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吉田正雄君 ただいまの
熊谷委員の質問に対する政府の答弁を聞いておりまして、私は実は背筋が寒くなる思いがいたしたわけであります。それはどういうことかといいますと、そのことがまた原電
当局や現場の管理者の感覚というものを麻痺させたり、
放射能汚染の恐ろしさに対する認識不足を生じさせておる大きな原因ではないかというふうに思っておるのですけれ
ども、まず最大の政府答弁の誤りは、自然
放射能と、それから
原子力発電所から出る
放射性物質による、
放射能ですね、
放射能による放射線というものを同一視しているということなんです。皆さんがよく何
ミリレム以下だから大丈夫だというふうなことをおっしゃいますけれ
ども、皆さんがキャッチできる、つまり現場でもってキャッチをしている放射線の強さというのは、フィルムバッジであるとかあるいはポケット線量計なんです。これはガンマ線しか測定していないわけです。しかも、
内部被曝については全然測定できないわけです。
一番危険であり毒性が強いと言われておりますプルトニウム239、これは特に肺がんとか気管支に重大な損傷を与えるということではもうどなたも否定できないきわめて有毒物質です。地球上の物質の中でも最大の毒物の
一つであろうと言われておるわけでして、わずか一グラムで一千万人ぐらいの人間を肺がんにするであろうと、それほどすごいものなんです。ところが、皆さんがおっしゃっている、
マンガンだとかあるいは
コバルト何
ピコキュリーだから心配がないというふうな言い方をしていますけれ
ども、それは全くそういうフィルムバッジだとかポケット線量計、そういうものでとらえられるガンマ線しか測定していない
数字ですよ。特に、一番危険な
内部被曝についてはほとんど測定されていない、測定されていないと言うよりもできない、これが現状なんです。
それを、いまの話を聞いておりますと、非
食性植物やそういうものであっても食べても支障がないなんという非常に非科学的というか、きわめてそういう
説明というのは
国民をばかにするというか、とんでもない私は誤解を与えることになると思うのです。そういう点では国際放射線防護
委員会、ICRPとかBEIRとかあるいはアメリカの環境保護庁、EPA等のいろいろなものをもうちょっと読んでいただきたいと思うのです。そんな自然
放射能と比較をしたり、それからエックス線の歯の治療とか胸の照射一回受けるときに何百
ミリレム受けるとか、比較にならないものを比較しているんですよ。比較の対象、やり方が全然違っている。
きょうは時間がありませんから、この点は改めてまた集中審議をやる場が出てくると思いますから、ここでいま部長に聞いたって答えられないですね、
専門家でも何でもないんだから。
専門家でない人がそういう
説明するから私は危険だと言う。そういう
説明がまた原電幹部であるとか管理職、特に私は一番言いたいのは、安全だと言っている人ほど事務系統の人である、現場に入らない人ですよ。皆さんは各電力会社の現場
職員がどういうふうに思っているかわかりますか。ほとんどが早く帰りたい。子供はつくらない、若い人は。うっかり子供をつくったらとんでもないことになるという人が非常に多いわけです。これはもう私がたびたび
委員会でも言ってきたとおりなんです。知れば知るほど
原発というものは危険なものであるということがわかってくるんですね。安全だとおっしゃる方はメーカーですよ。それは
放射能が出ないからです。新しい機械、金属、原料でただ原子炉をつくるだけの話だ。ちっとも
放射能なんてこわくない、出ないんですからね。
それから本社の机に座って御用学者が書いた、安全だと。御用学者自身が
放射能のこわさを知らぬですよ。全く机の上の単なるペーパー計算でしかないわけです。しかも、一番こわいアルファ線とか
内部被曝については全く
影響を
考えていな、い。こんなものをもとにして安全だと言うから、一線の管理者、あるいは本社の机でのうのうと座っている人たちが、食べたって安全だなんてとんでもないことを言うことになるんですね。これは私はいずれまた時間をとってお聞きしたいと思うのですが、そういう点で私は政府のそういう
説明はよくない、きわめて危険だと言うんです。そのことをまず当初に言っておきたいと思うのです。
ついでにもうちょっと聞きましょうか。セシウム137が出ていますね。答えられたら答えてください。セシウム137というのは自然界にあるのかどうなのかということと、それから皆さんの言う
許容量というのはどんなものなんです。