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大出委員 中身の訂正云々だに一切触れないという約束でそういうことにしたと言っておりましたがね、人を介して聞きましたら。全くもって妙な話でございます。
政治がかった話ですが……。
さて、本題に入ります、
皆さんのところに差し上げてあります資料の中で、こういう形になって、時間がないから、申し上げて後で質問いたしますが、この四つばかりの資料を実は差し上げてあるわけであります。
まず一番最初に、
総理が名誉棄損だと言って訴えたサン・マリーン・プロダクトの幽霊会社というもの、これは一枚の紙を差し上げでありますが、つまり、この会社の登記簿の謄本です、サン・マリーン・プロダクトの。それを見ていただきますとわかりますように、この会社は百万円の資本金で始まった、百万円。四十九年の十二月二十二日、百万円。これが十二月二十二日に増資をいたしました。四百万円にした。一日違いです。さらに、今度は四十九年十二月二十四日、その翌日また増資手続をとりました。四百万が千六百万になった。五十年の一月六日に、四十九年十二月二十四日の変更届が効を発して、五十年一月六日に登記された。ところがその間に、四十九年十二月二十六日に変更届がまた出ておりまして、五十年一月六日に六千四百万円に増資している。ところが十二月二十八日にまた変更届が出ておりまして、これは五十年一月六日に八千万円、一日置きか二日置きにぞこぞこぞこぞこ上げていって八千万円まで増資した。株式も何でこれだけふやしたのか。これは一月六日にこうなったのですが、すぐその後に
鈴木さん自身が団長でメキシコに
おいでになることになる。
こっちの別なぺらぺらの方を見ていただきたいのですが、1というのに「海外漁業協力財団役員の氏名」というのがあって、その2に「
日本・メキシコ漁業協力視察について」というのがございます。私が当初聞いたところでは、
日本・メキシコ漁業協力使節団というのだそうでございますが、ここにございますように、団長は
鈴木善幸
総理であります。当時の
鈴木さん。副団長は、これもおかしな話なんだが、金を貸す本家の海外漁業協力財団の
理事長の荒勝さん。三番目が今村、当時の水産庁
研究課、水産庁からも正式に人が行っている。ところが、この中に永谷園本舗の専務さんもおる。永谷博。聞くところによると、
鈴木さんのスポンサーだとおっしゃるのですがね。材津さんという方と木村さんという秘書の方がおります。これだけが——公式だというのなら何で永谷園の方が入っていたりするのか。非公式だというのなら何で水産庁
研究課の人間が行ったのか。それで癒着だと言われたくないのならば、何で海外漁業協力財団の
理事長、元
水産庁長官の荒勝さんが行ったのか。どっちから見てもこれは筋が通らぬ。だが、その前にあわててこれだけ増資をしておいて、年が明けて一月六日にこれが完了したら、ここに書いてあります一月十二日、その後六日たった十二日には現地メキシコ。しかも、サン・マリーン・プロダクトの社長の北尾さんが十二日から一月二十日まで八日間ばかり滞在された
鈴木さんの一行に終始つききっておった。現地の
日本人会の
方々が証言をしています。ずっと一緒。まことに奇妙なことでありまして、私は幽霊会社だと思っている。全くでっち上げた会社だ。これは見ていただけば一目瞭然でしょう。しかも、この漁業協力財団の方だって、財団の役員が全部載っておりますが、初代、二代は
水産庁長官が
理事長、大場さんという方は海洋漁業
部長、みんな水産庁のおえら方。そして常務
理事の江原さん云々というのは、私の聞くところによると、これは裏をとっておりませんけれども、
鈴木総理御自身の出身校の後輩だという。ということになると、これは全く
鈴木さんの御一家みたいな感じであります。
さて、この横書きで書いてある方をお読みいただきたいのでありますが、簡単に説明させていただきますと、「大洋アメリカ」の表題で、「八島
部長殿」、八島という印がございます。「冷凍三課殿」「一九七五年三月二十日大洋アメリカLA支店」これはロサンゼルスの支店です。「K・ノグチ」、この方が社内文書として本社に送っている文書です。たくさんございます。ほとんど全部裏はとれております。担当者も社内文書であることを認めています。「プロマルサ資本参加の件」「概略本日(三月二十日)テレックスにて御連絡の通り、さる三月十四日北尾、一円」、サン・マリーン・プロダクトの役員、北尾さんが社長、「安藤(大洋漁業本社冷凍三
課長)畑本(大洋アメリカ)野口(大洋アメリカ)会談にて基本条件につき略々下記の通り取決め、これに基き、基本合意書をNYのTA(大洋アメリカ)弁護士に作成させております。出来しだい
関係者サインの上、本社アプルーバル(承認)のためご送付申し上げますのでよろしくお願い致します。」
「記」、これは大洋が四五%の資本参加をしたわけであります。その中身が書いております。資本参加をしたのだから、財務経理担当のトレジュラー、出納担当者、これを出そうということがこの次に書いてある。
そして一枚あけていただいて、「敷衍説明記」というのがあります。ここには大変なことが書いてある。「プロマルサへの資本参加の動機は」、プロマルサというのは北尾さんという人がやっている、メキシコの現地法人を持っている宝塚に、あるペーパーカンパニーと言っていい。私はこれは幽霊と言っていいと思っているんですけれども、そういう会社。次々にとんでもない増資をしているのですから、大洋から金が入っていって増資をしたのですから。「プロマルサへの資本参加の動機は大洋のメキシコ進出、拠点作りのベースとして既に何がしかの事業実績のあるこのグループ(最近に至り
日本政界の要人、及びメキシコ
政府要人の抱き込みに成功し、メキシコ水産開発を利権化のメリットを確保しながら可能にしうる基盤を広げつつあり、ベースとしての利用価値が一層高まって来た)。」ここで言う
日本政界の要人が、調べてみるというと
鈴木さん、当時の
鈴木さんだ。「の最大活用にあったわけで、たまたまこの個人金主に依存する中小企業が現地に貴重な人材と開発素材と、メキシコの仮面をかぶった覆面企業と云う絶好の条件に恵まれながら資金的な限界に達し、外部からの資金援助によって企業の存続発展と、組織化を計ろうとする意向と、われわれのメキシコ拠点作りの志向の条件とが合致したためにスタートしたものです。従って彼らにはこれ以上の資金負担能力はないので、資金の完全コントロールによって事業の完全コントロールをはかる方が絶対的に有利です。第二に、北尾氏の導入する財団資金は」、ここが問題なんですね。「第二に北尾氏の導入する財団資金は御承知のように今后何年かにわたり継続して出されるもので、」これはいろいろハプニングが起こりまして、中断をしたから表に出てばれてしまったわけでありますが、続いていればいまでも続いているわけであります。「何年かにわたり継続して出されるもので、従って今后初年度程度の財団資金が三年引出されるとすれば、プロマルサの資金は極めて潤沢になり、大洋としてファイナンスすべき金は」、つまり大洋が融資すべき金は「ごくわずかですむか、あるいは全く必要なくなる筈です。もっともこの点については通弊として」、
意味深長なことを言っているのですね。「もっともこの点については通弊として」、商社マンの諸君の有する性格なんでしょうね。「
政治家のからむこの種のファイナンス」、融資ですね。「
政治家のからむこの種のファイナンスはその
政治家の消長に著しく左右され非常に不安定ですが、」これは
総理におなりになったのですから、これ以上安定したことはないのでありますけれども、「少なくとも本年度四億二千万円の融資は確定しており、これによって過去のTA(大洋アメリカ)よりのローン(貸付金)及び未収金など一切が回収されますので、大洋側もゼロからの出発となり、」これは国民の金です。大洋が出している金はちゃんと全部回収されると言っている、四億二千万の中で。これは九十万ドル回収しているわけですが、「プロマルサも身軽な健全体質となり(タダ同然の低利長期借入金のみとなり、これだけでも企業の収益力に絶対的にプラス)。大洋及びプロマルサ双方にとってのメリットはばく大です。北尾氏はこの財団資金導入の成功をバックに相当に強気の構えで資本参加後のプロマルサのファイナンス」、融資ですね。融資「の責任を全面的にTA」、大洋漁業ですね。大洋漁業「でみてもらう意向(財団資金は別)で、もし大洋にその意向がなければ、今年度の財団資金四億二千万円で大洋との資金
関係を清算し、資本参加は白紙にし(すなわち他社と組む、A氏」、つまり
鈴木さんのことです。「A氏(大物水産議員=自民党)は全漁連を示唆したとのこと)よくてコマーシャルベースの商品売買のみの
関係維持迄大洋との
関係を後退させることも辞さないと思います。」
三番目、「財務担当役員早急に派遣を」というのがございます。これもまた重要なのです。「役員派遣の問題はプロマルサ側異存なくオーケーしており、前述のファイナンスの責任をとる以上絶対必要です。これは」、ここからが問題で、「財団資金の導入に絡んで、財団融資の継続を容易にする為の財務諸表捏造粉飾の必要から」、こんなこと放任できませんよ。「財務諸表捏造粉飾の必要から」今度の四億二千万だって全部物を買ったことになっている。なっているんだが、同じ日に九十万ドル大洋アメリカに返している、二億四千万ばかり。その全部の証拠書類があるということと二億四千万金が返済されるということと両立はしない。受け取りが架空でなければ両立はしない。そうでしょう。「これは財団資金の導入に絡んで、財団融資の継続を容易にする為の財務諸表捏造粉飾の必要から来るもののほか、われわれとして資金使途、(財団資金を含めた)
予算策定、資金計画、資金調達、経理の近代化等を通してプロマルサの財務、経理機能を整備し、内容を常に掌握管理する為に絶対必要です。」そしてその次は、北尾という人を評価をしている。評価の仕方、「北尾氏はいい
意味につけ悪い
意味につけ非常にワクにはめるのがむづかしい人、但し物事に対する好奇心、事業欲はおう盛でその為に精力的に動き廻るのは驚くほどです。従って彼にやらせる仕事は現在のA(大物水産議員=自民党)ルートをとことんまで活用し、せっせとプロマルサに財団資金を注ぎ込ませることが第一。」「何もこれはメキシコ事業に限定する必要はなく、エクアドルでもペルーでもよいから、できるだけ」、これは大洋が手を出しているところだ。「できるだけ
政府の税金を引き出させることです。次に新規のプロジェクトのプロモーターとして定額の金を提供し、これを完成させる。金が足りなければ自分でまかなわせ仕上がったものに対して相応の利益配分を行う形。(彼には成功報酬と云う
考え方は通用しません)」大企業の営業方針がよくわかります。
つまり、こういう社内文書がまだたくさんあります。こっちにも社内文書がございますが、そこで、私はこういうやり方というのは何としてもがまんがならぬ。
しかも、時間がありませんから、もう
一つだけ申し上げておきますが、中部さんという大洋漁業の社長さんが、「二百海里時代はぐっとこらえて」という五十三年の展望と戦略を本社の社内の書籍にお書きになった。この中に、海外漁業協力財団の資金を使いやすいように銀行保証の問題などの検討をする必要がある。もっと金をいっぱい出させろというわけですよ。
そこで、ひとつ承っておきたいのですが、さて、大洋漁業に途中から九十万ドルぽんと金が抜けていったのですけれども、それで六億二千万。つまり
皆さんに差し上げてある書類の中で「海外漁業協力財団のサン・マリーン・プロダクトに対する融資について」「一融資対象施設」漁船から運搬船から船着き場からトラックから無線電話から作業場、冷蔵庫を全部買って四億二千万、ちゃんと計画立っているのだ。このとおりやったというのだから受取は全部ある、こう言う。水産庁、あると約束した。融資条件、これはふざけてるでしょう、利率が年三分五厘。銀行の預金、郵便局の金だって、郵便局の
皆さんが集めて、貯金の金集めて大蔵省資金運用部に持っていけば、預託利子だけで八分ですよ。郵政省に払う資金運用部の預託利子、
皆さんが郵便局に貯金したときの預託利子、これで八分ですよ。八分以下じゃ
政府資金の運用はできないでしょう。それを何と三分五厘。どこでだれが決めたんだ、一体。三分五厘。お手盛りじゃないか。そして利子支払いは年二回、償還期限五年据え置き以後十五年。五年間据え置きだ、三分五厘で。浮き貸ししたってもうかる。冗談じゃないですよ。大洋漁業にこんな金、浮き貸しさして、五年も六年も前に。一括して返したって、五年か六年か知らぬけれども貸しっ放しじゃないか。九十万ドル行ったっきり。私はこういうことを放任できない。こういうことは私は承認ができない、何と言われても。
そこで、ひとつ承りたいのですが、この受取を出してください。どうですか、亀岡さん、受取を出してください。シグ片山の会社の、何ですか、センコースズキという、ここに顧問だか何だか、顧問センコースズキ、二つ書いてあって、片っ方だけ提訴して、こっちは提訴なさってないのだけれども、この片山というのはにせ領収書づくりの名人だ。だからどうってわけじゃない。だからどうってわけじゃないが、この際、
総理にそう疑いを差しはさむわけにいかないので、受取を出していただいて、なるほど受取に正当性があれば、今度は大洋に行った九十万ドルは何で行ったのだということになる。みんな買ってしまっているのに九十万ドル浮くわけないのだから。そこのところ、はっきりしてください。亀岡さん、いかがですか。