○
田中(昭)
分科員 いま私が言わんとするところは、あなたが国会以外で親しい方と話すときには、なるほどとその人の言い分を聞いて、それが本当です、そうやります、こう言っておりながら、ここで、本当に適正にということについて、逆なことばかり
政府はいままでやっているんじゃないですか、それが多いじゃないですか、こういうことを言うわけですけれども、あなたがそのときのことをここで自分がはっきり記憶がないとおっしゃれば、詰めてみても仕方がありませんから。しかし、いまの御発言については、私は大変残念に思います。
そこで、私なりに改正要綱を見まして、これは私の乏しい知識、そういうもので、今度の
税制改正の中で具体的にどういうふうに五十六年度に過小見積もりになっておるかということを申し上げますから、聞いておってください。もう弁解は要りません、弁解するばかりではどうしようもないですから。
まず、この三十兆九千十億円の税収見込みの中で主なものは、税収の大きいものは
法人税、
所得税ですね、これはわかりますね。そこで、結論から言いますと、まず
法人税で一兆二百六十億円程度ふやして
予算額を十一兆三千七百八十億円にすべきだろうと私は思います。
その内容を少し申し上げておきましょう。まず、五十五年度に対する
法人税の最初の見積もりの基礎に
伸び率一一〇%を見込んでおりますが、このくらい見込めば、五十六年度の申告納税、
昭和五十六年度の申告税額というのが九兆七千億ぐらいありますね、これが少なくとも十兆二千九百億円程度になります。これはどんなにしてもこの程度にならなければいけない。
ここでひとつ、
大臣、ちょっと数字的に申し上げておきますと、五十六年度は五十五年度よりも、当初
予算の税収に相当する分は一兆五千五百億円ふやしておったんです。五十五年は八兆一千七百八十億です、それを九兆七千二百八十億ですから。ところが前年は、五十五年対五十四年は、ここの数字だけでも一兆七千三百億円ふえている。実際、五十五年の決算面では、
法人税が二兆一千億を超えでふえている。ということは、一〇%の伸びを見れば、少なく見積もっても二兆一千億くらいは伸びなければいけない、そういう意味です。これは要りません、一応見ておってもらえば。
ここで約五千億の増になりますと、次には、一番下の方にある更正決定分、
大臣、見てください、わかりますか。この更正決定分の
収入見込み額は、ここに千二百四十億と上がっていますけれども、これは五十五年よりも少なくなってはいけないと私は思うのです。なぜかならば、実調率も上げていくんでしょう。五十五年も調査をやらないなら別です。先ほどから公平、適正を図ると言うなら、実調率は上がるはずです。そうすると、五十五年分でも千三百四十億ですから、これは私はこれ以上、千五百億円、これも少な目に見積もって、ここで二百六十億円の増が出てきます。
次に、
税制改正による分です。前の方にありますが、
税率を二%上げたために六千何百億の増を見ておりますが、これは少なくとも一兆二千億となるはずです。ここで約五千億の増となります。
このほか
租税特別措置関係の限度額の引き上げや合理化等による増収分もございます。これでまた
一つおかしなことは、十三ページにあります
法人税率の二%引き上げによる初年度の増収額、その下に軽減
税率云々、こうありますが、これが五十五年度は
租税特別措置等の限度額の引き下げによって、五十五年度でも約三千二百五十億あるのです。ことしも
特別措置を切り下げたり合理化をしたわけでしょう。そういうことを考えればここの数字はこういうことにならない、こういうふうなことを私は言うわけであります。
いま指摘しました
特別措置の問題を除いて、五十六年度で、この
税率分過小見積もりが百三十億、その分を除いても、結果的には、申告税額で見ますと約五千億、更正決定分で二百六十億、
税率アップで約五千億、この三つでおおむね一兆二百六十億円ふやさなければいけないということですね。
次に源泉
所得税です。その一番最初にありますから見てください。これでは、給与総額が九%程度ふえるとすれば、これまた十四兆九千億以上ふえなければいけません。給与総額は百二十兆三千二百億円。
政府の方は百十八兆三千億程度見ていますね。なぜおかしいか。これだけ指摘しておきましょう。
その前の年、五十五年は同じ九%で給与支払い総額が十三兆七千億、約十四兆円近い増になっているのです。そうしますと、ことしも九%増ならば、もとの数字が大きいんだから十三兆七千億よりも多い、十五兆円程度ふえなければならない。ですから、ここで大体、課税
所得が二兆円くらいふえることになります。そうすれば
収入見込み額は七兆四千七百億円。次のページの五ページの上の方の五番目ぐらいにある。
収入見込み額が七兆四千七百億円。
現行法による五十六年度
収入見込み額は、その次のページになりますね、十兆二千百七十億円。すなわち、
予算額で約三千億円ふえて十兆二千億程度になるわけです。
次に申告
所得税、これではもう内容は省きます。総
所得金額が一兆二千億から二兆円ぐらいふえるはずです。税額で平均三千五百億円程度ふえる。
どうしてもちょっと指摘しておかなきゃならないのは、いつもトーゴーサンなんか言うと違うと言うが一番おかしいのは申告
所得税の
農業関係の納税人員、これは大変おかしいですよ。五十一年よりも五十六年がずっと減っておるのです。それから、その他の
所得なんかも、細かい計数は申し上げませんが、これは全然低過ぎます。こういうことから考えれば、申告
所得税はそういう程度にならざるを得ない。
大臣は
農業所得については詳しいようでございますが、五十一年は、三十一万の納税者で四千二百七十億円ですかね。ところが、五十二年が二十九万、五十三年が二十五万、五十四年が二十九万そして五十五年二十七万、五十六年は、今度の
予算では二十一万人ですよ。こんなでたらめがあるものですか。
以上申し上げましたが、時間が来ましたから
最後の問題に移りたいと思いますが、一言、
大臣から感想を聞かせてください。