であろうと思います。  それから、一つの物量をはっきりする必要がありますので、積み荷伝票システムといったようなことで、事業所が三枚つづりの伝票を発送いたしまして、業者も同じ伝票を持ち、センターも同じ伝票を持つということで量の管理を適確にする。で、途中で変なものを積むようなことを排除する一つの助けにはなるのではなかろうかというようなことも考えておるところでございます。  それから、途中で有害物を混載するんではなかろうかというような不安があるわけでありますが、契約段階で積み荷は二つの種類のものを載せない、区分けをきちっとするとか、中継基地ではきちっと区分けをして保管するとか、さらに搬入ゲートにおきましては、契約内容をテレビ、ディスプレーに掲出いたしまして伝票と照合し、かつ廃棄物の積載物の外観検査をする。必要に応じて抜き取り検査をする。抜き取り検査したものについては分析をするというような、二重、三重のチェックを重ねまして、有害廃棄物の混入を防ぎたいというようなことを考えておるところでございます。  なお、府県による行政監視も当然に必要でございまして、有害廃棄物を出すような事業所に重点を置きまして監視を徹底していく。できますればその府県とセンターとの連絡通報体制といったものも組織いたしまして、たとえばセンターに怪しげなものが入ってきたという場合には行政の方に直ちにファックス等で連絡をするとか、それで府県間につきましても、府県間の連絡通報体制を整備しておくとかいうような知恵をいろいろ出していく必要があろうかと思っております。
  212. 田英夫

    ○田英夫君 一番恐ろしいことは、たとえばPCBというようなものがまじって、そして埋め立てられる。私どものスタッフの考え方では、いまの政府のお考えになっている護岸のやり方ですね、これも専門家にいろいろ検討してもらいますと、やはり海にしみ出してくる、そのおそれがあるというふうに考えて、その前提で非常にチェックを問題にせざるを得ないわけですけれども、その場合に、環境庁が、実は今回の連合審査でもそういう御配慮がないようでありますけれども環境庁的な考え方、これは私ども考え方からすると非常に重要なことなんですけれども、そういう意味のチェック、いま非常に詳しくお話しくださいましたけれども、にもかかわらず一言で言えば業者に任せて、その責任で、後は監督するという、技術的にはそういう方法しかないかもしらぬということはよく理解できますけれども、しかし、危険度から考えると結局チェックすると言っても、たとえばテレビ、完全にテレビから抜き取られているかどうかというようなことは、チェックのしようがなかなかないだろうと思いますね。そういうことをどうやってやったらいいんだろうかと。  それで火京都の場合も大阪の場合も、環境衛生指導員という人がいますけれども、専従者はいないようですね。したがって、この皆さんに活躍をしていただくということも期待できないんじゃないか。いままさにおっしゃったように業者に頼むということしか方法はないかもしれない。ここにチェックの問題の懸念があります。この点は重ねてひとつ伺いたいと思いますが、大臣いかがですか。
  213. 園田直

    国務大臣(園田直君) 有毒、有害危険物その他の処理は、廃棄物の出る場所でチェックする以外にございません。そうすると、これは書類で検査するとか何とかじゃなくて、不法投棄などいっぱいあるときでありますから、環境衛生指導員をもってこれを強化する以外にございません。この指導員の数は非常に努力してふやしてきたところでありますが、とてもとてもその需要に及びませんから、そこで何か便法を講ずるか、特に広域処理場がそろうと、近畿圏、首都圏の方から先にこれを充足していくか、方法検討しなきゃならぬと考えております。
  214. 田英夫

    ○田英夫君 もう一つの問題点として、これも出ておりましたけれども、運輸大臣が率直にお認めになったようでありますけれども、もとはごみだと。しかし、港湾という形で運輸省がここに関係をしたという、結婚ができたということで、私みたいな素人から見ると、どうしてこれが運輸委員会に出てくるのかさっぱりわからなかったんですけれどもね。港湾というのは運輸省だと思っている人は恐らく庶民の間では非常に少ないですよ。建設省あたりじゃないだろうかと。だから、自治省と建設省とそれにごみの厚生省相談をすれば、こんな考え方が出てくるというふうに思うのが常識でしょうね。しかし、港湾運輸省だということで運輸省が関係をされていると。それは構いません。円滑にいけばいいんで、むしろ今回のこの法案のように二つの省が結婚をして一つ法案を出してくるということは、縦割りと言われている中でいいことですから、これは構いません。  そこで、どうやら運輸省の方のお考えは、港湾ということに名をかりてと言っては言い過ぎかもしらぬけれども最終的にそこに埋立地ができるということが一つの一石二鳥的な意味のねらいであるというふうに考えざるを得ない。それはそれで本当にいい意味埋め立てができるなら結構でしょう。その場合に、でき上がった埋立地というものの所有権は一体どういうことになるのか、そしてそこの、きょうもどなたか地価の問題を質問しておられたけれども、これは算定できないというようなお話ですけれども港湾管理者が最終的には所有者になるのか、ここのところ、まず所有権はどうなるんですか。
  215. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 埋め立て護岸の事業は、港湾管理者の事務を委託を受けてこのセンター実施をいたします。したがいまして、この埋め立ての免許の申請港湾管理者がいたすことになりまして、したがって竣工した場合の所有権は港湾管理者に帰することになります。
  216. 田英夫

    ○田英夫君 そうすると、たとえば先ほど局長の御答弁の中に、大体埋め立て段階からとこはどういうふうに使う、公園に使うとか、ここは宅地に使うとか、こういうことを予定しながらつくっていくというお話がありました。それはそのとおりでいいですね。そうすると、たとえばごみを全然入れないという部分もあり得るわけですか。ごみを下に入れておくと地盤沈下が起きるでしょう。だから、宅地用に使うとすればそこにはごみを入れない方が本当はいいわけでしょう。その点はどうお考えですか。
  217. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 御指摘のように、その利用目的に応じて埋め立ての仕方を工夫する必要があろうかと思います。つまり中仕切りの堤防を別につくりまして、そして将来岸壁の背後の用地でございますとか、こういうところには廃上等の将来沈下の余りない物が入るような埋め立て方をし、将来緑地等に予定されております部分に沈下が起こっても差し支えのない物を埋めるというような埋め立ての順序、実施の仕方に、利用目的に応じた工夫が必要になろうかと思います。
  218. 田英夫

    ○田英夫君 そういうことでいろいろ考えられるでしょう、公園にもなるだろうし、宅地にもなるだろうし。ということを考えますと、同じてき上がった埋立地の中で、利用の目的にもより、また下の状況を初めからわかっているわけですから、地価にも違いが出てくるということが起こるわけですね。それはそのとおりですか。
  219. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) おっしゃるとおりであります。
  220. 田英夫

    ○田英夫君 そうなりますといろいろ地価に違いが出てくる。それをどういうふうに評価するということが起こってくる。それはだれがやるんですか。
  221. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) これは港湾管理者が所有権を取得いたしまして最終的にはこれを処分をすることになると思いますから、処分をする時点で港湾管理者が評価をするわけでございますが、原則的にはコスト主義と申しますか、かかったインフラ等の施設をしないと土地としての価値が出てまいりませんから、そういった費用からコスト計算をいたし、さらにそれを近傍類地価格、あるいはその場所、地盤の条件その他を勘案して決めると、こういうことになろうかと思います。
  222. 田英夫

    ○田英夫君 その場合、運輸大臣、厚生大臣はどういうお立場になるんですか。大臣に象徴されるお役所ですな。
  223. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 所有権を得ましたものを処分をするときの価格決定には、直接には運輸大臣、厚生大臣は関与いたしません。
  224. 田英夫

    ○田英夫君 それで、処分をいたしますね。そうすると、たとえばそこを住宅公団が取得してそこへ住宅をつくるというようなことになった場合に、収入がありますわね。その収入はどういうことになるんですか。どこへ行くんですか。
  225. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) 先ほど申し上げましたように、これを売るためにはいわゆる土地造成、上の造成と、それからそれを有効に使うためのいろんなインフラストラクチュアの建設が当然必要になりますが、そういった費用を差し引きまして売りました価格との間に差額が出る、つまり剰余が出た場合は、この事業に関与した関係者でこれを分配をする。で、国の場合、国からも補助金が出ておりますから、それに収益納付を行うということにいたしております。
  226. 田英夫

    ○田英夫君 まあわかりやすく言えば、国を含め関係地方自治体の間で配分すると、こういうふうに考えていいですね。
  227. 吉村眞事

    政府委員吉村眞事君) さようでございます。したがいまして、後からですけれども、たとえばごみの処理費用として払っておりますものが、そこで収益がありましたら結果的にはごみが安く捨てられたという形になる場合もあるかと思います。
  228. 田英夫

    ○田英夫君 もう六時も過ぎましたし、問題が多過ぎまして、与えられた時間を全部使ってもとても問題点を解明することができないと思います。したがってこれでやめますけれども、繰り返して申し上げますが、両大臣、ぜひお考えいただきたいのは、先ほどから私がるる申し上げているとおり、この法案には問題が多過ぎる。しかも、これからわれわれが生きていくということを考えたときに、非常に重要な課題であるごみ処理の問題、これに直接触れている。したがって非常に重要ないい問題なんですよ、これは。いい問題を取り上げてくださっているわけですよ。にもかかわらず、その取り上げ方が検討不十分のために、計算の基礎になるごみの量とかこういう数字に私どもは非常に不満を持つ、不信感を持たざるを得ないということになれば、悔いを後に残すことになりますから、この際、この法案は一時引っ込めて、検討し直して、改めて国会にお出しいただければ、われわれの満足するような基礎の上に立ってこれをお出しいただければ、次のときには国会では全会一致でこれがめでたく可決できる、こういうふうに私は考えるわけです。ひとつ再考をお願いして、質問を終わりたいと思います。
  229. 桑名義治

    ○理事(桑名義治君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。     —————————————
  230. 桑名義治

    ○理事(桑名義治君) 次に、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。  広域臨海環境整備センター法案について、地方行政委員会、社会労働委員会並びに公害及び交通安全対策特別委員会からの連合審査会開会の申し入れを受諾することに。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  231. 桑名義治

    ○理事(桑名義治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  232. 桑名義治

    ○理事(桑名義治君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時九分散会      —————・—————